「悪いと思ってる人は誰もいない」裏金問題で揺れる自民党、議員のホンネを青山繁晴が暴露
なぜ派閥は﹁悪﹂なのか?派閥に属さず、政治献金を一切受け取らない異色の議員が、自民党の﹁派閥とカネ﹂問題に切り込む。岸田政権の﹁派閥解体﹂で問題は解決するのか。それとも新たな策略の始まりなのか。現職の自民党議員が語る、反逆の派閥論と理想の政治像とは――。政界を揺るがす問題の核心に迫る独占インタビューを公開。︵構成/石井謙一郎︶
この連載は、派閥論の名著と名高い渡辺恒雄氏の﹃派閥と多党化時代﹄︵雪華社︶を復刊した﹃自民党と派閥﹄︵実業之日本社︶を事前にお読みいただいたうえで取材をしています︵一部を除く︶。連載の新着記事を読み逃したくない方は、連載のフォローがおすすめです。メールで記事を受け取ることができます。
派閥が民主主義を歪めている
――渡辺恒雄さんの著書﹃自民党と派閥 政治の密室﹄︵実業之日本社︶を読んで、どんな感想をもちましたか。
この本で大事な部分は、2つあります。1つは﹁派閥は、親分から子分へのポストの配分、活動資金の支給、選挙支援の割り振りの3つを原因として自然発生し、自由民主党の総裁選びが、国会議員などの投票による総裁公選となったことが派閥を定着させた﹂と喝破している点です。
今回の裏金を巡る多くの報道の中で﹁選挙にカネがかかる﹂と言われましたが、﹁派閥とカネの問題の淵源は総裁選挙にある﹂という指摘はありません。我が意を得たり、という思いがしました。
1966︵昭和41︶年に出た本なのに、現在にそのまま通じる見識が示されているのはさすがです。
――青山さんは、派閥に属さず、政治献金を受け取らず、政治資金集めパーティも開いていません。団体支援も断っておられます。後援会を作らず後援会長も置いていません。まず、派閥の何が問題だとお考えですか。
そもそも﹁閥﹂という言葉の意味を考えてみましょう。