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{{Infobox 研究所
[[アメリカ合衆国]]の'''国立標準技術研究所'''('''National Institute of Standards and Technology''', '''NIST''')は、[[アメリカ合衆国商務省]]配下の技術部門であり非監督(non-regulatory )[[機関]]である。
| 名称 = アメリカ国立標準技術研究所
| Width = 150
| 画像 = NIST logo.svg
| 脚注 = ロゴ
| 画像2 =
| 脚注2 =
| 正式名称 = National Institute of Standards and Technology
| 英語名称 =
| 略称 = NIST
| 組織形態 = 非監督連邦機関
| 本部名称 = <!--拠点が多数あってすぐ下の住所がどこのものか不明瞭な様な場合に記入。本部、事務局、などと記入。それ以外の場合は無記入でOK-->
| 所在国 = アメリカ合衆国
| 所在地郵便番号 =
| 所在地 = [[メリーランド州]]
| 緯度度 =39 |緯度分 =8 |緯度秒 =9 |N(北緯)及びS(南緯) = N
| 経度度 =78 |経度分 =47 |経度秒 =5 |E(東経)及びW(西経) = W
| 地図国コード = US
| 予算 = 11億ドル(2011年)
| 人数 = 3000人(正職員)
| 所長 = パトリック・D・ギャラガー
| 活動領域 = [[計量学]]、[[標準化]]、基礎[[技術]]
| 設立年月日 = 1901年7月1日 (NBS)
| 前身 = [[アメリカ合衆国財務省]]標準度量衡局、国立標準局 (NBS)
| 設立者 =
| 廃止年月日 =
| 後身 =
| 上位組織 =
| 所管 = [[アメリカ合衆国商務省]]
| 下位組織 =
| 関連組織 =
| 拠点 = メリーランド州[[ゲイザースバーグ]]、[[コロラド州]][[ボルダー (コロラド州)|ボルダー]]
| 保有施設 =
| 保有装置 =
| 保有物分類1 = <!--施設でも装置でもない何かを保有している場合に、ここにその種別を記入。例えば船舶、衛星など-->
| 保有物名称1 = <!--すぐ上の種別に属する保有物の名称をここに記入。例えばしんかい6500、など-->
| 提供サービス =
| プロジェクト =
| 参加プロジェクト =
| 発行雑誌 = ''Journal of Research of the National Institute of Standards and Technology''
| 出版物 = ''Handbook 44''
| 特記事項 =
| ウェブサイト = https://www.nist.gov/
}}
'''国立標準技術研究所'''(こくりつひょうじゅんぎじゅつけんきゅうしょ、National Institute of Standards and Technology、'''NIST''')は、[[アメリカ合衆国]]の国立の計量標準研究所であり、[[アメリカ合衆国商務省]]配下の技術部門であり非監督(non-regulatory)[[機関]]である。1901年から1988年までは'''国立標準局''' (National Bureau of Standards、'''NBS''') と称していた。その公式任務は次の通り<ref name="general">{{cite web |url=http://www.nist.gov/public_affairs/general_information.cfm |title=NIST General Information |website= |publisher=NIST |language=en-US |date= |accessdate=2013-10-28 }}</ref>。
 
{{Bquote|経済的(安全)保障を強化し[[クオリティ・オブ・ライフ|生活の質]]を高めるような手法で、[[計量学]]や[[工業規格|標準規格]]、[[テクノロジー|産業技術]]を進歩させることによって、アメリカの技術革新と産業競争力を促進することが目的である。||||NIST }}
==概要==
その任務はアメリカの技術革新や産業競争力を強化するために、経済保障を強化して[[クオリティ・オブ・ライフ|生活の質]]を高めるように[[計測|計測学]]、[[工業規格|規格]]、[[工業|産業技術]]を促進することである。
 
2007[[会計年度]](2006年10月1日-2007年9月30日)の[[予算]]は約8億4330万ドルだった。2009年の予算は9億9200万ドルだが、[[2009年アメリカ復興・再投資法|アメリカ復興・再投資法]]の一部として6億1000万ドルを別に受け取っている<ref>{{Cite web |title=NIST Budget, Planning and Economic Studies |publisher=National Institute of Standards and Technology |date=October 5, 2010 |url= http://www.nist.gov/public_affairs/budget/index.cfm |language=en-US |accessdate=October 6, 2010 }}</ref>。2013年現在、NISTには約3000人の科学者、工学者、技術者がいる(他にサポートスタッフと運営部門)。また、国内企業や海外から約2700人の科学者、工学者を受け入れている。さらに国内約400ヶ所の提携機関で1300人の製造技術の専門家やスタッフが関わっている<ref name="general"/>。NISTの出版している ''Handbook 44'' は「計測機器についての仕様、許容誤差、他の技術的要件」を提供している。
 NIST[[|]][[|]][[|]]NIST''''''('''National Bureau of Standards''', '''NBS''')([[1901]][[1988]])4NIST[[]][[]][[]]
 
== 歴史 ==
NISTの2006年度の予算は約9億3000万ドルである。NISTには約2800人の科学者、工学者、技術者がいる(他にサポートスタッフと運営部門)。また、国内企業や海外から1800人の科学者、工学者を受け入れている。さらに国内約350ヶ所の提携機関で1400人の製造技術の専門家やスタッフが関わっている。
=== 背景 ===
1821年、[[ジョン・クインシー・アダムズ]]は「度量衡は、人間社会のあらゆる人々の生活にとって必須なこととしてランク付けされるかもしれない」と述べた<ref>{{Cite web |url= http://www.nist.gov/pml/wmd/pubs/upload/sp-447-2.pdf |title=NBS special publication 447 |accessdate=2011-09-28}}</ref>。1781年、13の植民地が批准した[[連合規約]]には、「合衆国または各州は自らの権威において、貨幣の成分を決め、鋳造した貨幣の価値を決める独占的権利を有し、合衆国全土で度量衡の標準を定める権利を有する」という一節がある。[[アメリカ合衆国憲法]] (1789) 第1条第8節では、その権限を連邦議会に委ねており、「連邦議会は次の権限を有する……貨幣を鋳造し、その価値および外国貨幣の価値を定め、また度量衡の標準を定めること」とある。
 
1790年1月、[[ジョージ・ワシントン]]は最初の年頭教書演説で「合衆国における通貨および度量衡の均一性は極めて重要であり、それを正しく遂行させるべく…」などと述べ、[[国務長官]][[トーマス・ジェファーソン]]にそのための計画立案を命じた。後にその報告書は ''Jefferson report'' と呼ばれるようになる。1791年10月25日、ワシントンは連邦議会で「国内の度量衡の均一性は、[[憲法]]としてあなたがた(連邦議会)に提出された重要な目標の一つであり、不変かつ普遍な標準から得られるなら、公共の利便性に貢献するだけでなく自治体にとっても名誉あることだ」と述べたが、実際に一様な標準群が完成したのは1838年のことである。
==機構==
NISTの本部は[[メリーランド州]]ゲーサーズバーグにある。また[[コロラド州]][[ボルダー (コロラド州)|ボルダー]]に研究所を持っている。NISTには米国[[産業]]を援助する4つの主要なプログラムがある。第一はNISTの研究所そのものであり、物理学、情報技術、化学技術、エレクトロニクス、材料科学、産業技術、製造技術、防火建築などを研究している。第二は ''Hollings Manufacturing Extension Partnership''(HMEP)という中小製造業者を支援するネットワークである。第三の ''Advanced Technology Program''(ATP)は最先端のリスクの高い技術開発の一部をNISTが費用負担するものである。第四はマルコム・ボールドリッジ国家品質賞であり、品質の高い企業を選定して表彰するものである。
 
=== 局の変遷 ===
NISTのボルダーの研究所には有名な[[NIST-F1]]がある。これは[[フランス]]の[[パリ]]にあるものと同様の最も正確な[[原子時計]]であり、国家としての公式な時刻の拠り所となっている。[[セシウム]]の共振周波数から精密に秒を決めていて、[[電波時計]]向けの[[長波]]の放送局([[フォート・コリンズ (コロラド州)|フォート・コリンズ]])と[[短波]]の放送局(フォート・コリンズと[[ハワイ州]][[カウアイ島]]の[[ケカハ (ハワイ州)|ケカハ]])がある。
[[File:Bureau of Standards building.jpg|thumb|国立標準局。[[ワシントンD.C.]]、撮影日不明(1910年〜1926年)]]
1830年から1901年まで、度量衡の監督は[[アメリカ合衆国財務省]]の標準度量衡局 (Office of Standard Weights and Measures) が担当した<ref name="archives">{{Cite web |url= http://www.archives.gov/research/guide-fed-records/groups/167.html |title=Records of the National Institute of Standards and Technology (NIST), (Record Group 167), 1830-1987. |publisher=National Archives website |accessdate=2012-06-01}}</ref>。
 
度量衡局は1901年7月1日に「標準局」(Bureau of Standards) として[[ワシントンD.C.]]にて独立し、1903年に「国立標準局」(National Bureau of Standards, NBS)と改称された<ref>{{cite web|url=http://www.100.nist.gov/directors.htm|title=From NBS to NIST|date=2000-11-01|work=NIST at 100: Foundations for Progress|publisher=NIST|accessdate=2013-10-28}}</ref>。
==測定==
1905年には米国計量会議 (NCWM) が創立された。
NIST1300[[]](Standard Reference Material, SRM)使使 NIST SRM 
1960年代前半には[[メリーランド州]][[ゲイザスバーグ]]に227ヘクタールの用地を取得し、移転した<ref>{{cite web|url=http://www.100.nist.gov/directors.htm|title=The Space Age|date=2000-11-02|work=NIST at 100: Foundations for Progress|publisher=NIST|accessdate=2013-10-28}}</ref>。
1988年には現在の名称となった<ref name="archives"/>。
 
=== 度量衡 ===
[[File:National prototype kilogram K20 replica.jpg|thumb|upright|NIST[[]]K20[[ ()|]]0.453 592 37]]
1866年、連邦議会は度量衡体系を法律([[合衆国法典]]1952年版第15編第6章、204項と205項)で定めた<ref>[http://www.nist.gov/pml/wmd/pubs/upload/sp-447-2.pdf NIST history page 41]-Retrieved 2011-09-28</ref>。世界的には1875年5月20日、17カ国が[[メートル法]]に署名し、[[国際度量衡総会]]が選出した国際委員会の監督下で[[国際度量衡局]]を創設した<ref>[http://www.nist.gov/pml/wmd/pubs/upload/sp-447-2.pdf International standards]: page 22; -Retrieved 2011-09-28</ref>。
 
== 機構 ==
NISTの本部は[[メリーランド州]][[ゲイザースバーグ]]にある。また[[コロラド州]][[ボルダー (コロラド州)|ボルダー]]に研究所を持っている。NISTの活動は、研究プログラムと学外プログラムに分けられる。2010年10月1日、NISTの研究ユニットは10から6に再編成された<ref>[http://www.nist.gov/public_affairs/releases/reorg_092810.cfm NIST Strengthens Laboratory Mission Focus with New Structure]</ref>。次の研究ユニットがある<ref>[http://www.nist.gov/laboratories.cfm NIST Laboratories]. National Institute of Standards and Technology. Retrieved on October 6, 2010.</ref>。
*[http://www.nist.gov/el/ エンジニアリング研究所 (EL)]
*[http://www.nist.gov/itl/ 情報技術研究所 (ITL)]
*[http://www.nist.gov/mml/ 材料計測研究所 (MML)]
*[http://www.nist.gov/pml/ 物理計測研究所 (PML)]
*[http://www.nist.gov/cnst/ ナノスケール科学技術センター (CNST)]
*[http://www.nist.gov/ncnr/ NIST中性子研究センター (NCNR)]
 
学外プログラムとしては、以下のものがある。
* [http://www.nist.gov/mep/ Hollings Manufacturing Extension Partnership (MEP)] は中小製造業者を支援する全米規模のネットワークで、効率向上、新たな職業の創造、製造工程改善による廃棄物の削減、技術革新による市場競争力の増強を目的としている。
* [[:en:Advanced Technology Program|Technology Innovation Program]] (TIP) は、最先端のリスクの高い技術開発の一部をNISTが費用負担するものである。
* {{仮リンク|マルコム・ボールドリッジ国家品質賞|en|Malcolm Baldrige National Quality Award}}プログラムは、品質の高い企業を選定して表彰するものである。
 
NISTの物理測定研究所時間・周波数部門のボルダーの研究所には有名な{{仮リンク|NIST-F1|en|NIST-F1}}がある。これは[[フランス]]の[[パリ]]にあるものと同様の最も正確な[[原子時計]]であり、国家標準時としての公式な時刻の拠り所となっている。[[セシウム]]の共振周波数から精密に秒を決めていて、[[電波時計]]などが使用する[[標準電波]]の[[長波]]の放送局([[WWVB]];[[フォート・コリンズ (コロラド州)|フォート・コリンズ]])と[[短波]]の放送局([[WWV (無線局)]];フォート・コリンズ、[[WWVH]];[[ハワイ州]][[カウアイ島]]の[[ケカハ (ハワイ州)|ケカハ]])がある。特に、WWVはアメリカにおける最古の無線局の一つでもある。また、[[Network Time Protocol|NTP]]のサービスも提供している。
 
[[ファイル:NIST AML building.jpg|thumb|left|200px|NIST AML ビル]]
NIST[[]]NIST (NCNR) NCNR[[]]使
 
SURF III [[シンクロトロン]]紫外線放射施設は[[放射光]]源であり、1961年から運営している。SURF III はアメリカにおける光スペクトルの標準として使われている。[[アメリカ航空宇宙局|NASA]]が開発した紫外線観測装置は1970年代からSURFで較正されており、[[紫外線|極端紫外線]][[フォトリソグラフィー|リソグラフィー]]のためのシステムの計測などにも使われている。
 
ナノスケール科学技術センター (CNST) は[[ナノテクノロジー]]研究を行っており、内部の研究と同時に外部ユーザーがアクセスできるナノ製造用[[クリーンルーム]]を提供している。このナノファブには[[フォトリソグラフィー]]用のツール群([[電子顕微鏡]]、[[原子間力顕微鏡]]など)も備えている。
 
[[Advanced Encryption Standard]]AES[[Rijndael]][[Secure Hash Standard]]SHS[[Secure Hash Algorithm]] (SHA)[[SHA-0]][[SHA-1]][[SHA-2]][[SHA-3]][[|ISO]]AESSHAAES[[Data Encryption Standard]] (DES)NISTNBS
 
=== 委員会 ===
NISTには次の7つの常任委員会がある。
* 技術ガイドライン開発委員会 (TGDC)
* 地震の危険性低減のための諮問委員会 (ACEHR)
* 建築安全性チーム諮問委員会 (NCST Advisory Committee)
* 情報セキュリティとプライバシー諮問委員会 (ISPAB)
* 先端技術視察委員会 (VCAT)
* ボールドリッジ国立品質プログラム監督委員会 (BNQP Board of Overseers)
* 生産拡大パートナーシップ国立諮問委員会 (MEPNAB)
 
== 主な事業・成果 ==
=== 標準物質 ===
[[File:NIST hardness reference.jpg|thumb|NISTの[[硬さ]]標準物質 (SRM 2811)。[[ロックウェル硬さ]]試験法においてスケールCの硬さであることが保証されている。]]
NIST1300 ([http://www.nist.gov/srm Standard Reference Material], SRM) 使使 NIST SRM 
 
* [[食事|典型的食物]] (SRM 1548a, $624)
26 ⟶ 118行目:
* [[ピーナッツバター]] (SRM 2387, $501, 6オンス(170 g) ×3壜)
 
=== Handbook 44 ===
NISTは最先端の測定施設を運営している。非常に費用効果が高い'''NIST中性子研究センター'''(NCNR)は最新の材料や燃料電池やバイオテクノロジーについて先端的な研究を行っている。また、'''先端計量研究所'''(AML)は測定/計量に関して世界最先端の設備を有している。アメリカの研究者は最も精密で他に類を見ないレベルの測定をAMLで行うことができる。これは、技術の進歩に伴ってますます重要性を増してきた。技術の複雑化と微細化により、理論や概念から製品やプロトタイプを作るには可能な限り精密な測定が不可欠となっている。
NISTは毎年、{{仮リンク|アメリカ計量会議|en|National Conference on Weights and Measures}} (NCWM) に合わせて "Handbook 44" を出版している。編集はNCWMの仕様・公差委員会とNISTの度量衡部門 (WMD) が行っている。この本は法律に定められた「度量衡の均一性を確保するべく協力する」という責任を果たすための一環でもある。
 
"Handbook 44" は1949年から今の名称となったが、1918年から同様の本を様々な名称で出版してきた経緯がある。2010年版では、1988年の包括通商法 ([[:en:Omnibus Foreign Trade and Competitiveness Act|Omnibus Foreign Trade and Competitiveness Act]])で既に推奨されていた[[国際単位系]]を主に使用することを推奨している<ref>[http://www.nist.gov/pml/wmd/pubs/h44-10.cfm Handbook 44]- "Forward; page 5" Retrieved: 2011-09-28</ref><ref>{{Cite web|url= http://www.govtrack.us/congress/bill.xpd?bill=h100-4848 |title=H.R. 4848 |accessdate= 2011-09-28 |author=100th Congress (1988) |date=Jun 16, 1988 |work=Legislation |publisher=GovTrack.us |quote=Omnibus Trade and Competitiveness Act of 1988 }}</ref>。
==最近の役割==
[[アメリカ同時多発テロ事件]]の余波で、NISTは[[国土安全保障]](ホームランド・セキュリティ)の強化の中心的役割を果たしている。広い研究領域にまたがるプロジェクトを通して、NISTは法の執行、軍隊、救急サービス、情報技術、空港と建物のセキュリティ、および他の分野のアメリカの公共機関で数百万人の個人を[[テロリズム|テロリストの]]脅威から保護するのを手助けしている。例えばNISTは現在政府全体の新しい[[身分証明書|IDカード]]の標準を開発中である。これによりテロリストや犯罪者や無許可の人々が政府の建物やコンピュータシステムに入るのを防ぐのである。
 
=== 国土安全保障 ===
[[貿]]NIST調()NIST調()2006WTC 7 [[2005]][[926]]30
NISTは連邦政府全職員および契約者に共通の[[身分証明書]]を開発しており、無許可の人物が政府の建物やコンピュータシステムに近づくのを防ごうとしている。
 
=== 世界貿易センタービル崩壊に関する調査 ===
[[標準電波]]局WWV([[コロラド州]]フォートコリンズ)・WWVH([[ハワイ州]][[カウアイ島]])の管理をしており、time.nist.govによる[[インターネット]][[時刻]]の提供も同様にしている。[[パーソナルコンピュータ|パソコン]]の[[オペレーティングシステム|OS]]からアクセスすると"ほぼ"正確な時刻を取得できる。
[[ニューヨーク世界貿易センタービル]]の2001年9月11日の崩壊に関して、NISTは三段階の計画からなる事業を遂行した。第一段階はビル崩壊の原因の調査。第二段階は建築技術や防火技術の研究開発。第三段階はその成果を建築業界に広め、技術的援助を行うこと。計画の原因調査部分(第一段階)は2006年末までに完了した。航空機直撃を受けたタワーに関する報告書は[[2005年]][[9月26日]]に提出されたが、そこには30以上の改善提案が含まれていた。
 
2002年、[[:en:National Construction Safety Team Act|National Construction Safety Team Act]](建築安全性チーム法)により、NISTは[[ワールドトレードセンター (ニューヨーク)|ワールドトレードセンター]]の2つの超高層建築物と47階建ての[[7 ワールドトレードセンター]]の崩壊についての調査を命じられた。この調査を指揮したシャーム・スンダル<ref name="Lipton">{{Cite news|author=Eric Lipton|journal=New York Times|date=August 22, 2008|title=Fire, Not Explosives, Felled 3rd Tower on 9/11, Report Says|url= http://www.nytimes.com/2008/08/22/nyregion/22wtccnd.html}}</ref>は、3つのビルの崩壊原因を推測するため、建築と防火の研究を含めた3つの観点をカバーした。NISTはまた、建築や防火についての規約・標準・慣習の研究開発プログラムを確立し、提案した慣習・標準・規約の変化を実際に建築業界に普及させ技術的支援を行う計画を立案した。NISTはまた、施設所有者、契約者、建築家、技術者、緊急応答者、および関係当局に、未来の災害に反応する心構えをさせるための実用的なガイダンスとツールを提供している。計画の調査部分は、2008年11月20日に7 ワールドトレードセンターについての最終報告で完了した。WTCタワーについての最終報告は2005年10月26日にリリースされ、建物と入居者の安全に関して30項目の改善提案を含んでいた<ref>{{Cite web|url= http://wtc.nist.gov/reports_october05.htm |title=Final Reports of the Federal Building and Fire Investigation of the World Trade Center Disaster |publisher=National Institute of Standards and Technology |date=2005-10 |accessdate=2012-06-01}}</ref>。
[[AES]][[AHS]][[|ISO]]AESAES[[DES ()|DES]]NISTNBS
 
=== 選挙技術 ===
==著名人==
NISTは[[アメリカ合衆国選挙支援委員会|選挙支援委員会]]の技術ガイドライン策定委員会と共同で、選挙を自動化する機械やシステムについてのガイドラインである [[:en:Voluntary Voting System Guidelines|Voluntary Voting System Guidelines]] を策定した。
 
=== SAMATE ===
SAMATE (Software Assurance Metrics And Tool Evaluation) はNISTのプロジェクトの1つで、ソフトウェアツールや技法の効果を評価・測定し、それらの差異を明らかにする技法を開発し[[ソフトウェア]][[品質保証]]を改善することを目的としている<ref>[http://samate.nist.gov/index.php/Introduction_to_SAMATE.html Introduction to SAMATE] National Institute of Standards and Technology. Retrieved on October 12, 2009.</ref>。
 
=== 国家的な脆弱性データベース(NVD) ===
NVDは、セキュリティ・コンテンツ・オートメーション・プロトコル(SCAP)を使用して表示された、アメリカ政府による標準的ベースである脆弱性管理データのリポジトリである。このデータは、脆弱性管理、セキュリティ判定、コンプライアンスの自動化を可能にする。NVDには、[[セキュリティチェック|セキュリティチェックリスト]]の資料、セキュリティ関連ソフトウェアの欠陥、設定ミス、製品名、インパクトメトリクスのデータベースが含まれている<ref>{{Cite web|title=NVD - General|url=https://nvd.nist.gov/general|website=nvd.nist.gov|accessdate=2020-04-11}}</ref>。
 
NVDは 2000年に作成された(これは Internet - Categorization of Attacks Toolkit または ICAT と呼ばれている)が、その後も何度も繰り返しと改良を重ね、サービスを提供し続けている。NVDは、情報技術研究所コンピュータセキュリティ部門の製品であり、国土安全保障省の国家サイバーセキュリティ部門がスポンサーとなっている<ref>{{Cite web|title=NVD - General|url=https://nvd.nist.gov/general|website=nvd.nist.gov|accessdate=2020-04-12}}</ref>。
 
=== 公式標準時の提供 ===
アメリカ合衆国の公式な時刻を公表する任務を負っている。国立標準技術研究所(NIST)に所属する「Time and Frequency Division」によって提供されている。ウェブサイトに表示されている時刻の参照は、協定世界時であって、これはNISTで管理されている協定世界時スケールであるUTC(NIST)を使用している。UTC(NIST)は、アメリカ合衆国における周波数、時間間隔、時間帯の国家的標準として機能している<ref>{{Cite web|title=ABOUT TIME.GOV|url=https://www.nist.gov/pml/time-and-frequency-division/about-timegov|website=NIST|date=2019-12-23|accessdate=2020-04-11|language=en|last=andrew.novick@nist.gov}}</ref>。
 
== 著名人 ==
NISTの研究者で[[ノーベル物理学賞]]を獲得した人は以下の通りである。
 
* [[ウィリアム・ダニエル・フィリップス]]([[1997年]])
* [[エリック・コーネル]]([[2001年]])
* [[ジョン・ホール (物理学者)|ジョン・L・ホール]]([[2005年]])
* [[デービッド・ワインランド]]([[2012年]])
 
また、[[ダニエル・シェヒトマン]]は、1982年から84年にかけてNISTで行った研究が元となって[[ノーベル化学賞]](2011年)を受賞した。他に次のような研究者が知られている。
==歴代所長==
 
NISTの所長は大統領が指名し、上院の助言と同意を得て任命する。これまで13人が局長を務めている(うち二人は後任が決まるまでの代理)。
* [[ウィリアム・ウェーバー・コブレンツ]] - 赤外線分光学
* [[フィリップ・J・デイヴィス]] - 応用数学
* [[コルネリウス・ランチョス]] - 数値解析、物理学
* [[シャーロット・ムーア=シタリー]] - 天文学
 
== 歴代所長 ==
NISTの所長は大統領が指名し、[[アメリカ合衆国上院|上院]]の助言と同意を得て任命する。これまで15人が所長を務めている(うち3人は後任が決まるまでの代理)。
 
* Samuel W. Stratton, 1901年-1922年
58 ⟶ 174行目:
* Arati Prabhakar, 1993年-1997年
* Raymond G. Kammer, 1997年-2000年
* Karen Brown (所長Brown(代理), 2000年-2001年
* Arden L. Bement Jr., 2001年-2004年
* Hratch Semerjian (所長Semerjian(代理), 2004年 - 2005年
* William Jeffrey, 2005年-現在2007年
* James Turner(代理), 2007年-2008年
* Patrick D. Gallagher, 2008年-現在
 
NBS時代の局長 Allen V. Astin は俳優[[ジョン・アスティン]]の父であり、同じく俳優[[ショーン・アスティン]]の祖父である。
==関連項目==
*[[工業規格]]
*[[校正|較正]]
*[[トレーサビリティ (計測器)]]
*[[測定]]
*[[情報通信研究機構|情報通信研究機構(NICT)]] - 日本における同等の機関
 
==外部リンク 脚注 ==
{{Reflist}}
いずれも英語
 
* [http://www.nist.gov National Institute of Standards and Technology website]
== 関連項目 ==
* [http://www.boulder.nist.gov NIST Boulder]
* [[工業規格]]
* [[較正]]
* [[国際単位系]]、[[国際度量衡局]]
* [[産業技術総合研究所]](AIST)-日本における計量国家標準の管理機関
* [[情報通信研究機構|情報通信研究機構(NICT)]] - 日本における同等の機関
* [[脆弱性情報データベース]]
* [[測定]]
* [[トレーサビリティ (計測器)]]
* [[ISO/IEC 17025|ISO 17025]]
* [[Stopwatch]] - 当研究所が開発したアプリケーションソフトウェア
 
== 外部リンク ==
{{Commonscat|National Institute of Standards and Technology}}
* [https://www.nist.gov/ National Institute of Standards and Technology website]
* [http://www.boulder.nist.gov NIST Boulder]{{リンク切れ|date=2020年7月}}
* [http://wtc.nist.gov NIST WTC Investigation website]
* [http://www.time.gov The Official U.S. Time]
* [http://ts.nist.gov/measurementservices/referencematerials/index.cfm NIST Standard Reference Materials]{{リンク切れ|date=2020年7月}}
* [http://www.nist.gov/cnst/index.cfm NIST Center for Nanoscale Science and Technology (CNST)]{{リンク切れ|date=2020年7月}}
* [http://www.nist.gov/srd/ NIST Scientific and Technical Data]
* [http://dlmf.nist.gov/ NIST Digital Library of Mathematical Functions]
* [http://www.mep.nist.gov Manufacturing Extension Partnership]{{リンク切れ|date=2020年7月}}
* [http://www.technicalreports.org/ Technical Reports Archive and Image Library (TRAIL)]
 
{{アメリカ合衆国の行政組織}}
{{Normdaten}}
 
{{デフォルトソート:あめりかひようしゆんきしゆつけんきゆうしよ}}
[[Category:工業規格アメリカ国立標準技術研究所|*]]
[[Category:標準化団体]]
[[Category:FIPS| ]]
[[Category:アメリカ合衆国商務省|こくりつひようしゆんきしゆつけんきゆうしよ]]
[[Category:アメリカ合衆国の行政|こくりつひようしゆんきしゆつけんきゆうしよ]]
[[Category:アメリカ合衆国1901年設立研究所政府機関]]
[[Category:メリーランド州の研究所]]
 
[[ar:المعهد الوطني للمعايير والتكنولوجيا]]
[[cs:Národní institut standardů a technologie]]
[[da:National Institute of Standards and Technology]]
[[de:National Institute of Standards and Technology]]
[[en:National Institute of Standards and Technology]]
[[eo:National Institute of Standards and Technology]]
[[es:Instituto Nacional de Estándares y Tecnología]]
[[fa:موسسه ملی فناوری و استانداردها]]
[[fi:National Institute of Standards and Technology]]
[[fr:National Institute of Standards and Technology]]
[[he:National Institute of Standards and Technology]]
[[id:National Institute of Standards and Technology]]
[[it:National Institute of Standards and Technology]]
[[ko:미국 국립표준기술연구소]]
[[ms:Institut Piawaian dan Teknologi Kebangsaan]]
[[nl:National Institute of Standards and Technology]]
[[no:National Institute of Standards and Technology]]
[[pl:National Institute of Standards and Technology]]
[[pt:National Institute of Standards and Technology]]
[[ro:National Institute of Standards and Technology]]
[[ru:Национальный институт стандартов и технологий (США)]]
[[simple:National Institute of Standards and Technology]]
[[sl:Narodni urad za standarde in tehnologijo]]
[[sv:National Institute of Standards and Technology]]
[[tr:National Institute of Standards and Technology]]
[[zh:國家標準技術研究所]]