「ビヨルン」の版間の差分
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ビヨルンは、自身が﹁キャロック<ref>Carrock・古英語の石や岩を意味するcarrと岩を意味するroccの合成語である模様。T・A・シッピーは[[古ウェールズ語]]に語源を求めている。</ref>﹂と呼ぶ大岩の程近い[[森林|森]]に丸太で組んだ家<ref>作者であるトールキン自筆の挿絵によれば、典型的[[アングロ・サクソン人|アングロ・サクソン]]様式の木造館である。暖房や調理用となる炉は、家の中央に設けられている。</ref>を持っている巨漢の男性で、一人暮らしではあるが多数の家畜を召使としており、身の回りの世話をさせている。家畜の動物とは会話して意思の疎通を図る能力もある。[[ガンダルフ]]は彼を﹁さる人﹂<ref>﹁然る御方﹂のような相手を尊重するニュアンス。</ref>と呼んで、敬意を表している。自然に暮らし、[[蜂蜜]]や[[クリーム (食品)|クリーム]]を常食とし、野生動物の[[狩り]]もする。 豪放な人柄で、筋肉逞しい体に毛深く顎鬚を蓄え粗野な風体ながら礼儀に厳しく、ガンダルフは彼の機嫌を損ねることは危険だとすら述べている。その一方で礼儀正しい客人をもてなすことを好み、また旅人の話を聞くことを好む。自然を深く愛するので、環境を破壊しがちなドワーフ族を快く思わない節があるが、それよりも遥かにに[[オーク (トールキン)|ゴブリン]]を憎んでいて、 外部からの集団での来訪者に対する警戒心は強いが、順を追って紹介された場合はその限りではない。このためガンダルフと13人の[[ドワーフ]]、そして[[ホビット]]の[[ビルボ・バギンズ]]も二人ずつ彼の家を訪ねることで警戒心を解いて、彼の食卓に列席することを許されている。[[蜂蜜酒]]をたしなむほか、[[パン]]や焼き菓子を作ることにかけてはなかなかの腕前で、大変味の良いパンを作る。 その一方、熊に姿を変えた際には強大な力を持ち、ガンダルフによればキャロックに穿たれた階段を作ったのも彼の豪腕と爪によるものであるらしい。この熊の姿の際には獰猛な性格となり、成り行きからゴブリンたちに手痛い損害を与えたドワーフ一行を付けねらうゴブリンの[[斥候]]を捕らえて残酷に晒し者にしたほか、﹃ホビットの冒険﹄終盤の﹁五軍の合戦﹂では友人となったドワーフたちやエルフ・人間の連合軍に加勢するべく怒りに膨れ上がった巨大な熊の姿で駆け付け、押し寄せるゴブリンの軍隊を蹴散らしゴブリン軍の大将首であるボルグを葬った。 なお﹃ホビットの冒険﹄では、合戦に参加しビルボやガンダルフと帰路についたビヨルンのその後も述べられており、それによれば[[中つ国 (トールキン)|中つ国]]の霧ふり山脈周辺地域の広い範囲を治める長老として多くの子孫を残したと言う。著名なグリムビヨルンをはじめ、彼の子孫である男たちはビヨルンには強さも大きさも及ばないものの、幾世代かにわたって熊に変身する能力をもち、一部に酷薄な悪人も出たが、その多くは彼の善良な心を受け継いだ、暖かい善人であったという。 |