「Wikipedia:投票は議論の代用とはならない」の版間の差分
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{{文書の要旨|ウィキペディアにおける一部の決定は、 {{Navibox 合意形成|WP:PNSD|WP:POLL|WP:VOTE}}
ウィキペディアは、[[Wikipedia:合意形成|合意の形成]]によって運用されています。対立が起これば、議論、討論、および協力によって解決します。禁じられない限り、投票は注意して扱われるべきです。投票が行われるとき、通常それは合意を決定する助けとなる手段と考えられるべきであり、唯一の決定要因にすることはできません。投票は全体的な手続きの一部であることがある([[Wikipedia:削除依頼]]のように)一方、投票は一般に記事の発展のために使われません。[[WP:NOTDEMOCRACY|ウィキペディアは多数決主義でない]]、を忘れないでださい。投票が「採決」と見える時さえ、ウィキペディアにおける大部分の決定は「'''合意'''」を基に成立するのであって、集計数つまり[[多数決]]原理によるものではありません。つまり、'''投票は議論の代用とはなりません'''。
<!--ナビが邪魔で変な所に行く [[File:Notavote.svg|right|200px]]-->▼
この慣行に対する明らかな例外には、ウィキペディア裁定委員会メンバーの選任があります(日本語版にはないシステム)。これは2009年に無記名投票方式となりました。参加者からの詳しい論拠も求められず完了します。加えて、「上位」機関(例えば[[Wikipedia:裁定委員会|裁定委員会]]、財団理事会、あるいは[[ジミー・ウェールズ]])は折に触れて合意に関係なく決定を下すことがあります。
== なぜ投票に注意を払うのでしょうか ==
投票に注意を払わなくてはならないいくつかの理由があります。
▲[[File:Notavote.svg|right|200px]]
#編集者達は最善の解決策(もしくは最善の妥協案)が選択肢のひとつとなっていないとそれを選ぶことができません。このことは、複雑、複数の問題が関与している場合には特に問題となります。合意の確立には、互いに好ましい解決策となるまで、個々の選択肢から選ぶよりは言葉によって意見を述べることが求められ、またその背景となる理由を展開し、他の人が挙げなかった点を取りあげます。述べられない異論や取り上げられていない観点に対処することは困難です。
#投票は対立や派閥を生むことがあります。最悪のケースでは、調査投票は単に立場を選択するのではなく、参加者が他の投票者と[[WP:CIVIL|礼儀正しく]]接しられない原因となるかもしれません。議論を二極化し激化させることで、礼儀正しさを破綻させる一因となり、論争的な問題の議論を非常にとげとげしいものにするかもしれません。このことは参加者が誠実な態度を取ることを難しくします。多くの場合、世論調査より単純な議論の方がそれぞれの立場の主張の熟慮、分析と最終的な統合を促すことに優れているかもしれません。 ウィキペディアにおいては、議論なしで投票により決定をするという方法は意思決定手段に含まれて''いません''。場合によっては、編集者は[[Wikipedia:投票の指針|調査投票]]を使います。そのような投票はたまに行われ、時に有用ではありますが、その使用については論争があります。使用する場合でも、記事についての調査投票は、対立意見に沈黙を強いる企てとしてではなく、むしろ真の合意へ達することを手助けする方法として発展していくべきです。▼ #調査投票は、編集者が多数派が議論に自動的に勝つ、もしくは結果は永久に拘束力がある<ref group="注" name="binding" />と信じるように誘導するかもしれません。これは[[Wikipedia:ウィキペディアは何ではないか#ウィキペディアは多数決主義ではありません|ウィキペディアは多数決主義ではありません]]及び[[Wikipedia:合意形成|合意形成]]というウィキペディアの方針と矛盾します。
#ウィキペディアが採決によって問題を解決するようであるなら、編集者は記事内容に関しても投票を使いたくなるでしょう。このことは、[[Wikipedia:検証可能性|検証可能性]]、[[Wikipedia:独立記事作成の目安|独立記事作成の目安]]及び[[Wikipedia:中立的な観点|中立的な観点]]に関するウィキペディアの方針の土台を崩すかもしれません。 == 記事を議論する際における調査投票の実施 ==
▲ウィキペディアにおいて (英語版では)かつて編集者の言動に対する対処を[[:en:Wikipedia:Quickpolls|Quickpolls]]というシステムを用いた投票によって行ったことがありますが、この方法は問題を悪化させるだけであまり役に立たないとして何年も前に廃止されています。記事の内容が投票の対象になることはほとんどありません。しかし、記事のノートページでの議論では、コミュニティの意見を測り、長期化あるいはまとまりにくい議論を特定の問いに焦点を当てるため、議論の当事者が投票を始めることがあります。投票が絶対に禁止されているわけではありません。投票は禁じられていると主張して、目についた投票をいきなり終了させたり削除したりすれば、しばしば反対に遭います。投票を実施すべき状況でないと思うなら、そのような方法ではなく、もっと議論が必要であることを指摘し話し合いを促すことによって、自由な形式の会話に引き戻したり、関連する議論を開始したりすることができます。
=== 調査投票のガイドライン ===
{{shortcut|[[WP:!VOTE]]}}▼
記事に関連して調査投票 (straw poll) を行うことを検討している編集者は、投票は注意して行うべきであることと、議論が不十分な段階で調査投票を提起すべきではないことを忘れてはいけません。調査投票については次のことに注意してください‥調査投票は議論や合意の代用とすることはできません<ref group="注" name="binding" />。調査投票はそれに同意しない編集者に対する拘束力はありません<ref group="注" name="binding">現在ウィキペディア日本語版では論争を仲裁する機関︵例‥[[Wikipedia:裁定委員会|裁定委員会]]︶がないため、﹁投票に拘束力はない﹂と定めると[[Wikipedia:論争の解決|論争の解決]]が困難となって妥当ではないのではないかとの異論があります。議論は[[Wikipedia‐ノート:論争の解決#投票節の除去の提案]]を参照してください。</ref>。投票は既存の論争を解決するというよりもむしろ事を荒立ててしまうかもしれません。 {{節スタブ|1=2017年時点の英語版は8項目に減っているので変更点などの調査、以下は10項目。|date=2017年10月}}
記事の内容に関する調査投票は、しばしば議論の決定打とはならず、時にひどく物議をかもすことになります。調査投票をより生産的に行うために
#記事におけるあらゆる議論の最終目標は合意です。そして調査投票は編集者が真の合意に達する手助けとする場合にのみ有用です。
#そういった理由から、記事における調査投票には拘束力は''まったく''ありません<ref group="注" name="binding" />。そして多数意見を拒否し続ける編集者は、単に少数意見であるというだけで議論から締め出されることはありません。同じく、多数意見の立場にある編集者は、議論を続けて真の合意を目指すようにする義務があります。 42 ⟶ 30行目:
#同じく、もし調査投票が決定打とならないか、またはもしその設問自体が公正かどうかについて同意が得られなければ、投票とその結果は単に無視されるだけとなりがちです。
#いったん調査投票が始まったとの感触があると、投票内容の字句をわずかに編集することでさえ、調査投票自体が公正かどうかについての激しい論争を引き起こすことになりがちです。これはつまり、投票を始める前に投票の設問を精密に決めて、その設問について合意を得ておくべきであることを意味します。 #ウィキペディアの基本方針、たとえば[[ #他の利用者に調査投票に参加してもらうよう依頼する際には、編集者は極端なまでに注意すべきです。詳しくは[[Wikipedia:カンバス|カンバス]]を参照してください。
#調査投票の目的は、議論や合意を促進することにあります。編集者は調査投票の参加者が提示した''説明''について評価すべきであり、その説明がその人自身の意見を展開するか妥協を提案するかの手助けになるかどうかについて見てみるべきです。この文脈においては、少数の十分に理性的な意見は、違った方向を目指している説明が不十分な複数の投票よりもよっほど議論に影響を与えられるかもしれません。 #記事においては、調査投票は、合意が存在するかどうかを評価したり、2, 3の独立した選択肢がある場合(例:記事名をふたつのうちのどちらかから選択する)に編集者の意見を試しに計ってみたりするにはもっとも有用です。
#調査投票は過度に使うべきではありません。もし近い時期に行った調査投票が問題を起こした場合には、ふつう次の投票を行う理由はありません。たとえあなたが合意が変更されたとか、最初の投票が不公正な方向に誘導されたと思ったとしてもです。もしあなたが多数意見に同意しないのなら、調査投票は拘束力をもたず、議論は続くということを思い出してください。 ==== Not-vote ====
▲<!--{{shortcut|[[WP:!VOTE]]}}-->
﹁投票﹂(vote) という単語はさまざまな意味に解釈されますが、一般には特に投票による決定︵=票決︶や多数決に関連付けられます。そのため、﹁投票﹂という単語を使用することは、ウィキペディアにおけるプロセスを説明するには最善の方法とはいえないかもしれません。専門的に見れば正しいかもしれませんが、そのような発言はウィキペディアが多数決方式を使っているとの誤解の一因となるかもしれません。違う用語︵例‥﹁調査投票﹂(polling)、﹁コメント投票﹂(commenting)︶を使うほうが望ましいかもしれません。 (英語版の)[[WP:PEDIANS|ウィキペディアン]]は、しばしば「!vote」と表記します(not-voteと読む)。この「!」は論理記号で否定を意味し、2006年の英語版ウィキペディアで導入されました。そのため、「!vote」や「!voting」とあるものは投票ではなく、個々の見解を述べているだけです。
この !vote は「投票ではない」ということの重要性を思い出させるものです。一方、私たちはしばしば「投票」しているように見えますが、単に票数を数えるだけで結論を導くことはされておらず、主張の力強さもまた重要なものです。合理的な論拠に基づいていないとみなされるような「投票」は、完全に無視されるか、ほとんど考慮されない可能性があり、また単に票数として扱われているならば注意喚起されるかもしれません。そのため、なぜ投票という方法なのかということを説明することも重要となります。
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<!--{{See also|Wikipedia:List of petitions}}
{{Shortcut|WP:PETITION}}-->
請願署名はさらに問題であり、有意義な談話や関与を避けることにつながり、初期の意見や選択にその範囲を縛り、競合あるいは対立する観点とで議論したり調整するような機会を損なわせます。通例、請願署名は避けるべきです。もし行われたなら妥当な期間が経過するか、当初の関心事が可決したら終了させ、{{tl|historical}}のタグをつけるべきです。 == 削除、移動、秀逸な記事 ==
記事の削除についての議論︵例‥[[Wikipedia:削除依頼]]︶、記事の移動の依頼︵[[Wikipedia:移動依頼]]︶、秀逸な記事の選考︵[[Wikipedia:秀逸な記事]]︶のような手続きでは、投票による調査を行っています。これは時に多数決方式を取っていると誤解されることがありますが、実際には投票の人数ではなく、議論において述べられた意見の強度に基づいて決定しています。 こういった手続きの主な目的は合意形成にあるので、参加者はたった一言だけ意見を述べてあとは放っておくというやり方よりも、自身の主張の理由を説明し、他の参加者の意見に耳を傾け、何とかして妥協するというやり方が望ましいです。そういった手続きで投票を停滞させる行為 ( == 方針とガイドライン ==
[[Wikipedia:方針とガイドライン|ウィキペディアの方針とガイドライン]]は、(1) コミュニティの[[Wikipedia:合意形成|合意形成]]を介して、あるいは、(2) ありうる例では{{仮リンク|Wikipedia:ジミー・ウェールズの役割|en|Wikipedia:Role of Jimmy Wales|label=ジミー・ウェールズ}}、[[m:Wikimedia_Foundation_Board_of_Trustees/ja|財団理事会]]、[[m:Developers|開発者]] {{en icon}} の宣言の結果、(3) 現存する実行方法を成文化することで生まれています。[[WP:NOTDEMOCRACY|ウィキペディアは多数決型民主主義ではありません]]。時に投票を呼び掛けることがありますが、そうではないのです。方針とガイドラインは投票だけで決定したものではありません。
投票が、方針とガイドラインの構築に役立つことは珍しく、逆効果ともなりえます。英語版では過去に、調査投票と投票はいくつかの方針にて用いられており、それは[[Wikipedia:スリー・リバート・ルール|スリー・リバート・ルール]]や古い[[Wikipedia:即時削除の方針|即時削除の基準]]の一部が該当します。このような少数の例では、1か月以上にわたり問題について議論した後、慎重に投票が行われています。 多くのガイドラインの主な目的は﹁現存する実行方法を文で表す﹂ということであり、ウィキペディアのやり方を編集者が理解することを助けます。言うなれば、方針やガイドラインを提案するのに投票や調査投票を呼びかけることは、多くの場合に軽率であり、不要だということです。提案が議論となっていないなら、頭数を数える必要はありません。もしくは、議論となっている場合にはまやかしの多数派を見つけるために頭数を数えても解決にはなりませんし、対立を生むことさえあります。投票自体への、またそのカラクリへの討論も起こりえます。軽率に投票を行おうと考えるならば、理由を説明し、投票自体を投票すべきです<ref group="注">改訳チェック願い。When editors consider a poll ill-advised, they should explain why and if appropriate should vote against the poll itself.</ref>。 == 標準仕様 ==
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== 人物の選任 ==
時にはウィキペディアにおいても、コミュニティによる投票が利用者に追加の権限を付与するかどうかを決めるために用いられます。特に[[WP:RFA|管理者の選任]]や[[Wikipedia:裁定委員会|裁定委員会]]の選挙がそうです。しかしどちらの場合も、投票結果は決定を下す人たち︵例‥ビューロクラット、ジ こうした手続きでは、続く意見なく﹁はい/いいえ﹂と単に述べるのではなくて、その論拠を説明し、候補者に質問し議論を交わすことが望ましいものです。その最終結論は、賛成・反対のはっきりとしたカウントにしばしば基づいていると同時に、このことは確かな論拠と論理を用いる人々の意見を傾かせる影響があることがあります。さらには、そうした構造化された議論と、多数決の手続きとがよく似ているために新規のウィキペディアンは混乱します。 ただし、現在の日本語版では管理者に立候補する場合は投票数が基準となります(例えば2023年6月現在、管理者に立候補した場合は10票以上かつ有効投票の内4分の3以上の賛成票を得た場合信任となります)。
== 機能追加の要望 ==
MediaWikiソフトウェアの変更は開発者が行っており、通常は Phabricator にて議論されています。一部の人たちは多くの人が機能を求めれば、開発者が実装してくれるのではと思い込んで投票を呼びかけます。しかし開発者は実現可能性やサーバーの負荷の問題を第一に考えているため、常にそうなるとは限りません。
また一方、英語版ウィキペディアの既存の機能の有効化また無効化のような設定変更の要求のためであれば、調査投票は、その合意を実行できる役割を持つ[[m:System_administrators/ja|システム管理者]]のために役立つかもしれません。機能の要求と同じく、最終的な決定権は、システム管理者や、突き詰めると[[最高技術責任者]]に委ねられています。 == 裁定 ==
裁定はコミュニティにおける手続きではありませんが、この文書に全ての例を挙げるために説明します。裁定委員会(日本語版にはない)は、原理、発見した事実、解決策を挙げていくという手順に沿っています。各々の裁定人はこれらの問題を議論し、声明と決議の賛否を投票 (vote) します。また各事例が終決されるまで投票は閉じられません。裁定人は、他の裁定人との議論によってその見解を変更することができます。一般に、招かれた対立する見解は、裁定人の間で総意に達する目的で、その対立への対処を言い換えたものです<ref group="注">改訳チェック願い。In general, findings which attract opposition are reworded to address that opposition, with the aim of reaching a consensus view among the arbitrators.</ref>。それにもかかわらず、裁定委員会の裁定は単に多数決次第となる。
== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
<references group="注" />
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{{DEFAULTSORT:とうひようはきろんのたいようとはならない}}
[[Category:ウィキペディアでの合意形成]]
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