中川元財務相の酩酊、辞任問題について、日本の大手メディアの報道内容と態度があまりにあまりなので、ちょっとまとめておきます。正直言って、中川さんは病気なんだからしかたない︵早く治療しなよ︶ということですが、マスコミのやり方はさすがに今回はちょっとひどいでしょ、と思うので。
問題1 当事者意識の欠如 一番最初にこの問題を日本のメディアが報道した時、新聞もテレビも﹁会見に臨んだ中川大臣がろれつが回らない様子であったことを、海外通信社がアップ画像で捉えて世界に配信し、世界各地で波紋が拡がっています。﹂というニュアンスで報道しました。
これ、なんなの?
﹁中川大臣が会見で全くろれつが回っておらず、大変な失態を演じました。﹂でもなく、 ﹁その前日は夜遅くまで某マスコミの記者と、また、会見直前には某新聞社の美人記者と飲んでいて、その結果、記者会見の時間には完全な酩酊状態になっていて、会見がまともに行えませんでした。﹂でもなくて、
﹁海外メディアが﹂ ﹁日本の大臣のろれつが回ってない眠そうな顔を﹂ ﹁世界に配信しました。﹂ って、報道してんだよ。
なんじゃそれ。 あんたの役目は﹁海外メディアが何を報じてるか﹂を報じることなのか?
﹁海外メディアが何をしたか﹂じゃなくて、﹁自分の国の大臣が何をしたか﹂を報道すべきではないのか?
﹁世界で波紋が拡がっています﹂って、もしかして﹁日本人記者の間では“またか”ってことで波紋なんて全然なかったのに、世界では波紋が拡がったから驚いた﹂のか?
この当事者意識のまるで無さが、まさにニッポンのメディアクオリティ。
問題2 権力との馴合い 彼等は今回の件を、海外メディアが報じなければ、おそらく︵いつもの国内のべろべろ会見と同様に︶適当にカットして放映して、闇に葬り去ったのであろう。 少しずつ報じられ始めているけど、記者の人達も同行していた官僚や日銀の人達も、中川さんが前夜から、そして直前も﹁ごっくんごっくん﹂飲んでいたことを知っていますよね。 だからあんな会見をしても﹁中川大臣、もしかすると脳梗塞の可能性があります。すぐ病院に行きましょう。MRIを撮らないと﹂と言い出す人は誰もいなかったわけです。だって現地にいる人達は皆、脳疾患なんかではないことを知っていた。﹁やばくないか?小渕さんの時と症状が似てるぞ﹂と言い出す人はいなかった。
﹁あんだけ飲んだらべろんべろんにもなるよな﹂ ﹁脳梗塞? 違う違う。飲み過ぎだよ。むっちゃ酒臭いで﹂と、皆わかっていたからだ。
だって、もし“しらふ”の大臣が“風邪薬だけで”あんな状態だったら、周りの人はすぐに救急車を呼びますよ。イタリア政府も最大限の協力をしたと思うよ。大臣が死んだらまずいじゃん。でも、みーんなわかっていたので、誰も騒がず、﹁まあとにかく日本に帰ろう。機内でよく寝てね﹂ってことになった。
でさ、全員あれが﹁酒だ﹂と知っていたのに、なぜ今日あたりまで︵大臣が辞任するまで︶﹁あれは酒だ﹂という報道をしない?
ひとつの理由は﹁オフレコ協定﹂のためですよね。 日本のメディアは、記者クラブで公式にリーク情報を貰うかわりに﹁オフレコ設定﹂された︵多くは飲み会などの︶機会に政治家が言ったこと、やったことは書かない、という協定をずっときちんと守っている。 お互いに都合のいいことを、都合のいいタイミングで新聞やテレビで国民に知らせる。それが彼等の合意した﹁お互いに一番いい方法﹂だからだ。 だから、今回、前日も会見直前も中川さんと一緒に飲んでいた記者︵別の記者です︶がいるにも関わらず、彼が辞任するまではずっと中川さん側の情報をそのまま垂れ流して報道する。曰く﹁酒は飲んでいない。﹂﹁ワインはなめた程度﹂ おいおい。
見てた記者がいるじゃん?
なんで書かないの?なんで﹁えっ、でも、会見直前までうちの紙の記者とレストランで飲んでましたよね?﹂って聞かないの? 聞きません。﹁だってそれはオフレコだから﹂ それはマスコミと政治家の間では﹁なかったこと﹂扱いなんですよ。だから聞けないんです。書けないんです。ばらしちゃいけないんです。
問題3 マスコミ村意識 今回、﹁えっ、でも、中川さんは会見直前にも飲んでますよね?﹂って記者が問いたださなかった理由はもうひとつある。それは、前夜に中川さんと一緒に飲んでいた記者とその会社、および、会見直前に中川さんと飲んでいた別の記者とその新聞社、を守るためです。 特に直前のほうのはタチが悪い。なんと会議のオフィシャルランチを抜け出してホテルのレストランに行き、記者を含めてまた酒を飲んでるわけですから。それに、そこに同席した美人経済部記者はちょっと有名な人。中川さんに限らず、酒と女性が好きな大臣とのオフレコ飲み会には必ず先輩記者が同行させるこの記者は、中川さんがこの直前のレストランでどれくらい飲んでいたか、きちんと理解してる。
でもそんなことが世間にばれたら?
民主党はその美人記者を国会で証言させろとか言い出しかねない? すると新聞社はその記者を地方に飛ばさないといけなくなる? そもそも、直前に飲んでいたと知っていたのにそれを報道せず、﹁海外で波紋を呼んでいます﹂と他人事みたいな報道をしていたことをどう説明するんだろ。﹁世界で一番部数が多い﹂ことを威張ってる新聞社さんは。。
いずれにせよ、この記者達の所属する社は、ホントのことを一切報道できなかった。そして他社も﹁同じマスコミの仲間を売るようなことはできない﹂と遠慮していた。それが、真相の報道がかなり遅くなっている理由でしょ。
もっとはっきり書けって? 大丈夫。しがらみの少ない週刊誌が、1,2週間後に書いてくれますよ。有名な記者だから写真もでるんじゃないかな。飲んでた量だって暴露されると思うよ。そして数ヶ月後の人事異動で彼女は地方に飛ばされる。そしてその半年後に退職してフリーの記者になって戻ってくる。って感じだろうか。
問題4︵おまけ︶ でも自分のためなら仲間も売る! 毎日新聞のウエブニュースが笑える。最後の一文がこうです。 毎日新聞の記者は、中川氏との会合には、いずれも出席しなかった。 http://news.livedoor.com/article/detail/4022387/
自分が最初に潰れそうだからって、 “あらたにす”で仲間はずれにされたからって そこまであからさまに書く?
しかも、わかっているくせに﹁どこの会社のなんという記者が中川さんと直前まで飲んでいたか﹂は書かない。知ってるくせに。 だけど﹁うちは違います﹂だけはしっかり書く。
おもしろすぎる。
メディアって・・・てか“メディア”と呼ぶのも悲しくなるよね。まるで単なる “放送電波割り当て獲得企業”であり、 “広告ちらし配達媒体業”になりさがってる。
それにしてもテレビ局とか新聞社ってすごいよね。 国際会議で大臣がオフィシャルランチを抜け出して新聞記者とワイン飲んでるんだって。国際会議のテーマ?世界的な経済不況だって。へええ。そんなん何処吹く風?
じゃーね。
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問題1 当事者意識の欠如 一番最初にこの問題を日本のメディアが報道した時、新聞もテレビも﹁会見に臨んだ中川大臣がろれつが回らない様子であったことを、海外通信社がアップ画像で捉えて世界に配信し、世界各地で波紋が拡がっています。﹂というニュアンスで報道しました。
これ、なんなの?
﹁中川大臣が会見で全くろれつが回っておらず、大変な失態を演じました。﹂でもなく、 ﹁その前日は夜遅くまで某マスコミの記者と、また、会見直前には某新聞社の美人記者と飲んでいて、その結果、記者会見の時間には完全な酩酊状態になっていて、会見がまともに行えませんでした。﹂でもなくて、
﹁海外メディアが﹂ ﹁日本の大臣のろれつが回ってない眠そうな顔を﹂ ﹁世界に配信しました。﹂ って、報道してんだよ。
なんじゃそれ。 あんたの役目は﹁海外メディアが何を報じてるか﹂を報じることなのか?
﹁海外メディアが何をしたか﹂じゃなくて、﹁自分の国の大臣が何をしたか﹂を報道すべきではないのか?
﹁世界で波紋が拡がっています﹂って、もしかして﹁日本人記者の間では“またか”ってことで波紋なんて全然なかったのに、世界では波紋が拡がったから驚いた﹂のか?
この当事者意識のまるで無さが、まさにニッポンのメディアクオリティ。
問題2 権力との馴合い 彼等は今回の件を、海外メディアが報じなければ、おそらく︵いつもの国内のべろべろ会見と同様に︶適当にカットして放映して、闇に葬り去ったのであろう。 少しずつ報じられ始めているけど、記者の人達も同行していた官僚や日銀の人達も、中川さんが前夜から、そして直前も﹁ごっくんごっくん﹂飲んでいたことを知っていますよね。 だからあんな会見をしても﹁中川大臣、もしかすると脳梗塞の可能性があります。すぐ病院に行きましょう。MRIを撮らないと﹂と言い出す人は誰もいなかったわけです。だって現地にいる人達は皆、脳疾患なんかではないことを知っていた。﹁やばくないか?小渕さんの時と症状が似てるぞ﹂と言い出す人はいなかった。
﹁あんだけ飲んだらべろんべろんにもなるよな﹂ ﹁脳梗塞? 違う違う。飲み過ぎだよ。むっちゃ酒臭いで﹂と、皆わかっていたからだ。
だって、もし“しらふ”の大臣が“風邪薬だけで”あんな状態だったら、周りの人はすぐに救急車を呼びますよ。イタリア政府も最大限の協力をしたと思うよ。大臣が死んだらまずいじゃん。でも、みーんなわかっていたので、誰も騒がず、﹁まあとにかく日本に帰ろう。機内でよく寝てね﹂ってことになった。
でさ、全員あれが﹁酒だ﹂と知っていたのに、なぜ今日あたりまで︵大臣が辞任するまで︶﹁あれは酒だ﹂という報道をしない?
ひとつの理由は﹁オフレコ協定﹂のためですよね。 日本のメディアは、記者クラブで公式にリーク情報を貰うかわりに﹁オフレコ設定﹂された︵多くは飲み会などの︶機会に政治家が言ったこと、やったことは書かない、という協定をずっときちんと守っている。 お互いに都合のいいことを、都合のいいタイミングで新聞やテレビで国民に知らせる。それが彼等の合意した﹁お互いに一番いい方法﹂だからだ。 だから、今回、前日も会見直前も中川さんと一緒に飲んでいた記者︵別の記者です︶がいるにも関わらず、彼が辞任するまではずっと中川さん側の情報をそのまま垂れ流して報道する。曰く﹁酒は飲んでいない。﹂﹁ワインはなめた程度﹂ おいおい。
見てた記者がいるじゃん?
なんで書かないの?なんで﹁えっ、でも、会見直前までうちの紙の記者とレストランで飲んでましたよね?﹂って聞かないの? 聞きません。﹁だってそれはオフレコだから﹂ それはマスコミと政治家の間では﹁なかったこと﹂扱いなんですよ。だから聞けないんです。書けないんです。ばらしちゃいけないんです。
問題3 マスコミ村意識 今回、﹁えっ、でも、中川さんは会見直前にも飲んでますよね?﹂って記者が問いたださなかった理由はもうひとつある。それは、前夜に中川さんと一緒に飲んでいた記者とその会社、および、会見直前に中川さんと飲んでいた別の記者とその新聞社、を守るためです。 特に直前のほうのはタチが悪い。なんと会議のオフィシャルランチを抜け出してホテルのレストランに行き、記者を含めてまた酒を飲んでるわけですから。それに、そこに同席した美人経済部記者はちょっと有名な人。中川さんに限らず、酒と女性が好きな大臣とのオフレコ飲み会には必ず先輩記者が同行させるこの記者は、中川さんがこの直前のレストランでどれくらい飲んでいたか、きちんと理解してる。
でもそんなことが世間にばれたら?
民主党はその美人記者を国会で証言させろとか言い出しかねない? すると新聞社はその記者を地方に飛ばさないといけなくなる? そもそも、直前に飲んでいたと知っていたのにそれを報道せず、﹁海外で波紋を呼んでいます﹂と他人事みたいな報道をしていたことをどう説明するんだろ。﹁世界で一番部数が多い﹂ことを威張ってる新聞社さんは。。
いずれにせよ、この記者達の所属する社は、ホントのことを一切報道できなかった。そして他社も﹁同じマスコミの仲間を売るようなことはできない﹂と遠慮していた。それが、真相の報道がかなり遅くなっている理由でしょ。
もっとはっきり書けって? 大丈夫。しがらみの少ない週刊誌が、1,2週間後に書いてくれますよ。有名な記者だから写真もでるんじゃないかな。飲んでた量だって暴露されると思うよ。そして数ヶ月後の人事異動で彼女は地方に飛ばされる。そしてその半年後に退職してフリーの記者になって戻ってくる。って感じだろうか。
問題4︵おまけ︶ でも自分のためなら仲間も売る! 毎日新聞のウエブニュースが笑える。最後の一文がこうです。 毎日新聞の記者は、中川氏との会合には、いずれも出席しなかった。 http://news.livedoor.com/article/detail/4022387/
自分が最初に潰れそうだからって、 “あらたにす”で仲間はずれにされたからって そこまであからさまに書く?
しかも、わかっているくせに﹁どこの会社のなんという記者が中川さんと直前まで飲んでいたか﹂は書かない。知ってるくせに。 だけど﹁うちは違います﹂だけはしっかり書く。
おもしろすぎる。
メディアって・・・てか“メディア”と呼ぶのも悲しくなるよね。まるで単なる “放送電波割り当て獲得企業”であり、 “広告ちらし配達媒体業”になりさがってる。
それにしてもテレビ局とか新聞社ってすごいよね。 国際会議で大臣がオフィシャルランチを抜け出して新聞記者とワイン飲んでるんだって。国際会議のテーマ?世界的な経済不況だって。へええ。そんなん何処吹く風?
じゃーね。
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