継続していることの魅力を伝えるのは難しい
何の分野にしても﹁〜〜し続けている﹂ことの魅力を他人に伝えることは難しい。
これを読むような人なら﹁webの文章に何らかの手段でたどり着いて読むこと﹂だったりするのだろうが、その魅力を説明しようとすると﹁毎日新鮮な発見と出会うことが出来ます﹂といったような、曖昧で平凡な表現にしかならないのではないだろうか。
それは映像作品や本、学問、ゲームやマンガといった分野でも似たようなものだろうと思う。何か一つ、有名で良質な作品があったのなら﹁とりあえずこれを見ろ(読め)﹂といった伝え方も可能になるが、﹁興味を持って〜〜し続ける﹂ことを伝えるには少しばかり遠い。
それでも、何か個別の具体例を示すというのは伝達手段としてとてもわかりやすい。その例を知って強い興味を持ったのなら、自然とその周辺(作り手、ジャンルなど)にも興味を持つし、そうなれば﹁〜〜し続ける﹂ことの魅力を十分に伝えたことになる。
﹁前提知識が必要な作品﹂であるとか﹁内輪受けのネタ﹂といったものが敬遠されがちなのは、﹁継続﹂による面白さがメインになっていて﹁個別﹂な部分が少なくなっているからなのだろう。﹁〜〜し続けるのって面白いよ﹂と伝えてもイマイチ伝わらないように。
ここで話が終わると﹁わかりにくいのは悪!!﹂といったテンプレで終わってしまうのでもう少し続けると、上に挙げた﹁前提知識が必要な作品﹂や﹁内輪受けのネタ﹂は、純粋に"面白くない"わけではないし、﹁わかりやすい/わかりにくい﹂は﹁面白さ﹂とは単位が違う(俗に言う"世間からの評価"あるいは"俺基準ランキング"といった大きな単位ならそれら基準であれこれまとめて評価することもできるだろうけれども)。
そういった意味では、webの﹁個別にリンクする﹂といった要素は、このような﹁継続する魅力のわかりにくさ﹂を軽減する効果があるのではないかな、と思う。例えばあるブログの一つの完結した記事、例えば映像作品の一部を動画にしたものにリンクすることで﹁一つの例﹂を示すことが出来るし、そこで興味を持てば、自然とそこから(リンクによって)興味の対象を広げていくことが出来る。
とはいえ、作品、人間を個別に切り取ってとしても﹁継続されている、継続されていく部分﹂というのは必ずあるわけで、むしろそれがなかったらどこにも繋がらず、後に何も残らない、ということになってしまう。それでは少し寂しい。
はてなブックマークやリンクを並べたサイトは、わかりやすい﹁個別﹂を提供してくれる。その﹁個別﹂を楽しむのは大前提だが、そのブックマークをした人、リンクをした人の意図の中には、その﹁個別﹂の先にある﹁継続していくこと﹂の魅力を伝えたい、というところにあるかもしれない、ということは心にとどめておきたい。