SQLチューニング最後の締めとして、今回はソートに関連するトピックとクエリの書き換えについて触れておこう。これまで、MySQLのJOINに関連した実装および最適化アルゴリズムについて解説してきたが、今回のエントリではそれ以外のアルゴリズムでよく使われるものについて解説する。今回も例によってMySQLの公式サンプルであるworldデータベースを使って解説を行う。worldデータベースについての詳細は次の記事を参照にして頂きたい。>> MySQLにおけるデータベース作成/テーブル作成/サンプルデータ登録
ORDER BY
アプリケーション開発において、RDBMS側でソートを行う機会は非常に多い。MySQLでは、テーブルから条件にマッチするレコードをインデックス順にキーを読み込むことが出来る場合には、その後さらにソートをする必要はない。︵MEMORYストレージエンジンやNDBストレージエンジンで利用可能なハッシュインデックスはそもそもソートには利用できない。︶ソートが必要になるのはインデックス順にレコードを読み込むことができない場合である。
インデックス順にレコードを読み込むことが出来る場合とはどのようなクエリであろうか。JOINが絡むと話がややこしくなるので、まずは単一のテーブルをSELECTする場合について解説したい。
対象のテーブルがひとつだけの場合、ソートにインデックスを利用できる条件はズバリ次の通りである。
●
単一のインデックスだけが使われている。
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カラム全体がインデックスに含まれている。︵プレフィックスだけがインデックスに含まれている場合にはソートに利用できない。)
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マルチカラムインデックスの場合、インデックスに含まれるカラム︵キーパート︶が左から順に利用されている。
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マルチカラムインデックスのそれぞれのキーパートのソート順が同じである。
インデックスを使ってソートができるクエリで典型的なものは次のようなものであろう。
mysql> EXPLAIN SELECT * FROM Country WHERE Code LIKE 'j%' ORDER BY Code\G
*************************** 1. row ***************************
id: 1
select_type: SIMPLE
table: country
type: range
possible_keys: PRIMARY
key: PRIMARY
key_len: 3
ref: NULL
rows: 3
Extra: Using where
1 row in set (0.00 sec)
EXPLAINの見方については本連載の第一回である次の記事を参照して頂きたい。
MySQLにおけるJOINのチューニングの定石