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[[画像:Seiryouinryousui.jpg|right|300px280px|thumb|桶(結桶)]]
''''''[[]]<ref name="suzuki" /><ref name="suzuki" />[[]][[]]使使[[]][[]][[]]
 
== 出典形態 ==
== 樽と桶の区別について ==
=== 特徴 ===
日本では、桶と[[樽]]は良く似た形である。樽は胴体の材料として板目材の[[板]]を使用する。[[蓋]]付きを「樽」、蓋がないものを「桶」と呼ぶという説もある。例外も多いが、[[酒]]樽などは保存のため蓋が閉じられた状態が常であり、[[風呂]]桶は蓋が開けられた状態で使用することが普通である。
木製容器は刳物(くりもの)、[[曲物]](まげもの)、組物(くみもの)、挽物(ひきもの)、結物(ゆいもの)に分類されるが、これらのうち製作技術が最も新しい年代に出現したのが結物である<ref name="ishimura">{{Cite journal |和書 |author= 石村 眞一 |title= 桶・樽の出現と製作技術に関する進化 |journal= 技術と文明|volume=20 |issue=1 |publisher=日本産業技術史学会 |year=2016 |pages=41-58|url=https://doi.org/10.57381/jshit.20.1_41}}</ref>。
 
一般的にいう木製の桶は、複数の短冊状の板を側板として[[箍]](たが)で締めたもので結物に含まれる<ref name="ritto" />。より古い形態では刳物や曲物の分類に対応する丸太をくり抜いた刳桶(くりおけ)や、薄板を用いた曲桶(まげおけ)もある<ref name="suzuki">{{Cite web |author=鈴木康之|url=https://bunkazai.city.fukuoka.lg.jp/maibun/files/download/information_blocks/5e52af1a-6a22-448a-bb30-e244b1f25fb1/value01/value02 |title=中世考古学から見る中世都市博多|publisher=福岡市埋蔵文化財センター |date= |accessdate=2024-01-27}}</ref>。
== 桶の歴史 ==
[[Image:Fujimi Fuji view field in the Owari province.jpg|thumb|300px|桶の製造風景を捉えた浮世絵(『[[冨嶽三十六景]] [[尾州不二見原]]』葛飾北斎)]]
[[File:Kusakabe Kimbei - 302 Cooper.jpg|thumb|300px|桶の製造風景]]
[[ファイル:Tensuioke in front of Hondo of Sensoji Temple.JPG|thumb|300px|天水桶<br />大桶の上に手桶を積む]]
木で作る円筒形容器の最古の形態は、木の幹を刳(く)り抜いた「刳桶」で、古くは[[弥生時代]]の遺跡からも出土する。続いて「曲桶」が発明され、[[平安時代]]には一般に広まった。これは、「[[曲物]]」(まげもの)とも呼ばれ、薄い板を円状に曲げ密着させたものであった。当初は[[麻糸]]をしまうための[[笥]]として用いられたとも言われ、「麻笥」「麻の笥」と書く古い表記も存在する。しかしこれらは強度的に弱く、またあまり大きなものは作れなかった。
 
=== 樽と桶の区別について ===
中国から輸入された桶に影響を受け誕生したものが「結桶」(ゆいおけ)と呼ばれる、{{いつ範囲|現在|date=2016年4月}}まで続く木製の桶である。直径に合わせて湾曲した刃を持つ特殊な道具で[[ヒノキ]]、[[スギ]]などを割って細長い板にして円状に並べ、[[竹]]などを[[螺旋]]状に束ねた「[[箍]]」(たが)で巻いて締める[[結物]]構造となっている。[[接着剤]]等は使用しない。「[[棺桶]]」も元々は、このような製法による座[[棺]]をイメージした言葉であった。
「[[樽]]」と「桶」の違いは、一般的には蓋が固定されているものが「樽」、口が開いているのが「桶」とされているが、側面形や板の取り方にも違いがある<ref>{{Cite journal |和書 |author= 神野 善治 |title=民具の名称について―共通名と基本形態― |journal= 国際常民文化研究叢書|volume=6 |issue= |publisher=神奈川大学 国際常民文化研究機構 |date=2014-03-01 |pages=19-33 |url=http://icfcs.kanagawa-u.ac.jp/publication/sosho/report06_01_01.pdf}}</ref>。
 
<ref>{{Cite web |url=https://www.konan-u.ac.jp/news/wp/wp-content/uploads/2022/07/public-relations-department-limited/kenzui2019-2.pdf |title=. 2019. Magazine KENZUI|publisher= |date= |accessdate=2024-01-27}}</ref><ref name="ritto" />
大型の桶は、[[日本酒]]や[[味噌]]、[[醤油]]の[[醸造]]に使われた。[[第二次世界大戦]]後はプラスチックや[[琺瑯]]、[[金属]]製タンクでの醸造へ切り替えが進んだ<ref>[http://www.masuichi.com/masuichi/oke.htm 桝一市村酒造場](2018年2月21日閲覧)</ref>が、現代でも木桶仕込みにこだわる醸造元も多い(醤油「[[角長]]」、[[八丁味噌]]や日本酒などの[[老舗]]蔵元)ほか、[[新政酒造]](秋田市)のように木桶へ回帰したり、[[剣菱酒造]](兵庫県[[神戸市]])のように木製酒造用具を自作したりする酒蔵もある。
 
木桶は雑菌による腐造リスクがある半面、うまみや香りが増すメリットがある<ref>木桶にこだわり造る「[[天使の取り分|天使の分け前]]」も一興/古くて新しい伝統 絶やさない『[[日本経済新聞]]』朝刊2018年2月11日(NIKKEI The STYLE)</ref>。また、呼称は「樽」であるが、世界最大の木樽は[[フンドーキン醤油]](大分県[[臼杵市]])で使われている。
日本酒業界では、[[桝一市村酒造場]](長野県[[小布施町]])が2000年代、各地の蔵に保管されていた酒桶の再利用を呼び掛け、30軒ほどの蔵元が賛同した。だが新注する蔵は少なく、醸造用の大型桶を作れる数少ない企業である藤井製桶所(大阪府[[堺市]])は廃業を考えていた。これに対して香川県[[小豆島]]のヤマロク醤油が新規発注とともに技術の継承を申し入れ、新政酒造向けなどの桶の製造に取り組んでいる。
 
風呂桶については、構造上の分類では底が抜けた構造の[[五右衛門風呂]]は桶ではなく、底のある[[鉄砲風呂]]は桶とされているが、五右衛門風呂を桶屋が製作することもあった<ref name="ritto" />。
<ref>[[使|使]] [[]]2018211NIKKEI The STYLE</ref>[[]][[]]使
 
== 桶の歴史 ==
[[]][[]][[]]<ref>{{Cite web |url=https://kotobank.jp/word/-578334 |title=  |accessdate=2016-12-26 }}</ref>
[[ImageFile:Fujimi Fuji view field in the Owari province.jpg|thumb|300px260px|桶の製造風景を捉えた浮世絵(『[[富嶽三十六景|冨嶽三十六景]] [[尾州不二見原]]』葛飾北斎)]]
[[File:Kusakabe Kimbei - 302 Cooper.jpg|thumb|300px260px|桶の製造風景]]
[[ファイル:Wooden Yuoke.JPG|300px260px|thumb|湯桶]]
[[ファイル:Tarai-sentakuita.JPG|300px260px|thumb|[[たらい]]と[[洗濯板]]]]
[[ファイルFile:Tensuioke in front of Hondo of Sensoji Temple.JPG|thumb|300px260px|天水桶<br />大桶の上に手桶を積む]]
[[File:Sanshu-Asuke-Yashiki-12.jpg|thumb|260px|現代の桶屋(愛知県[[豊田市]])]]
<ref name="ritto">{{Cite web |url=https://www.city.ritto.lg.jp/hakubutsukan/okeya_kaisetsushuu.pdf |title= |publisher= |date= |accessdate=2024-01-27}}</ref>[[]][[]][[]][[]]<ref name="ritto" />[[寿]]
 
[[]][[]][[]]<ref>{{Cite web ||url=https://kotobank.jp/word/-578334 |title=  |accessdate=2016-12-26 }}</ref>
{{いつ範囲|現在|date=2016年4月}}日本では運搬や保存の用途で木製の桶が用いられる機会は減り、プラスチック容器にとって代わられた。現在日常的に用いられるのは風呂桶(バスタブ)や湯桶(ゆおけ。用途によっては[[洗面器]]とも)などである。広告媒体を兼ねて[[銭湯]]に置かれる[[ケロリン]]桶が有名である。
 
湯桶としてはプラスチック容器ではあるが、広告媒体を兼ねて[[銭湯]]に置かれる[[ケロリン桶]]がある。
また、楽器としても[[パーカション]]の一種として使われ、[[檜]]製の湯桶を裏底を表にして棒等の支えを裏に取り付けて、パーカッションセットに組み込んでいる。裏底をドラムの様に[[ドラムスティック]]で叩いて音を出す。[[たま (バンド)|たま]]の[[石川浩司]]が演奏していたことで知られている。
 
大型の桶は、[[日本酒]]や[[味噌]]、[[醤油]]の[[醸造]]に使われた。[[第二次世界大戦]]後はプラスチックや[[琺瑯]]、[[金属]]製タンクでの醸造へ切り替えが進んだ<ref>[http://www.masuichi.com/masuichi/oke.htm 桝一市村酒造場](2018年2月21日閲覧)</ref>が、現代でも木桶仕込みにこだわる醸造元も多い(醤油「[[角長]]」、[[八丁味噌]]や日本酒などの[[老舗]]蔵元)ほか、[[新政酒造]](秋田市)のように木桶へ回帰したり、[[剣菱酒造]](兵庫県[[神戸市]])のように木製酒造用具を自作したりする酒蔵もある
 
日本酒業界では、[[桝一市村酒造場]](長野県[[小布施町]])が2000年代、各地の蔵に保管されていた酒桶の再利用を呼び掛け、30軒ほどの蔵元が賛同した。だが新注する蔵は少なく、醸造用の大型桶を作れる数少ない企業である藤井製桶所(大阪府[[堺市]])は廃業を考えていた。これに対て香川県[[小豆かし2014年から青]]のヤマロク醤油が新規発注とともに技術桶店(静岡県藤枝市)承を申し者が弟子れ、新政酒造向けなどの桶の製造に取組んし2020年ま修行した後独立、現在藤井製桶所が唯一一人前として認めた桶屋として奮闘している。
 
* [[大型のものを木桶蒸留器]](焼酎製造用蒸留器)として使用する例もある<ref>[http://www.hamadasyuzou.co.jp/denbee/column/post_13.html 創業から続く「木桶蒸留」の話|伝兵衛蔵だより|伝兵衛蔵|濵田酒造]、[https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001t2t7-att/2r9852000001t2x8.pdf 現代の名工 晴れの栄誉! |報道発表資料|厚生労働省_別添 平成23年度 卓越した技能者表彰_p.27_第13部門_おけ・たる製造工_津留辰矢_2011年11月14日]([[現代の名工]])</ref>
 
== 容器以外の利用 ==
[[]]使[[]][[]][[ ()|]][[]]
 
== 慣用句 ==
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* [[ドベネックの桶]] - [[植物学]]における比喩表現
 
== さまざまな桶出典 ==
<references />
[[ファイル:Wooden Yuoke.JPG|300px|thumb|湯桶]]
[[ファイル:Tarai-sentakuita.JPG|300px|thumb|[[たらい]]と[[洗濯板]]]]
* [[酒樽]]
* [[醤油樽]]
* [[味噌樽]]
* [[漬け物桶]]
* [[盛込桶]]
* [[冷麦桶]]
* [[うどん桶]]
* [[寿司桶]]
* [[棺桶]]
* [[風呂桶]]
* [[湯桶]]
* [[手桶]]
* [[手水桶]]
* [[水桶]]
* [[ケロリン桶]]
* [[たらい]]
* [[木桶蒸留器]]<ref>[http://www.hamadasyuzou.co.jp/denbee/column/post_13.html 創業から続く「木桶蒸留」の話|伝兵衛蔵だより|伝兵衛蔵|濵田酒造]、[https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000001t2t7-att/2r9852000001t2x8.pdf 現代の名工 晴れの栄誉! |報道発表資料|厚生労働省_別添 平成23年度 卓越した技能者表彰_p.27_第13部門_おけ・たる製造工_津留辰矢_2011年11月14日]([[現代の名工]])</ref>
 
== 関連項目 ==
57 ⟶ 53行目:
* [[刳物]]
* [[挽物]]
* [[酒樽棺桶]]
 
== 出典 ==
<references />
 
{{Japan-culture-stub}}