「最近、味が薄いぞ」妻の料理に醤油をドバドバかける人が見落としている「危険なサイン」
些細なことでイライラしたり、空気が読めずにトンデモ発言をしたり、武勇伝を何度も繰り返したり。そうした言動で周囲に迷惑を掛ける中高年層は、たとえ過去に仕事で成功していても、若者たちから﹁老害﹂だと認定されてしまいます。ですが、もちろん本人たちは悪気があって老害っぽい言動をしているわけではありません。では、なぜ﹁やらかす﹂のでしょうか。医学博士・平松類氏の著書﹃﹁老害の人﹂にならないコツ﹄︵アスコム︶から抜粋して、その答えをお届けします。今回のテーマは﹁味覚の変化﹂について。
長年連れ添った伴侶を困らせる身勝手系の﹁老害﹂
ある高齢女性Aさんから、以前お聞きした話です。
Aさんのご主人はいわゆる昭和の﹁企業戦士﹂であり﹁モーレツ社員﹂とのこと。本当によく働く人で、しっかり稼いで家庭を支えてくれたそうです。その点には、Aさんも心から感謝していました。だから、多少のわがままは受け入れてきたと。
でも、定年を迎え、嘱託の期間も終え、完全にリタイアしたあと、そのわがままぶりが際立ってきて、だんだん付き合いきれなくなってきたといいます。
﹁すぐに機嫌が悪くなり、文句を言ってくる。反論をすると怒る。ちょっと突き放すと拗︵す︶ねる。しばらく放っておくと、完全にふてくされて口も利︵き︶かなくなる。最近はこのくり返しばかりです。最終的に私が折れない限り、雰囲気が改善することはありません﹂
以前からうるさいところはあったものの、Aさんが一生懸命作った料理にも遠慮なくけちをつけてきて、最近は﹁味が薄い﹂と言って醤油をドバドバかけることも増えたそうです。
ご主人が現役で働いていた時代は、一緒に食事をするのは週に1~2回だったのでそれくらいは我慢できたようですが、今は毎日ほぼ3食一緒……。もういいかげん、限界を迎えそうということでした。