「自信がない」は自信の持ちすぎ
﹁原稿書かなきゃいけないんだけどなぁ﹂とか言いながら現実逃避で読んでいた本﹁心は病気―役立つ初期仏教法話︿2﹀﹂に心に刺さる言葉があったのでここに書いておく。
正確な引用ではないので、正確な言葉が知りたければP.60から3ページくらいを読むとよい。
人間が自信をなくす原因は、自信の持ちすぎである。
自分が﹁この程度の仕事サクッと終わらせられる﹂と思っているのに、実際にやるとうまくいかないとき、人は自信をなくす。
﹁抜群のスピーチをしよう﹂と思って、実際にはうまく喋れなくて、自信をなくす。
妄想の中の自分が事実に反して素晴らしすぎるから、その﹁妄想の中の素晴らしい自分﹂が振る舞うように振舞おうとして、できないので苦しむ。
﹁自分の仕事に自信がない﹂というのは、奇跡的な成功を頭で妄想しているせい。現実の自分ができるようにしかできない。できることをすればよい。﹁自分は精一杯やった﹂と思える状態を目指すのがよい。
結局のところ、僕は自分に自信を持ちすぎていて﹁書こうと思えばスラスラ書ける﹂という誤った自己イメージを持っていたわけだ。だが実際に書き始めると悪戦苦闘した上に予定通りの時間で全然終わらない。そしてその﹁不都合な真実﹂から目をそらすために、無意識に﹁書くこと﹂自体を避けてしまう。これがいわゆる﹁現実逃避﹂の起きるメカニズムなんだな。
初期の仏教はこういう﹁良くない気持ち﹂をどうやってコントロールするか、というライフハック的な側面もあるようだ。興味深い。