どうして日本語には緑の形容詞は無いんだ?? さあ、どうしてだ?
本日は与太話です。息抜いて笑って読み流してくださいませ。
昨晩は久しぶりにデブのスティーブ氏とビールを飲みのみ雑談しました。
当ブログでは何回か登場してきたスティーブ氏ですが、あらためて簡単に紹介しておきますと、奥さんはとっても美人の日本人で来日13年の知日派でありITコンサル業を生業としている私の同業者であり飲み仲間の中年白人デブ親父︵苦笑︶であります。
とっても短気ですぐ真っ赤になって興奮しますが目の前を美人が通ったりすれば次の瞬間ニコニコ顔になってしまうという、まあ典型的なわがままヤンキーなのであります。
でこのスティーブ氏でありますが不思議なほどいっこうに日本語が上手になりません。
いつまでも教科書日本語の域︵ですます調︶を出ないのであります。
だから私と飲むときも基本的には英語オンリーであります。
スティーブ﹁しかし、日本語ってやつは本当に扱いづらい低級な言語だな。まったくやになるわい﹂
木走﹁そうかい︵本当はお前の脳味噌のほうが低級なんじゃないのか︵クスクス︶︶﹂
ス﹁特に若い女の子の話し言葉は手に負えない。あれは日本語なのか?﹂
木﹁あ、それはわかるね。日本人の僕でも彼女たちの使っている単語は意味不明だからなあ﹂
ス﹁この前もTVで見ていたら若い女の子がショーウィンドウで服かなんかを見ていて﹃あ、これ、とってもヨサゲー﹄って言ってたんだ。﹃ヨサゲー﹄って何のことかワイフに聞いたら﹃いい感じ﹄ぐらいの意味だって言うじゃないか﹂
木﹁そうそう。日本では形容詞に﹁げ﹂を付けて、そのような雰囲気を示すんだよ。例えば﹁かなしい﹂雰囲気なら﹁かなしげ﹂とか楽しい雰囲気なら﹁楽しげ﹂とかね﹂
ス﹁うん、そこまではいい。で僕も形容詞に﹁げ﹂を付ける表現は柔らかい物言いだとワイフから教わったから、この前のミーティングで使ったんだ。僕の日本人の部下のプレゼンがぜんぜん駄目だったからいつもはきつい言い方してしまうので柔らかく﹁この君の提案は少しワルサゲーだね﹂って﹂
木﹁ブッ︵ビールを吹いた木走︵爆︶︶ なんだってワルサゲーだって?︵苦笑﹂
ス﹁何がおかしいんだよ。﹁良い﹂が﹁ヨサゲー﹂なんだから﹁悪い﹂は﹁ワルサゲー﹂じゃないのか?﹂
木﹁うーん、たしかに。ただ、﹁ヨサゲ﹂は﹁良い﹂からじゃなくて﹁良さそう﹂から転じた言葉だと思うんだが、だとすると﹁悪そう﹂からは﹁ワルゲ﹂になるわけだが、それも使わないしなあ、うーむ﹂
ス﹁俺は発見したんだ。形容詞に﹁げ﹂を付けてそういう雰囲気を示すというが原則としては語尾が﹁しい﹂の形容詞だけなんだろ。例えば﹁苦しい﹂は﹁苦しげ﹂だし﹁優しい﹂は﹁優しげ﹂。でも﹁赤い﹂とか﹁強い﹂とか﹁熱い﹂とか﹁ひどい﹂とかには﹁ゲ﹂はつかないんだろ﹂
木﹁そういわれりゃそうだな﹂
ス﹁じゃあ﹁良い﹂に﹁ゲ﹂を付けちゃ駄目だろ、﹁ヨサゲー﹂は間違いじゃないか﹂
日本語の文法のわかりづらさで私にくってかかるスティーブ氏なのですが、まったくいい迷惑︵苦笑︶なのであります。
私は国語の専門家でも何でもないのでよく答えられないのに、それでもスティーブ氏のねちっこい話は止まらないのでした。
ス﹁形容詞の使い方には他にも不満があるんだ。先日子供の風邪薬を薬局に買いに行ったんだがそこの薬剤師の人の声が小さくて聞き取りにくかったんだ。俺はもっと大きい声で話してほしいと思って﹁大きく声を出してください﹂って大声で言ったんだ﹂
木﹁ほほう︵こんな巨漢外人デブにどなられて薬局の人もさぞやびびったろうなあ︵苦笑︶︶﹂
ス﹁そしたら薬局の人がニコニコしながら﹁大きく声を出してください﹂とはあまり言わないですよ、﹁大きい声を出してください﹂とか﹁大きな声を出してください﹂とかのほうがよろしい、って俺に注意してきたんだ。だけど俺は人間ドックで日本人のレントゲン技師が﹁はい、大きく息を吸ってください﹂って表現したのを覚えてたんだ。これってどうよ?﹂
木﹁うーん、これもまた微妙な話しだな。﹂
ス﹁﹁大きい﹂と﹁大きな﹂と﹁大きく﹂はどうちがうんだ。どう使い分けるんだ?﹂
木﹁うーむ、まず﹁大きい﹂は今の純粋な状態を示す形容詞だから名詞にかかるよね。﹁大きい声﹂とか﹁大きい家﹂とか﹁大きい国﹂とか。で﹁大きな﹂は比較して大きいという要素が少し加味されてるんじゃないかな。例えば﹁大きい靴﹂と﹁大きな靴﹂では﹁大きな靴﹂のほうがその靴が他の靴に比して相対的により大きいことを意味しているかんじなんじゃないかな。あと﹁大きく﹂は状態の変化を促してるんだよね、だから﹁大きく声﹂とは言わないで﹁大きく︵声を︶出してください﹂と動詞に掛かってくるんだと思うよ﹂
ス﹁じゃあ﹁大きく声を出してください﹂はへんじゃないじゃないか、文法的に正しいだろう﹂
木﹁まあそうだね︵ふう。やれやれ︶﹂
このデブ親父はなんでこんなに日本語の形容詞の話にこだわるでしょう、普段よっぽど苦労してるんでしょうねえ︵苦笑
ス﹁あと﹁キ﹂が気に入らない。まったく合理的じゃないんだこの﹁キ﹂が﹂
木﹁え? ﹁キ﹂?﹂
ス﹁さっきの﹁ゲー﹂の話しに戻るんだが語尾が﹁しい﹂系の形容詞の﹁キ﹂が気に入らないんだよ、俺は﹂
木﹁どういうこと?︵このデブが何言ってるかぜんぜん理解できません︵苦笑︶︶﹂
ス﹁ほら、例えば﹁悲しい話﹂というのを﹁悲しき話﹂って﹁キ﹂になるときがあるじゃないか。あの﹁キ﹂の使い分け方がまったくわからんのだ﹂
木﹁ああ、その﹁き﹂だね。どうだろう感情を込めて表現するときに使用するんじゃないかな。例えば﹁懐かしい名曲﹂というのを﹁懐かしき名曲﹂って言ったりね﹂
ス﹁あと俺が一番腹が立つのは色の形容詞だ﹂
木﹁色の形容詞?﹂
ス﹁そうだ。赤は﹁赤い﹂、黒は﹁黒い﹂、白は﹁白い﹂だろ。じゃ何で黄は﹁黄い﹂じゃなくて﹁黄色い﹂って﹁色﹂がついてくるんだよ、分けがわからん﹂
木﹁ハハハ、それは仕方ないだろ発音しづらいから﹁黄色い﹂とか﹁茶色い﹂とか﹁黄﹂とか﹁茶﹂か短音の色には﹁色﹂を付けるんじゃないかな﹂
ス﹁まったくやっかいな言語だよ、色の形容詞ひとつとっても日本語ってやつは、ルールがめちゃくちゃでさっぱりわからん﹂
木﹁おいおい、めちゃくちゃとは言い過ぎだろ。少なくとも日本人は不便も感じず使っているわけだし﹂
ス﹁じゃあ最後に聞くが﹁緑﹂の形容詞が見あたらないのだがこれはどうしてだ?﹂
木﹁ウウ︵絶句﹂
ス﹁﹁緑い﹂なのか? ﹁緑色い﹂なのか? ええ、どうなんだ?﹂
木﹁ムムム︵た、たしかに緑の形容詞がないなあ︵汗︶﹂
ス﹁どうして日本語には緑の形容詞は無いんだ?? さあ、どうしてだ?﹂
木﹁ウームムム︵大汗﹂
ス﹁どうだ、どうやら俺の勝ちのようだな﹂
木﹁・・・・︵なんで勝ち負けになるんだよ︵苦笑︶︶﹂
﹁ゲ﹂とか﹁キ﹂とか﹁緑﹂とか、もう形容詞の話はたくさんなのでした。
でも、どうしてだろ?
︵木走まさみず︶
追伸‥ちょと忙しくしておりましてコメント欄にレス付けれずにいますが週末にまとめてお返事いたしますのでよろしゅうに。
︵木走まさみず︶
追伸‥ちょと忙しくしておりましてコメント欄にレス付けれずにいますが週末にまとめてお返事いたしますのでよろしゅうに。