3Dプリンターで妻を救って本人が気付かない間に医療を革新していた男の話
![](https://i.gzn.jp/img/2015/01/15/man-saves-wife-by-3d-printing/top_m.jpg)
![](https://i.gzn.jp/img/2015/01/15/man-saves-wife-by-3d-printing/002.jpg)
![](https://i.gzn.jp/img/2015/01/15/man-saves-wife-by-3d-printing/4496422025_4d38956101_z.jpg)
![](https://i.gzn.jp/img/2015/01/15/man-saves-wife-by-3d-printing/003_m.jpg)
![](https://i.gzn.jp/img/2015/01/15/man-saves-wife-by-3d-printing/004.jpg)
この時のバルザーさんには知るよしもありませんが、3Dプリンターで出力したモデルを使って患者に診断を説明するというスタイルは、後にMedical Innovation LabsのCEOであるマイケル・パットンさんが「治療における新たなスタンダードになるだろう」と予測しています。知らず知らずのうちにバルザーさんはこの分野の草分け的存在になっており、パットンさんは「3Dプリンターでプロトタイプを作ることで、動物実験を省いたり、多くの患者に施術が行われる前にそのコンセプトを実証したりできる可能性がある」と語っています。
技術の進歩により、今回の例のように医学分野以外の人の手によって「革命」が起きることも多くなっています。「医療に携わる人々は診療に集中するあまり『なぜその方法でやっているのか』『どうすれば別の方法を行えるのか』ということを考えないことがあります」とパットンさん。3Dプリントや3Dスキャンに精通したバルザーさんが、医師とは別のプロセスによって医学界に進歩をもたらした今回の事例は、新たな医療革命の姿だ、というわけです。
現在、バルザーさんは医者や患者が画像をシェアできる安全なクラウドサーバを使った3Dスキャン・プラットフォームを開発しているところ。またAll Things 3Dというポッドキャストの運営も行っており、医療分野における3D技術のセミナーなども開催しているそうです。
なお、無事手術を終えたスコットさんですが、もし初診で言われたとおり6カ月の間様子を見ていたとしたら、視力が大きく低下していただろうと考えられています。8時間の手術により腫瘍の95%が摘出されたスコットさんは、3週間後には仕事に復帰、手術の痕跡もほとんどわからない状態になったとのことです。
![](https://i.gzn.jp/img/2015/01/15/man-saves-wife-by-3d-printing/001_m.jpg)
・関連記事
3Dプリンターで10年以内に本物の心臓を作れるようにする研究が進行中 - GIGAZINE
3Dプリンターで生体組織と似た機能を果たす50ミクロンの組織を作成 - GIGAZINE
3Dプリンターを使って自分の歯形にあわせた歯ブラシをオーダーメイドできる「Blizzident」 - GIGAZINE
街で拾ったタバコの吸い殻やガムからDNAを採取し3Dプリンターで顔を復元する「Stranger Visions」 - GIGAZINE
3Dプリンタで今までより優れた義耳を作成することが可能に - GIGAZINE
3Dプリンターで食べ物を印刷へ、既存の食事を置き換える可能性もあり - GIGAZINE
3Dプリントでピザを作る会社にNASAが出資、宇宙でピザを焼ける日が到来する可能性もあり - GIGAZINE
・関連コンテンツ