ユーザーの位置情報を利用したサービスに注目が集まり始めている。今回は、先日からはてなブックマークでも話題になっている位置情報連動SNS「foursquare」の紹介から始めて、日本の「位置ゲー」文化などとも比較しながら、その姿について簡単に紹介をしてみたい。
◇ ゲーム性の強い位置情報サービス「foursquare」
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■ 「位置ゲー」とジオメディアは単純に並べてよいものか?
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■ 地方店の希望の星? 位置情報サービスの強力な集客力
◇ 手数料は2割! 顧客を地方の店舗に流し込むビジネス
それにしても、ここに来て位置情報サービスが熱い注目を浴びているのは、なぜだろうか? もちろん、GPS機能の精度上昇やサービス開発に余計な手間がかからずに済むスマートフォンの普及がそれを促した側面はある。しかし、もっと卑近な理由を言ってしまえば、実は位置情報を利用したサービスは、意外と儲かるのではとの期待が高まっているのだ。それにはクリックレートの高いエリアマッチ広告、そして、やはりリアル店舗との連携が可能というところが大きい。特に後者のからくりについては、国内の「位置ゲー」における成功例を報告した以下の記事を見ると、分かりやすいだろう。
国内最大手の位置ゲー「コロプラ」では、地方の土産店と提携して、その店で高額の商品を購入することでレアアイテムを獲得できる仕組みを採用しているのだという。この記事では客単価の大きさについて非常に興味深い証言があるが、その仲介料の高さにも注目したい。そもそも地方において高額の土産物を買うためのモチベーションは、かなりの程度まで「コロプラ」が提供したものであると言える。2割という仲介料は、ジオメディアがヴァーチャル空間で生み出す、現実空間とは全く異なるコンテキストに基づく(そして、強力な)顧客の導線設計が可能にしたものであると言えるだろう。
とは言え、実際に地方店との提携をしていくのはかなりの困難を伴う場面があるようだ。”地方格差”が生み出す運営上の苦労は「ケータイ国盗り合戦」の製作者の方が書かれた以下の記事に詳しい。
2009年はiPhone などのスマートフォンの世界的流行に加えて、国内でもmixiやモバゲーが”オープン化”するなど、これまで無用な労力がかかりがちだったモバイル端末向けサービスに、開発者が容易に参入できる環境がようやく整い始めた年だったと言えるだろう。
`09年、日本でのスマートフォン普及を促したSoftbank社の「iPhone 3GS」。
2010年は、こうした開発環境の整備を背景に、モバイル端末の特性を活かしたサービスが次々に現れてくるに違いないし、ジオメディアは、そうした潮流の中で極めて大きなプレゼンスを持つことになるだろう。ジオメディアの特性は、リアルタイムに取得した位置情報で、ウェブ上のコミュニケーションを活性化するだけに留まらない。この新しいメディアの最も際だった特性は、何よりも私たちの生きる現実世界に新しいコンテキストを上書きしてしまうことにある。それがどんな風に私たちの生活に新しい価値を提供し、また私たちの現実感覚を変えてくれるのか、筆者はとても楽しみである。