「梅雨」の版間の差分
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==== 北海道 ====
実際の気象としては[[北海道]]にも[[道南]]を中心に梅雨前線がかかることはある<ref>ただし[[2023年]]︵令和5年︶8月上旬の気象のように[[道北]]にも梅雨前線がかかる例もある。</ref>が、平均的な気象として、つまり気候学的には北海道に梅雨はないとされている<ref name="fhb-1-3-5">[[#fhb|﹃気象予報士ハンドブック﹄、2008年]]、§1-3-5</ref>。[[1970年]]︵昭和45年︶に気象庁は梅雨の定義を統一し過去の梅雨入り・明けも遡って決定したが、このとき、北海道については梅雨がはっきりしないことから梅雨入り・明けを定めないことになった。﹁蝦夷梅雨﹂の俗称が登場したのはこれ以降とされる<ref name="藤川">{{Cite journal|author=藤川典久|url=http://www.metsoc-hokkaido.jp/saihyo/pdf/saihyo64/64_17_fujikawa.pdf|title=北海道に梅雨のない時代は終わったのか?|journal=[http://www.metsoc-hokkaido.jp/saihyo/saihyo_64.html 細氷]|issue=64|pp=34-35|publisher=日本気象学会北海道支部|date=2018}}</ref>。梅雨前線が北海道に到達する梅雨末期は勢力が衰え、北上する速度が速まることが背景にある。 北海道の中でも南西部太平洋側︵[[渡島総合振興局|渡島]]・[[胆振総合振興局|胆振]]・[[日高振興局|日高]]︶では本州の梅雨末期に大雨が降る事がある。また、北海道の広い範囲でこの時期は低温や日照不足が起こりやすいほか、[[釧路市|釧路]]など東部で[[海霧]]の日数が多くなるのも、東北や関東・[[甲信越]]の梅雨と同じくオホーツク海高気圧の影響を受けている<ref name="fhb-1-3-5"/>。特に、5月下旬から6月上旬を中心として見られる一時的な低温は、北海道ではリラ︵[[ライラック]]︶の花が咲く時期であることから俗に﹁'''リラ冷え'''﹂とも呼ぶ<ref group="注">なお、﹁リラ冷え﹂は1970年代から知られるようになった言葉で、俳人の榛谷美枝子が初めて俳句に用いたものを、[[辻井達一]]が著書で紹介、それがさらに[[渡辺淳一]]によって引用され小説﹃リラ冷えの街﹄となり、テレビドラマ化もされたことが契機となって広まったと伝えられている。</ref><ref>﹁[https://web.archive.org/web/20140714174948/http://mainichi.jp/feature/news/20130531ddlk01040212000c.html 榛谷美枝子さん‥季語﹁リラ冷え﹂の俳人、1月に96歳で永眠、香る花に託した思い /北海道]﹂毎日新聞、2013年5月31日北海道版</ref><ref>豊島秀雄﹁ことば︵放送用語︶ > 放送現場の疑問・視聴者の疑問 > [https://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/029.html 北海道の﹁リラ冷え﹂、本州の﹁花冷え﹂と同じ?]﹂、NHK放送文化研究所、1999年5月1日付</ref>。また、このようにぐずついた肌寒い天気が、年によっては2週間程度、本州の梅雨と同じ時期に続くことがあり、﹁'''[[蝦夷]]梅雨'''﹂︵えぞつゆ︶と呼ばれることがある<ref name="hokkaido-np-2014-6-16">{{Cite news | url = http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/545685.html | title = えぞ梅雨?北海道内で雨や曇り続く 札幌は11日連続の降水 | newspaper = [[北海道新聞]] | publisher = 北海道新聞社 | date = 2014-6-16 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20140714160247/http://www.hokkaido-np.co.jp/news/topic/545685.html|archivedate=2014-07-14}}</ref>。 [[1990年代]]以降より、北海道では梅雨らしい天候が現れる年が次第に増加している。梅雨の特徴のひとつである日照の顕著な減少を指標とした研究では、本州以南で毎年みられるような﹁メリハリ﹂のある日照変化が札幌では1960年代 - 1980年代に約4年に1回だったが、1990年代以降は約2年に1回になり頻度が増している。[[レジームシフト]]に伴う気候変動で北海道でも梅雨が発生するようになるのではないかという議論はあるが、気候モデルの梅雨前線帯に対応する亜熱帯ジェットが現在より南に偏るとする予測はこれに反している。梅雨らしい天候は主に[[ラニーニャ]]の発生時にみられ、毎年ではない。頻度増加の原因には[[太平洋十年規模振動|PDO]]指数の負偏移などが指摘されている<ref name="藤川" />。 ==== 小笠原諸島 ====
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