Wikipedia:投票は議論の代用とはならない
![]() | この文書はウィキペディア日本語版の方針やガイドラインとして提案中です。内容に関してノートページで議論を行っています。 |
![]() | この文書の要旨: ウィキペディアにおける決定は、多数決原理によってではなく、合意を目指して行動している理性的な人々による議論を通じて行います。投票は議論の助けとすることだけを予定しており、注意して使用するべきです。 |
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「 | 投票は怒りを生み、怒りは憎しみを生み、そして憎しみは苦しみを生む。 | 」 |
︵訳注‥en:Wikipedia:Polling is not a substitute for discussionを部分的に翻訳したものであり、日本語版の現状に必ずしもあったものとは限りません。詳細は該当文書を参照してください。︶
ウィキペディアは、ノートページやその他の会議ページによって行われた議論によって形成された合意に基づいて運用されています。
投票はウィキペディアにおけるいくつかの手続き︵例‥削除依頼︶において欠くことのできない要素となっているものの、それ以外の手続き、たとえば記事の編集においてはふつう使われません。どちらの場合でも、合意形成はウィキプロセスにおいて欠かせないものです。意見対立が起きた場合には議論や協力を通じて解決します。投票は禁止こそされていないものの注意して使うべきであり、そもそも別の方法を検討すべきです。さらに、一見﹁投票﹂のように見える方法であっても、多数決原理によって決定することはほとんどありません。なぜならウィキペディアは多数決型民主主義ではないからです。それとは別に、ときに﹁高次の﹂組織︵例‥調停委員会、ジミー・ウェールズ︶が合意にかかわりなく決定を下すこともあります。
投票の潜在的な問題点としては次のようなものがあります。
(一)最も良い解決方法︵または最も良い妥協方法︶を、投票の選択肢の中になかったという理由から見逃してしまうかもしれません。
(二)議論を二極化させることにより、参加者から礼儀正しさを失わせ、相手の振る舞いを善意にとるのが難しくなるかもしれません。論争のある話題についての投票は恐ろしくとげとげしいものになることもしばしばです。
(三)投票をする人たちはよく多数決により自動的に議論に勝つだとか、投票結果は拘束力を持つ[注1]とか考えがちですが、実際にはそうではありません。
(四)調査投票には拘束力はないと明言されている[注1]のですが、それにもかかわらず時に参加者は後になって多数意見のとおりにすべきであると決定し、結果として調査投票が拘束力を持つかのように遡及的に扱われることがあります[注1]。議論の中で他の編集者に多数意見を検討するよう求めるのは合理的ですが、調査投票は少数意見を持つ編集者に多数意見を受け入れるよう強制するために使うものではありません。
(五)仮にウィキペディアが問題を投票による決定によって解決するのなら、人々は記事に関しても投票による決定を行うようになるでしょう。人々はある事実が真実かどうかということについて投票をするものと理解するようになるでしょう。我々は記事において、ある内容が投票参加者の間で人気があるかどうかということに基づいてではなく、Wikipedia:検証可能性や百科事典にふさわしいかといった方針に基づいて執筆しています。
記事についての投票
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ウィキペディアにおいては、議論なしで投票により決定をするという方法は意思決定手段に含まれていません。場合によっては、編集者は調査投票を使います。そのような投票はたまに行われ、時に有用ではありますが、その使用については論争があります。使用する場合でも、記事についての調査投票は、対立意見に沈黙を強いる企てとしてではなく、むしろ真の合意へ達することを手助けする方法として発展していくべきです。
記事の内容に関する問題では、調査投票はほぼ行われていません。英語版においては、300万以上の項目のうち、投票を使ったことがある項目は0.1%以下にすぎません[要出典]。
投票は合意を妨げる
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調査投票のガイドライン
記事に関連して調査投票 (straw poll) を行うことを検討している編集者は、投票は注意して行うべきであることと、議論が不十分な段階で調査投票を提起すべきではないことを忘れてはいけません。調査投票については次のことに注意してください‥調査投票は議論や合意の代用とすることはできません[注1]。調査投票はそれに同意しない編集者に対する拘束力はありません[注1]。投票は既存の論争を解決するというよりもむしろ事を荒立ててしまうかもしれません。
記事の内容に関する調査投票は、しばしば議論の決定打とはならず、時にひどく物議をかもすことになります。より生産的に行うには、編集者は以下のことを認識しなくてはなりません‥
(一)記事におけるあらゆる議論の最終目標は合意です。そして調査投票は編集者が真の合意に達する手助けとする場合にのみ有用です。
(二)そういった理由から、記事における調査投票には拘束力はまったくありません[注1]。そして多数意見を拒否し続ける編集者は、単に少数意見であるというだけで議論から締め出されることはありません。同じく、多数意見の立場にある編集者は、議論を続けて真の合意を目指すようにする義務があります。
(三)同じ理由から、記事における調査投票は議論が不十分な段階で行うべきではありません。もし進行中の議論において合意に至らないことが明らかなら、調査投票は合意形成を手助けする見込みがありませんし、意見の合意形成を遅延または妨げるように方向づけてしまうかもしれません。
(四)同じく、もし調査投票が決定打とならないか、またはもしその設問自体が公正かどうかについて同意が得られなければ、投票とその結果は単に無視されるだけとなりがちです。
(五)いったん調査投票が始まったとの感触があると、投票内容の字句をわずかに編集することでさえ、調査投票自体が公正かどうかについての激しい論争を引き起こすことになりがちです。これはつまり、投票を始める前に投票の設問を精密に決めて、その設問について合意を得ておくべきであることを意味します。
(六)ウィキペディアの基本方針、たとえばWP:NPOVやWP:Vなどは、調査投票の結果によって上書きすることは当然できません。事実について投票で決めることはまったく無駄骨であることは、誰しも心得ています。
(七)他の利用者に調査投票に参加してもらうよう依頼する際には、編集者は極端なまでに注意すべきです。詳しくはカンバスを参照してください。
(八)調査投票の目的は、議論や合意を促進することにあります。編集者は調査投票の参加者が提示した説明について評価すべきであり、その説明がその人自身の意見を展開するか妥協を提案するかの手助けになるかどうかについて見てみるべきです。この文脈においては、少数の十分に理性的な意見は、違った方向を目指している説明が不十分な複数の投票よりもよっほど議論に影響を与えられるかもしれません。
(九)記事においては、調査投票は、合意が存在するかどうかを評価したり、2,3の独立した選択肢がある場合︵例‥記事名をふたつのうちのどちらかから選択する︶に編集者の意見を試しに計ってみたりするにはもっとも有用です。
(十)調査投票は過度に使うべきではありません。もし近い時期に行った調査投票が問題を起こした場合には、ふつう次の投票を行う理由はありません。たとえあなたが合意が変更されたとか、最初の投票が不公正な方向に誘導されたと思ったとしてもです。もしあなたが多数意見に同意しないのなら、調査投票は拘束力をもたず、議論は続くということを思い出してください。
﹁投票﹂(vote) という単語はさまざまな意味に解釈されますが、一般には特に投票による決定や多数決に関連付けられます。そのため、﹁投票﹂という単語を使用することは、ウィキペディアにおけるプロセスを説明するには最善の方法とはいえないかもしれません。専門的に見れば正しいかもしれませんが、そのような発言はウィキペディアが多数決方式を使っているとの誤解の一因となるかもしれません。違う用語︵例‥﹁投票調査﹂(polling)、﹁コメント投票﹂(commenting)︶を使うほうが望ましいかもしれません。
削除、移動、秀逸な記事
記事の削除についての議論(例:Wikipedia:削除依頼)、記事の移動の依頼(Wikipedia:移動依頼)、秀逸な記事の選考(Wikipedia:秀逸な記事)のような手続きでは、投票による調査を行っています。これは時に多数決方式を取っていると誤解されることがありますが、実際には投票の数ではなく、議論において述べられた意見の強度に基づいて決定しています。
こういった手続きの主な目的は合意形成にあるので、参加者はたった一言だけ意見を述べてあとは放っておくというやり方よりも、自身の主張の理由を説明し、他の参加者の意見に耳を傾け、何とかして妥協するというやり方が望ましいです。そういった手続きで投票を停滞させる行為 ("vote stack") を試みることは非効率的かつ妨害的であって、理由を付記することのない票は最終的な判断にあたって重きを置かれることはまったくないでしょう。必要に応じて{{Not a ballot}}(en) テンプレートを使うことで、このことを参加者に思い出させることができます。
基本方針とガイドライン
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ウィキペディアは多数決型民主主義ではありません:基本方針とガイドラインは投票によって決定したものではありません。
標準仕様
(たとえばWikipedia:レイアウトの指針のような)ある問題について標準仕様を定めるという合意がなされれば、その仕様についてはおそらく複数の提案が出されるでしょう。そのうちのいずれかが明らかに望ましいというわけでもなければ、最も好まれる仕様を選ぶのには投票が推奨されます。これは、最終的な標準仕様が合意を反映しているようにするために、複数の(しばしば似通った)仕様のうちどれが最も広範な支持を得ているかを計る手助けとなります。
脚注
- ^ a b c d e f 現在ウィキペディア日本語版では論争を仲裁する機関(例:Wikipedia:裁定委員会)がないため、「投票に拘束力はない」と定めると論争の解決が困難となって妥当ではないのではないかとの異論があります。議論はWikipedia‐ノート:論争の解決#投票節の除去の提案を参照してください。