やじうまの杜

閲覧サイトの信頼性を表示する拡張機能「Web of Trust」がまったく信頼できない件について

悪意ある拡張機能から身を守るには?

 “やじうまの杜”では、ニュース・レビューにこだわらない幅広い話題をお伝えします。

「WOT」の開発チームによる声明

 先日、ドイツメディア“NDR”の報道をきっかけにWebブラウザー拡張機能「Web of Trust(WOT)」がユーザーの閲覧履歴などを収集・販売していたことが発覚。Firefox向け拡張機能が“Add-ons for Firefox”から削除されました。「WOT」はWebサイトに関する評判を共有し、閲覧中のWebサイトが安全であるか、信頼できるかを教えてくれる拡張機能だったのですが、その拡張機能自体が信頼できないものだったわけで皮肉なことです。

 「WOT」の開発チームは6日に声明を発表し、“Chrome ウェブストア”などの他のライブラリサイトからも自主的に「WOT」を削除したこと、閲覧履歴を提供するかどうかをユーザーが決定できるようにするオプトイン機能を追加すること、プライバシーを確保するための匿名化処理をオーバーホールする方針であることなどを明らかにしましたが、信頼を裏切られたユーザーの怒りは収まる気配がありません。

 これ以外にも、「HTTP Headers」と呼ばれる「Google Chrome」向けの拡張機能が原因で仮想通貨“ビットコイン”が盗まれそうになったという記事も最近話題になりました。

 これは一定数のユーザーを獲得した拡張機能がユーザーの知らないうちに第三者へ譲渡され、自動更新に乗じて悪意ある拡張機能へ差し替えられてしまったらしいというケースですが、これも拡張機能への信頼を悪用した裏切り行為の一種と言えるでしょう。

 こうした問題に対して一般ユーザーができることは限られているのが現実です。しかし、いくつかの点に留意することで被害を最小限に抑えることはできるのではないでしょうか。

 まず、インストール時に拡張機能のレビューに目を通すようにしましょう。もし問題のある拡張機能であれば、それを指摘してくれているユーザーがいるかもしれません。“Chrome ウェブストア”では初期状態で日本語のレビューのみを表示する設定になっているようですが、海外製の拡張機能であれば“すべての言語”へ切り替えたほうがよいこともあるようです。

「Google Chrome」の拡張機能画面

 Google Chromechrome://extensions/

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