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{{出典の明記|date=2022年3月}}
{{Otheruses|クラシックマンドリン|ポピュラー音楽等で使用されるフラットマンドリン|フラットマンドリン}}
{{Portal クラシック音楽}}
'''マンドリン'''▼
[[File:Torella3.jpg|thumb|マンドリン(ローマ型マンドリン)]]▼
'''マンドリン'''︵{{Lang-en-short| **[[フラットマンドリン]] - アメリカ発祥の撥弦楽器。[[ブルーグラス]]や、カントリーなどで使用される。▼
**[[バンドリン]] - スペイン・ポルトガル発祥の撥弦楽器。[[ショーロ]]などで使われる。南米では「マンドリン」と呼ばれる。▼
現在、もっとも一般的にみられるのは17世紀中頃に登場した[[ナポリ]]型マンドリンから発展したもので[[弦 (楽器)|弦]]は[[鋼|スチール]]製の8弦4コース、調弦は[[ヴァイオリン]]と同じく低い方からG-D-A-E。ただしヴァイオリンと違って指板にはフレットがあり、[[弓 (楽器)|弓]]ではなく[[ピック]]を使って 撥弦楽器であるマンドリンは[[ギター]]と同じく持続音が出せない楽器である。この問題は高音においてギターより大きな問題となり、その結果、持続音を模した[[トレモロ]]奏法が使われる。その他の奏法には、[[アルペジオ]]、[[ピッツィカート]]、[[ハーモニクス]]などがある ▲'''マンドリン'''︵{{Lang-en-short|Mandolin}}、[[ドイツ語|独]]・{{Lang-fr-short|Mandoline}}、{{Lang-it-short|Mandolino}}︶は[[イタリア]]発祥の[[撥弦楽器]]。 19世紀末に[[アメリカ合衆国]]で派生した[[フラットマンドリン]]は、[[ブルーグラス]]、[[カントリー・ミュージック|カントリー]]などの音楽ジャンルで、[[フィドル]]や[[バンジョー]]などとともに使用されることが多い。
▲現在、もっとも一般的にみられるのは17世紀中頃に登場した[[ナポリ]]型マンドリンから発展したもので[[弦 (楽器)|弦]]は[[鋼|スチール]]製の8弦4コース、調弦は[[ヴァイオリン]]と同じく低い方からG-D-A-E。ただしヴァイオリンと違って指板にはフレットがあり、[[弓 (楽器)|弓]]ではなく[[ピック]]を使って[[演奏]]する。 ▲マンドリンは[[ギター]]と同じく持続音が出せない楽器である。この問題は高音においてギターより大きな問題となり、その結果、持続音を模した[[トレモロ]]奏法が使われる。その他の奏法には、[[アルペジオ]]、[[ピッツィカート]]、[[ハーモニクス]]などがある。フラットマンドリンは、ブルーグラス、カントリーなどの音楽ジャンルで、[[フィドル]]や[[バンジョー]]などとともに使用されることが多い。 == 種類 ==
▲[[ファイル:Neapolitan mandolin 001.jpg|right|thumb|マンドリン(ナポリ型マンドリン)]]
▲[[File:Torella3.jpg|thumb|マンドリン(ローマ型マンドリン)]]
[[ファイル:Educational Mandolin Graphic of Japan.png|thumb|教育用マンドリン]]▼
[[File:Violin open strings.png|thumb|マンドリンの音階]]▼
[[File:Range mandolin.PNG|thumb|マンドリンの音域]]▼
マンドリンには、[[イチジク]]の縦割りに例えられるボールバックの[[ナポリ]]型や、フラットバックの[[ポルトガル]]型、[[バンジョー]]の半分のサイズのバンジョー型等がある。また、南米には10弦︵ペルー︶・12弦︵ボリビア︶などのマンドリンも存在する。 ナポリ型マンドリンは糸巻軸の金属棒が外に飛び出ているタイプのマンドリンを指し、ローマ型マンドリンはギターと同じ方式の糸巻軸をしているものを指す。
[[イタリア]]起源の、[[リュート]]から派生したものは「マンドリン」、スペイン・ポルトガル起源の、ギター([[ヴィエラ]])から派生した[[フラットタイプ]]のものは(南米でもよく使用される)「[[バンドリン]]」と呼ばれるが、奏法は同じで、音もよく似ている。
マンドリン属の[[弦楽器]]には他に[[マンドラ]]、[[マンドロンチェロ]]、[[マンドローネ]]などがある。
== 部位の名称 ==
▲[[ファイル:Educational Mandolin Graphic of Japan.png|thumb|300px|教育用マンドリン]]
* 1 糸巻
** (1) 糸巻軸
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== 歴史 ==
[[File:Tiepolo Gimbattista, Woman with a Mandolin, c. 1755-60.jpg|thumb|バロックマンドリン([[ジョヴァンニ・バッティスタ・ティエポロ]]画『マンドリンを持つ女』)]]
マンドリンの直接の起源は[[リュート]]から派生した楽器「[[マンドーラ]]」といわれている(マンドリンとは「小さなマンドーラ」の意味)。初期のマンドリンは6コースの[[ガット]]弦を持ついわゆる[[バロックマンドリン]](マンドリーノ)で、[[ヴィヴァルディ]]が書いたマンドリン協奏曲はこの型のためのものである。▼
[[File:Fotothek df roe-neg 0006329 013 Mandolinenspielerin.jpg|thumb|マンドリンを弾く女性(1952年、ドイツ)]]
[[File:Neapolitan mandolin 001.jpg|thumb|ナポリ型マンドリン]]
[[File:Neapolitan mandolin 001 s.jpg|thumb|ナポリ型マンドリン]]
[[File:Mandolin nut.jpg|thumb|マンドリンのナット(上こま)部分]]
▲[[File:Violin open strings.png|thumb|マンドリンの音階]]
▲[[File:Range mandolin.PNG|thumb|マンドリンの音域]]
[[File:Mandolin fretboard.png|thumb|マンドリンのフレット表]]
▲マンドリンの直接の起源は[[リュート]]から派生した楽器「[[マンドーラ]]」といわれている
近代マンドリンの歴史は19世紀の == 日本の状況 ==
{{関連記事|マンドリンオーケストラ#日本への普及}}
日本では、[[1894年]][[四竈訥治]]がイギリス人から贈られたマンドリン演奏した記録が残っている。[[1901年]]には[[比留間賢八]]が留学先のイタリアからマンドリンを持って帰国し、指導者となる。比留間の門人には[[萩原朔太郎]]や[[藤田嗣治]]や[[里見とん|里見弴]]らがいる。また娘の[[比留間きぬ子]]もマンドリン奏者で、数多くの門弟を育てた。▼ ▲日本では、[[1894年]][[四竈訥治]]がイギリス人から贈られたマンドリンを演奏した記録が残っている。[[1901年]]には[[比留間賢八]]が留学先のイタリアからマンドリンを持って帰国し、指導者となる。比留間の門人には[[萩原朔太郎]]や[[藤田嗣治]]や[[ 日本で本格的にマンドリンが流行するきっかけとなったのは[[1924年]]の[[ラファエレ・カラーチェ]]の来日である。彼は摂政宮︵のちの[[昭和天皇]]︶のために御前演奏するなど、各地で演奏会を開いている。彼の来日に影響を受けたマンドリン奏者の中に後に作曲家として活躍する[[鈴木静一]]・[[中野二郎 (作曲家)|中野二郎]]・[[服部正]]がいる。 [[1968年]]から2年に1回、[[日本マンドリン連盟]]主催独奏コンクールが開かれ、多くの奏者を輩出している<ref>[http://jmu-jp.up.seesaa.net/image/E78BACE5A58FEFBDBAEFBE9DEFBDB8EFBDB0EFBE99E381AEE8A898E98CB2.pdf 日本マンドリン独奏コンクールのあゆみ]</ref><ref>[http://jmu.jp/article/295361725.html 第23回日本マンドリン独奏コンクール終了]</ref>。
== 楽曲 ==
{{関連記事|マンドリンオーケストラ曲}}
=== 無伴奏独奏曲 ===
* [[ニコロ・
*: メヌエット
*
*: ハイドンの主題による変奏曲
*: 夏の唄
112 ⟶ 113行目:
*: エルムの都
*: 荒城の月の主題による変奏曲
* [[中野二郎 (作曲家)|中野二郎]]
*: 「春が来た」変奏曲
*: 祈り
137 ⟶ 138行目:
=== 伴奏付独奏曲 ===
* [[ルートヴィヒ・ヴァン・
*: ソナチネ ハ長調 WoO 44a
*: ソナチネ ハ短調 WoO 43a
*: アダージョ 変ホ長調 WoO 43b
*: アンダンテと変奏曲 ニ長調 WoO 44b
* [[ヨハン・ネポムク・
*: ソナタ ハ長調 Op.35
* [[ヴィットーリオ・
*: [[チャールダーシュ (モンティ)|チャールダーシュ]]
* [[カルロ・ムニエル]]
*: スペイン風奇想曲
161 ⟶ 162行目:
*: エレジー
*: 演奏会用マズルカ
*
*: ワルシャワの思い出
*: マンドリン協奏曲 ニ長調
* [[エンリコ・マルチェッリ]]
*: ジプシー風奇想曲
177 ⟶ 179行目:
* [[クルト・シュヴァーエン]]
*: スロヴェニア風舞曲 など
* [[ディートリ
*: ソナチネ
* [[たかの舞俐]]
189 ⟶ 191行目:
* [[ヘルマン・アンブロジウス]]
*: デュオ
* [[齋藤秀雄]]・[[中野二郎 (作曲家)|中野二郎]]
*: デュエッティーノ
* [[中野二郎 (作曲家)|中野二郎]]
*: めだか、走馬灯
* [[服部正]]
199 ⟶ 201行目:
=== 協奏曲 ===
* [[アントニオ・
*: マンドリン協奏曲ハ長調
*: 2つのマンドリンのための協奏曲ト長調
* [[ヨハン・アドルフ・
*: マンドリン協奏曲ト長調
* [[ジョヴァンニ・バッティスタ・
*: マンドリン協奏曲変ロ長調
* [[ジョヴァンニ・
*: マンドリン協奏曲変ホ長調
*: マンドリン協奏曲ハ長調
* [[ヨハン・ネポムク・
*: マンドリン協奏曲ト長調
* [[アルミン・カウフマン]]
*: マンドリン協奏曲
* [[ディートリ
*: マンドリン協奏曲
* [[ヘルベルト・バウマン]]
229 ⟶ 231行目:
=== オーケストラの中のマンドリン ===
* [[リゲティ・ジェルジュ]]
* [[ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト|モーツァルト]]▼
*: [[ミステリー・オヴ・ザ・マカーブル]]
*: 歌劇「[[ドン・ジョヴァンニ]]」
* [[グスタフ・
*: [[交響曲第7番 (マーラー)|交響曲第7番「夜の歌」]]
*: [[交響曲第8番 (マーラー)|交響曲第8番「千人の交響曲」]]
*: [[大地の歌|交響曲「大地の歌」]]
* [[オットリーノ・
*: 交響詩「[[ローマの祭]]」
* [[アルノルト・
*: 歌劇「[[モーゼとアロン]]」
*: [[管弦楽のための変奏曲 (シェーンベルク)|管弦楽のための変奏曲]]
* [[アントン・
*:
* [[イーゴリ・
*: バレエ音楽「[[アゴン (ストラヴィンスキー)|アゴン]]」
* [[ベルント・アロイス・ツィンマーマン]]
*: ユビュ王の晩餐のための音楽
== 派生楽器 ==
*[[エレクトリックマンドリン]] - ロックやポップ音楽で使われる撥弦楽器。[[フェンダー (楽器メーカー)|フェンダー]]社、[[リッケンバッカー]]社など[[エレキギター]]メーカーが製造。
▲ == 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
== 参考文献 ==
* 有賀敏文著・工藤哲郎監修『マンドリン物語 - 星々の戯れ』(早稲田出版、2003年) ISBN 978-4898272572
* トニー・ベーコン『世界で一番美しいアメリカン・ギター大名鑑 ヴィジュアルでたどるヴィンテージ・ギターの歴史』(DU BOOKS、2013年)ISBN 978-4-92506-472-9
== 関連項目 ==
{{Commonscat|Mandolins}}
* [[フラットマンドリン]]
* [[マンドリンオーケストラ]]
* [[マンドリンの音の博物館]]
* [[日本マンドリン連盟]]
* [[ギブソン (楽器メーカー)|ギブソン]] - マンドリンの製造からスタートした楽器メーカー。現在でもフラットマンドリンを製造している。
== 外部リンク ==
* [http://
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