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{{基礎情報 アメリカ合衆国の州
}}
{{Maplink2|zoom=3|frame=yes|plain=の|frame-align=right|frame-width=290|frame-height=180|type=shape|stroke-color=#cc0000|stroke-width=2|frame-latitude=41.9|frame-longitude=-91|text=メイン州の位置︵[[アメリカ合衆国本土|本土]]東北部に位置する。[[ミネソタ州]]より西の[[カナダ=アメリカ合衆国国境|米加国境]]直線部は[[北緯49度線]]。︶}} '''メイン州'''︵'''メーン州'''、{{lang-en-short|State of Maine}}、{{IPAc-en|audio=en-us-Maine.ogg|ˈ|m|eɪ|n}}; {{lang-fr|État du Maine}}︶は、[[アメリカ合衆国]]の[[州]]である。[[アメリカ合衆国本土]]、および[[ニューイングランド]]の最東北部に位置する。東と南は[[大西洋]]に面し、西は[[ニューハンプシャー州]]、北西は[[カナダ]]の[[ケベック州]]、北東は同じく[[ニューブランズウィック州]]に接している。入り組んだ岩の多い海岸線、低くうねった山稜、内陸の深い森と美しい水流など、その景色で知られ、また[[ロブスター]]や[[ハマグリ]]など海産物料理でも知られている。[[州都]]は[[オーガスタ (メイン州)|オーガスタ市]]、人口最大[[都市]]は[[ポートランド (メイン州)|ポートランド市]]である。面積は全米50州のうち39位。人口は第41位である。▼ '''メイン州'''︵メインしゅう、{{lang-en-short|State of Maine}}、{{IPAc-en|audio=en-us-Maine.ogg|ˈ|m|eɪ|n}}; {{lang-fr|État du Maine}}︶は、[[アメリカ合衆国]]の[[アメリカ合衆国の州|州]]。[[州都]]は[[オーガスタ (メイン州)|オーガスタ市]]。人口最大[[都市]]は[[ポートランド (メイン州)|ポートランド市]]。面積は全米50州のうち39位で、人口は第42位。 == 概要 ==
現在メイン州となっている領域には数千年前から先住[[インディアン]]が住んでいた。ヨーロッパ人が接触した時には[[アルゴンキン語族]]の数部族がいた。ヨーロッパ人による最初の開拓地は、1604年に[[フランス人]]ピエール・デュギュア・シュール・ド・モンがサンクロワ島に設立したものだった。イングランド人による最初の開拓地は、1607年に[[バージニア会社|プリマス会社]]が設立した[[ポパム植民地]]だったが、短命に終わった。1620年代に海岸線に多くの開拓地が設立されたが、過酷な気候や物資の欠乏、地元インディアンとの抗争により、失敗を続けた。▼ ▲ ▲現在、メイン州となっている領域には、数千年前から先住[[インディアン]]が住んでいた。ヨーロッパ人が接触した時には[[アルゴンキン語族]]の数部族がいた。ヨーロッパ人による最初の開拓地は、1604年に[[フランス人]]ピエール・デュギュア・シュール・ド・モンがサンクロワ島に設立したものだった。[[イングランド人]]による最初の開拓地は、1607年に[[バージニア会社|プリマス会社]]が設立した[[ポパム植民地]]だったが、短命に終わった。1620年代に海岸線に多くの開拓地が設立されたが、過酷な気候や物資の欠乏、地元インディアンとの抗争により 18世紀に入ったときにヨーロッパ人は6名ほどしか居なかった。[[アメリカ独立戦争]]や[[米英戦争]]のとき、アメリカの[[パトリオット (アメリカ革命)|愛国者]]とイギリス軍がメインの領土を巡って争った。1820年までは[[メイン地区]]として[[マサチューセッツ州]]に属していたが、1820年の住民投票でマサチューセッツ州からの分離を決め、[[ミズーリ妥協]]の一部として3月15日にアメリカ合衆国23番目の州に昇格した。▼
▲18世紀初頭に {{bar box
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| quote = "WHEREAS, the State of Maine is named after the Province of Maine in France..."
}}</ref>。
異説として、同様な名前の場所が初期にあったこと、あるいは本土(メインランド)に対する海からの呼び方などがある<ref>{{
|first
|last
|url
|accessdate
|title
|publisher
|archiveurl
|archivedate = 2007
|url-status=dead|url-status-date=2017-09
}}</ref>。
最初にこの名前が記録されたのは1622年8月10日のことであり、フェルディナンド・ゴルジェス卿と、[[イギリス海軍]]の退役兵ジョン・メイソン大尉に与えられた土地の認可証だった。この2人は現在のメインで広大な土地の所有を認められ、﹁メイン植民地と名付けるつもりだった﹂とされている。メイソンはイギリス海軍に勤めている | first = Samuella
| last = Shain
| url =
| accessdate = 2010-07-03
| title = The Maine Reader: The Down East Experience from 1614 to the Present
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| date = 1997-08-01
}}</ref>。
名称の由来が
| last = Stuart
| first = George R.
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現在のメイン州となっている地域の元々の住人は、[[アルゴンキン語族]]の{{仮リンク|ワバナキ連邦|en|Wabanaki Confederacy|label=ワバナキ族}}インディアンであり、その中には[[アベナキ族]]、[[パサマクォディ]]族、{{仮リンク|マリシート|en|Maliseet|label=マリシート族}}、{{仮リンク|ペノブスコット|en|Penobscot|label=ペノブスコット族}}が含まれていた。ヨーロッパ人による最初の開拓地は、1604年にフランス人ピエール・デュギュア・シュール・ド・モンがサンクロワ島に設立したものだった。設立者の中には著名な探検家[[サミュエル・ド・シャンプラン]]が含まれていた。フランスは後のメイン州を含む地域の名前を[[アカディア]]と名付けた。イングランド人による最初の開拓地は、1607年に[[バージニア会社#プリマス会社|プリマス会社]]が設立した[[ポパム植民地]]であり、これは[[バージニア州]]に[[ジェームズタウン (バージニア州)|ジェームズタウン]]の開拓地が造られたのと同じ年だった。ポパムの開拓者は14か月後にはイングランドに戻った<ref>[http://www.mpbn.net/homestom/p9pophamcolony.html MPBN, "Rolling Back the Frontier"] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20110704053256/http://www.mpbn.net/homestom/p9pophamcolony.html |date=2011年7月4日 }}, ''The Story of Maine'', accessed 3 Jan 2011</ref>。 フランスによって1609年にはペノブスコット湾沿いに、1613年にはマウントデザート島に[[イエズス会]]の伝道所が設立された。1613年、クロード・ド・ラ・トゥーアが{{仮リンク|カスタイン (メイン州)|en|Castine, Maine|label=カスタイン}}開拓地を設立した。1625年にはカスタインを守るために{{仮リンク|ペンタグー砦|en|Fort Pentagouet}}を建設した。メイン西部の海岸地域が1622年の土地特許で初めて{{仮リンク|メイン植民地|en|Province of Maine}}と指定された。[[ケネベック川]]より北のメイン東部はほとんど入植が行われず、17世紀の間は{{仮リンク|サガダホク領土|en|Territory of Sagadahock}}と呼ばれていた。2回目の入植の試みは1623年のヨークと呼ばれた地だった。イングランド人探検家で海軍軍人のクリストファー・レベット船長が、イングランド王[[チャールズ1世 (イングランド王)|チャールズ1世]]から、6,000エーカー (24 km<sup>2</sup>) の土地特許を認められた<ref>[
メインの中部には{{仮リンク|アンドロスコッギン族|en|Androscoggin tribe}}︵別名‥アロサガンタクック族︶が住んでいた。アンドロスコッギン族はアベナキ族に属する部族だった。1690年に起きた[[ウィリアム王戦争]]のときに、この地を逐われた。彼等はカナダのセントフランシスに移っていたが、その町も1759年に[[ロジャーズ・レンジャーズ]]に破壊され、現在は{{仮リンク|オダナク|en|Odanak}}にいる。アベナキ族に属する別の部族は何度か大敗を喫した。特に[[ラル神父戦争]]の間には、1724年にノリッジウォックが占領され、1725年には{{仮リンク|ペクォーケット|en|Pequawket|label=ペクォーケット族}}が敗北して、その人口を大きく減らした。彼等も最後はカナダに逃避し、ベカンコーやシラリーに入り、後には南から逃げてきた他の部族と共にセントフランシスに入った<ref>Bruce G. Trigger (ed.): ''Handbook of North American Indians. Vol. 15. Northeast''. Smithsonian Institution Press, Washington D.C. 1978 ISBN 0-16-004575-4</ref>。 118 ⟶ 122行目:
1740年代にイギリスがアカディアでフランスを破った後、ペノブスコット川より東の領域はノバスコシア植民地の支配下に入り、現在の[[ニューブランズウィック州|ニューブランズウィック]]と共に[[ノバスコシア州|ノバスコシア]]のサンベリー郡となり、郡庁はカンポベロに置かれた。[[アメリカ独立戦争]]や[[米英戦争]]のとき、アメリカの愛国者とイギリス軍がメインの領土を巡って争った。どちらの戦争でも、イギリス軍がメイン東部を占領した<ref>Woodard, Colin. [http://www.colinwoodard.com/lobstercoast ''The Lobster Coast'']. New York. Viking/Penguin, ISBN 0-670-03324-3, 2004, pp. 139–140, 150-151</ref>。1783年9月3日、[[パリ条約 (1783年)|パリ条約]]が調印された結果として[[アメリカ独立戦争]]が終わり、イギリスはアメリカ合衆国の独立を認めた。しかし、メインとイギリス領北アメリカの境界は曖昧なままだった。アメリカ合衆国が形成されたときに、メインはマサチューセッツ州の一部と確認されたが、最終的にその境界が確立されたのは、1842年の[[ウェブスター=アッシュバートン条約]]によってだった。 メインはマサチューセッツ州の本土とは物理的に離れていた。土地投機や入植に関して長い間意見の不一致があり、メインの住民とこれに同調するマサチューセッツ州民が、1807年のマサチューセッツ州議会でメインを分離する提案を行った。その票決では提案が否決された。1812年に始まった米英戦争のときに、マサチューセッツ州のイギリス寄り商人達が戦争に反対し、イギリスによる侵略からメインを守ることを拒否したので、メインにおける分離を求める感情が大きくなった。1819年、マサチューセッツ州はメイン州の住民投票で承認されれば、メインの分離を認めることに合意した。人口が急増していたメインはこれを受けて1820年に住民投票を実施し、マサチューセッツ州からの分離を承認した。当時、全国的には[[奴隷制度]]の拡大に地理的な制限を設ける動きがあり、[[ミズーリ州]]の州昇格と引き替えに奴隷州と自由州のバランスを取る必要があった。その結果として メイン州の当初の州都は人口最大の都市である[[ポートランド (メイン州)|ポートランド市]]にあったが、1832年に州の中央に近い都市として[[オーガスタ (メイン州)|オーガスタ市]]に移された。
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=== 州と地方の政治 ===
州の一般選挙では、他の州よりも無所属や第3政党系の候補を受け入れることが多い。1975年から1979年のジェイムズ・B・ロングリーと1995年から2003年のアンガス・キングは無所属の州知事だった。[[共和党 (アメリカ)|共和党]]と[[民主党 (アメリカ合衆国)|民主党]]の二大政党の場合も、他州より中道的な政治家が多い。 現在、メイン州においては、[[死刑制度]]は廃止されている。また[[アルコール飲料]]の統制州である。
2009年5月6日、[[同性結婚]]を合法化した15番目の州になった。しかし、この法は2009年11月3日の住民投票で否決された。2012年11月6日、メイン州は、メリーランド州、ワシントン州と共に住民投票で同性結婚を合法化した最初の州になった<ref>"[ === 国政 ===
{| class="wikitable" style="float:right; margin:0 0 1em 1em; font-size:95%;"
|+ '''大統領選挙の結果'''<ref>{{
|- style="background:lightgrey;"
! 年
! [[民主党 (アメリカ合衆国)|民主党]]
! [[共和党 (アメリカ)|共和党]]
|- style="text-align:center;"
| style="background:#f0f0ff;"|[[2012年アメリカ合衆国大統領選挙|2016年]]
| style="background:#f0f0ff;"|'''47.85%''' ''352,485''
| style="background:#fff3f3;"|45.15% ''332,591''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#f0f0ff;"|[[2012年アメリカ合衆国大統領選挙|2012年]]
| style="background:#f0f0ff;"|'''56.27%''' ''401,306''
| style="background:#fff3f3;"|40.98% ''292,276''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#f0f0ff;"|[[2008年アメリカ合衆国大統領選挙|2008年]]
| style="background:#f0f0ff;"|'''57.71%''' ''421,923''
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|- style="text-align:center;"
| style="background:#f0f0ff;"|[[2004年アメリカ合衆国大統領選挙|2004年]]
| style="background:#f0f0ff;"|'''53.57%''' ''396,842''
| style="background:#fff3f3;"|44.58% ''330,201''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#f0f0ff;"|[[2000年アメリカ合衆国大統領選挙|2000年]]
| style="background:#f0f0ff;"|'''49.09%''' ''319,951''
| style="background:#fff3f3;"|43.97% ''286,616''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#f0f0ff;"|[[1996年アメリカ合衆国大統領選挙|1996年]]
| style="background:#f0f0ff;"|'''51.62%''' ''312,788''
| style="background:#fff3f3;"|30.76% ''186,378''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#f0f0ff;"|[[1992年アメリカ合衆国大統領選挙|1992年]]
| style="background:#f0f0ff;"|'''38.77%''' ''263,420''
| style="background:#fff3f3;"|30.39% ''206,504''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#fff3f3;"|[[1988年アメリカ合衆国大統領選挙|1988年]]
| style="background:#f0f0ff;"|43.88% ''243,569''
| style="background:#fff3f3;"|'''55.34%''' ''307,131''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#fff3f3;"|[[1984年アメリカ合衆国大統領選挙|1984年]]
| style="background:#f0f0ff;"|38.78% ''214,515''
| style="background:#fff3f3;"|'''60.83%''' ''336,500''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#fff3f3;"|[[1980年アメリカ合衆国大統領選挙|1980年]]
| style="background:#f0f0ff;"|42.25% ''220,974''
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|- style="text-align:center;"
| style="background:#fff3f3;"|[[1976年アメリカ合衆国大統領選挙|1976年]]
| style="background:#f0f0ff;"|48.07% ''232,279''
| style="background:#fff3f3;"|'''48.91%''' ''236,320''
|- style="text-align:center;"
| style="background:#fff3f3;"|[[1972年アメリカ合衆国大統領選挙|1972年]]
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|- style="text-align:center;"
| style="background:#f0f0ff;"|[[1968年アメリカ合衆国大統領選挙|1968年]]
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|- style="text-align:center;"
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|- style="text-align:center;"
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|- style="text-align:center;"
|}
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[[1992年アメリカ合衆国大統領選挙|1992年]]と[[1996年アメリカ合衆国大統領選挙|1996年]]には、[[ロス・ペロー]]がメイン州で大きな成果を挙げた。1992年の無所属候補だったペローは、[[ビル・クリントン]]に次いで第2位になった。州内ケネブンクポートに昔から[[ブッシュ家]]の夏の家があった事実を押してのことだった。1996年は改革党の候補となり、他州よりも高い支持率を得た。 1992年の大統領選挙からは連続して7回、民主党候補を選んでいる。すなわちビル・クリントンを2回、2000年の[[アル・ゴア]]、2004年の[[ジョン・フォーブズ・ケリー|ジョン・ケリー]]、2008年と2012年の[[バラク・オバマ]]、2016年の[[ヒラリー・クリントン]]である。大統領選挙では民主党が強いが、アメリカ合衆国上院議員では共和党が強く、過去50年間で上院議員になった民主党員は[[エドマンド・マスキー]]、[[ジョージ・J・ミッチェル]]など3人のみである。
2010年の中間選挙では共和党が大きく躍進した。州知事を確保した他、両院の過半数を獲得したのは1970年代以来のことになった。しかし、2012年の選挙では、民主党が州議会の両院を取り戻した。 225 ⟶ 229行目:
組織化された地方自治体は選挙で選ばれる地方政府の形態を採り、地方サービスを管理して実行し、記録を保管し、免許料を集め、条例を成立させることができる。町とプランテーションの政府形態は[[タウンミーティング]]方式であり、市の政府形態は郡政委員会・マネジャー方式である。2013年時点で23の市と431の町がある。またプランテーションは34ある。総計488の地方自治体が州領域の半分足らずをカバーしている。他に3つの[[インディアン居留地]]もある<ref>[http://www.maine.gov/local/ Maine City and Town Index]</ref>。 * 人口最大の市: [[ポートランド (メイン州)|ポートランド市]]、
* 人口最少の市: イーストポート、1,640人
* 人口最大の町: [[ブランズウィック (メイン州)|ブランズウィック]]、
* 人口最少の町はフライアイランドであり、リゾート地なので、年間を通じた住人はゼロである。
* 面積最大の自治体: アラガッシュ町、
* 面積最少の自治体: モンヒーガンアイランド、
=== 未編入領域 ===
246 ⟶ 250行目:
州内最大の湖はムースヘッド湖である。ニューイングランド全域では[[シャンプレーン湖]]があるが、[[バーモント州]]と[[ニューヨーク州]]およびケベック州で分け合っている。サウスツイン湖など州内に数多い湖については詩人の[[ヘンリー・デイヴィッド・ソロー]]が語っている。カターディン山は[[アパラチアン・トレイル]]の北端になり、南は[[ジョージア州]]スプリンガー山まで続いている。また新しい国際アパラチアン・トレイルの南端となり[[ニューファンドランド・ラブラドール州]][[ベル島 (ニューファンドランド・ラブラドール州)|ベル島]]まで続いている。 メイン州は多数のユニークな地理的特徴も有している。最東端の沖合に位置する[[マ メイン州は、[[ミシシッピ川]]以東の州では最も人口密度が小さい。﹁松の木の州﹂というニックネームがあり、全土の90%近くが森林である<ref name="forest">{{cite web|title=Message from the State Forester|url=http://www.maine.gov/doc/mfs/forester.htm|publisher=Maine Forest Service|accessdate=2010-12-26}}</ref>。内陸の森林地帯はほとんど人の住まない所であり、正式な政治区分に入っていない場所もある。これはニューイングランドではほとんど無いことである。例えば、州北部の未編入領域であるノースウェスト・アルーストックは面積6,910 km<sup>2</sup> の中に住人は10人しか居らず、1人当たりの面積は690 km<sup>2</sup> になる。 252 ⟶ 256行目:
メイン州は温帯広葉樹混交林生態系にある。大西洋岸南部と中部に近い地域はオークの混ざった北東部海岸森林である。ノースウッズなど他の部分はニューイングランド・アケイディア森林に覆われている<ref name="ecoregions">{{cite journal |author = Olson |title = Terrestrial Ecoregions of the World: A New Map of Life on Earth |journal = BioScience |year = 2001 |volume = 51 |issue = 11 |pages = 933–938 |url = http://gis.wwfus.org/wildfinder/ |doi = 10.1641/0006-3568(2001)051[0933:TEOTWA]2.0.CO;2 |author-separator = , |author2 = D. M |author3 = E. Dinerstein |display-authors = 3 |issn = 0006-3568 |last4 = Burgess |first4 = Neil D. |last5 = Powell |first5 = George V. N. |last6 = Underwood |first6 = Emma C. |last7 = d'Amico |first7 = Jennifer A. |last8 = Itoua |first8 = Illanga |last9 = Strand |first9 = Holly E. |archiveurl = https://web.archive.org/web/20111014034322/http://gis.wwfus.org/wildfinder/ |archivedate = 2011年10月14日 |deadurldate = 2017年9月 }}</ref>。 メイン州の海岸線は総延長が400 km あり、潮汐海岸線は5,600 km になる<ref name="mainegovfacts">{{ [[ファイル:A beach in maine on a clear day.jpg|thumb|250px|アカディア国立公園に近いメイン海岸]]
[[ファイル:Boothbay Harbor, summer morning at low tide.jpg|thumb|250px|ブースベイ・ハーバーの夏の朝]]
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メイン州地形の多くは最終氷河期の終わりに重い氷河の動きによって造り出された。その典型的な例がサムズ・サウンドとバブルロックであり、どちらもアカディア国立公園のマウントデザート島にある。氷河が削りだしたサムズ・サウンドは東海岸唯一の[[フィヨルド]]であり、深さは50 m に達する。水深が深いことと、両岸が切り立っていることで、そのほぼ全長に渡って船が入ることができる。この地形はヒンクリー・ヨットのような権威ある造船業者にとっても魅力あるものである。バブルロックは﹁氷河迷子﹂と呼ばれるものであり、アカディア国立公園のバブル山の外れに巨岩が乗っている。その[[花崗岩]]を分析すると、50 km 離れたルサーン町から氷河がこの巨岩を運んできたことがわかる。メイン州の北と西をイアペタス亀裂が走り、その下には[[ローレンシア大陸]]がある。南部と東部の下はアバロニアン段地である。 [[アメリカ合衆国国立公園局|国立公園局]]の保護及び管理下にある地域は次の通りである<ref>{{ * [[アーカディア国立公園|アカディア国立公園]]、{{仮リンク|バーハーバー (メイン州)|en|Bar Harbor, Maine|label=バーハーバー}}近く
* [[アパラチアン・トレイル]]
302 ⟶ 306行目:
{| class="wikitable" style="text-align:center;font-size:90%;"
| colspan="14" style="text-align:center;font-size:120%;background:#E8EAFA;"
|-
! style="background:#e5afaa; color:#000;"| 都市
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== 行政区分 ==
=== 郡 ===
{{Main|メイン州の郡一覧}}
メイン州は郡に指定された政治区分に分割されている。1860年に現行の16郡体制ができ、その広さは
=== 主要な都市と町 ===
442 ⟶ 405行目:
* [[ソコー (メイン州)|ソコー]]
|}
{{-}}
</gallery
== 経済 ==
{{See also|w:Maine locations by per capita income}}
[[ファイル:Maine quarter, reverse side, 2003.jpg|thumb|200px|メイン州の4分の1ドル硬貨]]
[[ファイル:Biw aerial.jpg
[[ファイル:Old Port area of Portland, ME.jpg|thumb|250px|ポートランドの古い港地域]]
[[アメリカ合衆国商務省経済分析局]]は2010年のメイン州の州総生産高を520億米ドルだったと推計している<ref>{{cite web|title=GDP by State|url=http://greyhill.com/gdp-by-state|publisher=Greyhill Advisors|accessdate=2011-09-13}}</ref>。2007年の一人当たりの収入は33,991米ドルであり、合衆国内で34番目だった。2010年10月時点での失業率は7.4%だった<ref>[http://www.bls.gov/lau/ BLS.gov - Local Area Unemployment Statistics]</ref>。 メイン州の農業生産品は、家禽及び卵、乳製品、牛、[[ブルーベリー]]、[[リンゴ]]、並びに[[メープルシロップ]]とカエデ糖である。[[アルーストック郡 (メイン州)|アルーストック郡]]は[[ジャガイモ]]の生産で知られている。漁業はかつて州経済の主力であり、現在も[[ロブスター]]漁や底引き漁で残っている。1980年代に、それまでロブスター漁を邪魔して嫌われていたウニが日本向けに輸出されるようになり、1993年には1.8万トンが水揚げされた<ref name=Kassinger>ルース・カッシンガー著、井上勲訳﹃藻類 生命進化と地球環境を支えてきた奇妙な生き物﹄、築地書店、2020年︵原著2019年︶、125頁。</ref>。乱獲のため激減し、2016年には680トンにまで落ち込んだ<ref name=Kassinger></ref>。メイン州西部の帯水層及び泉の水は瓶詰めされて商品になっている。 工業製品は、主として紙、材木及び木材製品、電気機器、革製品、加工食品、繊維、並びにバイオテクノロジーである。海軍艦船の建造業は健在であり、バスの[[バス鉄工所]]及びキタリー内の[[ポーツマス海軍造船所]]がある。州内にブランズウィック海軍基地もあり、 470 ⟶ 433行目:
観光業と屋外レクリエーションが州経済の主力となり、次第に重要性を増している。狩猟、釣り、スノーモービル、スキー、ボート乗り、キャンプ、ハイキングなどで人気のある観光地になっている。 メイン州の港湾は全国的な輸送において重要な役割を果たしている。1880年から、ポートランド港は鉄道と結ばれ、[[不凍港]]であることで、カナダにとっての主要な冬港となっていた。1900年代半ばにノバスコシア州[[ハリファックス]]が大々的に開発されて、その役目が変化した。2001年、ポートランド港は大型タンカーが入港できたので、その取扱量でボストン港を超えた。[[ポートランド国際ジェットポート]]が近年拡張され、[[ジェットブルー航空]]や[[サウスウエスト航空]]の増便に対応できるようになった。 州内に本社を構える大企業は少ない。特に製紙業界で統合と合併が進んで、以前よりも少なくなった。現在州内に本社を構える大企業としては、サウスポートランドの[[フェアチャイルドセミコンダクター]]、[[ウェストブルック (メイン州)|ウェストブルック]]の{{日本語版にない記事リンク|IDEXX研究所|en|Idexx Laboratories}}、[[スカボロー (メイン州)|スカボロー]]のハナフォード・ブラザース、ポートランドのユーナムとTD銀行、フリーポートの[[L・L・ビーン]]、ヤーマスの[[コール・ハーン]]とデロームがある。世界最大の哺乳類遺伝子研究施設であり、遺伝子的に純血のネズミでは世界最大の供給者でもあるジャクソン研究所が州内にある。 === 税 ===
メイン州は[[所得税]]を課しており、税率は2%から8.5%まで4段階の累進課税方式である。[[売上税]]率は5.5%である。宿泊と食事サービスには7%、短期間のレンタカーには10%を課している。メイン州の基幹商品であるブルーベリーの販売者は、その取引記録を保管し、各シーズンで販売した100ポンド (45 === 造船業 ===
484 ⟶ 447行目:
*「ハリウッド・スロット・ホテル&競馬場」
== 人口動
[[ファイル:Maine population map.png|thumb|400px|メイン州の人口密度図]]
{{USCensusPop
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|2000= 1274923
|2010= 1328361
|2020= 1362359
|footnote= Source: 1910-2010<ref>{{cite web|author=Resident Population Data |url=http://2010.census.gov/2010census/data/apportionment-pop-text.php |title=Resident Population Data - 2010 Census |publisher=2010.census.gov |date= |accessdate=2012-03-15}}</ref>
}}
メイン州の[[人口重心]]は[[ === 人種及び祖先 ===
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* 1.7% スコットランド・アイルランド系
アメリカ人と申告した者の多くはイギリス人の子孫であるが、国内に長く住んでいるので、単純にアメリカ人と申告している<ref>[
フランス系アメリカ人の比率は国内で最も高い。また非ヒスパニック白人の比率も国内最高である。2011年に生まれた子供の89.0%が二親とも非ヒスパニック白人の子供だった<ref>"[http://www.cleveland.com/datacentral/index.ssf/2012/06/americas_under_age_1_populatio.html Americans under age 1 now mostly minorities, but not in Ohio: Statistical Snapshot]". ''The Plain Dealer''. June 3, 2012.</ref>。フランス語を話す人の比率も国内最高である。その大半は1840年から1930年にケベック州から移ってきた者と、1842年以前に[[ニューブランズウィック州]]から移ってきた者の子孫である。州北部の特に[[アルーストック郡 (メイン州)|アルーストック郡]]では、親戚が近くのニューブランズウィック州に住んでいるので、家庭で[[フランス語]]を話すアカディア人がいる。統計データでは、家庭で州民の5.28%がフランス語を話しており、[[ルイジアナ州]]の4.68%よりも高い<ref>{{cite web|url=http://www.mla.org/map_data_results&state_id=23&mode=state_tops|title=MLA Language Map Data Center|publisher=Modern Language Association|accessdate=2013-09-11}}</ref>。5歳以上の州民の92.25%は家庭で英語を話しており、フランス語を話す人々は少数言語民族になっている。メイン州は公式言語を決めていないが、最も使われているのは英語である。 685 ⟶ 647行目:
=== 作家 ===
* [[スティーヴン・キング]] - [[バンゴー (メイン州)|バンゴー]]生まれで、現在も住人であり、その小説の舞台にメイン州が多く登場するが、主な舞台になるのはメイン州にあると設定される﹁架空の町﹂である。 === スポーツチーム ===
708 ⟶ 670行目:
=== 日本の姉妹都市 ===
*(日本) - (州内都市
*([[青森県]])-(メイン州)
*([[青森県]][[つがる市]])-([[バス (メイン州)|バス市]])
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}
722 ⟶ 686行目:
== 外部リンク ==
{{commons|Category:Maine}}
* {{Official website}}
* [http://www.visitmaine.com/home.php Maine Office of
* [
;アメリカ合衆国政府
* [
* [http://tonto.eia.doe.gov/state/state_energy_profiles.cfm?sid=ME U.S. EIA] Energy Profile for Maine - economic, environmental and energy data
* [
* [http://www.ers.usda.gov/StateFacts/ME.htm U.S. Dept. of Agriculture] Maine State Facts - agricultural
* [https://web.archive.org/web/20120215084908/http://quickfacts.census.gov/qfd/states/23000.html U.S. Census Bureau] Quick facts on Maine
* [
;その他の情報
* {{
* [
* [http://docs.unh.edu/towns/MaineTownList.htm Old USGS maps of Maine.]
* [
* [http://memory.loc.gov/cgi-bin/map_item.pl?data=/home/www/data/gmd/gmd373/g3734/g3734p/pm002490.jp2&style=gmd&itemLink=D?gmd:1:./temp/~ammem_K8ln::@@@mdb=gmd,klpmap,ww2map&title=Bird's%20eye%20view%20of%20the%20city%20of%20Portland,%20Maine%201876.%20Jos.%20Warner,%20artist.%20Chas.%20Shober%20%26%20Co.%20prop's%20Chicago%20Litho'g.%20Co. 1876 Panoramic Birdseye View of Portland] by Warner at LOC.,
* [
* [http://www.maine.info/media.php Comprehensive compilation of media sources in Maine.]
* {{
* {{Googlemap|メイン州}}
{{メイン州}}
{{アメリカ合衆国の州}}
{{Normdaten}}
{{デフォルトソート:めいん}}
[[Category:アメリカ合衆国の州]]
[[Category:メイン州|*]]
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