カール (スナック菓子)
明治のスナック菓子
概要
カールはトウモロコシを原料とした親指大のノンフライスナック菓子[3]で、サクサクとした軽い食感が特徴である。日本初のスナック菓子として1968年7月25日、チーズ味とチキンスープ味の発売以降さまざまな味・バリエーションが発売されている。
カブトムシの幼虫のような独特な形は、開発時に偶然ノズルから出た生地が丸まって下に落ちた形がユニークだったことがきっかけとなって決められた[4]。﹁カール﹂という商品名も"curl︵巻く︶"に由来するが、商標登録の関係上"karl"となっている。
カールのイメージキャラクターは、﹁子供のおやつとして定着させたい﹂という明治製菓の思いから、当初坊やと呼ばれる子供のキャラクターであったが、コマーシャルに脇役として登場していた、麦藁帽子︵髪は非常に薄い︶に泥棒髭、首には手拭を巻いた農作業姿のカールおじさんが人気を博し、1982年のかるーいしお味でパッケージに初登場して以降、イメージキャラクターを務めている[1][5]。カールファミリーのキャラクターデザイナーはひこねのりおが手掛けている。
CM
カールおじさん達が登場するアニメCMのCMソングは、三橋美智也の﹁いいもんだな故郷︵ふるさと︶は﹂。最後の﹁いいもんだな ふるさとは﹂以後が省略されサウンドロゴに切り替わっているバージョン。
3代目CMで登場したカールおじさんは風貌が品がないとの声が社内から上がり、4代目CMではいったん消えたものの、復活要望の声が多かったことから5代目CM以降再登場した[4]。1974年より﹁おらが春篇﹂が開始され、カントリー歌手の寺本圭一が歌を担当した[6]。同年12月の﹁雪だるま篇﹂より三橋が主に担当するようになり、1993年まで使用された[6]。その後は林家こぶ平︵1994年︶、岡村喬生︵1998年︶、団しん也︵1999年 - 2001年︶、志村けん︵2002年 - 2003年︶などが担当[6]、2007年より和田アキ子に引き継がれた[7][8]。また、1995年、1996年のCMには宇崎竜童と瀬戸朝香が出演している[6][9]。1978年には唯一、カールおじさんがセリフを言うCMが放送された。このときの声は由利徹が担当した[10][11]。
歴史
1960年代後半、明治製菓社内で﹁1年通じて食べてもらえるお菓子﹂を作り出そうとする企画が持ち上がる。そんな中アメリカ出張から帰ってきた社員からスナック菓子の存在を知り、日本初のスナック菓子を作ることとなる。味付けのしやすさや原料費の安さからトウモロコシが選ばれた。暗中模索の連続の中、チーズ味、チキンスープ味の発売が決定する。チーズ味は子どもを、チキンスープ味は大人を意識してのものだったが、当時はチーズは日本人には馴染みが浅く斬新だったという。100g入りで70円と他の菓子が50円で売られる中、やや高めの価格設定だった。しかし密閉性が不十分で湿気を帯びやすかったこと、価格設定や対象とする層には量が少し多かったことから当初は売れ行きは芳しくなく、クレームも多く寄せられたという[4]。
翌1969年にはチーズがけ、カレーがけが発売される[12]。密閉性を高め、70g入り50円とするなどクレームを克服する改良が行われたことで好評で、売り上げを伸ばしていった。さらに1971年には関西圏でのさらなる拡販を目指し、鰹だしをベースとしたうすあじを発売した[1]。
1975年のパッケージよりイメージキャラクター﹁坊や﹂が登場する[1]。1982年、うすーいしお味からパッケージに﹁カールおじさん﹂が登場する。1988年には袋の素材がアルミに変更され、それに伴い、従来の中身透過から、イメージ写真のプリントへ変更された[1]。
1993年、1976年のバターミルク味以来となる甘い味のカール、チョコレート味、ナッツキャラメル味が発売された[1][12]。30周年を迎えた1998年には、従来のスタイルから離れたスティック型のカールが発売される。2001年、ホームページと連動してキャラクター型の菓子を見つける企画を行うも、予想を大きく超える反響があり、企画が中止となる[1]。同年冬、受験生を応援する商品として﹁うカール﹂が発売される。以後、定期的に受験シーズンになるとパッケージが変更されている。
2001年、カールうすあじ30周年を記念して復刻版カールが発売される。2004年には﹁カールおじさん﹂30周年を記念し、ロゴが一新されるなどした。2005年には量・大きさが通常の2倍サイズの﹁でかカール﹂が発売された[13]。2008年は発売40周年を記念し、新しい生地による﹁カールふわっち﹂﹁くりぬきカール﹂が発売された[1]。また、POKKAとの業務提携に伴い、POKKAの商品﹁じっくりコトコト煮込んだスープ﹂とのコラボレーション企画としてコーンポタージュ味、クラムチャウダー味が発売された[1]。
1969年に発売された﹁カレーがけ﹂は何度も復刻︵2001年、2008年、2009年7月︶されており、3回目となる2009年7月発売品では明治乳業との経営統合を機に変更された新しいブランドロゴマーク︵meiji︶を導入[14]しており、パッケージ裏の右下にはカールおじさんがブランドマークの変更をお知らせしている。また、1987年に発売された﹁バターしょうゆ味﹂は2009年春のみ限定復刻した。
脚注
(一)^ abcdefghi明治製菓. “カールの歴史”. 6月30日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
(二)^ 明治製菓. “カールのひみつ”. 6月30日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
(三)^ 明治製菓. “カールのできるまで”. 6月30日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
(四)^ abc“ニッポン・ロングセラー考 Vol.051 カール”. COMZINE. NTTコムウェア (2007年7月24日). 2010年12月9日閲覧。
(五)^ 日経ネットマーケティングの事例リポートにおいて明治製菓はカールをキャラクター︵カールおじさん︶が浸透している商品と位置付けている。
(六)^ abcd明治製菓 - カールおらが村. “完全保存版カールCM年表”. 9月5日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
(七)^ 明治製菓 - カールおらが村. “カールCMギャラリー - 歌っているのは誰?”. 9月5日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
(八)^ ZAKZAK. “和田アキ子カールCM熱唱も減量でカ~ルく“値上げ””. 9月5日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
(九)^ インプレスR&D. “インターネットマガジン1996年4月号”. 9月14日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
(十)^ ﹁シルシルミシル﹂2009年10月7日放送
(11)^ 明治製菓﹁お客様相談室﹂
(12)^ ab串間努編﹃子どもの頃の﹁大疑問﹂こちら、思い出探偵事務所﹄大和書房、2000年、p.128-130頁。ISBN 4-479-39077-4。
(13)^ exciteニュース. “カールおじさんもビックリの﹁でかカール﹂”. 6月30日閲覧。accessdateの記入に不備があります。
(14)^ うすあじ、チーズあじも2009年7月発売品から新ブランドロゴマークを導入