「わび・さび」の版間の差分
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'''寂'''︵'''さび'''、'''寂び'''、'''然び'''とも︶は、﹁閑寂さのなかに、奥深いものや豊かなものがおのずと感じられる美しさ﹂<ref name=D>﹃日本大百科全書︵ニッポニカ︶﹄小学館</ref>を言い、動詞﹁さぶ﹂の名詞形である。 本来は時間の経過によって劣化した様子を意味している。漢字の﹁'''寂'''﹂が当てられ、転じて﹁寂れる﹂というように人がいなくなって静かな状態も表すようになった。さびの本来の意味である﹁内部的本質﹂が﹁外部へと滲み出てくる﹂ことを表す為に﹁'''然'''﹂の字を用いるべきだとする説もある<ref name="Y">河野喜雄 ﹃さび・わび・しをり その美学と語源的意義﹄ぺりかん社、1983年 ISBN 978-4831503183</ref><ref name=S>森神逍遥 ﹃侘び然び幽玄のこころ﹄桜の花出版、2015年 ISBN 978-4434201424</ref>。ものの本質が時間の経過とともに表に現れることをしか︵然︶び。音変してさ︵然︶びとなる<ref>[[進士五十八]] [http://www.jice.or.jp/cms/kokudo/pdf/tech/reports/24/jice_rpt24_03.pdf ランドスケープの方法~土木家への提案~] [[国土技術研究センター|JICE]] REPORT vol.24 2013.12</ref>。この金属の表面に現れた﹁さび﹂には、漢字の﹁'''錆'''﹂が当てられている。英語ではpatina︵[[緑青]]︶の美が類似のものとして挙げられ、緑青などが醸し出す雰囲気についてもpatinaと表現される。 ﹁さび﹂とは、老いて枯れたものと、豊かで華麗なものという、相反する要素が一つの世界のなかで互いに引き合い、作用しあってその世界を活性化する。そのように活性化されて、動いてやまない心の働きから生ずる、二重構造体の美とされる<ref name=D>﹃日本大百科全書︵ニッポニカ︶﹄小学館</ref>。 |