絶妙の時期の爆弾スクープ破裂でわかった日経の安倍つぶしのマジ度
ここ一週間の日本経済新聞の社説や記事がいささか異様なのであります。
普段は政治にはあまり関心がなくもっぱら経済関連の報道が中心なのに、ここ一週間は安倍政権批判の社説や記事が、朝日も真っ青なハイテンションで連日のように紙面を覆っています。
どうやら本気で安倍つぶしに走り始めた日経記事の猛攻について、検証しておきましょう。
●一連の久間氏辞任劇で全面に安倍政権批判を展開して突出する日経社説 まず一連の久間氏辞任劇で日経社説は異彩を放ち始めます。 7月2日の社説。 社説2 またも立場忘れた久間発言︵7/2︶ http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20070701AS1K0100101072007.html この社説で日経は結語で久間氏の辞任を強く促します。 国の安全保障・危機管理のうえで防衛相の職責は重い。久間氏には既に何枚かのイエローカードが出ている。今回の件でも安倍晋三首相は擁護の姿勢を示しているが、久間氏が自ら進退を判断するのが政治家の作法ではないだろうか。 この段階で辞任まで強く促した主要紙は日経を除いてありませんでした。 続いて3日の久間氏辞任を受けての7月4日の社説。 社説1 政権の危機管理を疑わせる久間辞任劇(7/4) http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20070703AS1K0300203072007.html 当ブログでも前回取り上げましたが、この日の主要紙社説は前日の久間防衛相辞任を一斉に取り上げています。 ︻朝日社説︼防衛相辞任―原爆投下から目をそらすな http://www.asahi.com/paper/editorial.html ︻読売社説︼防衛相辞任 冷静さを欠いた﹁原爆投下﹂論議︵7月4日付・読売社説︶ http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070703ig90.htm ︻毎日社説︼久間氏辞任 心からの反省が伝わらない http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/ ︻産経社説︼久間防衛相辞任 遅きに失した決断だった http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070704/shc070704000.htm ︻日経社説︼政権の危機管理を疑わせる久間辞任劇(7/4) http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20070703AS1K0300203072007.html 各紙社説のタイトルを読み比べていただいても、日経一人だけが﹁政権の危機管理を疑わせる﹂という形で安倍政権批判を全面に出しています。 社説の結語。 首相、防衛相は国の安全保障・危機管理に責任を持つ立場である。現実の安全保障上の危機は、内政問題と違い、確かな情報がつかめないなかでも重要な判断を迫られる。久間発言に対する国内での批判は目に見える批判である。それを読みとれなかった久間氏、さらに久間氏をかばい続けた安倍首相。政権の危機管理能力を疑わせる辞任劇であった 国内での批判を読みとれなかったとして、安倍首相と政権の危機管理能力を痛烈に批判しています。 他紙の社説にも政権批判の言説はなくはないのですが、タイトルや結語に持ってくるほど全面に安倍政権批判を展開したのは日経社説だけであり突出した印象を与えています。 ・・・
●絶妙の時期に爆弾スクープを破裂させた日経〜赤城氏事務所費疑惑問題 そして昨日7日、日経は他紙にさきがけてスクープを打ちます。 赤城農相の政治団体、親族宅を事務所に経費計上・実体なく 赤城徳彦農相︵衆院茨城1区︶の政治団体﹁赤城徳彦後援会﹂が親族宅を事務所の所在地として届け、毎年多額の経常経費を計上していたことが6日、分かった。人件費や事務所費、光熱水費などの合計は2005年までの10年間で約9000万円に上る。政治団体の代表者は﹁事務所として使っていなかった﹂と実体がなかったことを証言した。 家賃などにあたる事務所費は計約1630万円を計上しているが、同農相の事務所は﹁家賃は発生していない﹂と親族宅の家賃を支払っていないことを認めている。(07:00) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070707AT1G0602Z06072007.html この記事を受けて他紙も続報を打ち追随しTVも巻き込んでの大問題となっていったわけですが、昨日だけでNIKKEI NET上では、夜の12近くまで関連記事を続報し続けるという、普段政治記事はあまりしつこく扱わない日経としては極めて異例のしつこい報道がなされます。 以下昨日の日経記事を列挙。 野党、農相辞任を要求・経費計上問題 野党各党は7日午前、赤城徳彦農相︵衆院茨城1区︶の政治団体﹁赤城徳彦後援会﹂が親族宅を事務所の所在地として届け、10年間で約9000万円の経常経費を計上していた問題を一斉に批判し、辞任を要求していく考えを示した。 民主党の鳩山由紀夫幹事長は日本経済新聞の取材に﹁︵多額の光熱水費を計上した︶松岡利勝前農相と同じ体質の方を後任に任命した安倍晋三首相の責任は極めて重い。参院選で国民の審判を仰ぐ問題だ﹂と強調。共産党の市田忠義書記局長は党本部で記者団に﹁閣僚辞任に値する。自ら辞任しないなら首相は罷免すべきだ﹂と語った。 社民党の又市征治幹事長も﹁農相は直ちに説明責任を果たすべきで、首相は罷免すべきだ﹂と指摘。国民新党の亀井久興幹事長は﹁農相が知らなかったというのは通用しない。政治倫理上、責任がないとは言えない﹂と述べた。(14:04) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070707AT1E0700307072007.html 農相辞任要求、首相は拒否 安倍晋三首相は7日夕、赤城農相の政治団体の経常経費を巡る問題について﹁しっかり説明するように秘書を通じて︵農相に︶指示した。農相も詳しい説明をしたと聞いている﹂と述べ、問題はないとの認識を示した。野党側から農相の辞任要求がでていることに関しても﹁そういう問題ではない﹂と応じない考えを明確にした。首相公邸前で記者団の質問に答えた。 農相任命時に﹁政治とカネ﹂の問題などを調べたかとの質問には﹁もちろんちゃんとみている﹂と反論。別の団体の政治活動費の付け替えなど不適切な会計処理を認め、辞任した佐田玄一郎前行政改革担当相のケースとは﹁違う﹂と言明した。(21:00) http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070708AT3S0700X07072007.html 赤城農相﹁架空計上ない﹂、領収書開示せず 赤城徳彦農相︵衆院茨城1区︶の政治団体﹁赤城徳彦後援会﹂の事務所経費問題で、赤城農相は7日、農林水産省で記者団の取材に応じ、10年間に約9000万円の経常経費を計上していた同農相の実家について﹁後援会活動の中核となっていた場所だ﹂と述べ、事務所としての実体があったと主張した。さらに﹁付け替えや架空計上はない﹂と不明朗な会計処理を否定した。 親族や同後援会の代表者は﹁事務所として使ったことはない﹂などと証言しており、主張に食い違いを見せた。 主に家賃などを計上する事務所費について、農相は﹁家賃としては計上していない。電話代とか、切手代とか、それらを積み上げて計上している﹂と繰り返した。領収書など経理書類を示した説明の要請には応じず、経常経費の詳しい内訳は明らかにしなかった。(23:44) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070708AT1G0702B07072007.html この問題、安倍政権にとってまさに﹁泣きっ面に蜂﹂といいましょうか、参院選で苦戦を強いられている与党側にとってヘタをすると命取りになりかねないわけで、赤城氏の疑惑が発覚したことで、更迭問題や任命責任などでさらなる防戦を余儀なくされることは間違いありません。 それにしても、この絶妙の時期に爆弾スクープを破裂させた日経なのでありますが、純粋に疑惑を押さえて報道しただけであるなどと考えることはできません、この絶妙のタイミングといい日経の一連の政権批判社説の流れから判断すると、どうやら本気で安倍政権打倒に日経が走り始めたとみるべきでしょう。 ・・・
●絶妙の時期の爆弾スクープ破裂でわかった日経の安倍つぶしのマジ度 本日︵8日︶、朝日社説・読売社説や産経社説が様子見の中で、日経社説はこの赤城氏事務所費疑惑問題を第一社説に掲げて吠えまくります。 全文掲載。 社説1 赤城農相はきちんと説明責任を果たせ(7/8) 安倍内閣でまたも﹁政治とカネ﹂をめぐる閣僚の疑惑が表面化した。赤城徳彦農相の政治団体が、実家を主たる事務所の所在地として届け、活動実態がなかったとみられるのに、毎年多額の経常経費を計上していたことが判明した。 農相は﹁︵事務所は︶後援会活動の中核の場所。付け替えや架空計上などは全くない﹂などと説明しているが、詳細を明らかにしていないので説得力に欠ける。﹁政治とカネ﹂の不祥事が相次ぎ、政治不信が高まるなか、農相はきちんと説明責任を果たす必要がある。 農相の政治団体﹁赤城徳彦後援会﹂は、2005年までの10年間で人件費や事務所費、光熱水費などの経常経費を約9000万円計上していた。家賃などにあてる事務所費だけで約1630万円も計上しているが、農相の事務所は家賃を払っていなかったことを認めている。 農相は水戸市にあるもう一つの事務所を含め、電話代や切手代などを積み上げた額と説明している。そうであるならば、裏付けとなる領収書などを示してもらいたい。 安倍内閣では昨年12月に佐田玄一郎前行政改革担当相の政治団体が、00年までの10年間に架空の事務所の経費約7800万円を計上していたことが発覚、辞任に追い込まれた。松岡利勝前農相の政治資金管理団体でも多額の事務所費や光熱水費を計上していた問題が、国会で追及された。松岡氏は説明責任を果たさぬまま、5月に自殺した。 赤城氏は松岡氏の後任の農相だ。これまでは事務所費などの経常経費の詳細を明らかにする必要はなかったが、それを盾にとって松岡氏のような対応をするのは許されない。 安倍晋三首相は﹁しっかり説明するように指示をした﹂と記者団に語ったが、赤城氏の説明を了とするのだろうか。前通常国会で不明朗な事務所費問題があれほどの騒ぎになったにもかかわらず、松岡氏の後任の閣僚が同じ問題で批判を浴びるようでは、危機管理能力を問われかねない。安倍政権にとって新たな痛手となるのは避けられない。 前国会で改正政治資金規正法が成立した。政治家が一つ持てる政治資金管理団体については、経常経費︵人件費を除く︶のうち5万円以上の支出には領収書の添付が義務づけられるようになった。08年以降に提出する政治資金収支報告書から適用される。ただ赤城農相のケースのようなその他の政治団体は対象外だ。政治団体も含めた法改正の是非を改めて議論する必要がある。 http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20070707AS1K0700507072007.html ﹁安倍内閣でまたも﹁政治とカネ﹂をめぐる閣僚の疑惑が表面化した﹂という冒頭の文章から、﹁安倍政権にとって新たな痛手となるのは避けられない﹂という終盤の文章まで、赤城氏への批判なのか安倍政権に対する批判なのか混沌としていてよくわからないほど︵苦笑︶なのですが、上記社説で政治家の固有名詞の出現頻度を見ると興味深いのであります。 社説全文で15回政治家の氏名が登場しますがその内訳はこうです。 赤城 5回 松岡 5回 安倍 4回 佐田 1回 批判対象の赤城氏が自殺した松岡氏の後任だった点を厳しく批判しその点からターゲットをシフトし安倍政権批判に持ち込んでいることがよくわかります。 社説のポイントはここ。 安倍内閣では昨年12月に佐田玄一郎前行政改革担当相の政治団体が、00年までの10年間に架空の事務所の経費約7800万円を計上していたことが発覚、辞任に追い込まれた。松岡利勝前農相の政治資金管理団体でも多額の事務所費や光熱水費を計上していた問題が、国会で追及された。松岡氏は説明責任を果たさぬまま、5月に自殺した。 赤城氏は松岡氏の後任の農相だ。これまでは事務所費などの経常経費の詳細を明らかにする必要はなかったが、それを盾にとって松岡氏のような対応をするのは許されない。 安倍晋三首相は﹁しっかり説明するように指示をした﹂と記者団に語ったが、赤城氏の説明を了とするのだろうか。前通常国会で不明朗な事務所費問題があれほどの騒ぎになったにもかかわらず、松岡氏の後任の閣僚が同じ問題で批判を浴びるようでは、危機管理能力を問われかねない。安倍政権にとって新たな痛手となるのは避けられない。 ・・・ うーん、たしかに﹁安倍政権にとって新たな痛手となるのは避けられない﹂のでしょうが、自分でスクープしておいて、大騒ぎになった翌日の社説でこんなこと書いてはなんだかなあ、という気はしないでもありませんが︵苦笑 ・・・ 昨日、実に絶妙の時期に爆弾スクープを破裂させ、一夜あけての第一社説を用いての政権批判。 日経の安倍つぶしのマジ度がわかりましたね。 どうやら本気で安倍つぶしに走り始めた日経の猛攻なのであります。
︵木走まさみず︶
●一連の久間氏辞任劇で全面に安倍政権批判を展開して突出する日経社説 まず一連の久間氏辞任劇で日経社説は異彩を放ち始めます。 7月2日の社説。 社説2 またも立場忘れた久間発言︵7/2︶ http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20070701AS1K0100101072007.html この社説で日経は結語で久間氏の辞任を強く促します。 国の安全保障・危機管理のうえで防衛相の職責は重い。久間氏には既に何枚かのイエローカードが出ている。今回の件でも安倍晋三首相は擁護の姿勢を示しているが、久間氏が自ら進退を判断するのが政治家の作法ではないだろうか。 この段階で辞任まで強く促した主要紙は日経を除いてありませんでした。 続いて3日の久間氏辞任を受けての7月4日の社説。 社説1 政権の危機管理を疑わせる久間辞任劇(7/4) http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20070703AS1K0300203072007.html 当ブログでも前回取り上げましたが、この日の主要紙社説は前日の久間防衛相辞任を一斉に取り上げています。 ︻朝日社説︼防衛相辞任―原爆投下から目をそらすな http://www.asahi.com/paper/editorial.html ︻読売社説︼防衛相辞任 冷静さを欠いた﹁原爆投下﹂論議︵7月4日付・読売社説︶ http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20070703ig90.htm ︻毎日社説︼久間氏辞任 心からの反省が伝わらない http://www.mainichi-msn.co.jp/eye/shasetsu/ ︻産経社説︼久間防衛相辞任 遅きに失した決断だった http://www.sankei.co.jp/ronsetsu/shucho/070704/shc070704000.htm ︻日経社説︼政権の危機管理を疑わせる久間辞任劇(7/4) http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20070703AS1K0300203072007.html 各紙社説のタイトルを読み比べていただいても、日経一人だけが﹁政権の危機管理を疑わせる﹂という形で安倍政権批判を全面に出しています。 社説の結語。 首相、防衛相は国の安全保障・危機管理に責任を持つ立場である。現実の安全保障上の危機は、内政問題と違い、確かな情報がつかめないなかでも重要な判断を迫られる。久間発言に対する国内での批判は目に見える批判である。それを読みとれなかった久間氏、さらに久間氏をかばい続けた安倍首相。政権の危機管理能力を疑わせる辞任劇であった 国内での批判を読みとれなかったとして、安倍首相と政権の危機管理能力を痛烈に批判しています。 他紙の社説にも政権批判の言説はなくはないのですが、タイトルや結語に持ってくるほど全面に安倍政権批判を展開したのは日経社説だけであり突出した印象を与えています。 ・・・
●絶妙の時期に爆弾スクープを破裂させた日経〜赤城氏事務所費疑惑問題 そして昨日7日、日経は他紙にさきがけてスクープを打ちます。 赤城農相の政治団体、親族宅を事務所に経費計上・実体なく 赤城徳彦農相︵衆院茨城1区︶の政治団体﹁赤城徳彦後援会﹂が親族宅を事務所の所在地として届け、毎年多額の経常経費を計上していたことが6日、分かった。人件費や事務所費、光熱水費などの合計は2005年までの10年間で約9000万円に上る。政治団体の代表者は﹁事務所として使っていなかった﹂と実体がなかったことを証言した。 家賃などにあたる事務所費は計約1630万円を計上しているが、同農相の事務所は﹁家賃は発生していない﹂と親族宅の家賃を支払っていないことを認めている。(07:00) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070707AT1G0602Z06072007.html この記事を受けて他紙も続報を打ち追随しTVも巻き込んでの大問題となっていったわけですが、昨日だけでNIKKEI NET上では、夜の12近くまで関連記事を続報し続けるという、普段政治記事はあまりしつこく扱わない日経としては極めて異例のしつこい報道がなされます。 以下昨日の日経記事を列挙。 野党、農相辞任を要求・経費計上問題 野党各党は7日午前、赤城徳彦農相︵衆院茨城1区︶の政治団体﹁赤城徳彦後援会﹂が親族宅を事務所の所在地として届け、10年間で約9000万円の経常経費を計上していた問題を一斉に批判し、辞任を要求していく考えを示した。 民主党の鳩山由紀夫幹事長は日本経済新聞の取材に﹁︵多額の光熱水費を計上した︶松岡利勝前農相と同じ体質の方を後任に任命した安倍晋三首相の責任は極めて重い。参院選で国民の審判を仰ぐ問題だ﹂と強調。共産党の市田忠義書記局長は党本部で記者団に﹁閣僚辞任に値する。自ら辞任しないなら首相は罷免すべきだ﹂と語った。 社民党の又市征治幹事長も﹁農相は直ちに説明責任を果たすべきで、首相は罷免すべきだ﹂と指摘。国民新党の亀井久興幹事長は﹁農相が知らなかったというのは通用しない。政治倫理上、責任がないとは言えない﹂と述べた。(14:04) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070707AT1E0700307072007.html 農相辞任要求、首相は拒否 安倍晋三首相は7日夕、赤城農相の政治団体の経常経費を巡る問題について﹁しっかり説明するように秘書を通じて︵農相に︶指示した。農相も詳しい説明をしたと聞いている﹂と述べ、問題はないとの認識を示した。野党側から農相の辞任要求がでていることに関しても﹁そういう問題ではない﹂と応じない考えを明確にした。首相公邸前で記者団の質問に答えた。 農相任命時に﹁政治とカネ﹂の問題などを調べたかとの質問には﹁もちろんちゃんとみている﹂と反論。別の団体の政治活動費の付け替えなど不適切な会計処理を認め、辞任した佐田玄一郎前行政改革担当相のケースとは﹁違う﹂と言明した。(21:00) http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070708AT3S0700X07072007.html 赤城農相﹁架空計上ない﹂、領収書開示せず 赤城徳彦農相︵衆院茨城1区︶の政治団体﹁赤城徳彦後援会﹂の事務所経費問題で、赤城農相は7日、農林水産省で記者団の取材に応じ、10年間に約9000万円の経常経費を計上していた同農相の実家について﹁後援会活動の中核となっていた場所だ﹂と述べ、事務所としての実体があったと主張した。さらに﹁付け替えや架空計上はない﹂と不明朗な会計処理を否定した。 親族や同後援会の代表者は﹁事務所として使ったことはない﹂などと証言しており、主張に食い違いを見せた。 主に家賃などを計上する事務所費について、農相は﹁家賃としては計上していない。電話代とか、切手代とか、それらを積み上げて計上している﹂と繰り返した。領収書など経理書類を示した説明の要請には応じず、経常経費の詳しい内訳は明らかにしなかった。(23:44) http://www.nikkei.co.jp/news/main/20070708AT1G0702B07072007.html この問題、安倍政権にとってまさに﹁泣きっ面に蜂﹂といいましょうか、参院選で苦戦を強いられている与党側にとってヘタをすると命取りになりかねないわけで、赤城氏の疑惑が発覚したことで、更迭問題や任命責任などでさらなる防戦を余儀なくされることは間違いありません。 それにしても、この絶妙の時期に爆弾スクープを破裂させた日経なのでありますが、純粋に疑惑を押さえて報道しただけであるなどと考えることはできません、この絶妙のタイミングといい日経の一連の政権批判社説の流れから判断すると、どうやら本気で安倍政権打倒に日経が走り始めたとみるべきでしょう。 ・・・
●絶妙の時期の爆弾スクープ破裂でわかった日経の安倍つぶしのマジ度 本日︵8日︶、朝日社説・読売社説や産経社説が様子見の中で、日経社説はこの赤城氏事務所費疑惑問題を第一社説に掲げて吠えまくります。 全文掲載。 社説1 赤城農相はきちんと説明責任を果たせ(7/8) 安倍内閣でまたも﹁政治とカネ﹂をめぐる閣僚の疑惑が表面化した。赤城徳彦農相の政治団体が、実家を主たる事務所の所在地として届け、活動実態がなかったとみられるのに、毎年多額の経常経費を計上していたことが判明した。 農相は﹁︵事務所は︶後援会活動の中核の場所。付け替えや架空計上などは全くない﹂などと説明しているが、詳細を明らかにしていないので説得力に欠ける。﹁政治とカネ﹂の不祥事が相次ぎ、政治不信が高まるなか、農相はきちんと説明責任を果たす必要がある。 農相の政治団体﹁赤城徳彦後援会﹂は、2005年までの10年間で人件費や事務所費、光熱水費などの経常経費を約9000万円計上していた。家賃などにあてる事務所費だけで約1630万円も計上しているが、農相の事務所は家賃を払っていなかったことを認めている。 農相は水戸市にあるもう一つの事務所を含め、電話代や切手代などを積み上げた額と説明している。そうであるならば、裏付けとなる領収書などを示してもらいたい。 安倍内閣では昨年12月に佐田玄一郎前行政改革担当相の政治団体が、00年までの10年間に架空の事務所の経費約7800万円を計上していたことが発覚、辞任に追い込まれた。松岡利勝前農相の政治資金管理団体でも多額の事務所費や光熱水費を計上していた問題が、国会で追及された。松岡氏は説明責任を果たさぬまま、5月に自殺した。 赤城氏は松岡氏の後任の農相だ。これまでは事務所費などの経常経費の詳細を明らかにする必要はなかったが、それを盾にとって松岡氏のような対応をするのは許されない。 安倍晋三首相は﹁しっかり説明するように指示をした﹂と記者団に語ったが、赤城氏の説明を了とするのだろうか。前通常国会で不明朗な事務所費問題があれほどの騒ぎになったにもかかわらず、松岡氏の後任の閣僚が同じ問題で批判を浴びるようでは、危機管理能力を問われかねない。安倍政権にとって新たな痛手となるのは避けられない。 前国会で改正政治資金規正法が成立した。政治家が一つ持てる政治資金管理団体については、経常経費︵人件費を除く︶のうち5万円以上の支出には領収書の添付が義務づけられるようになった。08年以降に提出する政治資金収支報告書から適用される。ただ赤城農相のケースのようなその他の政治団体は対象外だ。政治団体も含めた法改正の是非を改めて議論する必要がある。 http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/index20070707AS1K0700507072007.html ﹁安倍内閣でまたも﹁政治とカネ﹂をめぐる閣僚の疑惑が表面化した﹂という冒頭の文章から、﹁安倍政権にとって新たな痛手となるのは避けられない﹂という終盤の文章まで、赤城氏への批判なのか安倍政権に対する批判なのか混沌としていてよくわからないほど︵苦笑︶なのですが、上記社説で政治家の固有名詞の出現頻度を見ると興味深いのであります。 社説全文で15回政治家の氏名が登場しますがその内訳はこうです。 赤城 5回 松岡 5回 安倍 4回 佐田 1回 批判対象の赤城氏が自殺した松岡氏の後任だった点を厳しく批判しその点からターゲットをシフトし安倍政権批判に持ち込んでいることがよくわかります。 社説のポイントはここ。 安倍内閣では昨年12月に佐田玄一郎前行政改革担当相の政治団体が、00年までの10年間に架空の事務所の経費約7800万円を計上していたことが発覚、辞任に追い込まれた。松岡利勝前農相の政治資金管理団体でも多額の事務所費や光熱水費を計上していた問題が、国会で追及された。松岡氏は説明責任を果たさぬまま、5月に自殺した。 赤城氏は松岡氏の後任の農相だ。これまでは事務所費などの経常経費の詳細を明らかにする必要はなかったが、それを盾にとって松岡氏のような対応をするのは許されない。 安倍晋三首相は﹁しっかり説明するように指示をした﹂と記者団に語ったが、赤城氏の説明を了とするのだろうか。前通常国会で不明朗な事務所費問題があれほどの騒ぎになったにもかかわらず、松岡氏の後任の閣僚が同じ問題で批判を浴びるようでは、危機管理能力を問われかねない。安倍政権にとって新たな痛手となるのは避けられない。 ・・・ うーん、たしかに﹁安倍政権にとって新たな痛手となるのは避けられない﹂のでしょうが、自分でスクープしておいて、大騒ぎになった翌日の社説でこんなこと書いてはなんだかなあ、という気はしないでもありませんが︵苦笑 ・・・ 昨日、実に絶妙の時期に爆弾スクープを破裂させ、一夜あけての第一社説を用いての政権批判。 日経の安倍つぶしのマジ度がわかりましたね。 どうやら本気で安倍つぶしに走り始めた日経の猛攻なのであります。
︵木走まさみず︶