2008年にドルトムント市立歌劇場専属指揮者として契約してから10周年、小林資典(こばやし・もとのり)はこの8月25日、ようやく母国日本でデビューすることになった。ドイツの大きな歌劇場で10年間活躍しながら、日本ではほとんど知られていない指揮者も珍しい。また、10年間同じ歌劇場に所属してオペラを振り続けている指揮者もそうはいないだろう。ドルトムントでインタビューし、マエストロ小林資典の軌跡をたどってみた。(取材・文/ダイヤモンド社論説委員 坪井賢一、文中敬称略)

ドルトムント市立歌劇場専属指揮者として、ようやく日本でデビューする小林資典の素顔とは2008年にドルトムント市立歌劇場専属指揮者として契約してから10周年、この8月25日、ようやく母国でデビューする小林資典の素顔とは

幼少期から将来を疑わない
「指揮者」という種族

 小林は千葉県の出身だ。幼少期にピアノを習い始め、9歳でクラリネットを吹き、船橋高校のオーケストラで指揮を始めた。


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