[[File:Lahti - containers.jpg|サムネイル|250px|[[フィンランド]]、[[ラハティ]]にあるコンテナで構築された集合住宅]]
[[ファイル:Container offices, Dundee 02.jpg|250px|サムネイル|右|[[スコットランド]]、[[ダンディー (スコットランド)|ダンディー]]にあるコンテナで構築されたオフィス]]
'''コンテナハウス'''︵[[和製英語]]:'''ContainerHouse''' [[英語]]:'''Shipping container home'''<ref>{{cite web|url=https://www.nzherald.co.nz/nz/youve-got-to-be-shipping-me-make-shift-shipping-container-home-offered-for-390pw/ZYFTWUYTDY45ZLNZXWW5KGMUOU/|title=You've got to be shipping me? Make-shift shipping container home offered for $390pw|publisher=New Zealand Herald|date=2021-01-18|accessdate=2021-02-10}}</ref>︶とは、主に[[海上コンテナ]]を利用して建築された住居。内外装を改装した上で住居として使用したり、複数個積み重ねて多階層化されることもある。日本で[[ISOコンテナ|ISO規格コンテナ]]は[[建築基準法]]に定められた[[JIS規格]]の鋼材でない点や<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.nikko-yozai.co.jp/wp/wp-content/themes/nikko/pdf/reference/reference17.pdf|title=鋼材規格|publisher=ニツコー熔材|date=|accessdate=2021-02-10}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325CO0000000338|title=建築基準法施行令︵昭和二十五年政令第三百三十八号︶|publisher=建築基準法 e-Gov|date=|accessdate=2021-02-10}}</ref>、外板に使用される[[コルゲート]]︵波板︶に開口部を設けると強度が落ちることから<ref>{{citeCite web|和書|url=https://foremost.tokyo/containerhousejapan/modular-house-japan-jiscontainer/|title=建築用コンテナとは? 日本のコンテナ建築には、3つのアプローチがある|publisher=FOREMOST|date=2019-11-14|accessdate=2021-02-10}}</ref>、使用されるコンテナは全てJIS規格コンテナとなっている。また、基本的に設置に関し建築基準法の適用を受けるため建築物としての許可申請が必要となる<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/build/jutakukentiku_house_tk_000058.html|title=コンテナを利用した建築物の取扱いについて|publisher=国土交通省|date=|accessdate=2021-02-10}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://xtech.nikkei.com/kn/article/knp/20080513/519720/|title=倉庫用コンテナにも及んだ建築基準法改正の余波|publisher=日経Xtech|date=2008-05-03|accessdate=2021-02-11}}</ref>。ちなみにJIS規格コンテナは中古コンテナ業者によって一般向けに販売<ref>{{Cite web |和書|url=https://hare-container.co.jp/jis_20/ |title=ハレコンテナ JIS規格20フィート・40フィートコンテナ︻建築確認申請が通るコンテナ︼の販売ページ |access-date=2022-11-09}}</ref>されており、こちらでも﹁建築許可申請が通るコンテナ﹂として宣伝されている。
重量物を輸送するため設計された構造物となり、堅牢な鉄骨で作られた箱となるため非常に頑強であり、海上輸送で使用されるため[[塩害]]に強く、長期間の使用に耐えうる特徴を持つ。英語ではこれら輸送コンテナで建設された建築物の総称として︵'''''Shipping container architecture'''''︶から、カーゴテクチャー︵''Cargotecture''︶またはアーキテナー︵''Arkitainer''︶とも呼ばれる。
[[輸送コンテナ]]は、頑丈で耐久性があるうえ積み重ねて使用することができ、切断や切削加工も可能であり、可動式の[[モジュール]]構造となるうえ、流通量が多く比較的安価であるため、多くの点で理想的な建築材料とされる。[[建築家]]や利用者は、コンテナを使用した[[住宅|家]]、[[オフィス]]、[[アパート]]、[[学校]]、[[寮]]、アーティストの[[スタジオ]]、[[避難所]]のほか、[[プール]]としての利用も行われている。また、[[シェルター]]を構築する代わりに、建設現場やその他の場所に﹁現状のまま﹂輸送コンテナを設置することで一時的な避難場所としての提供も行われている。
[[未来学|未来派]]である[[アメリカ人]][[作家]]、[[スチュアート・ブランド|スチュワート・ブランド]]は、[[建築]]に関する進化をまとめた書﹁''How Buildings Learn''﹂を上梓する際、必要となった全ての[[建材]]を組む場所として輸送用コンテナを[[工房]]として使用しており、その製作過程も自書に記述されている。
[[2006年]]、[[南カリフォルニア]]の[[建築家]]である[[w:Peter DeMaria|ピーター・デマリア]](''Peter DeMaria'')は、アメリカの[[建築基準法]]である「''Uniform Building Code(UBC)''」を遵守し政府の認証を受けた初となる2階建てのコンテナハウスを[[レドンドビーチ (カリフォルニア州)|レドンビーチ]]に建設している。この初となるコンテナハウスは、後のコンテナハウス建設を専門とする企業、ロジカル・ホームズ(''Logical Homes'')社の創設に大きな影響を与えている。[[2007年]]、ロジカル・ホームズは[[ネバダ州]][[ラスベガス]]で開催された[[コンピューター]]の[[国際見本市]]のため、コンテナを使用した展示ブースとなる「''the Aegean''」の製作を行っている。
アダム・カルキン︵''Adam Kalkin''︶らの建築家は廃棄されたコンテナを利用した自作の家の建設を行っている<ref>{{Cite web|title=Biography: Adam Kalkin|url=http://articles.cnn.com/2007-02-16/tech/kalkin.biog_1_mass-housing-disaster-relief-adam-kalkin?_s=PM:TECH|publisher=CNN|author=Linnie Rawlinson|date=February 16, 2007|accessdate=2011-09-17}}</ref>。[[2000年]]、アーバンスペースマネジメント社は、[[ロンドン]]、[[タワーハムレッツ区]]の埠頭に﹁[[w:Container City|コンテナシティI]]﹂と呼ばれた建設プロジェクトを行っている。[[2002年]]には、ISOコンテナで製作された[[浄化槽]]の稼働が開始されている。製作にコンテナを使用したことでその後のカスタマイズが容易となっている。[[経営学修士|MBA]]学生であったブライアン・マッカーシーは、2000年代[[メキシコ]]へ経営視察に行った際、[[シウダー・フアレス]]の貧困街を目の当たりにしており、これを契機にマッカーシーは[[マキラドーラ]]制度が機縁する低所得者層向け住宅の建設を行っている<ref>"[http://www.cnn.com/2008/LIVING/wayoflife/09/24/container.homes.ap/index.html Shipping containers could be 'dream' homes for thousands]." ''CNN''. Accessed September 24, 2008.</ref>。
イギリスでは砂を詰めたコンテナを[[変電所]]の事故に対する[[バリケード]]([[土嚢]])目的として設置している。
[[2013年]]10月、[[Google]]は自社が所有するコンテナを用いた[[艀]]式の[[データセンター]]となる「[[Google Modular Data Center]]」を建設しメディアの注目を集めている<ref name="cnet1">{{Cite web|url=http://news.cnet.com/8301-1023_3-57608585-93/is-google-building-a-hulking-floating-data-center-in-sf-bay/|title=Is Google building a hulking floating data center in SF Bay?|author=Daniel Terdiman|date=October 25, 2013|website=[[CNET]]|archiveurl=https://archive.is/20131030061400/http://news.cnet.com/8301-1023_3-57608585-93/is-google-building-a-hulking-floating-data-center-in-sf-bay/|archivedate=October 30, 2013|accessdate=2020-11-27}}</ref>。
== 長所と短所 ==
{{独自研究|section=1|date=2023年6月}}
=== 長所 ===
; カスタマイズ
: 輸送用コンテナは様々な目的に合わせ簡単に改装が可能。
; 強度と耐久性
: 輸送用コンテナは地上や船上で高く積層されることを念頭に設計が行われている。 また、海水を被るなど厳しい環境に耐えうる設計である。一般的なコンテナの屋根は3トンの重みまで耐えることができる<ref>{{citeCite web|和書|url=https://uni-kon.jp/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E7%9F%A5%E8%AD%98/%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%86%E3%83%8A%E3%83%8F%E3%82%A6%E3%82%B9%E3%81%AE%E5%B1%8B%E6%A0%B9%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%80%81%E3%81%A9%E3%82%8C%E3%81%8F%E3%82%89%E3%81%84%E3%81%AE%E7%A9%8D%E9%9B%AA%E8%8D%B7/|title=コンテナハウスの屋根って、どれくらいの積雪荷重が耐えられるの?|publisher=uni-con.jp|date=2019-05-10|accessdate=2021-02-11}}</ref><ref>{{cite webthesis|和書 |author=森雄矢 |year=2014-03 |url=https://tokyo-metro-uhdl.repohandle.nii.ac.jpnet/?action10748/6808 |series=repository_action_common_download&item_id=3361&item_no=1&attribute_id=18&file_no=1首都大学東京, 2014-03-25, 修士︵工学︶ |title=船舶用コンテナによる積層構造建物の 解析的耐震性能評価 |publisherhdl=首都大学東京大学院|format=PDF|author=森10748/6808 雄矢|date=2013|accessdate=20212023-0211-1122}}</ref>。
; モジュール性
: サイズが[[規格化]]されていることからコンテナを組み合わせることで容易に大型化が可能。コンテナの四隅には搬送用[[緊締装置]]が備わっているため、この緊締装置を利用することでコンテナ同士を容易に接続させることが可能である<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.kanaloco.jp/news/economy/article-316036.html|title=頑丈なコンテナ、つなぎやすく ﹁被災地の役に﹂特許申請|publisher=カナロコ|date=2020-11-27|accessdate=2021-02-11}}</ref>。
; 施工性
: 何かを取り付ける場合は、鋼材に[[溶接]]または[[切削加工]]する必要がある。鋼の溶接と切断は建設費を増加させるが、従来の建設よりも依然として低い。
; 輸送
: サイズが規格化されていることからコンテナは[[船]]、[[貨物自動車|トラック]]、または[[鉄道]]で簡単に輸送することが可能である。
; 可用性
: 世界中で使用されており、新品や中古など容易に調達することが可能。
; 費用
: 中古コンテナは、[[レンガ]]や[[モルタル]]など、一般的な他の建材に比べて低コストで入手可能である。 {{要出典|date=September 2017}}
; 低い環境負荷
: 総重量3,500kgを超えるコンテナを[[アップサイクリング]]することで数千キログラムの鋼鉄節約に繋がる。
=== 短所 ===
; 温度
: [[鉄]]は[[熱伝導]]性が高い。極端な温度変化のある環境で人間が居住するためのコンテナは、レンガ、[[鉄筋コンクリート]]、[[木造]]よりも[[断熱|断熱性]]が高くなければならない。なお居住用に使用されるコンテナはこの問題点を解決している<ref name="日経" /><ref>{{citeCite web|和書|url=http://www.jacacon-container.com/info/post-4/|title=どっちがおすすめ?似ているようで違う﹁プレハブ﹂と﹁コンテナハウス﹂|publisher=Jacacon|accessdate=2021-02-11}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://japan.cnet.com/article/35161737/|title=YKK AP、移動もできる小屋﹁HACOBASE﹂を公開--高断熱材とトリプルガラスで過ごしやすい|publisher=CNET Japan|date=2020-10-30|accessdate=2021-02-11}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://kakogawa.keizai.biz/headline/896/|title=加古川で動かせる家﹁スマートモデューロ﹂展示 GWにイベントも|publisher=加古川経済新聞|date=2019-04-18|accessdate=2021-03-12}}</ref>。
; 柔軟性の欠如
: コンテナを組み合わせより大きな構造物とすることも可能であるが、一般的なサイズとなる20[[フィート]]または40フィートとは異なる規格外の製造には費用と時間が掛かる。また一般的なドライコンテナの高さが内寸で2.39mであるため断熱材などを使用すると天井が低くなる。
; 湿度
: 鉄は熱伝導性が高いことから温暖な気候では[[大気]]中の水分が凝縮することで[[結露]]が発生する。このため[[防錆|防錆処理]]が施されていない場合には[[錆]]が発生する。錆は鋼材を[[腐食]]させ強度が落ることから留意する必要がある。
; 設置
: コンテナの重量とサイズから[[ラフテレーンクレーン|クレーン]]または[[フォークリフト]]で設置する必要がある。木造建築やプレハブなどの場合、上層階まで手作業で建築資材の移動が可能である。
; 建築許可
: 建設に[[鋼]]を使用することは、産業用建築では一般的だが、住宅の構造にはあまり使用されていない。日本では住居用に[[ISO規格]]鋼材を建材として使用することができないため、世界的に流通するISO規格コンテナは建築許可を取得することができない。JIS規格鋼材のコンテナならば建築許可を取得できるものの、JIS規格コンテナは日本国内のみの流通となり、購入や製造ともに高価となる。なお、住居用途以外で幾つかの条件を満たせばISOコンテナの利用は可能である。米国では特定の輸送用コンテナによる建築物は[[自治体]]の[[ゾーニング (都市計画)|ゾーニングコード]]の例外となっているため、建築許可の必要がない場合がある。
; 床材の処理
: [[害虫]]の国際的な蔓延を防ぐため、木材を使用した荷役機材に関し国際的なルールが制定されており︵[[w:International Plant Protection Convention|国際植物防疫条約]] IPPC︶この[[検疫]]処理要件を満たすため、殆どのコンテナの床材には、[[銅]]︵23〜25%︶(23 - 25%)、[[クロム]]︵38〜45%︶(38 - 45%)、[[ヒ素]]︵30〜37%︶(30 - 37%)を含む[[殺虫剤]]が使用されていることから住居として使用する場合、各種処理が必須となる。
; 荷室の汚濁
: コンテナは、その耐用期間中に多種多様な貨物を運ぶ。内面にこぼれや汚染が発生した可能性があり、居住前に清掃する必要がある。住居として使用する場合、すべての内張りを除去した上で研磨を行い、非毒性の塗料を用いて再塗装するのが望ましい。
; 溶剤
: 製造時に使用される塗料および[[シーラント]]から放出される溶媒は人体に有害となる。
; 損傷
: コンテナは使用中に衝突や摩耗、積み替えや船舶輸送中に積み重ねられた状態で積載されることで大きな加重を受け損傷するため、住居として積み重ねて使用する場合は歪みや捻じれ、角の損傷などに注意する必要がある。
== 利用例 ==
=== 市場 ===
[[File:E7920-Dordoy-Bazaar-electronics.JPG|サムネイル|200px|アジア最大の公共市場である[[キルギスタン]]の[[ビシュケク]]にあるドルドイ・バザール]]
空のコンテナは[[NIS諸国|旧ソ連]]諸国の市場で[[屋台]]や[[倉庫]]として一般的に使用されている<ref>{{Cite news|url=http://www.businessinsider.com/this-mall-in-seoul-is-made-of-recycled-shipping-containers-2016-7|title=This shopping mall in Seoul is made entirely of shipping containers|newspaper=Business Insider|accessdate=2016-12-20}}</ref>。[[ヨーロッパ]]最大となるコンテナ式[[ショッピングモール]]は[[ウクライナ]]の[[オデッサ]]にある﹁[[w:Seventh-Kilometer Market|7キロメートル・マーケット]]﹂となる。69[[ヘクタール]] (170[[エーカー]]︶の広さがあり、積み上げられたコンテナとコンテナによって形成された路地によって構成される。非公式な名称として﹁トルチョク︵''Толчок''︶﹂と呼ばれ、16,000店の商店が入居する。
[[中央アジア]]、[[キルギス]]の[[ビシュケク]]にある[[:en:Dordoy Bazaar|ドルドイ・バザール]]がアジア最大となる公共市場として著名である。安価かつ大量の模造ブランド品で溢れており、[[カザフスタン]]と[[ロシア]]からの旅行者に人気がある場所となっている<ref>{{citeCite web|和書|url=https://globe.asahi.com/article/12191100|title=メイドインチャイナが山積みの巨大バザール、迫るロシアの影響|publisher=朝日新聞 Globe+|date=2019-03-09|accessdate=2021-02-11}}</ref>。
2011年、[[ニュージーランド]]の[[クライストチャーチ]]にあるキャシェル・モール︵''Cashel Mall''︶は、[[カンタベリー地震 (2011年2月)|カンタベリー地震]]で甚大な被害に遭っており、この数か月後コンテナを利用した店舗での再開を行っている<ref>{{Cite news|url=http://www.nzherald.co.nz/business/news/article.cfm?c_id=3&objectid=10762489|title=Container mall open for business|date=October 29, 2011|newspaper=New Zealand Herald|last=Matthew Backhouse}}</ref>。また、クライストチャーチ中心部でもコンテナによるショッピングモール﹁Re:START﹂が開設されている<ref>{{citeCite web|和書|url=https://2040.jp/blog/2020/03/restart/|title=震災復興策としてコンテナでショッピングモールを整備|publisherコンテナハウス2040JP|date=2020-03-02|accessdate=2021-02-27}}</ref>。
日本でも[[東日本大震災]]により壊滅的被害を受けた[[宮城県]][[牡鹿郡]][[女川町]]においてコンテナを利用した仮設商店街「[[女川コンテナ村商店街]]」が開設されており、2015年の移転まで使用されている。
=== 医療 ===
[[ファイル:Corona Walk-In Testzentrum, Düsseldorf, August 2020 (2).jpg|200px|サムネイル|右|[[ドイツ]]、[[デュッセルドルフ]]に設置されたPCR検査用コンテナ]]
[[2020年]]4月、[[宇都宮市|宇都宮]]にあるコンテナ製造会社によって移動式コンテナ[[診療所]]の販売が開始された。災害時や[[感染症]]対策目的としての利用が想定されており、受注から2週間で完成し現場まで[[牽引自動車|トレーラー]]によって運搬される。また、コンテナは感染を防ぐため空気浄化装置を備えており<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO57973520T10C20A4L60000/|title=宇都宮のピースノート、﹁コンテナ診療所﹂を販売|publisher=日本経済新聞|date=2020-04-13|accessdate=2021-02-11}}</ref>、この完成した医療用コンテナを宇都宮市に対し寄贈している<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.tokyo-np.co.jp/article/44343|title=ピースノート社 医療用コンテナを宇都宮市に寄贈 陰圧システムなど整備|publisher=東京新聞|date=2020-07-23|accessdate=2021-02-11}}</ref>。同時期[[長崎市|長崎]]で発生したクルーズ客船﹁[[コスタ・アトランチカ]]﹂での新型コロナウイルスの集団感染の拡大防止策としての使用が開始された<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.townnews.co.jp/0405/2021/02/05/561265.html|title=伊勢原市 災害時にレスキューホテル 県内初 優先確保で協定|publisher=タウンニュース|date=2021-02-25|accessdate=2021-02-27}}</ref>。また、対応する医療関係者用の住居として平時は﹁HOTEL R9 The Yard﹂として運用されていたコンテナ50室が[[千葉県]][[成田市]]と[[栃木県]][[足利市]]から現地へと搬送された<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.shimotsuke.co.jp/articles/-/326332|title=コンテナホテル“出動”PCR検査用に都内へ 足利|publisher=下野新聞 SOON|date=2020-06-24|accessdate=2021-10-10}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.atpress.ne.jp/news/209750|title=世界初!500室が移動し仮設宿泊所となる﹁レスキューホテル﹂が長崎クルーズ船対応で初出動|publisher=@Press|date=2020-04-30|accessdate=2021-10-10}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.youtube.com/watch?v=Aj34neAT8go|title=1棟1室、安心&快適なコンテナホテルが﹁レスキューホテル﹂に!|publisher=Develop 公式Youtubeチャンネル|date=2020-10-19|accessdate=2021-10-10}}</ref>。
[[東千葉メディカルセンター]]では[[新型コロナウイルス]]の[[PCR検査]]用に陰圧管理された空調機器を備えたコンテナ医療ユニット︵''Container Medical Unit'', '''''CoMU'''''︶の設置が行われた<ref>{{Cite press release|和書|url=https://www.tkmedical.jp/wp/information/917/|title=医療用コンテナが設置されました|publisher=東千葉メディカルセンター|date=2020-04-13|accessdate=2021-02-11}}</ref>。[[岩手県]]にある[[社会福祉法人]][[済生会]]北上済生会病院でも[[オフグリッド]]型簡易陰圧PCR検査室の導入が行われ運用が開始されている<ref>{{citeCite web|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000010.000067786.html|title=社会福祉法人済生会 恩賜財団 北上済生会病院 建築用コンテナを活用した﹃オフグリッド型簡易陰圧PCR検査室﹄導入・運用開始|publisher=PR Times|date=2021-01-28|accessdate=2021-02-11}}</ref>。[[岐阜県]]では発熱専用外来施設として駐車場にコンテナを設置しており<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.gifu-np.co.jp/news/20201202/20201202-25341.html|title=コンテナにCT検査室や待合室 発熱専用外来、松波病院駐車場に開設|publisher=岐阜新聞|date=2020-12-02|accessdate=2021-02-16}}</ref>、[[東京都]][[三鷹市]]ではPCR検査センター敷地内に従事者用休憩室としての設置が行われている<ref>{{citeCite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20200612/ddl/k08/010/113000c|title=新型コロナ コンテナハウスが出発 境町が無償貸与 東京・三鷹市に 医療従事者の休憩・更衣室に/茨城|publisher=毎日新聞|date=2020-06-21|accessdate=2021-03-12}}</ref>。
世界各地でコロナウイルスに対する隔離病床としてコンテナハウスの製造が行われており<ref>{{citeCite web|和書|url=https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000012.000058136.html|title=発熱外来 コンテナ病床 販売|publisher=PR Times|date=2021-01-20|accessdate=2021-02-16}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://project.nikkeibp.co.jp/behealth/atcl/news/world/00001/|title=新型コロナの病床不足を解消するコンテナ式仮設住居|publisher=日経BP|date=2020-04-07|accessdate=2021-02-16}}</ref>、カナダでは連結拡張式の[[集中治療室|ICU]]としての導入が行われている<ref>{{citeCite web|和書|url=https://japanese.engadget.com/jp-2020-04-23-icu-cura-uae.html|archiveurl=https://web.archive.org/web/20200425142348/http://japanese.engadget.com/jp-2020-04-23-icu-cura-uae.html|archivedate=2020-04-25|deadlinkdate=2022-05-01|title=連結拡張できるコンテナハウス式 ICU﹁CURA﹂。新形コロナへの対応でUAE、カナダにも導入へ|publisher=engadget|date=2020-04-03|accessdate=2021-02-16}}</ref>。日本でも[[横浜市]]の企業が40フィートコンテナに[[キヤノンメディカルシステムズ]]製の[[コンピュータ断層撮影]]︵CTスキャナ︶を搭載した移動式コンテナの開発を行っている<ref>{{citeCite web|和書|url=https://newswitch.jp/p/24868|title=CT搭載の医療コンテナ開発へ、新型コロナ対策で病院内の22次感染を防ぐ|publisher=日刊工業新聞社|date=2020-12-01|accessdate=2021-02-16}}</ref>。
=== エンターテインメント ===
=== 住宅 ===
[[1987年]][[11月23日]]、米国人の発明家であるフィリップ・C・クラークは﹁1つまたは複数の輸送用コンテナを建設現場での居住可能な建物に変換する手法とその製品﹂︵''Method for converting one or more steel shipping containers into a habitable building at a building site and the product thereof''︶として米国で[[特許|特許申請]]を行っており<ref>{{cite web|url=https://patents.justia.com/inventor/phillip-c-clark|title=Patents by Inventor Phillip C. Clark|publisher=justa patents|date=|accessdate=2021-02-11}}</ref>、[[1989年]][[8月8日]]付けで﹁特許4854094﹂としての付与が行われている。特許文献には基本的な建築概念が記載されており、これは最も古くに記録された輸送用コンテナを用いた住宅やシェルター建設アイデアと見做されている。しかし、発明家であるポール・ソーヤーズはそれ以前に製作された[[1985年]]の[[SF映画]]﹁[[:en:Space Rage|スペース・レイジ]]﹂の中で使用された大規模なコンテナの[[舞台機構|セット]]について著書の中で私見を述べている。
手頃な価格の住宅としても販売が行われており<ref>{{Cite news|url=https://vancouversun.com/Vancouver+social+housing+built+from+shipping+containers/8739234/story.html|title=Vancouver social housing built from shipping containers|newspaper=The Vancouver Sun|date=2 August 2013|accessdate=19 May 2014|last=Constantineau, Bruce}}</ref>、[[カリフォルニア州]]では[[ホームレス]]対策としての設置が進んでいる<ref>{{cite web|url=https://www.latimes.com/homeless-housing/story/2021-01-18/los-angeles-homeless-housing-project-vignes-street|title=This L.A. project shows that homeless housing can be done quickly and cheaply|publisher=Los Angels Times|date=2021-01-18|accessdate=2021-02-11}}</ref>。
日本各地でも住居として利用されており、[[佐賀県]][[吉野ヶ里町]]では[[介護]]に関わる外国人[[技能実習生]]向け住宅として敷地内にコンテナを設置している<ref>{{citeCite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20200129/ddl/k41/100/206000c|title=外国人技能実習生向け、コンテナハウス導入 吉野ケ里の介護施設/佐賀|publisher=毎日新聞|date=2020-01-29|accessdate=2021-02-16}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.sagatv.co.jp/news/archives/2020012801881|title=介護施設で外国人技能実習生のためにコンテナハウス設置︻佐賀県吉野ケ里町︼|publisher=SAGA TV|date=2020-01-28|accessdate=2021-02-16}}</ref>。[[長野市]]では[[子ども食堂]]を運営する[[NPO法人]]の敷地内に食材保管庫として[[冷蔵コンテナ]]の設置を行っている。企業などから多くの食材寄付を受けるが保管場所が必須となるための措置であった<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.chunichi.co.jp/article/185250|title=子ども食堂、食材保管万全 ホットライン信州、長野に冷蔵コンテナ設置|publisher=中日新聞|date=2021-01-14|accessdate=2021-02-16}}</ref>。
=== 店舗 ===
[[ファイル:集盒KUBIC貨櫃聚落03.jpg|200px|サムネイル|右|[[台湾]]の[[高雄市]]でマーケットとして利用されるコンテナ]]
[[スターバックス]]ではコンテナを利用した店舗を開設している<ref>{{Cite web|url=http://www.smartplanet.com/blog/solving-cities/starbucks-opens-store-made-from-recycled-shipping-containers/|title=Starbucks opens store made from recycled shipping containers|publisher=SmartPlanet|date=17 January 2012|accessdate=19 May 2014|author=Falk, Tyler}}</ref>。日本でも各所で飲食店としての採用が行われており<ref>{{citeCite web|和書|url=https://hyuga.keizai.biz/headline/940/|title=日向・細島に﹁しぶき通り﹂ カキ小屋敷地内にコンテナ活用の6店|publisher=日向経済新聞|date=2020-09-30|accessdate=2021-02-11}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://hamamatsu.keizai.biz/headline/2560/|title=浜松・早出町にコンテナハウスの和カフェ 動物かき氷がインスタ映えすると早速人気|publisher=浜松経済新聞|date=2020-07-08|accessdate=2021-02-16}}</ref><ref>{{citeCite web|和書|url=https://hirosaki.keizai.biz/headline/1004/|title=弘前・岩木山にカフェ新店﹁山菜料理とコーヒー﹂売りに|publisher=弘前経済新聞|date=2018-05-16|accessdate=2021-03-12}}</ref>、[[平成30年台風第24号]]の影響で[[桟橋]]が崩壊した[[浜松市]][[三ヶ日町]]では[[浜名湖遊覧船]]の﹁みっかび瀬戸港﹂としてコンテナの設置を行い運行を再開しており<ref>{{citeCite web|和書|url=https://hamamatsu.keizai.biz/headline/2646/|title=浜松・三ヶ日町の遊覧船乗り場再開 観光やサイクリストの水上交通手段として|publisher=浜松経済新聞|date=2020-12-08|accessdate=2021-03-12}}</ref>、[[タイ王国|タイ]]の[[バンコク]]では自動車販売店としてコンテナが利用されている<ref>{{citeCite web|和書|url=https://greenz.jp/2019/05/20/containerhouse_thailand_20190505/|title=エコでオシャレは当たり前。バンコク発、コンテナでつくられた自動車ディーラー﹁Muangthongthani Carcare﹂から考えるコンテナハウスの可能性|publisher=greeenz.jp|date=2019-05-20|accessdate=2021-02-16}}</ref>。
2011年、ロンドンの[[ショーディッチ]]でコンテナを利用した[[ポップアップストア|ポップアップ式]]の[[ショッピングモール]]となる﹁[[:en:Boxpark|ボックスパーク]]﹂が開設し、その後[[グレーター・ロンドン|ロンドン都市圏]]各所での開設も行われている<ref>{{Cite news|url=https://www.bbc.co.uk/news/business-38742250|title=Boxing clever: The firms based in shipping containers|first=Simon|last=Fry|date=26 January 2017|publisher=BBC}}</ref>。2016年には[[韓国]]の[[ソウル特別市|ソウル]]にポップアップ式のショッピングモールとなる﹁コモン・グラウンド﹂が開設している<ref>{{Cite web|url=https://inhabitat.com/worlds-largest-shipping-container-shopping-mall-pops-up-in-seoul/|title=World's largest shipping container shopping mall pops up in Seoul|date=8 November 2016|first=Lucy|author=Wong|website=inhabitat|accessdate=2020-11-27}}</ref>。
[[熊本県]][[益城町]]でもコンテナハウスを利用した商業拠点の整備を行い22店舗の入居が見込まれている<ref>{{Cite web|和書|url=https://kumanichi.com/news/id79859|title=益城の未来、にぎわいを 44車線化交差点に商業拠点整備へ|publisher=熊本日日新聞|date=2021-01-22|accessdate=2021-02-16}}</ref>。[[南あわじ市]]でも[[道の駅]]福良の傍に複合施設としてコンテナの設置が行われている<ref>{{Cite web|和書|url=https://kisspress.jp/articles/23088/|title=おしゃれなコンテナハウスの複合施設﹃チャレンジショップモール CAP﹄南あわじ市|publisher=Kiss PRESS|date=2019-07-01|accessdate=2021-02-16}}</ref>。この他、[[2020年東京オリンピック|東京五輪]]で訪れた旅行者の宿泊先が不足している問題に対応するため、仮設ホテルとしての利用や[[民泊]]施設としての採用が行われている<ref>{{Cite web|和書|url=https://nikkan-spa.jp/1612666|title=コンテナハウスで民泊運用、年110万円の利益。五輪期間中はさらに期待大|publisher=日刊SPA!|date=2019-10-22|accessdate=2021-02-16}}</ref>。全国各所にコンテナホテルが開設されており、これは大規模災害時における供給不足に対応するため、平時はホテルとして利用しながら備蓄することを目的としており、震災発生時には被災地に移動できる﹁[[フェーズフリー]]ホテル﹂となっている<ref>{{Cite web|和書|url=https://travel.watch.impress.co.jp/docs/news/1297103.html|title=動くコンテナホテル﹁HOTEL R9 The Yard﹂、沖縄県宮古島市/千葉県野田市/茨城県古河市に2021年春オープン|publisher=トラベルWatch|date=2020-12-23|accessdate=2021-02-16}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://miyazaki.keizai.biz/headline/624/|title=宮崎に県内初のコンテナホテル﹁HALO HOTEL小林﹂ 滞在型観光の情報発信の場に|publisher=ひなた宮崎経済新聞|date=2020-04-06|accessdate=2021-02-16}}</ref>。
=== 被災者向け仮設住宅 ===
日本国内では被災向け[[仮設住宅]]としての利用も行われている。構造が堅牢であることから長期間の使用に耐え、現場で組み立てる必要が無いため従来の[[プレハブ工法]]よりも労働者の人工を必要としないため設置コストが低く<ref name="日経" /><ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20200910/ddm/012/040/067000c|title=移動式仮設住宅、岡山から熊本へ 別の被災地にトレーラーで移設|publisher=毎日新聞|date=2020-09-10|accessdate=2021-02-16}}</ref>、工場で組み上げてから被災地まで運搬される。従来の工法では用地の確保や資材不足、職人不足などの問題も発生し、短期間で大量に建設することが難しく大きな課題となっているが<ref name="risk" />、コンテナは工場から設置まで一週間と早く、設置は一日で完了するため入居も迅速となる<ref name="risk" /><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nishinippon.co.jp/item/n/628726/|title=豪雨被災地に移動式仮設住宅設置 熊本・球磨村、8月上旬から入居開始|publisher=西日本新聞|date=2020-07-22|accessdate=2021-02-16}}</ref>。また、[[レンタル]]が可能であり、レンタル費は一戸辺り2年間で300万円と他の仮設住宅に比べ格安であった<ref name="risk">{{citeCite web|和書|url=https://www.risktaisaku.com/articles/-/9118|title=トレーラーハウス型仮設住宅、倉敷市で50戸初採用|publisher=リスク対策.com|date=2018-08-23|accessdate=2021-03-12}}</ref>。不要になった場合の撤去もコンテナを移動させるだけあることから簡単である<ref name="日経" />。撤去後は他の施設として再利用が可能であることから近年採用が進んでいる<ref name="日経">{{citeCite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO64595210U0A001C2CR8000/|title=コンテナ型仮設住宅、移動式で低コスト 被災者に好評|publisher=日本経済新聞|date=2020-10-04|accessdate=2021-02-10}}</ref>。国内では東日本大震災での被災地に対し宮城県牡鹿郡女川町で日本初となる3階建て構造としての設置が行われており<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.nikkei.com/article/DGXDZO36284000X01C11A1CR8000/|title=3階建て仮設 入居始まる 宮城・女川町 震災8カ月﹁やっと落ち着く﹂|publisher=日本経済新聞|date=2011-11-07|accessdate=2021-02-27}}</ref><ref name="sankei" /><ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.tsp-taiyo.co.jp/project/112/|title=東日本大震災女川町仮設住宅|publisher=TSP太陽株式会社|date=|accessdate=2022-01-23}}</ref>、什器もユニット化されているため設置が容易であり、プレハブに比べ気密性や断熱性に優れており壁が肉厚であるため遮音性も高く、隣人の生活音が気にならないなど[[プライバシー]]面でも非常に好評であった<ref name="日経" /><ref name="sankei">{{citeCite web|和書|url=http://sankei.jp.msn.com/region/news/120131/myg12013102000000-n1.htm|title=2,3階建て仮設が大好評 結露や隣家の音、気にならず 宮城|publisher=産経新聞|date=2012-02-01|accessdate=2021-02-10}}</ref>。恒久使用を前提として設計されており、移設が行えるほか<ref name="内閣府">{{citeCite web|和書|url=https://www.bousai.go.jp/kaigirep/chuobou/jikkoukaigi/03/pdf/3.pdf|title=被災者行政に係る課題について︵住まいの再建関係︶|publisher=内閣府|format=PDF|date=|accessdate=2022-02-06}}</ref>、退去後は合宿所や[[漁業]]で使用される[[番屋]]としての再利用が計画されている<ref name="sankei" />。[[平成30年7月豪雨]]では[[岡山県]][[倉敷市]]で50戸が設置されており、従来のプレハブ工法よりもひと月早く入居が行われている<ref name="risk" />。[[令和2年7月豪雨]]では熊本地域で住居としてだけでなく、臨時小学校としての採用も行われ<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/ASN833QR2N83TIPE001.html|title=被災の学校や鉄道、再開一歩ずつ 駅で﹁やっと会えた﹂|publisher=朝日新聞デジタル|date=2020-08-03|accessdate=2021-03-12}}</ref>、入居まで早く住環境が良かったことから同様に好評を博している<ref name="日経" />。
従来の仮設住宅は性能が向上する一方、建設費が高騰しており、東日本大震災では5万3千戸の仮設住宅が建設されているが、[[造成]]費を含め一戸辺り約617万~730万円の費用が掛かっており<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.bousai.go.jp/kaigirep/kentokai/hisaishashien2/wg/pdf/dai4kai/siryo2.pdf|title=被災者の住まいの確保に関する検討課題等︵主に応急仮設住宅・住宅の応急修理関係︶|publisher=内閣府|format=PDF|date=|accessdate=2021-02-11}}</ref>、国の設置基準である9坪、253万円<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.bousai.go.jp/taisaku/pdf/sumai/sumai_5.pdf|title=応急仮設住宅|publisher=内閣府|format=PDF|date=|accessdate=2022-01-23}}</ref>を大幅に上回ったうえ、プレハブには[[リース]]物件と買取物件があるため、退去後に別途解体費用が必要となる事例も発生している<ref name="日経" /><ref>{{citeCite web|和書|url=http://www.sarex.or.jp/chie/chiebukuro_6.pdf|title=応急仮設住宅が抱える問題 - SAREX|publisher=住環境価値向上事業協同組合|format=PDF|date=|accessdate=2022-02-06}}</ref>。その後、設置基準が571万円にまで引き上げられているが、2018年の[[北海道胆振東部地震]]では仮設住宅を[[2重窓]]にするなど[[寒冷地仕様]]にしたため、1戸辺り1,200万円にまで費用が上がっている。しかし、同時期[[むかわ町]]に設置されたコンテナハウスの費用は約450万円に抑えられている<ref name="日経" />。
[[高知県]]では震災時に一般の賃貸住宅を借り上げる﹁[[みなし仮設]]﹂として利用できる住宅が少ないため、[[一般社団法人]]、日本ムービングハウス協会とのコンテナ利用に関する協定を結んでいる。[[茨城県]][[取手市]]でも[[台風]]による[[水害]]も踏まえた上で大規模災害時の利用に関し協定を結んでいる<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.atpress.ne.jp/news/227930|title=取手市と一般社団法人日本ムービングハウスが 災害時応急仮設住宅建設に関する協定を締結|publisher=@Press|date=2020-09-29|accessdate=2021-02-16}}</ref>。なお、コンテナハウスの課題として現状供給能力が弱く<ref name="日経" />、製造業者45社が加盟する協会で震災発生から1月以内で供給できる戸数が500戸と限られているため、平時から他の施設として利用する備蓄案を提案しており、全国6か所に備蓄施設の構築も行っている。同協会は平時には利益を生む[[ホテル]]などの施設として利用し<ref>{{Cite web|url=https://www.designboom.com/architecture/ecotech-design-shipping-container-hotel-california-cass-winery-geneseo-inn-07-08-2020/|title=ecotech design completes shipping container hotel at california winery|publisher=designboom|date=2020-07-08|accessdate=2021-02-11}}</ref>、震災時に貸し出す仕組み作りを強化したいと語っている<ref name="日経" /><ref name="risk" />。
この他、[[令和元年東日本台風]]では、主要な被災地であった[[千葉県]]で被災者が飼っているペットが原因となり避難所での退避を断られるケースが発生しており、この問題に対応するため[[長野市]]がペット専用となる空調付きコンテナの提供を行っている<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.asahi.com/articles/photo/AS20191121001142.html|title=災害時のペット同行避難は? 台風1919号で断られた人も|publisher=朝日新聞|date=2019-12-01|accessdate=2021-02-27}}</ref>。[[神奈川県]][[川崎市]]ではコロナ禍で災害が発生した場合の避難所実証実験を行い、この結果から避難所の密集度が問題として浮彫になっており、この対策としてコンテナハウスの採用を検討している<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.sankei.com/article/20210107-K45PCCMLRZJMJDHRFDTM5QMJOA/2/|title=︻コロナに克つ︼衛生的に暮らせる場所へ 避難所にAI技術活用|publisher=産経WEST|date=2021-01-07|accessdate=2021-03-12}}</ref>。
=== その他の用途 ===
[[ファイル:Barierrefreier wc container.jpg|200px|サムネイル|右|[[バリアフリー]]対応型コンテナトイレ]]
* アーティストの工房
* 一時的な公共施設やブース<ref>{{Cite web|和書|url=https://kumanichi.com/news/id31105|title=外観ユニーク コンテナハウス、地域づくり拠点に 荒尾市の小学校跡 |date=2020-12-21|publisher=熊本日日新聞|accessdate=2021-02-11}}</ref>
* 運搬可能な[[工場]]
* [[エレベーター]]としての利用や上部機械室として
* [[交番|移動交番]]として<ref>{{citeCite web|和書|url=https://www.keishicho.metro.tokyo.jp/about_mpd/joho/koho/koho.files/koho96.pdf|title=広報けいしちょう 夏号 第96号|format=PDF|publisher=警視庁|date=2021-07-11|accessdate=2021-08-29}}</ref>
* 仮[[刑務所]]<ref>{{Cite news|last=Aaltonen|first=Riikka|date=2017-07-14|title=Tältä näyttää Suomen ensimmäinen siirrettävä moduulivankila – Oulun poliisilaitoksen väistötilat saivat käyttöönottoluvan torstaina|url=https://www.kaleva.fi/uutiset/oulu/talta-nayttaa-suomen-ensimmainen-siirrettava-moduulivankila-oulun-poliisilaitoksen-vaistotilat-saivat-kayttoonottoluvan-torstaina/765347/|newspaper=Kaleva|location=Oulu, Finland|language=fi|accessdate=2018-09-27}}</ref>
* [[ガレージ]]として<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.zenchin.com/news/post-5824.php|title=コンテナラボ、全国でガレージハウスを販売強化|publisher=全国賃貸住宅新聞|date=2021-02-04|accessdate=2021-02-16}}</ref>
* [[キャンプ]]サイト
* [[銀行]]の[[金庫室]]
* 建設作業場での事務所や休憩室
* 工作室
* 校舎<ref>{{Cite web|url=http://inhabitat.com/costa-mesa-waldorf-school-is-made-from-32-recycled-shipping-containers/|title=Costa Mesa Waldorf School is Made From 32 Recycled Shipping Containers|author=|first=|date=|website=|publisher=|accessdate=2016-12-20}}</ref>
* [[水耕栽培]]用の[[農場]]として<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.gifu-np.co.jp/news/20210214/20210214-44929.html|title=トラックの荷台は「イチゴワールド」福祉施設向けに収穫体験の出張サービス|publisher=岐阜新聞|date=2021-02-14|accessdate=2021-02-16}}</ref>
:: 都市でコンテナを利用した野菜栽培を行うフランスの大手企業[[:fr:Agricool|アグリクール]]は2,800万ドル︵約30億4,500万円︶の大型資金調達を行い、[[パリ]]と[[ドバイ]]で100基以上の野菜栽培コンテナの設置を計画している<ref>{{Cite web|和書|url=https://jp.techcrunch.com/2018/12/04/2018-12-03-agricool-raises-another-28-million-to-grow-fruits-in-containers/|title=コンテナで野菜果物のハウス栽培をするAgricoolがさらに$28Mを調達し中東にも進出|publisher=TechCrunch Japan|date=2018-12-04|accessdate=2021-03-12}}</ref>。
* [[トイレ]]や[[シャワー]]室、風呂
* [[貨物自動車|トラック]]による牽引式[[キャンピングカー]]の基礎として
* [[消防|消防訓練]]施設<ref>{{Cite web|url=http://www.firerescuemagazine.com/articles/print/volume-8/issue-9/training-0/building-a-fire-training-facility.html|title=Building a Fire Training Facility|author=|first=|date=|website=|publisher=|accessdate=2016-12-20}}</ref>
* 実験室
* [[抽象絵画|抽象芸術]](コンテナその物を芸術品として利用)
* 賃貸トランクルーム
* [[南極]]での気象観測施設([[w:Neumayer-Station II|Neumayer-Station II]])
* [[発電所]]
* [[二次電池|バッテリー]]収納ユニット
* 不安定な地盤箇所での基礎として
* 福祉施設として<ref>{{Cite web|和書|url=https://mainichi.jp/articles/20201106/ddl/k03/040/078000c|title=コンテナを福祉避難所に 北上の医療用ガス会社製造 家族44人生活可能、全国に利用呼び掛け/岩手|date=2020-11-06|publisher=毎日新聞|accessdate=2021-02-15}}</ref>
* プレスセンター、記者クラブなどの詰所
* [[レコーディングスタジオ]]
* ホテル<ref>{{Cite web|和書|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/f036cfbdaf707d3c1108cd84f73976d0952d3cb7|title=「コンテナホテル」が郊外にどんどん増えて77店舗に 稼働率80%の理由は?
|publisher=Yahoo Japan! ニュース|date=2024-03-05|accessdate=2024-03-05}}</ref>
== 脚注 ==
{{Reflist|230em}}
== 参考文献 ==
; 書籍
* Kotnik, Jure (2008). Container Architecture. p. 240. ISBN 978-8496969223
* Sawyers, Paul (2005, 2008). Intermodal Shipping Container Small Steel Buildings. p 116. ISBN 978-1438240329
* Bergmann, Buchmeier, Slawik, Tinney (2010). Container Atlas: A Practical Guide to Container Architecture. p. 256. ISBN 978-3899552867
* Minguet, Josep Maria (2013). Sustainable Architecture: Containers2. p. 111. ISBN 978-8415829317
* Kramer, Sibylle (2014). The Box Architectural Solutions with Containers. p. 182. ISBN 978-3037681732
* Broto, Carles (2015). Radical Container Architecture. p. 240. ISBN 978-8490540558
; ジャーナル
* {{Cite journal | last =Broeze | first =Frank | title =The Globalisation of the Oceans: Containerisation from the 1950s to the Present | journal =International Journal of Maritime History | publisher =International Maritime Economic History Association | year =2002 | pages =439–440439-440 | volume =15| location =Canada | issn =0843-8714 }}
* {{Cite journal | last =Helsel | first =Sand | title =Future Shack: Sean Godsell's prototype emergency housing redeploys the ubiquitous shipping container | journal =Architecture Australia | date =September–October 2001 | url =http://www.architectureaustralia.com.au/aa/aaissue.php?article=11&issueid=200109&typeon=2 | accessdate =2007-10-13}}
* {{Cite news | last =Myers | first =Steven Lee | title =From Soviet-Era Flea Market to a Giant Makeshift Mall | work =The New York Times | date =May 19, 2006 | url =https://www.nytimes.com/2006/05/19/world/europe/19ukraine.html | accessdate =2007-10-13}}
== 関連項目 ==
* [[PFI]](Private Finance Initiative)
* [[仮設商店街]]
* [[ポップアップ・ストア]]
* [[仮設便所]]
* [[先進的物流施設]] - 平時は物流倉庫として稼働し、災害時には大型避難所として自治体と協定が交わされている。
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