青森県道11号からジャズバー「ジュニア」(八戸市鍛冶町)に続く全長約34メートルの私道の修繕・舗装作業が7月25日完了し、「MJ(エムジェー)ロード」と名付けられた。
「MJロード」完成を祝うプロジェクトチームメンバー
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ジャズのレコード約2500枚をそろえ、ジャズファンやミュージシャンの集いの場として親しまれている同店。1985︵昭和60︶年にオープンし、来年で40周年を迎える。
同店へと続く﹁MJロード﹂は、7月27日に開かれる音楽フェス﹁南郷サマージャズフェスティバル﹂に合わせて八戸を訪れる人に同店を知ってもらおうと、常連客有志が今回補修作業を行い名付けた小道。
﹁MJロード﹂は﹁マシューズ・ジュニア・ロード﹂の略。﹁M﹂は八戸在住のジャズピアニスト、デビッド・マシューズさんの名字から取った。﹁J﹂は店名の﹁ジュニア﹂から。マシューズさんは自身のバンド﹁マンハッタン・ジャズ・クインテット﹂のツアーで八戸を訪れた約15年前、トランぺッターの故ルー・ソロフさんと同店を訪れ、地元民と交流したという。八戸に移住した2021年以降は同店に通いレコードを聞こうと考えていたが、店に入るまでの小道に凹凸が多いためつまずく危険があり、訪れることを控えていたという。今年4月、マシューズさんの提案で有志による﹁MJロードプロジェクトチーム﹂が立ち上がり、約3カ月間にわたり補修作業を行ってきた。
メンバーは小道に敷かれたコンクリート板の凹凸を平らにし、隙間はセメントで埋め、赤色の屋外用カーペットを敷いた。マシューズさんと親交が深いというツリーハウス・ビルダーの木村勝一さんが製作を手がけた﹁MJ ROAD﹂の案内看板も設置した。店の外には、夜道を歩くことに不安がある人にも店を訪れてもらおうと、専用の車いすも用意する。
7月25日は完成を祝うテープカットを行い、マシューズさんをはじめ、南郷サマージャズフェスティバルに出演するため沖縄県石垣市から訪れたジャズシンガーの齋藤悌子さん、同店マスターの音喜多泰憲さんが出席した。3人はテープカットの後、手をつないでMJロードを歩き入店。レコードからジャズが流れる店内で親睦を深めた。
マシューズさんは﹁これから何度もこのロードを歩き、ジュニアに通いたい﹂と笑顔を見せる。齋藤さんは﹁店に入った瞬間に良い雰囲気を感じた。立ち寄ることができ幸運だった﹂、音喜多さんは﹁マシューズさんはニューヨークのジャズの香りを八戸に持ってきてくれた。歩きやすくなり、これからは誰も転ばないだろう﹂と話す。
プロジェクトチームメンバーの住吉治彦さんは﹁ジュニアは、八戸でジャズを愛する人が立ち寄る店。車いすもあるので、誰でも気軽に立ち寄ってほしい﹂と呼びかける。