市町村道
日本の市町村が管理する道路
概要
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市町村長がその市町村の区域内の部分について当該市町村議会の議決を経て路線を認定したもののことをいう︵道路法第8条︶[1]。道路法で規定されているとおり、市町村道の認定は当該市町村長が行うもので、国土交通省など他機関は権限を持たない[2]。ただし、他市町村の区域にわたるものについては、当該他の市町村長の承諾を要する。この場合、当該他の市町村長も、当該他の市町村議会の議決を経なければ、承諾できない。
市にあるものを市道︵しどう。または﹁私道﹂と区別するために﹁いちどう﹂と呼ぶこともある︶、町にあるものを町道︵ちょうどう︶、村にあるものを村道︵そんどう︶という。国道や都道府県道から分岐して、網目状に張り巡らされている末端の道路網で、いわゆる生活道路とよばれるもののほとんどは市町村道である[3]。日本の道路総延長約121万キロメートルのうち、約84パーセントにあたる120万キロメートルは市町村道が占める[2]。昔から有る行政区域内の道を公のものと認識し、市町村長が当該市町村の公道であると認定したものであれば、都市部の路地なども市町村道である[2]。
東京都特別区は市についての規定を適用することになっており、市町村道に相当するものとして特別区の区域内に作られるものを特別区道︵または単に区道︶という。以下、市町村道と言う場合には特別区道も含むものとする[疑問点]。
なお、市道のうち国が主要地方道に指定している路線は、維持管理費の面で国から費用の補助を受けられる。
詳細は「主要地方道」を参照
区別
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市町村道は、大きく2つに分けられる。
●幹線市町村道: 国道︵高速自動車国道・一般国道︶を補完し、都道府県道︵主要都道府県道・一般都道府県道︶とともにその地方の幹線道路網を構成する道路
●一般市町村道: それ以外の市町村道。日常生活に必要となる生活道路
市町村道は膨大な延長があるため、特に幹線市町村道を優先して整備が行われている。幹線市町村道は、その重要度に応じて幹線一級市町村道、幹線二級市町村道に分けられている[注釈1]。
幹線一級市町村道
編集幹線二級市町村道
編集- 集落(戸数30戸以上)同士を連絡する道路
- 集落と、その集落と密接な関係にある一般国道、都道府県道、幹線一級市町村道とを連絡する道路など
通行困難区間
編集脚注
編集注釈
編集- ^ 幹線市町村道の一級と二級の区別については、昭和55年3月18日付け建設省道地発第18号道路局地方道課長通知「幹線1級及び2級市町村道の選定について」に基づいている。
出典
編集参考文献
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●浅井建爾﹃日本の道路がわかる辞典﹄︵初版︶日本実業出版社、2015年10月10日。ISBN 978-4-534-05318-3。
●武部健一﹃道路の日本史﹄中央公論新社︿中公新書﹀、2015年5月25日。ISBN 978-4-12-102321-6。
●ロム・インターナショナル︵編︶﹃道路地図 びっくり!博学知識﹄河出書房新社︿KAWADE夢文庫﹀、2005年2月1日。ISBN 4-309-49566-4。