終止
完全終止
不完全終止
偽終止
Vの和音︵ソ・シ・レ︶またはその派生和音︵V7 など︶からI以外の和音︵典型的にはIIm︵レ・ファ・ラ︶、VIm︵ラ・ド・ミ︶、VI︵ラ・#ド・ミ︶︶に進行して終始するもの。浮遊感を呼び起こすため弱い終止だとされる。聞く人に意外な印象を与えるので、偽終止の名がある。本来楽曲の終わりであるはずの所に、さらに曲を続けたいような場合に用いられることが多い。
とりわけ有名な例ではヨハン・ゼバスティアン・バッハの﹁パッサカリアとフーガ ハ短調﹂︵BWV582︶のコーダにおいての使用である。聴衆にIの和音への解決を期待させながら、印象的なフェルマータで聴衆を完全に煙に巻き、D♭M の第一転回形︵♭II - ナポリの六度︶へ偽終止させている。意味深長なポーズに続いて、﹁本当の﹂エンディングが始まるのである。
アーメン終止
IVの和音︵ファ・ラ・ド︶などからIの和音︵ド・ミ・ソ︶に移行して終止するもの。やや柔らかい印象を与える。あまり十分な終止感を与えないが、古典的な楽曲の最後の用いられることがある。この場合、完全終止の後にさらにアーメン終止を付け足すこともよく行われる。賛美歌の最後の﹁アーメン﹂がこの和音で歌われることが多いことから、この名がある。変格終止、変終止、プラガル終止とも言う。これに対し、完全終止、不完全終止、偽終止を正格終止と呼ぶ。
半終止
Vの和音︵ソ・シ・レ︶で終止するもの。ある程度の区切り感はあるが、終止感は全くない。小さな段落の終わりに用いられる。
女性終止
弱拍で終止するものを特に女性終止と呼ぶことがある。