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'''上田 馬之助'''︵うえだ うまのすけ、[[1831年]]︵[[天保]]2年<ref>[[1834年]]︵天保5年︶ともいわれる。</ref>︶ - [[1890年]]︵[[明治]]23年︶[[4月1日]]︶は、[[日本]]の[[武士]]︵[[熊本藩|肥後新田藩]][[藩士]]︶、[[剣術|剣術家]]家︵[[鏡新明智流]]︶、[[日本の警察官|警察官]]。[[諱]]は'''美忠'''︵よしただ︶。
 
[[近遠江国]][[浜松藩]]出身の[[新選組]]隊士[[上田馬之介 (新選組)|、上田馬之助]]は[[同姓同名]]の別人である。'''上田馬之丞'''、'''上原馬之介'''、'''植原右馬之助'''等も新選組隊士の上田馬之助の別名である。
 
== 経歴 ==
=== 生い立ち ===
[[肥後国|肥後]][[熊本藩#肥後新田藩、のち高瀬藩|熊本新田藩]][[細川氏#肥後細川家︵豊前小倉藩、肥後熊本藩主家︶|細川氏]]の家中に生まれる。藩主が[[定府|江戸定府]]であったことから[[江戸]]を出生地としている。
 
=== 剣術修行 ===
[[鏡心明智流]][[士学館]]︵︵4代目[[桃井春蔵|4代目桃井春蔵]]︶に入門し、頭角を現す。士学館[[四天王 (通称)|四天王]]<ref>上田馬之助、[[坂部大作]]、[[久保田晋蔵]]、[[兼松直廉]]。</ref>の一人とともに数えら桃井の四天王と謳われ、士学館の筆頭的存在になった。
 
[[安政1855年]]2年︵[[1855年安政]]2年︶[[5月24日 (旧暦)|5月24日]]、桃井に随行して、[[久留米藩]]士[[松崎浪四郎]]と[[築地]]の[[岡藩]][[江戸藩邸|藩邸]]で試合した。師の桃井は松崎に敗れ、上田は引き分けた。このとき松崎は﹁馬之助儀殊之外力量御座候﹂と書き記している。
 
[[薩摩国|薩摩]]へ廻国修行業中、[[日向国|日向]]で[[天自然流]]の吉田某と立ち合うことになった。相手が、当吉田の流儀は[[防具 (剣道)|防具面・籠手]]無用と言だけで胴をつけていなかった。胴の着用について押し問答が続いためが、上田はが木に巻きつけた竹胴を[[竹刀]]で胴を折ってみせ、さらに四分板を突きで貫通させた。相手割ると、吉田は恐れをなして防具おしおと胴を着つけたという<ref>﹃明治剣客伝 日本剣豪譚﹄27頁。</ref>。
 
=== 刃傷沙汰 ===
[[1867年]]︵[[慶応]]3年︶、[[両替町|新両替町]]︵[[銀座]]︶の[[料亭]]に[[鳥取藩]]士[[武信久次郎]]を伴い入ったところ、先客の[[天童藩]][[槍術]]師範[[中川俊造]]︵中島一郎︶、同剣術師範[[伊藤慎蔵]]と喧嘩になり、2人を斬った。2人ともほぼ即死であった。付近で夕餉の買物をしていた同門の[[秋山多吉郎]]と[[高山峰三郎]]が桃井に報告すると、桃井は﹁またやったか﹂と言ったことから、上田の刃傷沙汰はこれ以前にもあったと考えられている。上田と武信は形式的に入獄しただけで済んだが、武信はその後、帰藩の道中で天童藩士たちに討たれた。
 
[[1867年]]（[[慶応]]3年）[[12月 (旧暦)|12月]]、稽古納めを終えた上田ら士学館一行が[[市谷田町]]を歩いていると、巡回中の[[新徴組]]と出くわした。隊士たちが「道の片側に寄れ、もっと寄れ」と凄んだため、上田が怒ると、隊士たちが抜刀し、あわや斬り合いになりかけた。桃井が身分を明かし、ここにいるのは士学館の弟子であると言うと、新徴組が謝罪し事なきを得て喧嘩は収まった。
 
=== 明治維新後 ===
[[明治維新廃藩置県]]後は[[東京府]][[日本橋蛎殻町]]で[[アルコール]]製造にたずさわっていたが、[[1879年]]︵[[明治]]12年︶、[[警視庁 (内務省)|警視庁]]に[[警視庁武術世話掛|撃剣世話掛]]が創設されるや[[梶川義正]]、[[逸見宗助]]と共に最初に登用された。[[仇討ち|仇]]持ちの身は常に剣を持っていなければならないと考え、警察官になったという︵当時の警察官は帯刀が許されていた︶。逸見宗助らと共に警視庁武術を取り仕切り、[[警視流|警視庁流撃剣術形・居合の形]]を制定した。
 
[[1883年]]︵明治16年︶9月29日、警視庁在職のまま[[宮内省]][[済寧館]][[御用掛]]に採用された。同年11月4日、[[弥生慰霊堂祭記念柔道剣道試合|向ヶ丘岡弥生社]]撃剣大会]]で逸見宗助に勝った。
 
[[1887年]]︵明治20年︶11月11日、[[天覧試合伏見宮貞愛親王|天覧伏見宮]]邸で催された[[試し斬り|天覧兜割り]]試合に、上田、逸見、[[榊原鍵吉]]の3人が選ばれて出場した。上田と逸見は失敗したが、榊原は名刀[[同田貫]]を用いて成功した。
 
[[1890年]]（明治23年）4月1日、[[腸チフス]]でにより死去した。
 
上田の強さについて[[三橋鑑一郎]]︵警視庁の後輩で、[[大日本武徳会]][[範士|剣道範士]]︶は、﹁上田馬之助先生の稽古は、ウマイの何のと言って、それはとても口では言えぬ。私などボロクソに言われたものだが、どうしても敵わないのだから仕方が無い﹂と語った。
 
== 上田馬之助を扱った作品 ==
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== 参考文献 ==
*『剣の達人111人データファイル』、[[新人物往来社]]、2002年。
*[[戸部新十郎]]『明治剣客伝 日本剣豪譚』、〈[[光文社文庫|]]〉[[光文社]]、1996年。
*『警視庁武道九十年史』、[[警視庁]][[警務部]]教養課、1965年。
 
== 関連項目 ==
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{{DEFAULTSORT:うえた うまのすけ}}
[[Category:江戸時代の剣客]]
[[Category:男性剣道家]]
[[Category:鏡新明智流剣術]]
[[Category:警視庁剣道の人物]]
[[Category:日本の宮内庁関係者省剣道の人物]]▼
[[Category:日本の警察官]]
▲[[Category:日本の宮内庁関係者]]
[[Category:幕末熊本藩の人物]]
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[[Category:1831年生]]
[[Category:1890年没]]
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