バラエティタレント
日本においてバラエティ番組に頻繁に出演するタレント
歴史
1970年代もアイドル歌手や女優が娯楽番組にゲストで登場する事はままあったが、多くの場合、台本でお膳立てがなされ、あくまでその流れに沿うようになっており、タレント側もアドリブで切り返す事は稀であった。しかしながら、1980年代に入り、素のリアクションの面白さが求められるようになるという笑いの趣向そのものの変化と、正統派アイドルの斜陽化に伴い、バラドルという新ジャンルが登場する事になったのである。バラエティーアイドル︵以下、バラドルと略記︶の先駆けとなったのは、1980年代後半に活躍した井森美幸、山瀬まみ、森口博子らである。彼女たちはもともと歌手としてレコードを発表し、正統派アイドルを目指していた︵特に、井森、山瀬はともにアイドルの登竜門﹁ホリプロスカウトキャラバン﹂でグランプリを獲得している︶が、ヒット曲に恵まれなかったことと、気の利いたことを言える頭の回転の良さを買われたことで、バラエティー番組への出演が増え、歌番組への出演が主だった正統派アイドルとは趣の違う存在﹁バラドル﹂として認知されるようになった︵ただし、アイドル全盛期にも、﹃オールナイトフジ﹄や﹃夕焼けニャンニャン﹄など、若手タレントらが無教養ぶりをひけらかす番組は幾多存在していた︶。
その後、一般視聴率の低下でテレビの花形だった歌番組が年々減少。結果としてアイドル歌謡も同時に衰退したことで、歌手を本業とする正統派アイドルといえる存在は、ジャニーズ事務所の所属タレントや、モーニング娘。をはじめとしたハロプロ関係、及びw-inds、AKB48など一部を除いて、観られなくなった。21世紀に入った現代において、アイドルがバラエティー番組に出ることはもはや珍しいことではなくなり、﹁バラドル﹂という呼称さえも死語になりつつある。元来は歌番組であったはずのTBS系﹁うたばん﹂、フジテレビ系﹁HEY!HEY!HEY!MUSIC CHAMP﹂等も徐々にバラエティー色が強くなりつつあるのは、象徴的な事象であるといえる。
近年のバラドルの傾向
初期の頃のバラドルは、あくまで素のリアクションの面白さが求められる場合も多く、俗に﹃天然系﹄等と評されていたが、近年の傾向としては、アドリブで切り返された後、更に機知の飛んだ突っ込みやボケができなければ一人前と見なされないという傾向が強まっている。