保険法
日本の法律
保険法(ほけんほう)とは、保険に関して規定・規制する法律をいう。日本では、従来「保険法」と題する法律は存在せず、商法の商行為法の一部を構成する第2編「商行為」第10章「保険」(陸上保険)および第3編「海商」第6章「保険」(海上保険)を総称して保険法と呼んできた。しかし、保険法の口語化・現代化を目指した検討が法務省法制審議会の保険法部会で行われた結果、商法から独立した単行法としての保険法が立法されることになり、2008年5月30日に保険法が成立した。
保険法 | |
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![]() 日本の法令 | |
通称・略称 | 保険法 |
法令番号 | 平成20年法律第56号 |
種類 | 契約法,商取引法 |
効力 | 未施行 |
成立 | 2008年5月30日 |
公布 | 2008年6月6日 |
施行 | 2010年4月1日 |
主な内容 | 保険に係る契約の成立、効力、履行及び終了 |
関連法令 | 保険業法 |
条文リンク | 法令データ提供システム |
この法律では、従来規定が存在しなかった傷害疾病定額保険︵通称第三分野保険︶に関する規定の新設や告知義務を質問回答義務に緩和するなどの改正がなされており、施行は、公布の日から2年以内で政令で定める日とされている。なお、海上保険に関する規定は従来どおり商法第3編﹁海商﹂中に規定が残る。
商法第629条︵保険法2条6号に相当︶は、損害保険契約について、当事者の一方が偶然の一定の出来事によって生ずることのある損害を填補することを約し、相手方がこれに報酬を与えることを約することにより成立するとしている。
また、生命保険契約については、当事者の一方が相手方または第三者の生死に関し一定の金額を支払うことを約し、相手方がこれに報酬を与えることを約することにより成立するとしている︵商法第673条︵保険法2条8号に相当︶︶。
ただし、保険法においては、2条1号に保険契約の定義規定が設けられたので、1号と各保険契約の定義規定を併せて読む必要があるだろう。
なお、広義には保険業について規律する保険業法を含めて保険法と呼ぶことがある。狭義の保険法は、保険の内容そのものにつき規定するのに対し、保険業法は、いわゆる業法として、保険会社および保険の募集について規定するものとなっている。