低コスト生産の魅力が減退する中国。現地に進出する日本企業なら一度は撤退を考えたことはあるだろう。だが、現実を知って愕然とする。「撤退したくとも撤退できない」からだ。

 撤退コストを算盤で弾けばざっと1億円、董事会(取締役会に相当)もなかなか首を縦に振らなければ、手続き関係もややこしい。中国の動画サイトでは、日本人経営者が中国人の工員に吊るし上げられ、土下座して謝っているシーンが流れる。となれば、結論はこうなる。

「じっとしているのが一番だ」―――。

 だが、「ここに居続けていいのだろうか」という思いも払拭できない。中国はもはや低コスト生産の適地でもなければ、ハングリーな労働者が集まる拠点でもなくなった。日本の、とりわけヒト・モノ・カネにも限度がある中小の製造業にとっては、これ以上赤字を垂れ流している場合ではない。では、どうしたらいいのだろうか。


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