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{{複数の問題
| 出典の明記 = 2023年2月
| 更新 = 2023年2月
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{{要説明|date=2023-05-11|title=このタグが張り付けられた場合、この記事の第三次試験車両の節の2018年以降の説明を書いてください。}}
[[ファイル:Free Gauge Train GCT-01 at kamogawa.jpg|thumb|250px|第一次試験車両([[予讃線]] [[鴨川駅]]にて 2003年(平成15年)5月撮影)]]
日本における'''軌間可変電車'''︵きかんかへんでんしゃ︶とは、電車[[軌間]]を線路軌間に変動可能な[[試験車|試験電車]]。'''フリーゲージトレイン'''︵Free Gauge Train, FGT︶<ref>[http://www.jrtt.go.jp/02business/construction/const-fgauge.html フリーゲージトレイン] - [[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]]︵更新日不明/2017年9月21日閲覧︶</ref> ともいうが、これは[[和製英語]]であり、直訳すると﹁軌間が定まらない列車﹂となる。[[英語]]では Gauge Changeable Train または Gauge Convertible Train (共に直訳で﹁軌間可変列車﹂)と呼称される。[[日本]]では、主に[[標準軌]]︵1,435 mm︶と[[狭軌]]︵1,067 mm︶の両方の[[線路 (鉄道)|線路]]上を走行可能な車両を開発すべく、[[国土交通省]]の施策で[[日本鉄道建設公団]]︵現・[[鉄道建設・運輸施設整備支援機構]]︶の委託によりフリーゲージトレイン技術研究組合が開発を進めていた。 35 ⟶ 41行目:
* [[2003年]](平成15年)5月 - 6月、[[予讃線]]で走行試験
* [[2004年]](平成16年)[[8月23日]] - [[10月28日]]、[[山陽新幹線]]で[[新幹線]]での走行試験、[[新山口駅|新山口]] - [[新下関駅|新下関]]間を15回に渡って走行(最高速度210 km/hまでを試験)
* [[2006年]]︵平成18年︶までに試験が終了し、[[小倉総合車両センター|JR九州小倉工場]]内に留置されていたが、[[2007年]]︵平成19年︶4月以降は[[四国旅客鉄道多度津工場|JR四国多度津工場]]内に移動。その後も留置されていたが、[[2013年]]︵平成25年︶[[7月23日]]から[[解体]]が始まった<ref>{{Cite web|和書|work=[[鉄道ファン (雑誌)|railf.jp︵鉄道ニュース︶]] |date=2013年7月25日 |url=http://railf.jp/news/2013/07/25/170000.html |title=フリーゲージトレイン1次車の解体が始まる |publisher=[[交友社]] |accessdate=2018年2月11日}}</ref>。 第一次試験車両はGCT01-1、GCT01-2、GCT01-3の3両編成。走行試験では新幹線区間でも200 km/hまでしか出せず、車輪が揺れる問題もあった<ref name="nishinippon_20100820">[http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/192047 九州新幹線長崎ルート フリーゲージ開発 また難航 新型台車にも不具合 開業に遅れる恐れ]{{リンク切れ|date=2014年10月}} - [[西日本新聞]] 2010年8月20日付</ref>。 101 ⟶ 107行目:
* 2014年4月19日、JR九州[[熊本総合車両所]]にて三次車両が報道陣に公開された<ref>[http://response.jp/article/2014/04/19/221595.html フリーゲージトレイン新試験車両、熊本で報道公開] レスポンス2014年4月19日</ref>。﹁FGT-9001﹂︵1号車︶・﹁FGT-9002﹂︵2号車︶・﹁FGT-9003﹂︵3号車︶・﹁FGT-9004﹂︵4号車︶の4両編成で全電動車︵直流区間は非対応︶。製造メーカーは1・3・4号車が川崎重工業、2号車が日立製作所。外観は、﹁ディープレッド﹂と﹁シャンパンゴールド﹂の2色でまとめられている。先頭車はなめらかな流線形で、側面に﹁FGT﹂のロゴが入る。車内も赤を基調とした内装になった<ref>[https://news.mynavi.jp/article/20140419-a133/ 九州新幹線・在来線で走行可能、フリーゲージトレイン新試験車両を公開!] [[マイナビニュース]] 2014年︵平成26年︶[[4月19日]]</ref>。なお、座席は[[新幹線300系電車|300系]]からの廃車発生品(モケット張替)の流用である。[[炭素繊維]]強化プラスチックを使うなどして、これまでの車両より1両当たり約2トン︵4%︶軽くなり<ref name="nikkei20140420">{{cite news |title = フリーゲージトレイン新車両公開 JR九州、長崎導入へ準備
|url =
|publisher = [[日本経済新聞]]
|date = 2014年4月20日
| accessdate = 2014年4月23日}}</ref>、通常の新幹線並みの43トンを実現<ref name="sankei20140502">{{cite news
|title = 迷走するフリーゲージトレイン 長崎新幹線、地元から「ノー」の声
|url = https://web.archive.org/web/20140502091256/http://sankei.jp.msn.com/region/news/140502/ngs14050202090001-n1.htm
|publisher = [[産経新聞]]
|date = 2014年5月2日
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=== 寒冷地仕様試験車両 ===
2014年9月17日、JR西日本は金沢 - 敦賀間の開業に向けて開発を進めている﹁北陸ルート仕様﹂のフリーゲージトレインについて、2014年10月から模擬台車を使った軌間変換試験を始めると発表。2014年度中に北陸ルート仕様の6両編成の試験車両の設計と製作に着手<ref>{{Cite press release == 実用化に際しての課題 ==
以下の理由により、九州新幹線(西九州ルート)での営業量産車両は不採用となった。
* 軌間可変装置の通過時間
** 軌間可変装置の通過速度向上にも重点が置かれている。開発当初は極端な低速でしか通過できず、1両通過するのに1分以上掛かる状況であった。その場合だと長編成の列車になれば軌間変更に時間が掛かることになり、結局は[[新八代駅]]で行われたような[[対面乗り換え]]︵当時は九州新幹線の開業区間が新八代以南のみであったため、博多 - 新八代の在来線特急と新八代 - 鹿児島中央の新幹線列車との乗換が必要だった︶の方が所要時間︵約3分︶の面では短いということになる。2009年︵平成21年︶5月現在、10 km/h程度まで通過速度が向上しており︵分速166 m程度︶単純計算すると20 m級車両なら1分で8両通過できることになるが、実際には様々な要因を含めて通過に要する時間は5分程度とされている<ref>{{Cite web * ダイヤ組成の影響・山陽新幹線の保線負担
** 九州新幹線︵西九州ルート︶の運営予定の[[九州旅客鉄道|JR九州]]は﹁関西からの直通列車が長崎まで来る﹂ことを計画していた。しかし、山陽新幹線を保有する[[西日本旅客鉄道|JR西日本]]はダイヤ組成に影響がある点に加えて、台車の重さによって線路の傷みが早くなって線路保守費が増大するなどの問題点からフリーゲージトレインの山陽新幹線乗り入れに難色を示す発言をしていた<ref>{{Cite news |date=2008年11月28日 |url=http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY200811280238.html |title=新幹線、山陽と長崎﹁直通困難﹂ 会見でJR西社長 |publisher=[[朝日新聞社]] |newspaper=[[朝日新聞]]|agency=asahi.com |accessdate=2017年4月27日 |archiveurl=https://web.archive.org/web/20081201044217/http://www.asahi.com/national/update/1128/TKY200811280238.html |archivedate=2008年12月1日}}</ref><ref>{{Cite news |date=2012年4月12日 |url=http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/296692 |title=フリーゲージ 山陽乗り入れJR西日本が難色 |publisher=西日本新聞社 |newspaper=[[西日本新聞]] |accessdate=2017年4月27日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20120609172011/http://nishinippon.co.jp/nnp/item/296692 |archivedate=2012年6月9日}}</ref>。[[2022年]]に予定される西九州ルート︵長崎ルート︶の開業までにこれらの問題点を解決して山陽区間を300 km/hで走行できる車両が実用化できるかが注目されていたが、こちらも第三次試験車両では解決できず、新幹線区間は270 km/hのままとなった<ref name="toyokeizai20151111" /><ref name="toyokeizai/168292">{{Cite web * 保安上の問題
** 新幹線には踏切がないが、在来線には踏切が存在し、2本のレールの間に微弱な電流を流し列車検知を行っている(軌道回路)。しかしながら2008年から2009年にかけて日豊本線で行われた2次車での試験において、踏切接近時に検知できないトラブルが確認された。一般的な列車は車輪と車軸が電気的にも接続されているが、フリーゲージトレインは車軸の間を車輪が動く構造のため、車輪と車軸は別になり、一般の列車と比べると電気が伝わりにくくなり不検知が発生したと考えられる。これは保安上重大な問題であり、鉄道・運輸機構は対策を講じようとしたが、問題を十分に解決することができなかった<ref>[https://toyokeizai.net/articles/-/182392?page=2 フリーゲージで「信号トラブル」も起きていた新幹線だけでなく在来線にも問題があった]</ref>。
* 駅整備の負担
** 狭軌対応の軌間可変車両は車両長や車体断面などの寸法が在来線規格となる。このため、一部の[[ホームドア]]設置駅では客用扉の位置が合わなくなるため、[[ホームドア]]の改修が必要となる<ref name="toyokeizai20151111" />。
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** 標準軌の[[新幹線車両]]に比べ台車が数割重く、軌道や[[分岐器|ポイント]]に与える影響が大きい<ref name="toyokeizai20151111">{{cite news|title = ﹁長崎新幹線は﹁全線フル規格﹂で進めるべきだ﹂|url =http://toyokeizai.net/articles/-/91837 | publisher=[[東洋経済新報社]]|date=2015年11月11日|accessdate=2015年12月7日}}</ref>。また、高速走行の際の[[騒音]]や[[振動]]が問題ともなる。 ** 軌間可変用の特殊な機構以外にも、新在共用走行のための運転保安設備を2系統備えるため、車両重量が増加する<ref name="toyokeizai/168292" />。
** 比較対象として、スペインの[[タルゴ]]は機関車が客車を牽引する[[動力集中方式]]で、客車は左右の車輪が車軸で結ばれていないため、軌間可変装置を置くスペースが確保できている。また、機関車には客を乗せない分、車輪や台車を大きくすることで重量の問題を解決している。一方、日本の新幹線は[[動力分散方式]]の電車であり、全ての台車にモーターを設置するため、台車が重くなってしまう。また、広軌 - 標準軌︵1668mm⇔1435mm︶で軌間可変するタルゴと異なり、日本では標準軌 - 狭軌︵1435mm⇔1067mm︶で軌間可変するため、狭軌の限界寸法に合わせて機器類を設置しなければならず、軌間差︵変換幅︶もタルゴの15%に対し日本は26 %と大きいため、軌間可変装置を置くスペースがない<ref>{{Cite web ** フリーゲージトレイン(FGT)第3次試験車は、車両軽量化対策として、高価な部品を用いることで、270 km/h走行を行う一般の新幹線電車と同じ重量を実現<ref name="toyokeizai/168292" />。
** 軌間可変台車は可動部を有していることから点検箇所が増え、摺動部品、摩耗部品は交換周期自体も短いため、メンテナンスコストが増大する。軌間可変技術評価委員会は、フリーゲージトレイン︵FGT︶第3次試験車の検証走行試験での車軸の不具合から、車軸の定期的交換を想定して一般の新幹線車両と経済性の比較を行った結果、車軸を240万kmごとに交換する場合で一般の新幹線車両の2.5倍程度、台車検査周期の60万kmで交換する場合は3倍程度のメンテナンスコストになると試算している<ref name="toyokeizai/168292" />。 == 導入が検討されている路線 ==
* [[蒲蒲線]]([[東急多摩川線]]と[[京急空港線]])<ref name=oota20150119>{{Cite web
* [[近畿日本鉄道]](近鉄)[[近鉄京都線|京都線]]・[[近鉄橿原線|橿原線]]と[[近鉄吉野線|吉野線]]<ref>{{Cite press release
▲* [[蒲蒲線]]([[東急多摩川線]]と[[京急空港線]])<ref name=oota20150119>{{Cite web |date=2015-01-19 |url=http://www.city.ota.tokyo.jp/seikatsu/sumaimachinami/koutsu/kamakamasen/kama_kyogikai/h26kaisaihoukoku.files/katudouhoukoku.pdf |title=平成26年活動状況『新空港線「蒲蒲線」整備案説明資料』 |format=PDF |publisher=[[大田区]] |work=大田区新空港線「蒲蒲線」整備促進区民協議会 |page=6 |accessdate=2018-05-15}}</ref><ref>{{Cite news |date=2018-1-26 |url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26185890W8A120C1EA4000/ |title=都予算案、鉄道新設へ基金 財政需要25年で15兆円増 |publisher=[[日本経済新聞社]] |newspaper=[[日本経済新聞]] |accessdate=2019年2月10日|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180126111222/https://www.nikkei.com/article/DGXMZO26185890W8A120C1EA4000/ |archivedate=2018-1-26}}</ref>
▲* [[近畿日本鉄道]](近鉄)[[近鉄京都線|京都線]]・[[近鉄橿原線|橿原線]]と[[近鉄吉野線|吉野線]]<ref>{{Cite press release |title=フリーゲージトレイン開発推進に向けて |publisher=[[近畿日本鉄道]] |date=2018-05-15 |url=http://www.kintetsu.co.jp/all_news/news_info/freegauge.pdf |format=PDF |accessdate=2018-05-15}}</ref><ref>{{cite web|url=https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/06870/|title=フリーゲージトレインの開発継続判明、新技術が続々「鉄道技術展」|publisher=日経XTECH|date=2022-05-27|accessdate=2022-06-07}}</ref>
== かつて検討された路線 ==
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=== 新在直通 ===
* 1999年(平成11年)
** 6月から[[日本鉄道建設公団]]の専門委員会で調査された5路線。[[高山本線]]、[[関西本線]] - [[紀勢本線]] ** 10月から2年間[[運輸省]]の新幹線直通運転化調査委員会で調査された7路線10区間。[[羽越本線]]︵新潟接続 - 酒田︶、高山本線︵名古屋接続 - 高山︶、関西本線 - 紀勢本線︵名古屋接続 - 近鉄名古屋線経由 - 津 - 新宮及び四日市 - 奈良︶、[[阪和線]] - 紀勢本線︵新大阪接続 - 和歌山-新宮︶、伯備線︵岡山接続 - 米子-松江 - 出雲市︶、瀬戸大橋線︵岡山接続 - 高松-徳島、松山、高知︶、日豊本線︵小倉接続 - 大分-宮崎︶。 * 2001年(平成13年)7月、[[秋田新幹線]]能代延伸をミニ新幹線ではなくフリーゲージトレインで行い、積雪地での実験線とする構想{{要出典|date=2023年1月}}。
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*** 4月、[[弘前市|弘前市長]]がフリーゲージトレインで秋田新幹線を[[弘前駅|弘前]]まで乗りいれる構想を公約にして当選。JR東日本はそれを拒否{{要出典|date=2023年1月}}。 ** 8月、[[苫小牧市|苫小牧市長]]が記者会見で[[北海道新幹線]][[長万部駅|長万部]]からフリーゲージトレインで苫小牧方面へ向かう構想を発表。2007年︵平成19年︶度に苫小牧市など胆振管内の自治体による広域研究組織発足予定︵[[北海道南回り新幹線]]も参照︶。JR北海道はそれを拒否{{要出典|date=2023年1月}}。 ** 10月、福島県鉄道活性化対策協議会が、[[東日本旅客鉄道|JR東日本]]に[[磐越西線]]へのフリーゲージトレイン導入等によるスピードアップを要望したが{{Refnest|group="注釈"|要望自体は1994年︵平成6年︶度から行われていた<ref>{{Cite web === 通勤 - 近郊路線 ===
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== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist}}
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{{日本の新幹線}}
{{rail-stub}}▼
{{DEFAULTSORT:きかんかへんてんしや}}
[[Category:鉄道車両の台車]]
[[Category:新幹線車両]]
[[Category:鉄道総合技術研究所]]
▲{{rail-stub}}
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