Þ
Þþᚦ
Þ, þ (ソーン, thorn, þorn)は、ルーン文字の第3字母 ᚦ (スリサズ, thurisaz, þurisaz)に由来するラテン文字である。アイスランド語や古英語で用いられる。音価は無声歯摩擦音[θ]・有声歯摩擦音[ð]を表す。
初期近代英語で書かれたウィリアム・シェイクスピアの墓
Thorn with stroke(、現在のThat)が変形してYの上にTが付いている。
"thorn"という名前は﹁植物の棘﹂を意味する名詞に由来する。古くは"thurs"と呼ばれたが、これは﹁巨人﹂を意味する名詞に由来する。
アイスランド語では現代の正書法でも用いられている。古英語にも存在したが、のちに yと混同され、たとえば定冠詞 þe をyeと書いたり、本来の þ をy[j] のように発音することも行われた。なお正式に表記できない環境では、一般に“th” で代用される。
ゴート語のラテン文字への翻字では、ゴート文字の𐌸に対応して用いられる。
ソーンはルーン文字からラテン文字へ借用された二つの文字のうちの一つ(もう一つはǷ)である。
文字コード
編集大文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 小文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
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Þ | U+00DE
|
1-9-52
|
Þ Þ Þ
|
þ | U+00FE
|
1-9-83
|
þ þ þ
|
ソーン |
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
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ᚦ | U+16A6 |
- |
ᚦ ᚦ |
スリサズ |
略語
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● – (þe) 中英語の略語で、現在のthe
● – (þt) 中英語の略語で、現在の that
● – (þu) レアな中英語の略語で、現在の thou (初期の頃には þu もしくは þou と書かれた。)
●(ys) 初期近代英語の略語で、現在のthis
● – (ye) 初期近代英語の略語で、現在の the
● – (yt) 初期近代英語の略語で、現在の that
出典
編集関連項目
編集- Ϸ(ショー)- ギリシア文字。形状が似ているが歴史的には全くの無関係。