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|color = #B0C4DE
<!-- 画像 -->
|image_name = Eitarō Noro, 1931.jpg
|image_caption = 1931年撮影
<!-- 人物情報 -->
|名前 = {{big|{{ruby-ja|野呂榮|のろ}} {{ruby-ja|栄太郎|えいたろう}}}}
|生年月日 = [[1900年]][[4月30日]]
|没年月日 = [[1934年]][[2月19日]]
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}}
 
'''野呂 榮栄太郎'''︵のろ えいたろう、{{旧字体|'''野呂 榮太郞'''}}、[[1900年]]︵︿[[明治]]33年︶﹀[[4月30日]]<ref name="cv">{{harvnb|野呂栄太郎全集刊行編集委員会|1967}}</ref> - [[1934年]]︵︿[[昭和]]9年︶﹀[[2月19日]]<ref name="cv"/>︶は、[[日本]]の在野の[[マルクス経済学|マルクス経済学者]]で、戦前の非合法政党時代の[[日本共産党]]の理論的指導者の一人であるとともに、幹部︵委員長︶として党を指導するなど、実践活動にも関わった。
 
== 生涯 ==
[[北海道]][[長沼町]]に生まれ育ち、旧制北海中学︵現[[北海高等学校]]︶から[[慶應義塾大学]]理財科︵現在の[[経済学部]]︶に進む。少年時代は[[野球]]の[[スコアラー]]を勤めたが、小学2年で[[関節炎]]のため片足を切断した。彼が北海中学、慶應義塾大学に入学したのは、片足切断という障害のために公立[[旧制中学校|中学]]・官立[[旧制高等学校|高校]]には入学を認められなかったからである。北海中学では、秀才として知られ、[[北海タイムス]]に卒業時に記事が載るほどであったが、札幌一中︵現[[北海道札幌南高等学校|札幌南高等学校]]︶には、2年連続で不合格となっている。
 
大学在学中は[[向井鹿松]]のゼミで学ぶ。後述する[[1925年]]︵大正14年︶10月、野呂はマルクスの価値論を批判した[[小泉信三]]の教授に授業も受け中に反論し、論争を交わした。これによっており小泉は野呂の才能を認め、研究の便宜を与えたというエピソードがある<ref>[[白井厚]]監修　慶應義塾大学経済学部白井ゼミナール著﹃共同研究 太平洋戦争と慶應義塾﹄ [[慶應義塾大学出版会]]、1999年10月30日、44頁、ISBN 4766407733</ref>。また同時期に[[猪俣津南雄]]の下でも研究を行う。その傍ら先輩に当たる[[野坂参三]]の設立した[[産業労働調査所]]を手伝い、社会科学研究・革命運動に参加し、[[日本学生連合]]の関東代表委員を務めるなどした。
 
[[1926年]]︵大正15年︶<ref>[https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1710883/264 ﹃慶応義塾塾員名簿 昭和4年版﹄慶應義塾塾監局、1929年、p.502]</ref>、卒業論文として﹃[[日本銀行および生産の集中と金融資本主義発達史制覇について]]﹄を執筆<ref>浜林正夫﹃﹁蟹工船﹂の社会史～小林多喜二とその時代﹄学習の友社、2009年2月20日、113頁</ref>。慶應大学の助手採用試験・[[朝日新聞社]]を受けるも、不採用となり、卒業翌日、[[京都学連事件|学連事件]]に連座し、10か月の禁固が言い渡され収監される。8月に病気療養のために保釈され、9月に産業労働調査所調査員として勤務。﹃無産者政治必携﹄の編集を手伝うとともに、[[日本資本主義発達前史]]を﹃社会問題講座﹄第11巻(1927年1月刊行)に発表し、続いて[[日本資本主義発達史]]を同講座の第13巻(1927年6月)に発表した。<ref>浜林正夫﹃﹁蟹工船﹂の社会史～小林多喜二とその時代﹄学習の友社、2009年2月20日、114頁</ref>。また[[1929年]]︵昭和4年︶[[4月16日]]の[[四・一六事件]]で、1月程拘束される<ref name="cv"/>。
 
[[1930年]]︵昭和5年︶1月、[[日本共産党]]に入党。[[2月20日]]﹃日本資本主義発達史﹄が[[鉄塔書院]]より発刊され、[[1932年]]︵昭和7年︶5月より、[[マルクス主義]]を体系的に纏めた﹃[[日本資本主義発達史講座]]﹄︵全7巻︶の編集人として発刊に携わる。[[日本資本主義論争]]においては[[山田盛太郎]]、[[平野義太郎]]とともに[[講座派]]の中心人物とみなされた。しかし、病気と弾圧のために、野呂自身はこの講座に論文を執筆することはできなかった。
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[[1933年]]（昭和8年）1月、[[肺結核]]で療養中であったが、3名の中央委員の一人として、指導部の再建に努める。
[[1933年]]︵昭和8年︶[[5月3日]]、党中央委員長[[山本正美 (日本共産党)|山本正美]]が逮捕され、[[5月9日]]産業労働調査所が弾圧され事実上の閉鎖に追い込まれる。党中央委員長となり[[宮本顕治]]らと再建活動を活発化させる。また[[塩沢富美子]]と結婚︵時節柄、入籍はせず、事実婚︶。[[8月1日]]の国際反戦デーに、[[ストライキ]]及び[[デモ活動]]を呼びかけるも失敗。[[8月23日]]、産業労働調査所が閉鎖される。[[9月6日]]の[[国際デー|国際青年デー]]、[[9月18日]]満州掠奪戦争一周年記念日と反戦のための行動を矢継ぎ早に指示するもいずれも失敗。[[10月6日]]、[[赤色ギャング事件]]が起き共産党の立場はますます悪化する。[[11月28日]]、スパイの手引きで検挙され、[[1934年]]︵昭和9年︶[[2月19日]]に、[[品川警察署]]での[[拷問]]により病状が悪化し、[[北品川病院]]に移された後絶命した。墓所は[[平岸霊園]]。
また、塩沢はその後妊娠中逮捕され、釈放後に野呂の女児を出産するも、女児は夭逝した。
 
== 著書 ==
実妹・美喜は、[[日本社会党]][[衆議院議員]]だった[[横路節雄]]夫人。節雄は新人対決の[[1959年北海道知事選挙]]で社会党公認で出馬（共産党は不戦敗で実質的な[[社共共闘]]）、1952年衆院新人候補時代からのライバルで同時初当選の[[自由民主党 (日本)|自民党]]新人の元[[警視総監]][[町村金五]]に敗北（自身の故郷夕張含む選挙区選出の[[社会党右派]]の[[小平忠]]からも支援受けたが、小平は翌年[[民社党|民主社会党]]結成参加）節雄の息子である[[横路孝弘|孝弘]]（元[[北海道]]知事・衆議院議長）・[[横路民雄|民雄]]（[[弁護士]]）は甥にあたる。
=== 単著 ===
* {{Cite book |和書 |title=日本資本主義発達史 |edition=普及版 |date=1930-10 |publisher=[[鉄塔書院]] |id={{全国書誌番号|53014804}} |ncid=BN07994767}}
* {{Cite book |和書 |title=日本資本主義発達史 |date=1935-06 |publisher=[[岩波書店]] |id={{全国書誌番号|70011516}} |ncid=BN10391293}}
* {{Cite book |和書 |title=日本資本主義発達史 |date=1954-06 |publisher=岩波書店 |series=[[岩波文庫]] |id={{全国書誌番号|54006735}} |ncid=BN02002487}}
* {{Cite book |和書 |title=日本資本主義発達史 |volume=上 |date=1983-11 |publisher=岩波書店 |series=岩波文庫 |id={{全国書誌番号|84014766}} |ncid=BN00492738}}
* {{Cite book |和書 |title=日本資本主義発達史 |volume=下 |date=1983-12 |publisher=岩波書店 |series=岩波文庫 |id={{全国書誌番号|84018158}} |ncid=BN00492738}}
 
=== 作品集 ===
==== 全集（岩波書店、1947年） ====
* {{Cite book |和書 |title=野呂栄太郎全集 |volume=第1巻 |date=1947-04 |publisher=岩波書店 |id={{全国書誌番号|46008422}} |ncid=BN11856836}}
 
==== 著作集（三一書房、1949年） ====
* {{Cite book |和書 |title=野呂栄太郎著作 |volume=第1集 (日本資本主義発達史) |date=1949-03 |publisher=[[三一書房]] |id={{全国書誌番号|49004395}} |ncid=BN05382191}}
* {{Cite book |和書 |title=野呂栄太郎著作 |volume=第2集 (「プチ・帝国主義」論批判) |date=1949-02 |publisher=三一書房 |id={{全国書誌番号|49004396}} |ncid=BN0542982X}}
* {{Cite book |和書 |title=野呂栄太郎著作 |volume=第3集 (農業・戦略戦術問題) |date=1949-03 |publisher=三一書房 |id={{全国書誌番号|49004397}} |ncid=BN05511228}}
 
==== 全集（新日本出版社、1965-1967年） ====
* {{Cite book |和書 |title=野呂栄太郎全集 |volume=上 |date=1965-02 |publisher=[[新日本出版社]] |id={{全国書誌番号|49004896}} |ncid=BN04669883}}
* {{Cite book |和書 |title=野呂栄太郎全集 |volume=下 |date=1967-04 |publisher=新日本出版社 |id={{全国書誌番号|49004897}} |ncid=BN04669883}}
 
==== 全集（新日本出版社、1994年、新版） ====
* {{Cite book |和書 |title=野呂栄太郎全集 |volume=上 |date=1994-12 |publisher=新日本出版社 |id={{全国書誌番号|95026059}} |isbn=9784406023139 |ncid=BN11770967}}
* {{Cite book |和書 |title=野呂栄太郎全集 |volume=下 |date=1994-12 |publisher=新日本出版社 |id={{全国書誌番号|95026060}} |isbn=9784406023146 |ncid=BN11770967}}
 
== 親類 ==
実妹・美喜は、[[日本社会党]][[衆議院議員]]だった[[横路節雄]]夫人。節雄の息子である[[横路孝弘|孝弘]]（元[[北海道]]知事・衆議院議長）・[[横路民雄|民雄]]（[[弁護士]]）は甥にあたる。
 
[[文化人類学者]]の[[泉靖一]]は、野呂の母方の祖父の弟、[[泉麟太郎]]の孫である。ふたりはまたいとこの関係にある。
 
== 顕彰 ==
[[1970年代]]に[[日本共産党]]は、[[科学的社会主義]]の立場からの[[社会科学]]のすぐれた研究に与える賞として、[[野呂栄太郎賞]]を設置した。この賞は、[[2005年]]︵平成17年︶まで存続した。
 
== 野呂と小泉信三ギャラリー ==
<gallery>
[[1925年]]︵大正15年︶10月、野呂はマルクスの価値論を批判した[[小泉信三]]教授に授業中に反論し、論争を交わした。これによって小泉は野呂の才能を認め、研究の便宜を与えたというエピソードがある<ref>[[白井厚]]監修　慶應義塾大学経済学部白井ゼミナール著﹃共同研究 太平洋戦争と慶應義塾﹄ [[慶應義塾大学出版会]]、1999年10月30日、44頁、ISBN 4766407733</ref>。
File:Monument of Noro Eitarō at Naganuma Town Hall.jpg|野呂栄太郎学童の像。長沼町役場の敷地内に所在
File:Little Park for Monument of Noro Eitarō.jpg|野呂栄太郎 記念碑小公園。長沼町南町1丁目1
File:Monument of Noro Eitarō at Little Park.jpg|野呂栄太郎碑。小公園内に所在
</gallery>
 
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
<references />
 
== 参考文献 ==
* {{Cite Book|和書|title=野呂栄太郎全集|volume=下|editor=野呂栄太郎全集刊行編集委員会|publisher=新日本出版社|year=1967|id={{全国書誌番号|49004897}}|chapter=野呂栄太郎年譜|pages=365-396|ref=harv}}
 
== 関連項目 ==
* [[科学的社会主義]]
* [[野呂栄太郎賞]]▼
 
== 外部リンク ==
▲* [[{{Kotobank|野呂栄太郎賞]]}}
* {{Kotobank|野呂 栄太郎}}
* {{青空文庫著作者|287|野呂 栄太郎}}
* [https://ci.nii.ac.jp/naid/110004062082 経済学者 野呂栄太郎(北海学園の先人たち)] - [[CiNii|CiNii Articles]]
* [httphttps://www.jcp.or.jp/akahata/aik3/2004-02-11/0211faq.html 野呂栄太郎ってどんな人なの？] - [[日本共産党]]
 
{{戦前の日本共産党}}
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