人が認知症になるかどうかは、体質や遺伝といった﹁運命﹂で決まると思われてきた。だが最新医学の知見によれば、決してそれだけではない。日々の積み重ねが健やかな脳を作るのだ。
前編記事﹃87歳の医師が﹁認知症にならないために実践する﹂毎日の生活ルーチンがヤバすぎる…!﹄より続く。
筋肉ですべてが変わる
﹁食生活の乱れ﹂は認知症を引き起こす大きな要因の一つだが、もう一つの引き金となるのが﹁運動不足﹂だ。国際的な認知症の専門家からなるランセット委員会の研究によると、運動不足の人はそうでない人に比べて、アルツハイマー型認知症になるリスクが約1・8倍高まるという。![](https://gendai-m.ismcdn.jp/mwimgs/4/8/1280m/img_48a7f71b69acc12440497f7eb57c978e1884853.jpg)
定期的な運動によって認知症を遠ざけているのが、コメディアンで俳優の大村崑氏だ。今年11月で93歳を迎える大村氏だが、「まったくボケの兆候を感じない。いまでもセリフを覚えることになんの苦もないし、人の名前もすらすら出てくる。かかりつけの医師からも『認知症とは無縁だ』と太鼓判を押してもらっています」と語る。その秘訣を尋ねると……。
「86歳から筋トレを始めたんです。当時、新しいジーパンを買いに行ったらウエストが100cmを超えていて、これはまずいと思った。妻に『ジムに行きなさい』と促されて、いまさら若いインストラクターに教わるのはイヤだと最初は抵抗していたんですが、結局押し切られる形で、3ヵ月だけライザップに通うことになったんです。
そうしたら、面白いように体つきが変わるものだから、トレーニングにハマってしまった」
階段の上り下りが苦でなくなったり、筋肉がついたことで姿勢が良くなったなどの身体的効果はもちろん、頭の中が研ぎ澄まされていく感覚があったという。