これまでの5回のコラムをお読みになり、会計の基本的な仕組みがご理解いただけたでしょうか。これまでのコラムでは、会計の全体像と基本的な仕組みを簡単に理解していただくために表の構造を単純化して説明してきました。つまり、PLは﹁売上﹂﹁費用﹂﹁利益﹂、BSは﹁資産﹂﹁負債﹂﹁純資産﹂、収支計算書は﹁収入﹂﹁支出﹂﹁残高﹂のそれぞれ3項目だけで説明しました。しかし、実際の財務諸表はもう少し複雑です。最後にPL・BS・CSの表の構造を詳しく説明しておきます。
PL︵損益計算書︶の構造を理解しよう
PLは1事業年度︵通常1年間︶の﹁正しい利益﹂を計算する表です。本コラムでは、PLを﹁売上﹂﹁費用﹂﹁利益﹂の3項目で説明しました。しかし、この利益の計算は、
﹁売上﹂-﹁費用﹂=﹁利益﹂ではなく、
﹁収益﹂-﹁費用﹂=﹁利益﹂となります。
では、﹁収益﹂とは何でしょうか。﹁売上﹂は﹁収益﹂ですが、﹁売上﹂だけが﹁収益﹂ではありません。日本の会計基準では次のように﹁収益﹂が3つ、﹁費用﹂が5つ、﹁利益﹂が5つにそれぞれ分類されています。
たくさんの種類の言葉が出てきますが、順を追って勉強していけば難しいものではありません。まずは「PLには5つの利益がある」ということだけを覚えて、その上でこの5つの利益の関係がどうなっているかを辿っていけばPLは簡単に理解できます。