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{{Portal クラシック音楽}}
『'''湖上の美人
*原曲名
*原作:[[ウォルター・スコット]]の叙事詩
*台本:[[アンドレア
*演奏時間:第1幕1時間30、第2幕1時間
*作曲期間:1819年8月から10月上旬
*初演:[[1819年]][[10月24日]]、サン・カルロ劇場
== 作曲までの経緯 ==
▲ 1819年[[3月27日]]にナポリのサン・カルロ劇場で「[[エルミオーネ]]」を初演したロッシーニはその1月後に「[[エドゥアルドとクリスティナ]]」を[[ヴェネツィア]]で初演した。サンカルロ劇場との契約では1年に1作だけ新作を書けばいいとのことだったが、それが繰り上がったのは[[ガスパーレ・スポンティーニ]]が勝手に[[プロイセン]]王[[フリードリヒ・ヴィルヘルム3世 (プロイセン王)|フリードリヒ・ヴィルヘルム3世]]と契約を結んでしまうという事態に直面したからである。
== 作品の特徴 ==
▲ この作品は、ナポリ時代の他の作品と同じく、[[序曲]]を廃し、いきなり導入部から始まるという構成をとっている。︵これはロッシーニが歌劇本体に観客を集中させるためにとった改革である︶、そしてアンガス伯ダグラスのアリア以外の音楽は書下ろしである。そして、この作品はロッシーニのオペラの中でも特にロマンティックな作風を持つ作品として評価されている。その理由として、原作に[[ウォルター・スコット]]の騎士道物語が使われていることや、第1幕のフィナーレで主要登場人物にフルオーケストラ及び混声合唱に加えて二重のバンダをふんだんに駆使して規模の大きくかつ重厚な音楽を展開していることが挙げられよう。そしてナポリ時代のオペラでは初めて女性[[コントラルト]]を男装させて登場させていることも注目すべきことといえよう。 ▲ そして20世紀の復活上演は[[1983年]]のぺーザロ・ロッシーニ・フェスティバルにおいて、[[マウリツィオ・ポリーニ]]の指揮、[[ヨーロッパ室内管弦楽団]]の演奏で行われた。
== 編成 ==
=== 登場人物 ===
*ウベルトこと[[ジェームズ5世 (スコットランド王)|ジャコモ5世]]([[スコットランド]]王)…[[テノール]]
*アンガス伯ダグラス(エレナの父親)…[[バス (声域)|バス]]
*ロドリーゴ・ディ・ドゥ(反乱軍の首領)…テノール
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*セラーノ…テノール
*ベルトラム…テノール
=== 管弦楽 ===
*[[フルート]] 2([[ピッコロ]]持ち替え)
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*[[トランペット]] 2
*[[トロンボーン]] 3
*[[ティンパニ
*[[バスドラム|大太鼓]]
*[[シンバル]]
*[[トライアングル]]
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**第1[[ヴァイオリン]]
**第2ヴァイオリン
**[[
**[[チェロ]]
**[[コントラバス]]
*[[ホルン]]6(舞台上)
*[[混声合唱]]
=== 舞台上の[[バンダ (オーケストラ)|バンダ]](軍楽隊) ===
==== 第1バンダ ====
*クラリネット5
*トランペット9
*トロンボーン3
==== 第2バンダ ====
*ピッコロ
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*トロンボーン2
*[[セルパン]]
*[[グラン
*大太鼓
== あらすじ ==
時代は16世紀初め▼
=== 第1幕 ===▼
▲=== 第1幕 ===
==== 第1場 ====
▲ 羊飼いの歌の後、小船に乗ったエレナは愛する人マルコムに心を寄せる。エレナが岸に降り立つと、エレナの美しさに見とれたウベルトと名乗る青年の狩人が現れ、休息の場を求めるので、エレナは山小屋へ案内する。狩人たちはウベルトがはぐれたのではないかと山を探しまわる。他方、山小屋に着いたウベルトはエレナが反逆者ダグラスの娘であると知って驚く。そしてエレナの友人が現れ反乱軍の首領ロドリーゴとの婚約を喜ぶ。 一同が立ち去った後にマルコムが登場。エレナに対する愛の歌を歌う。'''''アリア「エレナ君を呼ぶ」'''''そこへセラーノが来て軍勢の集合を告げる。ダグラスとエレナの姿を見ると、マルコムは物陰に隠れて様子を伺う。ダグラスは娘へ反乱軍の首領であるロドリーゴとの結婚を求めラッパの合図でロドリーゴを迎えに行く。'''''アリア「黙るのだ」(この部分のみ他者の作品)'''''姿を現したマルコムはエレナと互いの愛を確かめ合い、二重唱を歌い結婚を誓う。'''''二重唱「私は生きていられません」'''''▼
==== 第2場 ====
▲ 舞台は山に囲まれた平地。[[ハイランダー]](高地地方([[ハイランド]])の戦士)たちが集まり戦地に赴こうとしている。ロドリーゴは彼らを鼓舞し、'''''アリア「お前たちと共に、わが勇者たちよ」'''''を歌い士気を高める。ダグラスはロドリーゴを励ますがエレナは黙ってうつむいている。そこへバンダの音楽ともに部下を連れたマルコムが登場し、融資としての忠誠を誓うが、エレナがロドリーゴと結婚すると聞かされロドリーゴが恋敵になってしまったことや、更にエレナがマルコムと愛し合っていることがダグラスに分かってしまう。4人がそれぞれの思いを重唱にぶつけ合う中、セラーノが敵軍の襲来を伝える。戦士たちは個人的感情を抑えていざ戦いに赴こうと支度し、吟遊詩人たちの勇者を讃える歌に乗せられて戦場へと向かう力強いストレッタを繰り広げる。'''''合唱曲「星よきたれ」'''''▼
==== 第3場 ====
▲ === 第2幕 ===
==== 第1場 ====
▲ 国王軍とハイランダーたちとの激闘の中、エレナを連れにマルコムが戻ってくるが彼女の姿は見えない。﹁彼女を失った﹂と嘆くマルコム。だがダグラスも行方知れずになりロドリーゴも打ち倒されたと兵士たちに聞かされた彼は残酷な運命を呪う。'''''アリア﹁ああ死なせてくれ﹂''''' ==== 第2場 ====
== 主要曲 ==
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**マルコムのアリア「ああ死なせてくれ」
**エレナのアリア・フィナーレ「胸の思いは満ち溢れ」
==録音及び映像==
{| class="wikitable"
!録音年
!width="145"|キャスト
[[Category:ロッシーニのオペラ|こしょうのひしん]]▼
!指揮者,<br>管弦楽団・合唱団
!レーベル
|-
|1970
| [[モンセラート・カバリェ]],<br>ユリア・ハマリ,<br>フランコ・ボニゾッリ,<br>ピエトロ・ボタッツォ
| [[ピエトロ・ベルージ]],<br> [[トリノ・イタリア放送交響楽団]]及び合唱団<BR>(1970年4月20日にラジオ放送されたものに基づく)
|Audio CD: Opera d'Oro<br>Cat: OPD 1206
|-
|1981
|[[フレデリカ・フォン・シュターデ]],<br>[[マリリン・ホーン]],<br>[[ロックウェル・ブレイク]],<br>ダノ・ラファンティ
|クラウディオ・シモーネ,<br> ヒューストン交響楽団及びヒューストングランドオペラ合唱団<BR>(1981年10月8日ヒューストングランドオペラにおける公演のライブ録音)
|Audio CD: Celestial Audio<br>Cat: CA 417
|-
|1983
| [[カティア・リッチャレッリ]], <br>[[ルチア・ヴァランティーニ・テラーニ]],<br>ダルマチオ・ゴンザレス,<br>[[ダノ・ラファンティ]]
| [[マウリツィオ・ポリーニ]],<br>[[ヨーロッパ室内管弦楽団]]及びプラハフィルハーモニー合唱団
|Audio CD: CBS "Masterworks",<br>Cat: CD 39311;<br>Fonit Cetra,<br>Cat: CDC 31
|-
|1992
| [[ジューン・アンダーソン]], <br>マルティーヌ・デュプイ, <br>[[ロックウェル・ブレイク]], <br>[[クリス・メリット]],
| [[リッカルド・ムーティ]], <br>[[ミラノスカラ座]]オーケストラ及び合唱団<br>(1992年6月のミラノスカラ座の公演に基づく。)
|Audio CD: Philips <br>Cat: 473 307-2;<br>DVD: Opus Arte,<br>Cat: OALS 3009D
|-
|2006
|カルメン・ジャンタナッジオ,<br>パトリシア・バードン,<br>ケネス・ターヴァー,<br>グレゴリー・クンデ
|マウリツィオ・ベニーニ,<br>[[スコットランド室内管弦楽団]] 及びエジンバラ祝祭合唱団<br>(2006年8月18日エジンバラ、アッシャーホールでの演奏会形式での上演に基づく。)
|Audio CD: [[Opera Rara]],<br>Cat: ORC 34
|-
|2006
|ソニア・ガナッシ,<br>マリアンナ・ピッツォラート,<br>マキシム・ミロノフ,<br>フェルディナンド・ヴォン・ボートマー
|[[アルベルト・ゼッダ]],<br>[[SWRラジオオーケストラ]] 及びプラハ室内管弦楽合唱団<br>(2006年10月31日及び11月2日、4日のドイツバートウィルバードでのライブ録音)
|Audio CD: [[NAXOS]],<br>Cat:8.660235-36
|}
== 外部リンク ==
*[
*{{IMSLP|work=La_donna_del_lago_(Rossini,_Gioacchino)|cname=湖上の美人}}
{{ロッシーニのオペラ}}
{{Normdaten}}
{{DEFAULTSORT:こしようのひしん}}
[[Category:1810年代のオペラ]]
[[Category:イタリア語のオペラ]]
[[Category:スコットランドを舞台とした作品]]
[[Category:ウォルター・スコットの作品に基づく音楽作品]]
[[Category:湖を題材とした楽曲]]
|