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{{宣伝|date=2019年6月}}
{{Infobox 人物
|氏名 = 夏井 
|ふりがな = なつい まこと
|画像 =
|画像サイズ = <!-- 省略値は180x180px -->
|画像説明 =
|生年月日 = {{生年月日と年齢|1957|5|4}}
|生誕地 = {{JPN}} [[秋田県]]
|没年月日 =
|死没地 =
|職業 = [[医師]](形成外科)
|出身校 = [[東北大学]]
|団体 = [[日本形成外科学会]](後に脱退<ref name=sengen />)
|拠点 = 東京
|著名な実績 = [[湿潤療法]]の普及
|代表作 = 『傷はぜったい消毒するな』『炭水化物は人類を滅ぼす』
|公式サイト = [http://www.wound-treatment.jp/ 新しい創傷治療]
|影響を受けたもの=
}}
''' ''' [[1957]][[54]]<ref> 20162016378</ref> - [[]][[]][[]][[]][[]][[湿]]2001<ref name=""/>[[]]湿[[|]]湿
 
2009年の新書『傷はぜったい消毒するな』は、Amazon.co.jpの新書文庫部門でも8月25日付けで第3位<ref name="売れる理由"/>。[[江部康二]]を師匠として、2011年より実践している[[低炭水化物ダイエット|糖質制限]]についての思想に関する著作も、2014年5月の新書・ノンフィクション週間ランキングの3位となった。
'''夏井 睦'''(なつい・まこと、[[1957年]] - )は、[[日本]]の[[医師]]である。専門は[[形成外科]]。「[[創傷]]・[[熱傷]]の[[湿潤療法]]」を広めた人物として知られている<ref>[http://www.wound-treatment.jp/ 新しい創傷治療]</ref>
 
: 「[[褥創]]に対する治療法」である「開放性湿潤療法<ref>http://www.geocities.jp/pressure_ulcer/sub0.htm</ref>」は、[[内科]]医である[[鳥谷部俊一]]医師により、ほぼ同時期に考案された。
==ピアノにのめりこんだ少年時代==
==人物==
1957年、秋田県にて、数学教師の父と、国語教師の母との間に長男として生誕する<ref name="ねりま"/>。
[[]]湿<ref>Overview of wound healing in a moist environment, The American Journal of Surgery; 167(1) Suppl 2-6, 1994.</ref>湿<br>
 
[[ピアノ]]にも造詣が深く、ピアノの楽譜を収集し、[[インターネット]]で公開している。<ref>http://www.wound-treatment.jp/piano-score/piano.htm</ref><br>
7歳よりピアノを習い<ref name="ドクターズ・ファイル"/>、小学生の頃には[[フレデリック・ショパン|ショパン]]の「[[幻想即興曲]]」を弾くようになった<ref name="言葉は思想のみで"/>。中学2年生のある夜、ラジオから[[ウラディミール・ホロヴィッツ]]の奏でる「[[星条旗よ永遠なれ]]」が流れ出し、その技巧と繊細な感覚に神の啓示だと感じた<ref name="ホロヴィッツ"/>。衝撃が走ったのである。後に夏井は「その時、ホロヴィッツは私の神となった」と記している<ref name="ホロヴィッツ">{{Cite journal |和書|author=夏井睦|date=2013-01-26|title=「星条旗よ永遠なれ」 ピアノの神・ホロヴィッツとの出会い 生涯挑み続けたい「アイガー北壁」|journal=日本医事新報|volume=|issue=4631|page=98}}</ref>。高校生まで毎日3時間練習し音大生が弾くような曲にも手を伸ばしていた<ref name="ドクターズ・ファイル"/>。同時に、様々な曲を弾きたいという自己洞察によって、もう少し狭く曲の練習を追求していく音大には向いていないのではという自分の適性にも気づいた<ref name="ドクターズ・ファイル"/>。成績が良かったので医者となったという<ref name="ねりま"/>。しかし、高校2年生となりピアノの先生に進路を伝えたところ、アマチュアだからと手を抜いて曲と向かい合ってほしくはないと、みっちり鍛えられ、物事に取り組む姿勢を教え込まれた<ref name="言葉は思想のみで"/>。
[[コンピュータ]]、デジタルガジェット、[[文具]]などの小物にこだわりがあり、彼のホームページで、感想を述べている。<ref>http://www.wound-treatment.jp/next/kaimono0.htm</ref><br>
 
大量の[[映画]]をジャンルにこだわらず視聴している。なかでも特にいわゆる「B級映画」の鑑賞も趣味としている。<ref>http://www.wound-treatment.jp/next/eiga4.htm</ref><br>
==医師として==
湿潤治療同様、[[江部康二]]医師の提唱する[[糖質制限]]も自分の身体を使って実験・実証している。<ref>http://www.wound-treatment.jp/next/essay/sugar-1.htm</ref>
1984[[]]<ref name=""></ref>
 
1996年のこと。[[褥瘡]](じょくそう、床ずれなど)の治療のために若い医師が、『ドレッシング』<ref name="ドレッシング">初版1995年、ISBN 4-89269-222-0。{{Cite book|和書|author=穴沢貞夫、倉本秋|title=ドレッシング―新しい創傷管理|edition=改訂版|publisher=へるす出版|date=2005|isbn=4-89269-499-1|page=}}</ref>という著書を手に、最新の方法であるドレッシング材([[創傷被覆材]])による湿潤環境を使った治療を行いたいと申し出た<ref name="ぜったいに"/>。その研修医による処置の経過を見ていたが、見違えるような改善ではなかった<ref name="ドクターズ・ファイル"/>。止血能力のあるアルギン酸塩のサンプルももらっていた<ref name="ぜったいに"/>。そこで夏井は、褥瘡ではなく怪我をした体力のある人にて実践すると、痛みもなく、早く治り、傷跡も残りにくいという結果が得られた<ref name="ドクターズ・ファイル"/>。夏井は『ドレッシング』を読み学び直し<ref name="巨大転換"/>、消毒が無意味だとも理論的に書かれていた<ref name="さらば消毒"/>。「[[褥創]]」に対する「開放性湿潤療法<ref>[https://web.archive.org/web/20040407020248/http://www.geocities.jp/pressure_ulcer/sub0.htm はじめに] WrapTherapy for pressure ulcers、2010年1月1日</ref>」は、[[内科]]医である[[鳥谷部俊一]]により、ほぼ同時期に考案された。夏井は日本形成外科学会の専門医の認定試験問題作成委員会を6年務め、火傷の知識は十分であるが、その従来の知識が通用しない新しい治療法であった<ref name="ぜったいに"/>。
 
1984<ref name="">{{Cite web||url=https://www.nerimakanko.jp/review/nerimabito/110.php|title=#110 |publisher=!|date=2015-12-01|accessdate=2016-03-17}}</ref>1996 <ref name=""/><ref name=""/><ref name="">{{Cite web||author= |title= |url=https://wwwbookscan.co.jp/interviewarticle/426/all#article_bottom |date= |publisher=BOOKSCAN |accessdate=2018-06-10}}</ref><ref name=""/>
 
地方の学会で湿潤療法について発表するが、強い手ごたえは感じなかったため、その音楽サイトのエッセイに「傷は乾かしてはいけない」と書くようになり、2001年にはホームページ「新しい創傷治療」を立ち上げることになった<ref name="さらば消毒">『さらば消毒とガーゼ』</ref>。傷は消毒しない、乾かしてはいけないというのは、従来の方法の全否定であり、そして当時の状況では、従来の方法はあまりに多勢なため、ホームページを開設し賛同者を募った<ref name="医学界2003"/>。失敗も含めて全ノウハウの公開である<ref name="ぜったいに"/>。普遍的事実から理論を構築し、実際の医療行為が正しいのか思考実験するというが自身のスタイルだといい、これは自身の主張を文献によって裏付けるという医学界の主な手法ではないが、少数派であったためのそのような戦略を選んだ<ref name="医学界2003"/>。自説を裏付ける論文がなくても、医学の上位の学問である生物学から説明するということである<ref name="言葉は思想のみで"/>。しかし、それほど時も経ず、2003年5月に開催された日本皮膚科学会では治療経過を発表し<ref>{{cite news |和書|author=松村由利子|title=傷の手当、常識が変わる治療法 医療用の被覆材使う―早く傷も目立たず治癒 |date=2003-06-16 |newspaper=毎日新聞 |page=12面}}</ref>、2003年7月には医学書の出版社である[[医学書院]]から初の著作『これからの創傷治療』を出版することになる<ref name="医学界2003">{{cite news |和書|author=夏井睦 |title=『これから』のそれから |url=http://www.igaku-shoin.co.jp/nwsppr/n2004dir/n2567dir/n2567_05.htm#07 |date=2004-01-12 |newspaper=週刊医学界新聞 2567号 |accessdate=2018-06-10}}</ref>。
 
権威による思考放棄をしないことを信条としている{{要出典|date=2017年7月}}。
 
湿<ref name="pmid8109679">{{cite journal |authors=Field FK, Kerstein MD |title=Overview of wound healing in a moist environment |journal=Am. J. Surg. |volume=167 |issue=1A |pages=2S6S |date=January 1994 |pmid=8109679 |doi= |url=}}</ref>使<ref name="">{{Cite journal ||author=|date=2014|title=湿|journal=|issue=56|page=200-204}}</ref>使<ref name="naid40016845143">{{Cite journal ||author1= |author2= |date=2009-10 |title= !!!湿 |journal= |volume=68 |issue=10 |pages=11-21 |naid=40016845143}}</ref>10<ref name=""/><ref name="naid40016845143"/>[[]]<ref name=sengen>{{Cite web|publisher=|title= |url=http://www.wound-treatment.jp/sengen.htm |accessdate=2024-06}}</ref>
 
2009年に新書の『傷はぜったい消毒するな』を出版する。序文に書かれているように、後半部分にて[[パラダイムシフト]]の概念を説明するなど、思想的な側面も含んでいる。Amazon.co.jpの新書文庫部門でも8月25日付けで第3位であった<ref name="売れる理由">{{Cite web|和書|author=桑原恵美子 |title=書籍「傷はぜったい消毒するな」が売れる理由 |url=http://trendy.nikkeibp.co.jp/article/hit/20090907/1028717/ |date=2009-09-10 |publisher=日経トレンディネット |accessdate=2018-06-10}}</ref>
 
湿<ref name=""/>20124<ref name=""/>201760<ref name=""/>
 
2011年より、医師の[[江部康二]]が提唱する[[糖質制限]]も自らの身体を使って実験・実証している。江部はインターネットで知った湿潤療法について夏井の名を確認せずに実践しており、後に2011年1月、夏井に自身の病院での講演を依頼し招くことになる。その際、大歓迎し長時間の宴会を行った。9月になり、日経メディカルオンラインの記事に江部の名を発見した夏井は、講演の際に贈呈された江部の著書を読み、メタボをどうにかしたいと考えていたため実践し、11月には自身のホームページにて取り上げ、連日のように話題にするようになった。<ref name="巨大転換">『医療の巨大転換を加速する』</ref>。
 
こうして2014年には自身の思想をまとめた『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学』を出版する。この著作は、様々な地域の週間ランキングに名が載るようになった。『東京新聞』に掲載された2014年5月13日付のトーハン調べでは新書・ノンフィクションの第3位であった<ref>{{cite news |和書|title=13日トーハン調べ 新書・ノンフィクション |date=2014-05-17 |newspaper=東京新聞 |page=18面}}</ref>。
 
<ref name="">{{Cite web||author= |title= ( ) |url=https://doctorsfile.jp/h/185089/df/1/ |date=2017-10-16 |publisher= |accessdate=2018-06-10}}</ref><ref name=""/><ref name=""/>
 
=== 開発に関与した創傷被覆材 ===
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*「プラスモイストTOP」
*「プラスモイストDC」・「プラスモイストDCR」
*「[[ズイコウパッド]]
など。
 
==略歴 ==
* [[1984年]]3月  [[東北大学]][[医学部]]卒業
* [[1992年 [[日本形成外科学会]] 認定 形成外科専門医 取得(後に更新を中止し放棄)<ref name=sengen />
* [[2001年]]10月  [[インターネット]]・サイト「新しい創傷治療」を開設
* [[2003年]]4月  特定医療法人慈泉会 [[相澤病院 ]] 傷の治療センター長 <ref name=医学界2003 />
* [[2007年]]7月  石岡第一病院  傷の治療センター長
* [[2012年]]4月  [[日本大学地域学部付属療振興協会練馬光が丘病院|練馬光が丘病院]] 傷の治療センター科長
* [[2017年]]10月 なついキズとやけどのクリニック院長
 
== 参考文献 ==
{{Reflist}}
== 著書 ==
;医学書
* これからの創傷治療』[[医学書院,2003]]、2003年7月)ISBN、ISBN 978-4260122535
* 創傷治療の常識非常識―〈消毒とガーゼ〉撲滅宣言三輪書店,2003、2003年12月ISBN 978-4895902021
* 『創傷治療の常識非常識〈2〉熱傷と創感染』三輪書店、2006年1月、ISBN 978-4895902410
* さらば消毒とガーゼ 「うるおい治療」が傷を治す(春秋社,2005年12月) ISBN 978-4393716175
* 『ドクター夏井の外傷治療の常識非常識〈2〉熱傷と創感染(「裏」マニュアル―すぐに役立つHints&Tips』三輪書店,2006、200715 ISBN 978-48959024104895902762
* ドクター夏井の傷治療マニュアル―すぐに役立つHints&Tips(三輪書店,2007、201153ISBN 978-48959027624895903783
* 『創傷治療ハンドブック』三輪書店、2021年3月、ISBN 978-4895907132
* キズ・ヤケドは消毒してはいけない―痛くない!早く治る!「うるおい治療」のすすめ(主婦の友,2008年1月) ISBN 978-4072562253
;一般書
* 傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学(光文社新書,2009年6月)ISBN 978-4334035136
* ドクタ『さらば消毒とガ夏井の熱傷ゼ 「うるおい治療裏マニュアル(三輪書店,2011」が傷を治す』春秋社、2005312ISBN 978-48959037834393716175
* キズ・ヤケドは消毒してはいけない―痛くない!早く治る!「うるおい治療」のすすめ主婦の友,2008、2008年1月ISBN 978-4072562253
* 傷はぜったい消毒するな 生態系としての皮膚の科学光文社新書,2009、2009年6月)ISBN、ISBN 978-4334035136
* 江部康二と共著『医療の巨大転換(パラダイム・シフト)を加速する』東洋経済新報社、2013年8月、ISBN 978-4492045060
* 『炭水化物が人類を滅ぼす 糖質制限からみた生命の科学』光文社新書、2013年10月、ISBN 978-4334037666
* 『炭水化物が人類を滅ぼす【最終解答編】 植物vs.ヒトの全人類史』光文社新書、2017年10月、ISBN 978-4334043179
* 『患者よ、医者から逃げろ その手術、本当に必要ですか?』光文社新書、2019年10月、ISBN 978-4334044381
 
== 出典 ==
{{Reflist}}
 
== 外部リンク ==
* [http://www.wound-treatment.jp/ 新しい創傷治療 「消毒とガーゼ」の撲滅を目指して] 公式サイト - 湿潤治療の療法、療例、等。
* [http://www.natsui-clinic.jp/ なついキズとやけどのクリニック]
{{Normdaten}}
 
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{{DEFAULTSORT:なつい まこと}}
[[Category:日本の医学者]]
[[Category:日本の形成外科医]]
[[Category:東北大学出身の人物]]
[[Category:秋田県出身の人物]]
[[Category:1957年生]]
[[Category:存命人物]]
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