栄螺鬼
日本の妖怪
(さざえ鬼から転送)
栄螺鬼(さざえおに)は、鳥山石燕による妖怪画集『百器徒然袋』にある日本の妖怪の一つで、サザエの妖怪[1]。
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/1/1d/SekienSazae-oni.jpg/200px-SekienSazae-oni.jpg)
![](http://upload.wikimedia.org/wikipedia/ja/thumb/b/b4/Sakaiminato_Mizuki_Shigeru_Road_Sazaeoni_Statue_1.jpg/180px-Sakaiminato_Mizuki_Shigeru_Road_Sazaeoni_Statue_1.jpg)
概要
編集昭和・平成以降
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鳥山石燕の描いた栄螺鬼との関連は無いと見られているが、以下のような伝承が昭和以後の書籍には見られる︵出典である﹃妖怪魔神精霊の世界﹄は共著者に山田野理夫が名を連ねており、山田は本来伝承が存在しない石燕の妖怪の伝承を多数創作したことで有名である[2]︶。
房総半島の伝承では、一人旅の女性が宿を借りに来るのは栄螺鬼が化けたものとされ、泊めた家は亭主を取られる[3]、もしくは亭主を殺されるといって恐れられたという[4]。また紀伊国︵和歌山県︶の波切の伝承では、かつて海で溺れていた美女を海賊が見つけ、下心をもって助け上げ、海賊たち皆で女を犯したが、実は女は栄螺鬼が化けたものであり、海賊たちの睾丸をすべて食いちぎってしまった。海賊は睾丸を取り戻すため、栄螺鬼に莫大な黄金を支払ったという[3]。
栄螺鬼は30年生きたサザエが化けたもの、もしくは好色な女が海に投げ込まれてサザエと化し、さらに歳月を経て化けたもので、月夜には海中から海上に姿を現し、うかれたように踊り出し、その姿は龍のように見えるという説もある[5]。
類例
編集脚注
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(一)^ ab稲田篤信、田中直日 編﹃鳥山石燕 画図百鬼夜行﹄高田衛監修、国書刊行会、1992年、278頁。ISBN 978-4-336-03386-4。
(二)^ 京極夏彦・多田克己・村上健司﹃妖怪馬鹿﹄新潮社︿新潮OH!文庫﹀、2001年、315-316頁。ISBN 978-4-10-290073-4。
(三)^ ab山室静執筆代表﹃妖怪魔神精霊の世界﹄自由国民社、1977年、50頁。 NCID BN07011168。
(四)^ 草野巧﹃幻想動物事典﹄新紀元社、1997年、149頁。ISBN 978-4-88317-283-2。
(五)^ 多田克己﹃幻想世界の住人たち﹄IV、新紀元社︿Truth in Fantasy﹀、1990年、155頁。ISBN 978-4-915146-44-2。
(六)^ 藤沢衛彦﹃日本伝説叢書﹄ 上総の巻、日本伝説叢書刊行会、1917年、91-96頁。 NCID BN08761196。