〈コラム〉Twitterのサービス利用規約
前項で先生は、Twitterが公式で用意している﹃ツイートをサイトに埋め込む﹄機能を使って他のウェブサイトへ載せた場合は、Twitterの利用規約に基づいているので問題ない、という説明をしました。その根拠について確認してみましょう。
Twitterのサービス利用規約︵発効日:2014 年9月8日︶﹁5.ユーザーの権利﹂には次のような記述があります。
ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介して、自ら送信、投稿、または表示するあらゆるコンテンツに対する権利を留保するものとします。ユーザーは、本サービス上にまたは本サービスを介してコンテンツを送信、投稿、表示することをもって、媒体または配布方法︵既知のまたは今後開発されるもの︶を問わず、かかるコンテンツを使用、コピー、複製、処理、改変、修正、公表、送信、表示および配布するための、世界的な非排他的ライセンスを︵サブライセンスを許諾する権利と共に︶当社に対して無償で許諾するものとします。
冒頭に、投稿したコンテンツの著作権は投稿者自身にあると書かれていますが、世界中で二次利用できるライセンスを無償でTwitterに対し許諾することになるとも書かれています。また、Twitterが認めた相手であれば、Twitterと同様に無償で二次利用できます。
ユーザーは、このライセンスに、Twitterが本サービスを提供、宣伝および向上させるための権利が含まれること、ならびにコンテンツ利用に関する当社の条件に従うことを前提として、本サービスに対しまたは本サービスを介して送信したコンテンツを、他の媒体やサービスで配給、配信、配布または公表することを目的として、当社のパートナーとなっている他の会社、組織または個人に対して提供する権利が含まれることに、同意したものとします。
つまり、Twitterへ投稿したコンテンツは、いちいち著作者の許諾を得ることなく第三者が利用できる規約になっているのです。ただし、Twitterのパートナーは、開発者利用規約︵開発者ポリシー、プライバシーポリシー、表示要件、ブランドガイドラインの4つで構成されている︶に従う必要があります。
ブランドガイドラインで詳しく説明されていますが、オンライン、オフライン、放送など、どういう媒体でツイートを利用するかによってルールが若干異なります。
オンラインの場合は、公式の﹃ツイートをサイトに埋め込む﹄機能か、Twitter APIを使うこと。放送の場合は、名前、@ユーザー名、改変されていないツイート本文、Twitter バードなどの表示が義務づけられています。つまり、第三者が無許諾で二次利用できる場合でも、投稿者が誰なのかは必ず明示する必要があるのです。
また、広告や宣伝目的での利用、オフラインでの利用、オンラインでも投稿のスクリーンショットを利用する場合などは、著作者に許可を得る必要があるとされています。これらのいずれでも許されていない使い方、例えば、Twitterの投稿を著作者に無断でまとめて本として出版するような行為は、Twitterの利用規約違反なのです。
次回予告
今回の続きとして次回は“無断転載されたらどうする(国内編)”というテーマを解説する。