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|url = https://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=82012
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'''光市母子殺害事件'''︵ひかりしぼしさつがいじけん︶とは、[[1999年]]︵[[平成]]11年︶[[4月14日]]に[[山口県]][[光市]]室積沖田の﹁新日鐵沖田アパート﹂<ref group="注" name="新日鐵"/><ref name="毎日新聞1999-04-19">{{Cite news|title=光市の母子殺害容疑で、18歳会社員を逮捕︵99年4月19日掲載︶|newspaper=[[毎日新聞]]|date=1999-04-19|url=http://mainichi.jp/feature/sanko/archive/news/2008/20080415org00m040020000c.html|publisher=[[毎日新聞社]]|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20090917014913/http://mainichi.jp/feature/sanko/archive/news/2008/20080415org00m040020000c.html|archivedate=2009年9月17日}}</ref> 事件当時18歳30日の少年F︵現姓O︶が主婦A︵当時23歳︶と長女B︵生後11か月︶を殺害し、Aの死体を[[屍姦]]した[[少年犯罪]]である<ref name="中国新聞2008-04-22"/>。犯人である[[被告人]] 裁判中はその残虐な事件内容と、﹁ == 事件の概要 ==
{{Infobox 犯罪者
本事件の加害者'''F・T'''は[[1981年]]([[昭和]]56年)3月16日{{Sfn|年報・死刑廃止|2021|p=230}}、光市で誕生した<ref name="朝日新聞2008-04-19">『朝日新聞』2008年4月19日大阪朝刊第三社会面33頁「光・母子殺害、差し戻し審22日判決:下 成育歴、高裁どう判断」(朝日新聞大阪本社 連載担当記者:斎藤靖史、秋山千佳、山田雄介、武田肇)</ref>(事件当時18歳30日){{Sfn|広島高裁|2008|pp=3, 69}}。2020年(令和2年)9月27日時点で{{Sfn|年報・死刑廃止|2021|p=235}}、犯人F(現姓O){{Efn2|Fは第二次上告審判決(2012年2月)前に、旧姓の「F」から「O」に改姓した<ref>{{Cite news|title=光市母子殺害、死刑確定へ 最高裁 元少年の上告棄却 「年齢考えても重大」|newspaper=神戸新聞|date=2012-02-21|url=https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202204/p1_0015201738.shtml|accessdate=2022-04-12|publisher=神戸新聞社|page=1|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20220412143802/https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202204/p1_0015201738.shtml|archivedate=2022年4月12日}}</ref>。}}は[[死刑囚]]([[日本における死刑囚|死刑確定者]])として、[[広島拘置所]]に[[日本における収監中の死刑囚の一覧|収監されている]](現在{{年数|1981|3|16}}歳){{Sfn|年報・死刑廃止|2021|p=230}}。<!--←の日付「2021年9月20日」は『年報・死刑廃止2021』p.235、「広島拘置所に収監されている」の記述は同書p.230とそれぞれ関連付けられた記述です。出典を置き去りにして本文の日付などだけを書き換えないでください(日付を更新したければより新しい出典を探してきて、出典ごと更新してください)。-->▼
|名前=F・T(O・T)
|画像=
|画像サイズ=
|画像説明=
|出生名=
|生年月日={{生年月日と年齢|1981|3|16}}
|出生地={{JPN}}:[[山口県]][[光市]]
|失踪=
|没年月日=
|死没地=
|死因=
|遺体発見=
|墓地=
|記念碑=
|住居=
|国籍={{JPN}}
|別名=
|民族=
|市民権=
|教育=
|出身校=[[聖光高等学校]](1999年3月卒業)
|職業=[[配管工]]
|雇用者=
|所属=
|動機=
|罪名=殺人、強姦致死、窃盗
|有罪判決=死刑
:[[確定判決|確定]]:2012年3月16日
|刑罰=死刑
|犯罪者現況=服役中
|国={{JPN}}
|都道府県=山口県
|現場=新日鐵沖田アパート
|標的=母子
|死者=2人
|負傷者=
|凶器=
|逮捕日=1999年4月18日
|収監場所=[[広島拘置所]]
|配偶者=
|両親=
|子=
|署名=
}}
▲本事件の加害者 以下、[[検察官|検察]]側主張、及びこれまでの判決が認定してきた内容に基づく事件の概要である。
=== 事件前の経緯 ===
加害者の少年F︵事件当時18歳︶は事件当時、実父{{Efn2|Fの父親は本村と同じ会社に勤めていたが、事件後に辞職<ref name="報ステ2006"/>。2006年には﹃[[報道ステーション]]﹄︵[[テレビ朝日]]︶の取材に対し、﹁息子の犯行の責任は取りようがない﹂﹁︵本村ら、遺族に対し︶できることは謝罪だけだが、そのようなことをする機会がなかった﹂などと述べている<ref name="報ステ2006"/>。}}・継母・弟2人{{Efn2|Fの2歳年下の弟︵事件当時は高校生︶は事件後に家出した<ref name="報ステ2006"/>。}}・祖母{{Efn2|Fの祖母は事件後に急死した<ref name="報ステ2006"/>。}}と6人暮らしだった<ref name="報ステ2006">{{Cite web|和書|title=﹃被告の父親が語る“母子殺害”からの7年間 Fは中学3年生のころから[[性行為]]に強い興味を持つようになり、ビデオや雑誌を見て[[オナニー|自慰]]行為にふけったり、友人とセックスの話をしたりしていたが、次第に性衝動をうっ積させ、早く性行為を経験したいとの気持ちを強めていた{{Sfn|広島高裁|2002|p=2}}。 86 ⟶ 131行目:
=== 逮捕・起訴 ===
事件後、帰宅した被害者Aの夫である 少年Fは5月8日に[[山口地方検察庁]]から﹁刑事処分相当﹂の意見付きで[[山口家庭裁判所]]へ[[送致]]され{{Efn2|山口家裁は同日付で観護措置︵最長4週間︶を決定し、Fは山口少年鑑別所に収容された<ref name="山口新聞1999-05-10" />。}}<ref name="山口新聞1999-05-10">﹃山口新聞﹄1999年5月10日朝刊第二社会面18頁﹁光の母子殺害 少年を家裁送致﹂︵みなと山口合同新聞社︶</ref>、山口家裁︵三島昱夫裁判官︶は[[少年審判]]の結果、同年6月4日に被疑者Fを山口地検へ[[検察官]]送致︵逆送致︶することを決定して身柄を地検へ引き渡した<ref>﹃山口新聞﹄1999年6月5日朝刊第二社会面20頁﹁光の母子殺害 少年を地検に逆送致 山口家裁﹃刑事処分が相当﹄﹂︵みなと山口合同新聞社︶</ref>。これを受けて地検は同年6月11日<ref name="山口新聞1999-06-12">﹃山口新聞﹄1999年6月12日朝刊第二社会面18頁﹁光の母子殺害18歳少年を起訴﹂︵みなと山口合同新聞社︶</ref>、殺人・強姦致死・窃盗の各罪状で被疑者Fを[[山口地方裁判所]]{{Efn2|本来、光市は山口地裁徳山支部︵当時の名称。所在地の[[徳山市]]2003年に[[周南市]]になったため、同支部も﹁周南支部﹂に改称︶の管轄であるが、本事件のような少年事件は取り扱っていないため、山口地裁本庁︵[[山口市]]︶が代行した。}}へ[[起訴]]した{{Sfn|広島高裁|2008|p=2}}。 97 ⟶ 142行目:
[[広島高等裁判所]]での差し戻し審では、﹁母恋しさ、寂しさからくる抱き付き行為が発展した[[傷害罪#傷害致死罪|傷害致死]]事件。凶悪性は強くない﹂として死刑の回避を求める方針を明らかにした。 以下は、差し戻し審の弁護団によって引き出されたFの主張の一部である<ref>{{Cite web
</ref>。
* 強姦目的ではなく、優しくしてもらいたいという甘えの気持ちで抱きついた
* (乳児を殺そうとしたのではなく)泣き止ますために首に蝶々結びしただけ
* 乳児を押し入れに入れたのは(漫画の登場人物である)[[ドラえもん (キャラクター)|ドラえもん]]に助けてもらおうと思ったから
* 死後に姦淫をしたのは小説『[[魔界転生]]』に復活の儀式と書いてあったから<ref group="注">実際
Fは第一審当初はこのような主張はしておらず、弁護人による被告人質問で主張が変わった理由を﹁生き返らせようとしたと話せば、馬鹿にされると思ったから﹂﹁ドラえもんの話は[[捜査]]段階でもしたのだが、馬鹿にされた。だから、︵第一審の︶裁判官の前では話をしかねた﹂と説明している<ref>MSN産経ニュース 2007年9月18日</ref>。 113 ⟶ 158行目:
== 被害者側の動き ==
被害女性の夫であり、被害女児の父である会社員男性・ また、裁判の経過中、本村は[[日本における死刑|死刑]]判決を望む旨を強く表明し続けてきた。例えば[[2001年]]︵平成13年︶[[12月26日]]に行われた意見陳述の際、被告人Fに対し﹁被告人Fが犯した罪は万死に値します。いかなる裁判が下されようとも、このことだけは忘れないで欲しい﹂と述べている。また一審判決後には﹁司法に絶望した、加害者を社会に早く出してもらいたい、そうすれば私が殺す﹂と発言していたが、二審判決に際しては﹁裁判官も、私たち遺族の気持ちを分かった上で判決を出された。判決には不満だが裁判官には不満はない﹂と発言し、犯罪被害者の権利確立のために、執筆、講演を通じて活動をしている。 123 ⟶ 168行目:
* [[2000年]](平成12年)
** [[3月22日]] - 山口地裁︵渡辺了造裁判長︶は[[懲役#無期懲役|無期懲役]][[判決 (日本法)|判決]]を言い渡した{{Sfn|年報・死刑廃止|2021|p=230}}。山口地検は3月28日付で[[広島高等裁判所]]へ控訴した<ref name="事件の経過"/>。 ** 9月7日 - 広島高裁で控訴審初公判が開かれ、検察官控訴趣意書で動機が卑劣であること、犯行態様が極めて残虐であること、反省や謝罪の態度が見られず更正可能とする原判決には根拠がないことなどを主張、改めて死刑適用を求めた<ref name="山口新聞20000908">『山口新聞』2000年9月8日朝刊第二社会面18頁「光の母子殺害 控訴審初公判で検察 「少年に死刑を」」「本村さん会見「判例踏襲はやめて」 改めて「極刑」望む」「年齢言い間違う 傍聴へ150人が列」「「遺影持ち込み」で高裁配慮」(みなと山口合同新聞社)</ref>。これ以降、死刑適用の是非を争点に12回の公判が開かれた<ref name="山口新聞20020315">『山口新聞』2002年3月15日朝刊(第18045号)一面1頁「光の母子殺人 2審も無期判決 広島高裁 更生の可能性認める 「遺族として残念」本村さん」(みなと山口合同新聞社)</ref>。控訴審で弁護人は原判決が認定した暴行の計画性を否定し、死刑違憲論の主張も展開した<ref name="山口新聞20020315"/>。
* [[2002年]](平成14年)
** 1月15日 - 同日の第12回公判で検察官と弁護人それぞれの最終意見陳述が行われ、控訴審が結審した<ref name="山口新聞20020116">『山口新聞』2002年1月16日朝刊第二社会面16頁「光の母子殺人控訴審 判決は3月14日 広島高裁」(みなと山口合同新聞社)</ref>。検察官は、Fが友人宛ての手紙で遺族を中傷したことなどから反省の情が窺えず<ref name="山口新聞20020116"/>、更生可能性は認められないと主張<ref name="山口新聞20020315"/>、犯行態様が残忍かつ冷酷であることから死刑以外を選択する余地はないと主張した<ref name="山口新聞20020116"/>。一方で弁護人は、手紙の内容は友人から誘発されたものであると反論した上で、原判決が認定した計画性は訂正されるべきだと主張、また死刑制度廃止に向けた国際世論の例も挙げ、「無期懲役は最も重い判決」と控訴棄却を求めた<ref name="山口新聞20020116"/>。
** 山口地裁および広島高裁の判決は、いずれも、被告が犯行時18歳1か月で発育途上にあったことや、殺害については計画性がないこと、不十分ながらも反省の情が芽生えていることなどに着目して判決を下した。ただし、広島高裁は更生の可能性について、﹁更生の可能性が無いわけではない﹂と曖昧な判断をしていた。▼ ** [[3月14日]] - 広島高裁(重吉孝一郎裁判長)は第一審判決に対する検察官の[[控訴]]を[[棄却#日本法|棄却]]する判決を言い渡した<ref>[https://web.archive.org/web/20100920212634/http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/DB35ABFE0BC4594249256BB200385F3D.pdf 平成14年03月14日 広島高等裁判所]</ref><ref name=kyoudou120220 />。同高裁は事件を「Fの刑事責任は極めて重大であり、極刑の当否を慎重に検討すべき事案」と位置づけた上で、Fの情状(当時18歳30日で内面の未熟さが顕著な点、家庭環境が不遇な点、反省の情が芽生えている点など)や「永山判決」、最近の死刑求刑事件の判例などを総合的に考慮し、Fに更生可能性が認められることから、原判決の量刑は軽すぎて不当であるとはいえないと判断した<ref name="山口新聞20020315"/>。またFの不謹慎な手紙に関しては「罪の深刻さを受け止めきれず、向き合いたくない気持ちが強い」と指摘していた<ref>『山口新聞』2002年3月15日朝刊第二社会面18頁「解説 過去の判例に沿う 「無期軽すぎず」と判断」「無表情の被告」「傍聴求め440人列」「五島幸雄・広島高検次席検事の話」「的確な判決 定者吉人・被告弁護人の話」(みなと山口合同新聞社)</ref>。本村は第一審判決後には「司法に裏切られた」「Fをこの手で殺したい」などと激しく訴えていたが、控訴審判決時には「妻と娘の命は、この判決のような軽いものではない。納得できない」「復讐心を抑えるためにも判決には期待していたが残念」と話しながらも、「裏切られたとは思わない」と冷静に判決を受け止め、Fに対しては「自分の罪を考え反省し、これから長くつらい更生の道が始まると思ってほしい」と話していた<ref>『山口新聞』2002年3月15日朝刊第一社会面19頁「光母子殺人・控訴審 「無期より重い」2つの命死刑への関心訴え 本村さん「妻子に報告へ」」「裁判所の限界示す 作家・佐木隆三さん」「諸事情を判断 妥当 山口大学経済学部経済法学科(刑法)山本光英助教授」(みなと山口合同新聞社)</ref>。
*** Fの弁護人を務めた定者吉人は判決後、「(Fを)まだ死刑と隣り合わせの状態にすべきでない。何も言うことのない的確な判決だった」と述べていた<ref>『山口新聞』2002年3月28日朝刊第二社会面20頁「光の母子殺人 検察側が上告 本村さん「死刑の基準覆して」」(みなと山口合同新聞社)</ref>。一方で広島高検は同判決を不服として、同月27日付で最高裁へ上告した<ref name="中国新聞20020328">『中国新聞』2002年3月28日朝刊第17版第一社会面39頁「光の母子殺害 極刑求め検察上告」(中国新聞社)</ref>。上告理由は憲法違反か判例違反に限定されるため、同高検は原判決について、死刑の判断基準を初めて明示した「永山判決」などの判例評価を誤ったものと説明していた<ref name="中国新聞20020328"/>。当時、少年事件のそれまでの判例では未成熟な少年の「更生可能性」を評価して死刑を回避するケースが目立っており、検察内部でも「上告しても逆転は難しい」という見方があったが、『中国新聞』はそれでも検察が上告に踏み切った背景について、少年犯罪への厳罰を求める声や、被害者支援の充実を訴える世論の高まりに配慮したものであろうと考察している<ref name="中国新聞20020328"/>。
▲** 山口地裁および広島高裁の判決は、いずれも、被告が犯行時18歳1か月で発育途上にあったことや、殺害については計画性がないこと、不十分ながらも反省の情が芽生えていることなどに着目して判決を下した。ただし、広島高裁は動機の卑劣さ、犯行の残虐性などを指摘しながらも<ref name="中国新聞20020328"/>、更生の可能性について、﹁更生の可能性が無いわけではない﹂と曖昧な判断をしていた。 * [[2005年]] (平成17年)[[12月6日]] - [[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]第三[[小法廷]]は[[公判#上告審における公判|上告審の公判(弁論)]]期日を翌年[[3月14日]]に指定した<ref name=kyoudou120220 />。
** 通常、死刑判決に対する上告審を除いて最高裁で弁論が行われる場合は控訴審の判決が覆る場合が多く、[[世論]]の注目を集めた。
* [[2006年]](平成18年)
** 3月14日 - 最高裁の弁論で、上告審から主任[[弁護人]]となった[[安田好弘]]弁護士と[[足立修一 (弁護士)|足立修一]]弁護士が欠席した<ref name=kyoudou120220 />。最高裁はこれまでで初となる﹁[[出頭在廷命令]]﹂を翌日に発動した<ref name=kyoudou120220 />。弁論が翌月に遅延したことについて、最高裁からも不誠実な対応であると非難された。一方、安田と足立が提出した裁判の延期申請について、通常は認められるものであり最高裁による不当な却下であるとする[[森達也]]<ref group="注">安田を主人公とする[http://shikeibengonin.jp/news.html#/detail/290842958806603587 ﹃死刑弁護人﹄の公開記念鼎談]にゲストとして招かれ司会を務めた。</ref>による指摘もある<ref>[[森達也]]、2008、﹃死刑﹄、朝日出版、ISBN 978-4-255-00412-9、p262</ref>。 ** 4月18日 - 2度目の上告審弁論が行われ、検察官は死刑を回避すべき特段の事情はないとして原判決破棄を求めた<ref name="産経新聞20060418"/>。一方で弁護団は検察官の上告棄却を求めたほか、Fの行為は傷害致死・死体損壊にとどまるものであり、Aへの殺意を認定した原判決には事実誤認があるとして破棄差戻しすべきと主張、さらに弁論続行を要請したが、最高裁は要請を認めず、1か月以内に書面で追加主張を提出するよう求めて結審した<ref name="産経新聞20060418">{{Cite news|和書 |title=弁論続行認めず結審 山口県光市の母子殺人で最高裁 |newspaper=Sankei Web |date=2006-04-18 |url=http://www.sankei.co.jp/news/060418/sha072.htm |publisher=産経デジタル |language=ja |archive-url=https://web.archive.org/web/20060421172143/http://www.sankei.co.jp/news/060418/sha072.htm |archive-date=2006年4月21日}}</ref>。検察官は弁論で過去の死刑適用事例として、殺害された被害者が1人もしくは2人で死刑が確定した事件([[熊本大学生誘拐殺人事件]]・[[中村橋派出所警官殺害事件]]など)や、犯行時少年だった被告人の死刑が確定した事件([[市川一家4人殺害事件]])など5事件を挙げた一方、弁護団も死刑が回避された事例として[[名古屋アベック殺人事件]]・[[つくば妻子殺害事件]]など5事件を挙げた<ref>『朝日新聞』2006年6月18日東京朝刊第三社会面37頁「死刑と無期、境目は 判例割れる被害者2人 光市母子殺害、20日に最高裁判決」(朝日新聞東京本社)</ref>。
** [[6月20日]] - 最高裁第三小法廷([[濱田邦夫]]裁判長)は広島高裁の判決を破棄し、審理を広島高裁へ差し戻した<ref>{{Cite news|title=山口母子殺害、元少年の無期判決破棄 死刑の公算大|url=http://www.asahi.com/national/update/0620/TKY200606200370.html|date=2006-06-20|newspaper=asahi.com|publisher=朝日新聞社|language=ja|accessdate=2006-06-22|archiveurl=https://web.archive.org/web/20060622001847/http://www.asahi.com/national/update/0620/TKY200606200370.html|archivedate=2006年6月22日}}</ref>。最高裁は判決の中で、一審及び1回目の控訴審において酌量すべき事情として述べられた、殺害についての計画性のなさや、被告人Fの反省の情などにつき、消極的な判断をしている<ref>{{Cite news|title=光の母子殺害、無期懲役を破棄差し戻し 最高裁(06年6月21日掲載)|newspaper=毎日新聞|date=
* 決定主文:本件再審請求を棄却する。
* 裁判官:高麗邦彦(裁判長)・杉本正則・内藤恵美子</ref>。
* [[2007年]](平成19年)
** 5月24日 - 広島高裁で差し戻し控訴審の第1回[[公判]]が開かれた<ref name="事件の経過"/>。
*** 検察側は「
* 第2回以降の公判は[[6月26日]]から3日連続で開かれた。
** 一審の山口地裁以来7年7か月ぶりに行われた被告人質問において、Fは殺意、強姦目的を否定した。
** [[7月24日]]から3日連続の公判が行われた。弁護側が申請した精神鑑定人は被告人の犯行当時の精神が未成熟だったと証言した。なお、Fは同年3月 ** [[9月18日]]から3日連続の公判が行われた。Fは一・二審から一転して殺意を否定したことについて﹁︵[[捜査]]段階から︶認めていたわけではなく、主張が受け入れてもらえなかっただけ﹂とした。<!--また、被告は拘置所から知人に出し、遺族から﹁反省が見られない﹂と批判された手紙について﹁当時は不謹慎なつもりではなかったが、今は納得できる。本当に適切な言葉ではない﹂と説明した。-->20日の公判では遺族の意見陳述が行われ、本村は5年9か月ぶりの意見陳述で改めてFへの極刑を求めた<ref name="毎日新聞20070921"/>。Fは涙ながらに反省の弁を述べていたが、遺族の発言を記したメモに斜線を引いたのではないかという検察官の質問に対し﹁なめないでいただきたい﹂と発言した<ref name="毎日新聞20070921">﹃毎日新聞﹄2007年9月21日西部朝刊社会面24頁﹁山口・光の母子殺害‥差し戻し審 ﹁万死に値﹂本村さん意見陳述、改めて死刑求める﹂﹁﹁なめないでいただきたい﹂――元少年、検察官に言い返す﹂︵毎日新聞西部本社︻安部拓輝、阿部浩之、大沢瑞季︼︶</ref>。 ** [[10月18日]]に検察
** [[12月4日]]に弁護側の最終弁論が行われ、殺意や乱暴目的はなかったとして[[傷害罪#傷害致死罪|傷害致死罪]]の適用を求めた。この日の公判で結審した<ref>『毎日新聞』2007年12月5日大阪西部朝刊政治面1頁「山口・光の母子殺害:未熟考慮し減軽を 弁護側最終弁論で結審 判決は来年4月22日」(毎日新聞大阪本社【大沢瑞季、安部拓輝】)</ref>。
* [[2008年]](平成20年)[[4月22日]] - 差し戻し控訴審の判決公判が行われ、広島高裁([[楢崎康英]]裁判長)は弁護側主張を全面的に退け死刑回避理由にはあたらないとして死刑判決を言い渡した<ref name="中国新聞2008-04-22">{{Cite news|title=光母子殺害、元少年に死刑 「新供述は不合理」|url=http://www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200804220320.html|date=2008-04-22|newspaper=中国新聞|publisher=中国新聞社|language=ja|accessdate=2008-04-22|archiveurl=https://megalodon.jp/2008-0422-1440-59/www.chugoku-np.co.jp/News/Sp200804220320.html|archivedate=2008年4月22日}}</ref>。弁護側は判決を不服として即日[[上告]]した。なお、この判決公判では3886人の[[傍聴]]希望者が出た。
* [[2012年]](平成24年)
** 1月23日 - [[最高裁判所 (日本)|最高裁判所]]第一[[小法廷]]︵[[金築誠志]]裁判長︶にて、第二次上告審[[口頭弁論]]公判が開廷。検察側は死刑適用︵被告人側の上告棄却︶、弁護側は死刑判決の破棄をそれぞれ求め、結審した<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2302C_T20C12A1CR8000/ |title=光市母子殺害事件、最高裁で上告審弁論 |newspaper=日本経済新聞|publisher=日本経済新聞社|date=2012-01-23|accessdate=2018-02-22|archivedate=2018-02-22|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180222154335/https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2302C_T20C12A1CR8000/}}</ref>。 ** 2月20日 - 最高裁判所第一小法廷︵金築誠志裁判長︶で判決公判。同小法廷は、差し戻し控訴審判決を支持し、Fの上告を棄却する判決を言い渡した<ref>{{Cite news|title=光市母子殺害事件、元少年の死刑確定へ 最高裁が上告棄却|newspaper=MSN産経ニュース|date=2012-02-20|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120220/trl12022015050005-n1.htm|publisher=産業経済新聞社|accessdate=2012-02-20|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120221075653/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120220/trl12022015050005-n1.htm|archivedate=2012年2月21日}}</ref>。これにより、死刑判決が確定することとなった<ref>{{Cite news|title=光市母子殺害、元少年の死刑確定へ 最高裁が上告棄却|newspaper=日本経済新聞|date=2012-02-20|url=https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2002E_Q2A220C1000000/|publisher=日本経済新聞社|accessdate=2018-02-22|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180222154358/https://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2002E_Q2A220C1000000/|archivedate=2018年2月22日}}</ref>。犯行当時少年の死刑が確定するのは[[大阪・愛知・岐阜連続リンチ殺人事件]]︵1994年発生、2011年判決確定︶以来であり、平成の少年事件では[[市川一家4人殺害事件]]︵1992年発生・2017年に死刑執行︶と連続リンチ殺人事件以来3件目、計5人目となる︵これら2件はどちらも罪状に[[強盗致死傷罪|強盗殺人]]が含まれる死者4人の事件なのに対し、単純殺人事件及び死者2人での犯行当時少年の死刑確定は平成の事件では初︶。これを受け、[[毎日新聞]]を除く全国メディアは[[実名報道]]に切り替えた︵[[#実名報道]]の節を参照︶。 ** 3月14日 - Fの弁護団は最高裁第一小法廷︵金築誠志裁判長︶に上告審判決訂正の申し立てを行っていたが、3月14日付で申し立てを棄却する決定がなされた<ref name="山口新聞2012-03-17">﹃山口新聞﹄2012年3月16日朝刊1面1頁﹁光母子殺害 元少年の死刑確定 最高裁が申し立て棄却﹂︵みなと山口合同新聞社︶</ref>。こ === 補足 ===
152 ⟶ 203行目:
== 再審請求 ==
死刑確定後、死刑囚Fの弁護団は[[
第1次再審請求は2012年10月29日に提起され、法医学者や心理学者による鑑定結果などが新証拠として提出された<ref>{{Cite news |title=光母子殺害事件で再審請求 |newspaper=[[中国新聞]]|date=2012-10-29|url=http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201210290115.html |publisher=中国新聞社|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20121102103553/http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201210290115.html |archivedate=2012-11-02 |accessdate=2014-09-30 }}</ref>。請求の要旨は、殺害行為と殺意および強姦致死の故意について争うほか、犯行時は脳機能障害の影響で[[責任能力#心神喪失と心神耗弱|心神喪失]]状態にあった[[合理的な疑い]]があるとするものであった<ref name="広島高裁2015-10-27"/>。しかし2015年︵平成27年︶10月30日<ref name="事件の経過">{{Cite news|title=光市母子殺害事件の経過|newspaper=中国新聞|date=2019-11-07|url=https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=586243&comment_sub_id=0&category_id=1167|publisher=中国新聞社|language=ja|accessdate=2019-11-08|archivedate=2019-11-08|archiveurl=https://megalodon.jp/2019-1108-1312-40/https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=586243&comment_sub_id=0&category_id=1167}}</ref>、広島高裁第1部︵高麗邦彦裁判長︶<ref name="広島高裁2015-10-27"/>は﹁証拠には新規性がない﹂として、Fの再審請求を棄却する決定を出した<ref>{{Cite news|url=https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=586246&comment_sub_id=0&category_id=256|title=光母子殺害事件 再審請求退ける|newspaper=中国新聞|publisher=中国新聞社|date=2019-11-07|language=ja|accessdate=2019-11-08|archivedate=2019-11-08|archiveurl=https://megalodon.jp/2019-1108-1314-48/https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=586246&comment_sub_id=0&category_id=256}}</ref>。弁護団は同年11月2日付で異議を申し立てたが<ref name="事件の経過"/>、それも[[2019年]]︵[[令和]]元年︶[[11月7日]]付で広島高裁︵三木昌之裁判長︶が棄却する決定を出した<ref name="事件の経過"/>。弁護団は同決定を不服として、11月11日付で最高裁へ[[抗告#特別抗告|特別抗告]]したが<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/west/news/191112/wst1911120019-n1.html|title=光市母子殺害、弁護団が特別抗告 再審請求棄却で|newspaper=産経新聞|publisher=産業経済新聞社|date=2019-11-12|language=ja|accessdate=2019-11-14|archivedate=2019-11-14|archiveurl=https://web.archive.org/web/20191114151659/https://www.sankei.com/west/news/191112/wst1911120019-n1.html}}</ref>、[[2020年]]︵令和2年︶[[12月7日]]付で最高裁第一小法廷︵[[山口厚]]裁判長︶が特別抗告を棄却する決定を下したため、第1次再審請求は認められないことが確定した<ref name="中国新聞2020-12-09">{{Cite news|title=山口県光市母子殺害、死刑囚の再審認めず 最高裁、特別抗告棄却|newspaper=[[中国新聞|中国新聞デジタル]]|date=2020-12-09|url=https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=707700&comment_sub_id=0&category_id=256|accessdate=2021-2-6|publisher=[[中国新聞社]]|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201209143412/https://www.chugoku-np.co.jp/local/news/article.php?comment_id=707700&comment_sub_id=0&category_id=256|archivedate=2020年12月9日}}</ref><ref name="産経新聞2020-12-09">{{Cite news|title=光市母子殺害、再審認めず 最高裁、特別抗告棄却|newspaper=産経ニュース|date=2020-12-09|url=https://www.sankei.com/affairs/news/201209/afr2012090020-n1.html|accessdate=2020-12-09|publisher=産業経済新聞社|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20201209111224/https://www.sankei.com/affairs/news/201209/afr2012090020-n1.html|archivedate=2020年12月9日}}</ref>。 同年、弁護団は第2次再審請求を提起し、新証拠として報告書など9点を提出した<ref name="中国新聞2022-04-23"/>。学術論文{{Efn2|脳科学研究の結果<ref name="産経新聞2022-04-23"/>。}}などを根拠に、﹁Fは父親の虐待により、脳への後遺症を有していた﹂として<ref name="中国新聞2022-04-23"/>、事件当時は判断能力が欠如しており、[[核磁気共鳴画像法|MRI]]検査による鑑定の必要性や<ref name="産経新聞2022-04-23"/>、﹁脳の後遺症の存在を配慮しない違法な取り調べが長時間行われており、供述の任意性や信用性には疑義がある﹂という旨などを主張したが、広島高裁︵伊名波宏仁裁判長︶は2022年3月31日付で、﹁Fに完全責任能力があったことは明らか﹂として、請求を棄却する決定を出した<ref name="中国新聞2022-04-23">{{Cite news|title=光母子殺害、第2次再審請求を棄却 広島高裁|newspaper=中国新聞デジタル|date=2022-04-23|author=山田英和<!--原典より-->|url=https://news.yahoo.co.jp/articles/2d52a8a1a309b48e862eec2d7c60504a2f464d1e|access-date=2022-04-23|publisher=中国新聞社|language=ja|archive-url=https://web.archive.org/web/20220423145559/https://news.yahoo.co.jp/articles/2d52a8a1a309b48e862eec2d7c60504a2f464d1e|archive-date=2022年4月23日}}<!--[https://www.chugoku-np.co.jp/articles/-/158438 原典]は有料記事となっており、会員登録が必要。Yahoo!ニュースではほぼ全文が無料公開されています--> - 同紙紙面︵2022年4月23日朝刊第17版第一社会面29頁︶に掲載された記事と同一内容。</ref>。弁護団は同決定を不服として、同年4月5日付で広島高裁に異議を申し立てたが<ref name="産経新聞2022-04-23">{{Cite news|title=光市母子殺害、死刑囚の再審棄却 広島高裁、第2次請求|newspaper=[[産経新聞ニュース|産経ニュース]]|date=2022-04-23|url=https://www.sankei.com/article/20220423-I4F2PR7VDJLL5EFXKIYT46HB44/|access-date=2022-04-23|publisher=[[産経デジタル]]|language=ja|archive-url=https://web.archive.org/web/20220423145422/https://www.sankei.com/article/20220423-I4F2PR7VDJLL5EFXKIYT46HB44/|archive-date=2022年4月23日}}</ref> == 死刑判決確定をめぐる動き ==
180 ⟶ 231行目:
[[朝日新聞]]は﹁国家によって生命を奪われる刑の対象者は明らかにされているべきだとの判断﹂︵同社は2004年に少年死刑囚については原則実名報道する方針を決めている︶<ref name="kyodo20120221"/><ref>{{Cite news|title=光市母子殺害の元少年、死刑確定へ 最高裁、上告棄却|newspaper=朝日新聞デジタル|date=2012-02-20|url=http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY201202200258.html|publisher=[[朝日新聞社]]|accessdate=2012-02-20|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120220095114/http://www.asahi.com/national/update/0220/TKY201202200258.html|archivedate=2012年2月20日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>、[[読売新聞]]は﹁死刑が確定すれば、更生︵社会復帰︶の機会はなくなる一方、国家が人の命を奪う死刑の対象が誰なのかは重大な社会的関心事﹂<ref name="kyodo20120221"/><ref>{{Cite news|title=光母子殺害で死刑確定へ、元少年の上告棄却|newspaper=[[読売新聞オンライン|YOMIURI ONLINE]]|date=2012-02-20|url=http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20120221-OYS1T00199.htm|publisher=[[読売新聞社]]|accessdate=2012-02-21|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120318041915/http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/national/20120221-OYS1T00199.htm|archivedate=2012年3月18日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>、[[産経新聞]]は﹁死刑が事実上確定し、社会復帰などを前提とした更生の機会は失われます。事件の重大性も考慮﹂<ref name="kyodo20120221"/><ref>{{Cite news|title=最高裁が上告棄却 元少年の死刑確定へ|newspaper=msn産経ニュース|date=2012-02-20|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120220/trl12022015050005-n2.htm|publisher=産業経済新聞社|accessdate=2012-02-21|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120221073114/http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/120220/trl12022015050005-n2.htm|archivedate=2012年2月21日}}</ref>、[[日本経済新聞]]は﹁犯行時少年だった被告に死刑判決が下された重大性に加え、被告の更生の機会がなくなることを考慮﹂<ref>{{Cite news|title=光市母子殺害、元少年の死刑確定へ 最高裁が上告棄却|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2012-02-20|url=http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2002E_Q2A220C1000000/|publisher=[[日本経済新聞社]]|accessdate=2017-02-14|language=ja|archiveurl=https://archive.is/20170214091444/http://www.nikkei.com/article/DGXNASDG2002E_Q2A220C1000000/|archivedate=2017年2月14日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>として、それぞれ実名報道に切り替えた。 [[毎日新聞]]は﹁母子の尊い命が奪われた非道極まりない事件ですが、少年法の理念を尊重し匿名で報道するという原則を変更すべきでないと判断﹂<ref>{{Cite news|title=光市母子殺害‥元少年の死刑確定へ…当時﹁18歳30日﹂|work=毎日新聞|date=2012-02-20|url=http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120221k0000m040048000c.html|publisher=[[毎日新聞社]]|accessdate=2012-02-21|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120221185525/http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120221k0000m040048000c.html|archivedate=2012年2月21日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>、[[中日新聞]]・[[東京新聞]]は﹁死刑が確定しても[[再審]]や[[恩赦]]の制度があり、元少年の[[更生]]の可能性が直ちに消えるわけではない﹂<ref>{{Cite news|title=光市母子殺害の元少年、死刑確定へ|newspaper=中日新聞|date=2012-02-20|url=http://www.chunichi.co.jp/s/article/2012022090203115.html}}{{リンク切れ|date=2014年1月}}</ref><ref>﹃東京新聞 [[日本弁護士連合会]]︵日弁連、会長‥[[宇都宮健児]]︶は、2012年︵平成24年︶2月24日付で、﹁︵[[実名報道]]は︶[[少年法]]61条に明らかに反する事態であって、極めて遺憾﹂﹁今後同様の実名報道、[[写真]]掲載等がなされることがないよう、強く要望する﹂とする、会長声明を発表した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120224_2.html |title=少年の実名報道を受けての会長声明 |work=プレスリリース|publisher=[[日本弁護士連合会]]︵日弁連、会長‥[[宇都宮健児]]︶|date=2012-02-24|accessdate=2018-02-22|archivedate=2018-02-22|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180222160550/https://www.nichibenren.or.jp/activity/document/statement/year/2012/120224_2.html}}</ref>。 == 社会への影響 ==
190 ⟶ 241行目:
[[弁護士]]・[[橋下徹]]が、本事件弁護団に対し、2007年︵平成19年︶[[5月27日]]放送の﹃[[そこまで言って委員会NP|たかじんのそこまで言って委員会]]﹄において、﹁あの弁護団に対してもし許せないと思うんだったら、一斉に[[弁護士会]]に対して[[懲戒請求]]をかけてもらいたい﹂と懲戒請求を行うよう[[視聴者]]に呼びかけた。これによりテレビを見た視聴者らから約7,558通<ref>{{Cite news|title=東京弁護士会、光母子殺害の弁護士は懲戒せず|newspaper=産経新聞|publisher=産業経済新聞社|date=2007-11-27|url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071127/trl0711271233005-n1.htm|archiveurl=https://web.archive.org/web/20071230161855/http://sankei.jp.msn.com/affairs/trial/071127/trl0711271233005-n1.htm|archivedate=2007年12月30日|deadlinkdate=2017年9月}}</ref>の懲戒請求書︵2006年度における全弁護士会に来た懲戒請求総数の6倍を上回る︶が弁護士会に殺到することになった︵しかしながら、橋下自身は﹁時間と労力を費やすのを避けた﹂<ref>{{Cite news |和書|title=橋下弁護士﹁違法性ないと確信﹂ 母子殺害めぐる懲戒請求発言 |newspaper=MSN産経ニュース |date=2007-09-06 |url=http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/070906/crm0709061106038-n3.htm |accessdate=2008-04-22 |publisher=[[産経新聞]] |archiveurl=https://web.archive.org/web/20081212210944/http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/070906/crm0709061106038-n3.htm |archivedate=2008年12月12日}}</ref>﹁自分がべったり張り付いて懲戒請求はできなくはないが、私も家族がいるし、食わしていかねばならないので……﹂<ref>{{Cite news |和書|title=橋下弁護士と週刊朝日編集長が﹁懲戒請求﹂で激論 |newspaper=J-CASTテレビウォッチ |date=2007-09-10 |author=モンブラン |url=https://www.j-cast.com/tv/2007/09/10011120.html |accessdate=2019-04-08 |publisher=[[ジェイ・キャスト]]}}</ref>などの理由で懲戒請求はしていない︶。これに反発した光市母子殺害事件弁護団のうち、足立修一・今枝仁ら4人は2007年9月に橋下に[[損害賠償]]を求める訴えを広島地裁に起こした。第一審、控訴審では橋下の行為を不法行為と認定して損害賠償を命じたが、2011年7月15日、最高裁判所は橋下の行為には弁護士として問題なしとはしないが、懲戒請求の呼びかけそのものは不法行為とはいえないとして、原告の訴えを棄却した。 この懲戒請求呼びかけについて[[江川紹子]]からは﹁請求の内容によっては、懲戒請求をされた弁護士の側から訴えられる可能性もある。実際、懲戒請求をした側が敗訴し、50万円の慰謝料を支払うよう求める判決が出ているケース<ref group="注">江川の指摘した判決は最高裁第三小法廷平成19年4月24日判決{{独自研究範囲|と思われる|date=2019年4月}}。</ref>もある。橋下は、そういう負担やリスクを説明せず、ただ﹁誰でも簡単に﹂できると、気楽なノリでしゃべっている﹂<ref>{{Cite web 懲戒請求の具体的内容については、web上で懲戒を求める書面のフォームが出回り<ref name=chugoku071128>元少年の弁護士処分せず(中国新聞朝刊 2007年11月28日)</ref>、それに基づく懲戒請求が多かった旨弁護団は主張しており、その内容は弁護団の法廷戦術を根拠に「弁護士に相応しいとは思えない」といったものであった。
210 ⟶ 261行目:
== マスメディア ==
[[放送倫理・番組向上機構]](BPO)は、本事件に関する差戻控訴審の判決前の報道について、被害者遺族側の一方に寄った﹁集団的過剰同調﹂があり、Fや弁護団側への中立性を欠いた報道であった旨を指摘した<ref>報道の現状 議論多岐に――マスコミ倫理懇談会︵朝日新聞 2008年9月30日付朝刊 第13版 第37面︶</ref><ref>{{Cite web 阿武野勝彦は[[2008年]]︵平成20年︶に、弁護団側から取材したドキュメンタリー番組﹃光と影 〜光市母子殺害事件 弁護団の300日〜﹄で民放連賞最優秀の表彰を受けている<ref>ひと――ドキュメンタリーで賞を次々受けたテレビプロデューサー 阿武野勝彦さん(49)︵朝日新聞 2008年10月30日付朝刊 第13版 第2面︶</ref><ref>{{Cite web == 脚注 ==
284 ⟶ 335行目:
== 関連項目 ==
* [[日本における死刑囚の一覧 (2010-)]]
** [[日本における収監中の死刑囚の一覧]]
* [[死刑存廃問題]]
* [[少年犯罪]]
311 ⟶ 363行目:
[[Category:日本の性犯罪]]
[[Category:日本の少年犯罪]]
[[Category:パラフィリア]]
[[Category:一家殺傷事件]]
[[Category:光市の歴史|ほしさつかいしけん]]
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