私も、若かりし頃に原発の仕事をしていました。原発には比較的綺麗な水が大量に必要です。出来れば淡水が良いのですが、日本に大量の綺麗な淡水はありません。結局綺麗な海水のある海辺に作るしかないのが実情です。わざわざ原発のために浄水場まで作るわけにもいかないほどの大量の﹁水﹂が必要です。  汲み上げられた海水は、どなたかが言っておられるように、微かに放射能を帯びているのは事実です。しかしそこに生息する魚介類を人間が一生摂取し続けても、なんら影響の無い程度です。原発を作ると、その近辺の漁業関係者へ毎年莫大な漁業補償をしているのは、風評被害などで漁をしても売れない可能性が極めて高いからです。実際には、近隣住民は魚影の濃い原発近くで釣りを楽しみ、食しています。   さて前置きが長くなりました。  日本の原発は、安全か否か？私は設備設計の方を担当していましたが、その内容は笑ってしまうほどの厳しい基準でした。他の方が言っておられるような、少々の﹁手抜き﹂があったとしても、壊しようが・・壊れようが無いほど、原子炉本体始め、発電施設に関しては、頑丈に作られています。原発施設内は、大量の配管の施設なのですが、配管はサポートと呼ばれる器具で固定されています。例えば加重１００Ｋｇを受け持つサポートは、日本の大型高級車︵2トン︶くらいをぶら下げてもビクともしない構造になっています。本来の日本の建築基準法とは別の世界の構造物です。首都高の橋げたが、ワンスパン５００トンの加重基準で作られているとすると、原発ではその20倍の１００００トンの加重に耐えられるように作ります。たとえ阪神淡路クラスの直下型地震でも、施設が破壊、崩壊することはありません。炉心部の下部のコンクリートの﹃壁﹄の厚み・・10メートルはあります。壁ですよ！地震程度では壊しようが無い施設です。  次に、他の方の、このような貼り付けも見ましたが、http://www.iam-t.jp/HIRAI/pageall.html 合っている事も多々あります。しかしこの方が自分のした仕事に、自信が無く後悔の念に駆られて作成されたものに感じて仕方ありません。原子炉施設内で、検査や修繕で時間を限られて作業するのは事実です。しかし必ず設計者はじめ専門家も一緒に同行しますので、少々の手抜きでも見逃しません。時間内に出来なかった作業は、次回の作業の最初の作業となります。   決定的な事件？がありました。新潟中越地震です。柏崎刈羽原子力発電所の7基全てが停止しました。上空からヘリが、燃える配電盤や敷地内の雑草を映していました。あの地震で専門家から見て問題になったのは、貯水プールの放射能を帯びた水が揺れで濡れたことだけです。他の原子力発電の施設では、地震によって火災や、崩壊、崩落は一切起こっていません。ではなぜ配電盤やプレハブなどが燃えていたのか？あの地震で皆さんがご覧になった燃え盛る施設は、全てが原発建設後に、施設管理用に作られたものです。それらは、日本の建築基準法に則り作られた、原発本体の機能とはまったく違う世界の施設です。マスコミもそこまでの報道はしてくれません。原発本体と言っても原子炉建屋、タービン建屋、廃棄処理建屋等等、複数の建物ですが、今回のこの地震では、これらの施設には一切の被害はありませんでした。唯一貯水プールの水が外部に出てしまったことぐらいで、他には大きな被害がありませんでした。  チェルノブイリは、財政が苦しかった旧ソビエトが作った施設ですから、日本の震度3程度の地震でも崩壊するような施設で起こった事故です。日本の専門家から見て、起こるべくして起こった事故です。どなたか他の回答者が言っておられる、素人集団で作られ、管理されていた施設です。同じ事が日本の原発で起こり様も無く、多くの犠牲者には失礼ですが、無知が理由で起こった、呆れてしまう事故です。  日本の都市部に綺麗な大量の水があれば、お台場あたりに1機作るのも良いでしょう。しかし海水の浄化システムが、お台場全体を海水浄化施設にしても足りない可能性があります。原発1機の建造費は、現在４０００億程度でしょう。浄化システムの建造に５０００億？1兆円？そんな感じになります。割高な発電施設ですが、排出ＣＯ2はゼロです。