フサイチホウオー
フサイチホウオーは日本の元競走馬である。主戦騎手は安藤勝己。2001年の東京優駿、ジャパンカップを勝ったジャングルポケットの初年度産駒。馬名の﹁ホウオー︵報王︶﹂はスポーツ報知とフサイチネットとの共同馬名公募により決定された。全妹に2007年阪神ジュベナイルフィリーズ、2008年優駿牝馬を勝ったトールポピーがいる。
フサイチホウオー | |
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2007年5月27日 東京競馬場 | |
品種 | サラブレッド |
性別 | 牡 |
毛色 | 鹿毛 |
生誕 | 2004年2月16日 |
抹消日 | 2008年4月30日 |
父 | ジャングルポケット |
母 | アドマイヤサンデー |
母の父 | サンデーサイレンス |
生国 | 日本(北海道早来町) |
生産者 | ノーザンファーム |
馬主 | 関口房朗 |
調教師 | 松田国英(栗東) |
競走成績 | |
生涯成績 | 11戦4勝 |
獲得賞金 | 1億4331万5000円 |
戦歴
2歳
2006年10月8日の新馬戦でデビューし、1番人気に応えて快勝。翌月の東京スポーツ杯2歳ステークスでは、ドリームジャーニーやフライングアップルといったオープン馬を押しのけて1番人気に推され、レースでもそれらに競り勝ってジャングルポケット産駒として初の重賞制覇を2連勝で飾る。続くラジオNIKKEI杯2歳ステークスでも、札幌2歳ステークス優勝馬のナムラマースらを差しきり優勝した。
JRA賞の最優秀2歳牡馬は朝日杯フューチュリティステークスを制したドリームジャーニーが受賞したが、同馬を東京スポーツ杯2歳ステークスで破ったことや、無敗で重賞を2勝したことから、フサイチホウオーには有効得票数︵289票︶の4分の1に近い76票が投票された。
3歳
2007年は共同通信杯から始動、ダイレクトキャッチをクビ差振り切って優勝し、無敗で重賞を3連勝するとともに、共同通信杯の親子制覇を達成した。その後の皐月賞では、父と同じ1番枠からのスタート。父のように出遅れることは無かったが、後方待機の競馬を強いられ1番人気のアドマイヤオーラと互いに牽制し合っている間に、マイペースで逃げたヴィクトリーとサンツェッペリンを最後の直線で豪快な末脚で追い込むがとらえ切れず、これまた父と同じ3着と、初めて土をつけられた。また、皐月賞ではデビュー以来初の2番人気で、これも父と全く同じであった。
負けてなお強しの結果に、父仔二代での東京優駿制覇に俄然期待がかかるようになった。第74回東京優駿では単勝式のオッズが1倍台の断然の1番人気に推されたが、スローペースが影響したせいか、第2コーナーを過ぎたあたりから掛かってしまい、直線では見せ場なく7着に敗れ、父ジャングルポケット以来続いていた1番人気の連勝記録を6で止めてしまった。なお、1番人気で馬券に絡めなかった︵4着以下︶馬は1989年のロングシンホニー︵5着︶以来18年ぶりである。日本ダービー後は宇治田原優駿ステーブルに放牧に出されたが、移動先で寮馬がいないのを寂しがる素振りを見せ、馬体が細化したので、7月5日に帰厩した。
秋は神戸新聞杯から始動。1番人気に推されて出走したが、レースでは後方から進むものの、最後の直線で全く伸びずに12着と大敗した。当初は天皇賞︵秋︶への出走も視野に入れていたが、菊花賞へ向かい、復活を期待された続く第68回菊花賞も、レース中かかる仕草を見せ8着に敗れている。菊花賞後はジャパンカップに向かう方針を打ち出していたが、初のダート戦となるジャパンカップダートに出走した。しかしレースでは、前とは大きく離れた11着に敗れれ、その後、放牧に出された。
4歳
引退後
引退後は北海道苫小牧市にあるノーザンホースパークにて乗馬となる予定である。
競走成績
年月日 | 競馬場 | 競走名 | 格 | 頭 数 |
枠 番 |
馬 番 |
オッズ (人気) |
着順 | 騎手 | 斤 量 |
距離(馬場) | タイム (上り3F) |
着差 | 勝ち馬/(2着馬) | ||
2006 | 10. | 8 | 東京 | 2歳新馬 | 14 | 6 | 9 | 2.3(1人) | 1着 | 安藤勝己 | 55 | 芝1800m(良) | 1:50.1(35.6) | -0.6 | (ピサノシェンロン) | |
11. | 18 | 東京 | 東京スポーツ杯2歳S | GIII | 12 | 4 | 4 | 2.1(1人) | 1着 | 安藤勝己 | 55 | 芝1800m(良) | 1:48.7(34.0) | -0.1 | (フライングアップル) | |
12. | 23 | 阪神 | ラジオNIKKEI杯2歳S | GIII | 11 | 3 | 3 | 1.8(1人) | 1着 | 安藤勝己 | 55 | 芝2000m(良) | 2:02.1(34.3) | 0.0 | (ヴィクトリー) | |
2007 | 2. | 4 | 東京 | 共同通信杯 | JpnIII | 9 | 3 | 3 | 1.4(1人) | 1着 | 安藤勝己 | 57 | 芝1800m(良) | 1:47.7(34.2) | 0.0 | (ダイレクトキャッチ) |
4. | 15 | 中山 | 皐月賞 | JpnI | 18 | 1 | 1 | 3.7(2人) | 3着 | 安藤勝己 | 57 | 芝2000m(良) | 1:59.9(33.9) | 0.0 | ヴィクトリー | |
5. | 27 | 東京 | 東京優駿 | JpnI | 18 | 7 | 15 | 1.6(1人) | 7着 | 安藤勝己 | 57 | 芝2400m(良) | 2:25.5(34.1) | 1.0 | ウオッカ | |
9. | 23 | 阪神 | 神戸新聞杯 | JpnII | 15 | 7 | 12 | 2.4(1人) | 12着 | 安藤勝己 | 56 | 芝2400m(良) | 2:26.3(36.5) | 1.6 | ドリームジャーニー | |
10. | 21 | 京都 | 菊花賞 | JpnI | 18 | 6 | 11 | 11.2(5人) | 8着 | 安藤勝己 | 57 | 芝3000m(良) | 3:05.8(35.9) | 0.7 | アサクサキングス | |
11. | 24 | 東京 | ジャパンCダート | GI | 16 | 7 | 14 | 16.4(5人) | 11着 | O.ペリエ | 55 | ダ2100m(良) | 2:11.6(39.8) | 4.9 | ヴァーミリアン | |
2008 | 1. | 5 | 中山 | 中山金杯 | GIII | 16 | 1 | 1 | 9.0(4人) | 15着 | 鮫島良太 | 56 | 芝2000m(良) | 2:01.6(35.3) | 0.9 | アドマイヤフジ |
2. | 23 | 京都 | 京都記念 | GII | 16 | 5 | 9 | 28.1(8人) | 15着 | C.ルメール | 56 | 芝2200m(良) | 2:15.3(34.9) | 1.7 | アドマイヤオーラ |
特徴
父ジャングルポケット、母の父サンデーサイレンスという血統だが、気性難もそのまま受け継いでいるのか直線で右にヨレて走る癖があり、ラジオNIKKEI杯2歳ステークスや皐月賞では審議の対象にもなった。また、コーナーワークが下手という特徴も父ジャングルポケットからそのまま受け継いでいる。父・母の父も距離に不安のある血統ではないが、前述のような不器用さが手伝ってか、距離が伸びて結果を出すことができなくなった。
また同馬は腰に不安を抱えており、2007年秋ごろになると、神戸新聞杯、菊花賞とかつての止まらない末脚を繰り出すことができなくなっており、凡走はこの腰の不安が原因ではないかともいわれていた。また、腰のこともあって放牧してゆっくり静養させようとしたが、放牧先であまりにもさびしがって鳴きやまないために、早めに厩舎に戻さざるをえなかった。
血統表
フサイチホウオーの血統(ゼダーン系(ナスルーラ系)/Northern Dancer 4×4=12.50%) | (血統表の出典) | |||
父 ジャングルポケット 1998 鹿毛 |
父の父 *トニービンTony Bin 1983 鹿毛 |
*カンパラ Kampala |
Kalamoun | |
State Pension | ||||
Severn Bridge | Hornbeam | |||
Priddy Fair | ||||
父の母 *ダンスチャーマーDance Charmer 1990 黒鹿毛 |
Nureyev | Northern Dancer | ||
Special | ||||
Skillful Joy | Nodouble | |||
Skillful Miss | ||||
母 アドマイヤサンデー 1995 鹿毛 |
*サンデーサイレンス Sunday Silence 1986 青鹿毛 |
Halo | Hail to Reason | |
Cosmah | ||||
Wishing Well | Understanding | |||
Mountain Flower | ||||
母の母 *ムーンインディゴMoon Indigo 1986 鹿毛 |
El Gran Senor | Northern Dancer | ||
Sex Appeal | ||||
Madelia | Caro | |||
Moonmadness F-No.1-p |