スローライフ
概要
1990年頃のバブル景気中に、ファストフードに代表される大量生産・高速型のライフスタイルや、モータリゼーションの進展による都市の郊外化が進んで行った。これに伴い、全国各地には郊外型ショッピングセンターやロードサイドショップが急増し、中心市街地の空洞化︵ドーナツ化現象︶やスプロール現象が進行している。その結果、地方都市が画一的な様相を呈する傾向にある。
これに対して、有機農産物や地元産の農産物が奨励されたり︵地産地消運動︶、沈着型でゆっくりした生活様式を唱える動きが出たりするようになった。これをまちづくりに応用した思想は、﹁ニューアーバニズム﹂とも言われている。
日本では、スローライフ・ジャパンが中心となり掛川市、高知市、岐阜市といった中小の地方都市が、﹁スローライフ﹂を宣言している。テレビ番組では、﹃ザ!鉄腕!DASH!!﹄の﹁DASH村﹂にこの発想が見られており、福島県浜通り北部に根ざした生活様式を実践している。
NPOの全国組織としては、NPO法人日本スローライフ協会︵2004年9月内閣府認証、本部東京都中央区、西崎統理事長︶があり、国内では伊豆諸島の、秦の時代に不老長寿を求めてやつてきた徐福伝説にも登場する八丈島で自給自足できるスローライフ︵素朗来富︶やスローフード︵素糧風土︶の実践を広めている。
三重県では、NPO法人三重スローライフ協会が発足した。三重大学名誉教授の大原興太郎が理事長となって、活動を続けている。機関紙は﹁スローなニュースレター﹂を発行し、活動の報告や交流を進めている。