ポピュリズム選挙の弊害?トンデモ候補から消去法で残った舛添都知事の惨状
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いま東京都民の肩身が狭い。
﹁東京都民は人を見る目が無いねえ﹂
﹁なんでアレなの? 都民はバカなの?﹂
﹁いまごろ攻撃するなら、最初から選ぶなよ﹂
言うまでもなく、舛添要一都知事︵67︶のせいだ。異常に豪勢な海外視察に出かけたり、都有地の保育所転用案を潰して韓国人学校増設を決めたり、毎週のように公用車で温泉に通ったり……。この辺りまでは﹁何が悪いんだ?﹂と批判をはねつけていた舛添要一都知事だが、政治資金規正法違反の疑惑まで出てきたとあって、全方位からバッシングを受けている。
さらには過去の結婚・離婚、子ども︵婚外子含む︶への対応や言動など、人格そのものへの罵倒も続いている。ゆえに冒頭のように﹁なぜ東京都民は、よりによってこんな奴を知事に選んだの?﹂という他府県人の嘲りを、都民は受けている。かくいう筆者︵東京都民︶も、その一人。実際に2014年の都知事選では、舛添氏に投票した。
……弁解させて欲しい。国際政治学者として舛添氏がメディアに登場して以来、一度たりとも﹁この人の態度や見識は素晴らしいな﹂などと思ったことは無い。
むしろ言動に漂う傲岸不遜さに辟易としていた。では、なぜ投票したのか?
それでも舛添要一が一番マシだったからだ。
■都知事選というバラエティショー
舛添氏が当選した2014年の都知事選候補者を並べてみると︵注1︶、宇都宮健児、細川護熙、田母神俊雄、家入一真、ドクター中松、マック赤坂。大変失礼ながら当時囁かれた悪口を使わせてもらえば、極左、○カ殿、極右、炎上社長、︵以下略︶だ︵注2︶。 当時の都民の願いは<石原慎太郎︵注3︶路線の継承>で、その任にあたっていた猪瀬直樹氏の辞任による新都知事選びだった。消去法でトンデモ候補を消していくと、舛添氏しか残らなかったということ。──とはいえ都知事になってからのヒドさが予想以上だったことについては、不明を恥じるのみだが。 ﹁最初は週刊誌やネットが先行した舛添批判に、今はテレビ局や大手新聞社も乗っかってきた。これは官邸や自民党都連の意向の影響ともいえる。舛添都知事は、留任か辞任かの瀬戸際に立たされた﹂︵夕刊紙記者︶ 既に多方面が勝手に<ポスト舛添>予想を展開している。取沙汰されているのは︵注4︶橋下徹、東国原英夫、蓮舫、小池百合子、丸川珠代ら。確度は疑問符が付く人もいるが、要はメディアで顔を売って政治家になった面々ばかり。結局、都知事選が知名度頼みのポピュリズム選挙になってしまっていることが、最大の問題なのではないだろうか。 東京は世界有数の巨大都市であり、国政の中心でもあるので、地域としての﹁都政﹂を感じにくい面はある。しかし次回こそは、まともな候補者からまともな都知事を選出しなければ、過ちを繰り返すだけだろう。 また消去法や知名度だけで都知事を選べば、﹃天才バカボン﹄風︵注5︶に<頭狂都民>と呼ばれても仕方がないかも? ︵注1︶ 候補者を並べて…得票数順。 ︵注2︶ 以下略…泡沫候補は省略した。 ︵注3︶ 石原慎太郎…都知事として圧倒的支持を受けた。 ︵注4︶ 取り沙汰された名前…敬称略。 ︵注5︶﹃天才バカボン﹄風…﹃バカボン﹄に登場するのは<頭狂大学>。ライバルは<バカ田大学><低能未熟大学>など著者プロフィール
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コンテンツプロデューサー
田中ねぃ
東京都出身。早大卒後、新潮社入社。『週刊新潮』『FOCUS』を経て、現在『コミック&プロデュース事業部』部長。本業以外にプロレス、アニメ、アイドル、特撮、TV、映画などサブカルチャーに造詣が深い。Daily News Onlineではニュースとカルチャーを絡めたコラムを連載中。愛称は田中‟ダスティ”ねぃ