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{{otheruseslist|法概念としての更改|英米法のnovation|当事者交替契約|[[プロスポーツ選手]]の[[契約]]の更新|契約更改}}
{{Law}}
''''''novationNeuerung[[]][[]][[b:513|513]]
 
*[[民法]]について以下では、条数のみ記載する。
 
== 概 ==
[[]][[]]<ref name="kommentar947">{{Cite book | |author= |author2= |author3= |author4= |title=   3 |publisher= |page= 947 |year=2013}}</ref><ref name="kommentar947"/>[[]]<ref name="kommentar947"/>[[]]<ref name="kommentar947"/><ref name="kommentar947"/>
 
なお、日常用語ではプロ野球選手の「契約更改」のように契約の更新を更改と呼ぶことがあるがこれは民法上の更改とは異なる<ref name="kommentar947"/>。
 
== 債権譲渡等との比較 ==
更改は以下の点で、[[債権譲渡・免責的債務引受]][[代物弁済やいわゆる変更契約など]]、[[準消費貸借]]区別される。
=== 債権譲渡===
*[[]][[]]<br />
*: [[]]<br />
=== 代物弁済===
*消費貸借によらないで金銭その他の物を給付する義務を負う者がある場合において、当事者がその物を消費貸借の目的とすることを約したときは、消費貸借は、これによって成立したものとみなされ([[準消費貸借]])、これも更改とは区別される。
: [[]][[]]
=== 準消費貸借===
*: [[]][[]]
 
== 更改の ==
2017年の改正前の513条1項は「債務の要素」とだけ定めていたが、規律内容を明確化するため、2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)で従前の給付の内容について重要な変更をしたもの、従前の債務者が第三者と交替したもの、従前の債権者が第三者と交替したものの3種類に具体化された<ref name="leasing">{{Cite web|和書|url=https://www.leasing.or.jp/studies/docs/10_01.pdf|title=民法(債権関係)改正がリース契約等に及ぼす影響|format=PDF |publisher=公益社団法人リース事業協会|accessdate=2020-03-20}}</ref>。
 
なお、過去の法改正で必ずしも更改には当たらないと解されるものが除外されている。
* 「債務ノ履行二代ヘテ[[為替手形]]ヲ発行スル」場合も債務の要素の変更にあたると規定されていたが、更改の性質からも手形の性質からも理に反するものと批判され、通説では手形の発行は「履行のために」なされるもので、「履行に代えて」発行される場合は[[代物弁済]]と解されていたため、平成16年改正により削除された<ref name="kommentar949">{{Cite book |和書 |author=我妻榮 |author2=有泉亨 |author3=清水誠 |author4=田山輝明 |title= 我妻・有泉コンメンタール民法 総則・物権・債権 第3版 |publisher=日本評論社 |page= 949 |year=2013}}</ref>。
* 2017年の改正前の513条2項は、条件付債務を無条件債務にしたとき、無条件債務に条件を付したとき、債務の条件を変更したときは債務の要素の変更に当たるとされ、その債務は更改によって消滅するものとされていた。しかし、これらの契約の変更が必ずしも契約の更改を意図しているとは限らず、裁判例にも適用事例が見当たらないことから2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)で削除された<ref name="leasing" />。
 
=== 目的給付内容について重要な変更による更改 ===
従前の給付の内容についての重要な変更による更改である(513条1号)。
 
== 更改の種類 ==
[[]]subjective novationobjective novation
以下、日本の民法における規定における分類について概説する。
=== 債権者の交替による更改 ===
歴史的には、ローマ法においては債権は「法の鎖」とする考え方から[[債権譲渡]]が認められなかったため、その代替手段として用いられていた。日本法においては、債権者の交替による更改([[b:民法第515条|515条]]、[[b:民法第516条|516条]])は、確定日付のある証書によってしなければ、第三者に対抗することができない。異議を留めない承諾([[b:民法第468条|468条]]1項)が[[準用]]される。もっとも、債権譲渡が認められるため、実務的に用いられることはまずない。
=== 債務者の交替による更改 ===
[[b:514513|514]]2[[b:514|514]]1 
=== 目的の変更による更改 ===
[[b:513|513]]2
*条件付債務を無条件債務にしたとき
*無条件債務に条件を付したとき
*債務の条件を変更したとき
以前は「債務ノ履行二代ヘテ[[為替手形]]ヲ発行スル」場合も債務の要素の変更にあたると規定されていたが、手形法学ではこのケースは更改ではなく[[代物弁済]]と解する説が一般的であったため、平成16年改正により削除された。
 
2017年の改正前の514条ただし書は、更改前の債務者の意思に反するときは債務者の交替による更改はできないとしていた。2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)では債務者の交替による更改と類似の効果をもつ免責的債務引受と規律内容を合わせるため、債務者の意思にかかわらず債務者の交替による更改を行うことが可能となった<ref name="leasing" />。
== 関連規定 ==
 
*更改によって生じた債務が、不法な原因のため又は当事者の知らない事由によって成立せず又は取り消されたときは、更改前の債務は、消滅しない。([[b:民法第517条|517条]])
債務者の交替による更改後の債務者は、更改前の債務者に対して求償権を取得しない(514条2項)。免責的債務引受と規律内容を合わせる趣旨で、2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)で新設された<ref name="leasing" />。
*[[]][[]][[]][[b:518|518]]
 
*[[|]][[b:435|435]]
=== 債権者の交替による更改 ===
従前の債権者の第三者との交替による更改である(513条3号)。
 
債権者の交替による更改は、更改前の債権者、更改後に債権者となる者及び債務者の契約によってすることができる([[b:民法第515条|515条]]1項)。2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)で、債権者の交替による更改は、旧債権者、新債権者及び債務者の三者間合意を要件とすることが明文化された<ref name="leasing" />。
 
[[b:515|5152]]12
 
なお、2017年の改正前の旧516条は、債権者の交替による更改に、異議を留めない承諾(旧468条1項)を[[準用]]し(旧516条)、債務者が異議をとどめないで承諾をしたときは、旧債権者に対抗することができた事由があっても、これをもって新債権者に対抗することができないとされていた(旧468条1項前段)。しかし、2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)で旧468条1項が削除されたのに伴って旧516条も削除された<ref name="leasing" />。
 
== 更改の効果 ==
=== 旧債務の消滅と新債務の成立 ===
更改によって旧債務は消滅しこれと同一性のない新債務が成立する([[b:民法第513条|513条]]1項)<ref name="endou234">遠藤浩編著 『基本法コンメンタール 債権総論 平成16年民法現代語化新条文対照補訂版』 日本評論社〈別冊法学セミナー〉、2005年7月、234頁</ref>。
 
旧債務の消滅と新債務の成立は因果関係を有するから、旧債務が元々存在しない場合には更改契約は無効である<ref name="endou234"/>。
 
なお、2017年の改正前の旧517条は「更改によって生じた債務が、不法な原因のため又は当事者の知らない事由によって成立せず又は取り消されたときは、更改前の債務は、消滅しない」と規定し([[b:民法第517条|517条]])、この規定から例外的に新債務が不法の原因以外の当事者の知っていた事由によって成立せず又は取り消された場合でも旧債務は消滅するとされていた<ref name="endou235">遠藤浩編著 『基本法コンメンタール 債権総論 平成16年民法現代語化新条文対照補訂版』 日本評論社〈別冊法学セミナー〉、2005年7月、235頁</ref>(旧517条反対解釈)。
 
しかし、2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)で債権者の免除の意思の有無は個別の事案ごとに判断すべきとされ旧517条は削除された<ref name="leasing" />。
 
旧債務で存在した[[抗弁権]]も新債務には伴わない(大判大2・10・10民録19輯764頁)<ref name="endou234"/>。
 
=== 更改後の債務への担保の移転 ===
<ref name="endou234"/>[[]][[]]518<ref name="endou234"/>[[b:518|518]]1
 
2017年の改正前の旧518条は「更改の当事者」と規定していたが、2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)で債権者が単独で担保を移転できるとされた<ref name="leasing" />。ただし、第三者がこれを設定した質権や抵当権の場合には、その承諾を得なければならない([[b:民法第518条|518条]]1項ただし書)。
 
[[b:518|518]]2201720204<ref name="leasing" />[[b:518|518]]1
 
なお、債権者の交替の場合について定めた旧516条は、2017年改正の民法(2020年4月法律施行予定)で旧468条1項が削除されたのに伴って削除された<ref name="leasing" />。
 
=== 連帯債務における更改 ===
更改は[[連帯債務]]の絶対的効力事由の一つである。連帯債務者の一人と債権者との間に更改があったときは、債権は、すべての連帯債務者の利益のために消滅する(438条、2017年改正の民法で旧435条から繰り下げ)。90万円の連帯債務の場合、連帯債務者A・B・CのうちAが債権者Dと自動車の引渡債務に債務の目的を更改したときには、特約がない限りこれによってBとCも債務を免れる(AはBとCのそれぞれの負担部分に応じて求償できる)<ref name="endo109">遠藤浩編著 『基本法コンメンタール 債権総論 平成16年民法現代語化新条文対照補訂版』 日本評論社〈別冊法学セミナー〉、2005年7月、109頁</ref>。438条(旧435条)は当事者間の法律関係の決済を簡易にする趣旨あるいは当事者の意思を推測した規定であるが<ref name="endo109"/>、債権の消滅を容易にして債権の効力を弱める結果となるため、債権の効力を強めるはずの連帯債務の本来の要請に反するという批判がある<ref name="endo109"/>。なお、438条(旧435条)は[[任意規定]]であるから更改当事者間の特約で相対的効力とすることもできる(通説)<ref name="endo109"/>。
 
== 脚注 ==
{{Reflist|2}}
 
== 外部リンク ==
* {{Kotobank}}
 
{{債権の消滅事由}}
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[[Category:日本の債権法]]
[[Category:債権法]]
 
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