アプリオリ

ラテン語から採られた学術用語

アプリオリ: a priori)とは、「より先のものから」を意味するラテン語表現。中世スコラ学においては「原因・原理から始める演繹的な(推論・議論・認識方法)」という意味で用いられていたが、カント以降は「経験に先立つ先天的・生得的・先験的な(人間の認識条件・認識構造)」という意味で用いられるようになった[1]

概要

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カントにおける「アプリオリ」の概念

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18[2]

2[1]

2[2]

諸哲学における用法

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使

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prior

法学におけるアプリオリ

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法学上の文脈で用いる場合には、いわゆる「自明」ないしは「所与のもの」などの語義と同視して用いられることがあり、特に論証立証なくして明らかな事項(明らかであるとして扱ってよい事項)、などの意として使われる。

確率におけるアプリオリ

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事象が現れる前の確率をアプリオリ確率という。事象が現れた後の条件付き確率をアポステリオリ確率という[4]

脚注

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注釈

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  1. ^ この2つが先立っていることが絶対的に自明なのではなく、カントが強調しているのは、この2つが与えられなければ、「物自体」が認識できない以上、純粋直観としては何も認識できないということである。
  2. ^ この場合、経験・感覚等を捨象することにより、地球が太陽を周回しているという総合的判断が得られる。
  3. ^ 本質直観は「イデー化(理念化)」とも呼ばれており、フッサール自身、様々な角度から説明を試みている。『デカルト的省察』・『論理学研究』など

出典

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  1. ^ アプリオリとは - コトバンク
  2. ^ 山崎編『カント』(1977)p.68
  3. ^ 野本『フレーゲ哲学の全貌』(2012)p.155
  4. ^ 伏見康治確率論及統計論」第2章 数学的補助手段 9節 公理系 p.64 ISBN 9784874720127 http://ebsa.ism.ac.jp/ebooks/ebook/204

参考文献

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関連項目

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