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{{混同|印税}}
{{law|地域=日本}}
{{課税}}
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[[ファイル:A_revenue_stamp_of_the_Ryukyu_government.jpg|thumb|200px|琉球政府の1セント収入印紙]]
'''印紙税'''(いんしぜい)は、[[印紙税法]](昭和42年5月31日法律第23号)に基づき、課税物件に該当する一定の文書(課税文書)に対して課される[[日本]]の[[税金]]。
 
== 印紙税の歴史 ==
=== 世界の印紙税 ===
* [[1624年]] - [[オランダ]]で[[八十年戦争]]の戦費調達のため、税務職員ヨハネス・ファン・デン・ブルックが発明。
* [[1660年]] - [[デンマーク]]で導入
* [[1673年]] - [[フランス]]で導入
* [[1694年]] - [[イギリス]]で導入
* [[1765年]] - イギリスで[[1765年印紙法|印紙法]]成立。[[13植民地|アメリカ植民地]]で導入
 
=== 日本の印紙税 ===
* [[1873年]] - [[日本]]で導入
 
== 課税文書 ==
課税文書は、[[印紙税法]]の別表第一に掲げられている1号から20号までの文書である。以下、課税文書につき簡記する。
# [[不動産]]等の譲渡[[契約書]]、[[地上権]]または土地の[[賃貸借|賃借権]]の設定または譲渡の契約書、[[消費貸借]]契約書、運送契約書<ref>{{efn|印紙税法に規定する「契約書」とは、契約証書、協定書、約定書その他名称のいかんを問わず、契約(予約を含む)の成立・更改または契約の内容の変更・補充の事実を証すべき文書をいう。</ref>}}
# [[請負]]契約書
# [[約束手形]]、[[為替手形]]
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# 継続的取引の基本契約書
# 預貯金証書
# [[貨物引換証]]、倉庫証券、[[船荷証券]]
# 保険証券
# [[信用状]]
# [[信託]]契約書
# 債務保証契約書
# [[金銭]]、[[有価証券]]の[[寄託 (日本法)|寄託]]契約書
# [[債権譲渡]]契約書、債務引受契約書
# [[配当金]]領収証、配当金振込通知書
# [[領収書|金銭又は有価証券の受取書]]
# [[領収書|金銭又は有価証券の受取書]] 但し、[[医療法]]に基づく[[医療法人]]が作成した受取書は非課税(印紙税法基本通達別表第一 第17号文書の27<ref>[http://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/19/28.htm 法人組織の病院等が作成する受取書|印紙税目次一覧|国税庁]</ref>)
# [[預金通帳|預貯金通帳]]、信託通帳、[[銀行]]・[[無尽会社]]の掛金通帳、生命保険会社の保険料通帳、生命共済の掛金通帳
# 1・2・14・17の文書により証されるべき事項を付け込んで証明する目的で作成する通帳
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# 建物の賃貸借契約書
# 委任状または[[委任]]に関する契約書
# <ref>{{efn|</ref>}}
# [[質権]]・[[抵当権]]の設定または譲渡の契約書
# 18号に該当する通帳のうち、[[政令]]で定められた主体が発行するもの([[信用金庫]]、[[労働金庫]]、[[JAバンク]]など)
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=== 領収書に関する例 ===
上述した17号文書のひとつである[[領収書]]については、5万円未満(2014年(平成26年)3月31日以前は3万円未満)の文書は印紙税非課税であるが、額面と消費税の関係については、金額について、税抜金額を記載している、あるいは消費税額が明確に明示されている場合'''以外'''は、税込金額で判断される。ただし、消費税及び地方消費税の免税事業者については、その取引に課されるべき消費税及び地方消費税がないため、たとえ受取書等に消費税額として具体的金額を区分記載したとしても、これに相当する金額は記載金額に含めることになる<ref>[https://www.nta.go.jp/law/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/19/21.htm  消消費税及び地方消費税の免税事業者が作成する受取書書]  国税庁</ref>。
 
領収書には原則として[[収入印紙]]を貼り、[[消印]]をすることで印紙税を納税しなければならないが、あらかじめ税務署に届けていれば、「印紙税申告納付につき○○税務署承認済」と領収書に表示(あらかじめフォーマットへの機械印字するケースや印紙貼付欄にスタンプを押捺するケースなどがある)し、印紙額相当分を税務署に納めれば、貼付しなくともよい
 
非課税となる場合については、前述のとおり営業に関しない領収書であり、主なものを列挙する。
* 医療法に基づく医療法人<ref>{{efn|(医療法人立の個人病院を含む)</ref>}}が作成した領収書等
* [[医師]]、[[歯科医師]]、[[歯科衛生士]]、[[歯科技工士]]、[[保健師]]、[[助産師]]、[[日本の看護師|看護師]]、[[あん摩マッサージ指圧師|あん摩・マッサージ・指圧師]]、[[はり師]]、[[きゅう師]]、[[柔道整復師]]、[[獣医師]]等が作成した領収書等
* [[弁護士]]、[[弁理士 (日本)|弁理士]]、[[公認会計士 (日本)|公認会計士]]、[[計理士]]、[[司法書士]]、[[行政書士]]、[[税理士]]、[[中小企業診断士]]、[[不動産鑑定士]]、[[土地家屋調査士]]、[[建築士]]、設計士、[[海事代理士]]、[[技術士]]、[[社会保険労務士]]等が作成した領収書等
* [[宗教法人]]や[[財団法人]]、[[学校法人]]などの[[公益法人]]が発行する領収書等([[印紙税法]]第5条)
* 印紙税法別表第二、別表第三に規定するもの。主なものとして
** 国や各種[[公的機関]]([[地方公共団体|地方自治体]]だけでなく、[[地方公営企業]]などを含む)、一部の[[独立行政法人]](一部の[[地方独立行政法人]]を含む)に関するもの(これらの者から該当業務の委託を受ける一部の者)
** [[日本学生支援機構]]から学資の貸与を受ける者
** [[社会福祉法]]に規定する生計困難者や、[[母子及び父子並びに寡婦福祉法]]に規定するものが資金の融通を受ける場合
 
なお、[[クレジットカード]]での買い物客の求めよる決済時に応じて販売店が発行され領収書(クレジットカード利用控えの旨が記載されたものに限る)、表題が「領収書」であっても金銭の受領がなく課税文書に該当しない<ref>[https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/inshi/19/37.htm クレジット販売の場合の領収書](質疑応答事例;国税庁)</ref>
 
== 課税標準・税額 ==
8 - 1618<ref></ref>200
 
2
 
== 課税主体・納税義務者 ==
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21
 
== 過怠標準・税額 ==
8 - 1618{{efn|}}200
'''過怠税'''(かたいぜい)は、[[印紙税法]]第20条に基づき、印紙税をその課税文書作成時までに納付しなかった場合に課せられる。
 
2
過怠税の金額は、原則としてその納付しなかった印紙税額の3倍(最低額は1,000円)とされる。ただし、自主的にその不納付を申し出るなど一定の要件を満たせば、不納付額の1.1倍とされる。また、印紙を適切な方法で消印しなかった場合には、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収される。印紙税は原則、税法上その期の費用(損金)として認められているが、過怠税は税法上、費用(損金)に算入することができない。
 
<ref>{{Cite web||url=https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7105.htm |title=No.7105 |accessdate=2022-2-28 |publisher=}}</ref>
{| class="wikitable"
|-
! colspan="2" |記載された受取金額
!税額
|-
| colspan="2" |5万円未満のもの、営業に関しないもの
|非課税
|-
|5万円以上
|100万円以下のもの
|200円
|-
|100万円を超え
|200万円以下のもの
|400円
|-
|200万円を超え
|300万円以下のもの
|600円
|-
|300万円を超え
|500万円以下のもの
|1,000円
|-
|500万円を超え
|1,000万円以下のもの
|2,000円
|-
|colspan="2"|1,000万円を超えるもの
|4千円~(上限20万円)
|}
 
== 納税方法 ==
印紙税の納税方法にはいくつかの方法がある。申告納付にする場合は管轄[[税務署]]の承認を受ける必要がある。
# [[]][[]][[]][[便]]便便便使''''''[[#|]][[]]使
# [[税務署]]に課税文書を持ち込んで、税額を納付して税印を押してもらう。
# [[印紙税納付計器]](郵便でいう[[メータースタンプ]]に相当)の設置許可を受け、税額を納付して納付印を押す。
# 毎月継続的に作成されたり、特定日に大量に作成される定型的な課税文書につき、書式表示を行い、毎月作成数量を申告するとともに税額を納付する。
# [[預金通帳|預貯金通帳]]等につき、4月1日から3月31日までの1年間に作成するものに係る税額を金銭で納付する。
 
 
=== 過誤納となったときの処理 ===
[[ファイル:Inshi kagono kakunin.jpg|thumb|200px|税務署で過誤納確認を受けた課税文書の一部]]
使14121414[]1
 
; 書損等
: 課税文書の用紙が、用紙の書損、損傷、汚染などにより使用する見込みがなくなった場合。
; 納付額超過
: 印紙税の額が、印紙税法に規定する正しい税額を超える場合。
*; その他の事由
:*; 課否判定誤り: 印紙税の納付の必要がない文書に誤って収入印紙を貼付したり納付印を押した場合(例えば5万円未満の領収書に印紙を貼付してしまった場合など)。
:*; 二重納付
*:* 印紙税納付等の特例を受けた課税文書について、特例方法以外の方法により相当金額の印紙税を納付した場合。
:*; 税印の取りやめ等
*:* 税印による納付の特例を受けるために印紙税を納付したが、税印の押捺の請求をしなかった又は請求を行ったが棄却された場合。
:*; 被交付文書
*:* 印紙税納付計器の設置者が被交付文書に対する納付印押捺の承認を受けていないにもかかわらず、交付を受けた課税文書に納付印を押した場合。
:*; 納付計器の廃止等
*:* 印紙税納付計器による納付の特例を受けるため印紙税を納付したが、印紙税納付計器の設置の廃止等により当該納付計器を使用しなくなった場合。
 
== 過怠税 ==
'''過怠税'''(かたいぜい)は、[[印紙税法]]第20条に基づき、印紙税をその課税文書作成時までに納付しなかった場合に課せられる。
 
過怠税の金額は、原則としてその納付しなかった印紙税額の3倍(最低額は1,000円)とされる。ただし、自主的にその不納付を申し出るなど一定の要件を満たせば、不納付額の1.1倍とされる<ref group="注釈">実務では国税当局がミスを指摘した後に、通常「不納付事実申出書」の提出で1.1倍の過怠税で済む。[https://www.tax-support.xyz/Q-and-A/%E5%8D%B0%E7%B4%99%E7%A8%8E/%E5%8D%B0%E7%B4%99%E7%A8%8E%E3%81%AE%E9%81%8E%E6%80%A0%E7%A8%8E%E3%81%AB%E3%81%A4%E3%81%84%E3%81%A6-561 印紙税の過怠税について(税務調査対策専門チーム)]</ref>。
また、印紙を適切な方法で消印しなかった場合には、消印されていない印紙の額面に相当する金額の過怠税が徴収される。
 
過怠税は、[[所得税]]の[[必要経費]]又は[[法人税]]の[[損金]]に算入することができない。
 
== 歴史 ==
* [[1624年]] - [[オランダ]]で[[八十年戦争]]の戦費調達のため、税務職員ヨハネス・ファン・デン・ブルックが発明。
* [[1660年]] - [[デンマーク]]で導入
* [[1673年]] - [[フランス]]で導入
* [[1694年]] - [[イギリス]]で導入
* [[1765年]] - イギリスで[[1765年印紙法|印紙法]]成立。[[13植民地|アメリカ植民地]]で導入
* [[1873年]] - [[日本]]で導入
 
== 税収の推移 ==
[[]]
 
{{efn|[https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/budget_explanation/index.html ]73}}使<ref>[https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=datalist&toukei=00250002&kikan=00250&tstat=000001012460&cycle=8&year=20181&month=0&tclass1=000001012463&result_back=1&result_page=1 ]</ref>2018630410896002018172990064500
 
'''印紙の売り捌き(うりさばき)収入の推移'''<br>(財務省統計<ref>[https://www.mof.go.jp/tax_policy/reference/account/data.htm 租税及び印紙収入決算額調一覧 財務省]</ref>
{| class="wikitable"
!年度!!収入額(単位:100万円)
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!2016
|1,079,147
|-
!2017
|1,051,520
|-
!2018
|1,072,909
|-
!2019
|1,023,211
|-
!2020
|{{0|0,}}919,463
|-
!2021
|{{0|0,}}960,848
|-
!2022
|{{0|0,}}982,121
|}
 
== 脚注 ==
{{reflist脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
 
== 関連項目 ==
* [[領収書]]
* [[印税]] - 当税務にちなむ。
* [[印紙税納付計器]]
 
== 外部リンク ==
* [httphttps://www.nta.go.jp/taxanswertaxes/inshishiraberu/inshi31zeimokubetsu/inshi.htm 印紙税](国税庁タックスアンサー)]
 
{{日本の租税}}
{{Normdaten}}
 
{{DEFAULTSORT:いんしせい}}
[[Category:類型別の諸租税]]
[[Category:譲渡税]]
[[Category:日本の租税]]
[[Category:日本の印紙|*]]
[[Category:流通税]]
[[pl:Opłata skarbowa]]