田辺聖子のエッセイには2020年11月20日付﹁田辺聖子﹃女の長風呂﹄︵1︶﹂に述べたような理由で少し触れてみました。価値観の古さには如何ともし難いものがありますが、私は実際そんな雰囲気の中で育って来たので、普通に懐かしく感じるばかりです。もちろん、今からこんな按配に戻すべきだとも思いません。ただ、こういうものだと思い込まされて来たので、昔はこうだったな、と語弊を恐れずに云えば、安心するのです。 ・田辺聖子﹃女の目くじら﹄ ①四六判上製本︵昭和四十七年五月十日 初版発行・680円・実業之日本社・272頁︶ ②角川文庫3668︵昭和五十一年 五 月三十日 初 版 発 行・昭和六十一年十二月三十日…