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[[新潟県]][[新潟市]]出身。[[東洋大学]][[インド哲学|印度哲学]][[倫理学]]科︵現・文学部 東洋思想文化学科︶卒業。[[学校法人アテネ・フランセ|アテネ・フランセ]]で[[フランス語]]習得。 戦前は[[笑劇|ファルス]]的[[ナンセンス文学|ナンセンス]]作品﹃[[風博士]]﹄で[[文壇]]に注目され、一時低迷した後、[[日本の降伏|終戦]]直後に発表した﹃[[堕落論]]﹄﹃[[白痴 (坂口安吾)|白痴]]﹄により時代の寵児となり、[[太宰治]]、[[織田作之助]]、[[石川淳]]らと共に、[[無頼派]]・[[新戯作派]]と呼ばれ地歩を築いた<ref name="okuno">[[奥野健男]]﹁坂口安吾――人と作品﹂︵文庫版﹃[[白痴 (坂口安吾)|白痴]]・[[二流の人 (小説)|二流の人]]﹄[[角川文庫]]、1970年。改版1989年、2008年、2012年︶</ref><ref name="album">﹃新潮日本文学アルバム35坂口安吾﹄︵[[新潮社]]、1986年︶</ref>。 文学においての新人賞である[[芥川龍之介賞]]の選考委員を第21回から第31回の間務め、[[松本清張]]や[[辻亮一]]、[[五味康祐]]などの作家を推した。歴史小説では[[黒田孝高|黒田如水]]を主人公とした﹃[[二流の人 (小説)|二流の人]]﹄、推理小説では﹃[[不連続殺人事件]]﹄が注目された<ref name="okuno"/><ref name="tuduki">[[都筑道夫]]﹁安吾流探偵術﹂︵﹃日本探偵小説全集10坂口安吾集﹄[[東京創元社]]、1985年︶</ref>。 76行目:
=== 新進ファルス作家へ ===
[[1931年]]︵昭和6年︶1月に﹃言葉﹄第2号に、[[ナンセンス文学|ナンセンス]]的な処女小説﹁木枯の酒倉から﹂︵副題は﹁聖なる酔つ払ひは神々の魔手に誘惑された話﹂︶を書き、[[島崎藤村]]が褒めているという話を聞いて、小説家としての資質に自信を持つようになる<ref name="eguchi"/>。﹃言葉﹄を2号で廃刊後、5月に﹃青い馬﹄と改題して[[岩波書店]]から新創刊し、創刊号に[[クロード・ドビュッシー|ドビュッシー]]風の小説﹁ふるさとに寄する讃歌﹂︵副題は﹁夢の総量は空気であつた﹂︶、随筆﹁ピエロ伝道者﹂、翻訳﹁ステファヌ・マラルメ﹂︵[[ポール・ヴァレリー|ヴァレリー]]︶、﹁エリック・サティ﹂︵[[ジャン・コクトー|コクトー]]︶を発表した。﹁エリック・サティ﹂<ref>﹃エリック・サティ﹄新版は[[佐藤朔]]により改訂刊行︵深夜叢書社、1977年、新版1990年︶</ref>は葛巻義敏との共訳であった<ref name="eguchi"/>。 続いて6月、﹃青い馬﹄2号に[[散文]][[笑劇|ファルス]]とも言うべき﹁[[風博士]]﹂を発表。3号に、新潟県[[東頸城郡]][[松之山町]]、[[松之山温泉]]を舞台にした﹁黒谷村﹂を発表する。この﹁風博士﹂を[[牧野信一]]から激賞{{refnest|group="注釈"|牧野信一は﹃風博士﹄を、﹁私は、フアウスタスの演説でも傍聴してゐる見たいな面白さを覚えました。奇体な飄逸味と溢るゝばかりの熱情を持つた化物のやうな[[弁士]]ではありませんか﹂と賞讃した<ref>[[牧野信一]]﹁﹃風博士﹄﹂︵﹃文藝春秋]﹄1931年7月号に掲載︶</ref>。}}、﹁黒谷村﹂も島崎藤村と[[宇野浩二]]にも認められ、一躍新進作家として文壇に注目された。安吾は、︿私は短篇小説をたつた三つ書いただけで一人前の文士になつてしまつた﹀と述懐している<ref name="zengo"/>。次いで9月に﹁海の霧﹂を雑誌﹃[[文藝春秋 (雑誌)|文藝春秋]]﹄、10月に﹁霓博士の頽廃﹂を﹃[[作品 (同人誌)|作品]]﹄に発表し、売れっ子作家となり、牧野信一主宰の[[春陽堂書店|春陽堂]]の﹃[[文科 (雑誌)|文科]]﹄にも﹁竹薮の家﹂を連載した。この作品にも音楽性、映像性が見られる<ref name="album"/>。﹃文科﹄同人には、[[小林秀雄 (批評家)|小林秀雄]]、[[河上徹太郎]]、[[井伏鱒二]]らがいた{{refnest|group="注釈"|﹃文科﹄の同人は、坂口安吾、[[牧野信一]]、[[坪田譲治 (作家)|坪田譲治]]、[[田畑修一郎]]、[[小林秀雄 (批評家)|小林秀雄]]、[[嘉村礒多]]、[[井伏鱒二]]、[[河上徹太郎]]、[[中島健蔵]]、[[佐藤正彰]]、[[中山省三郎]]らであった<ref name="nenpukado"/>。}}。 |