Jesu, der du meine SeeleBWV781724910147調

概要

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78141711-19783782517



第1曲 コラール合唱『イエスよ、汝わが魂を』(Jesu, der du meine Seele)

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合唱・フルートオーボエ2・弦楽器通奏低音、ト短調、3/4拍子

フルートに補強されたソプラノを定旋律とし、半節ごとにアレンジを変えてゆく大コラール編曲。付点リズムと半音下降を組み合わせた前奏に続き、1・2節前半は下三声の合唱フーガも半音下降をなぞるが、一方で伴奏の通奏低音は躍動するリズムを刻んでいる。1・2節後半は逆に半音上昇のフーガと伴奏の柔らかな波動が救済を暗示する。第3節前半でイエスの力を提示すると、合唱は躍動に転じる。後半には「喜びのモティーフ」と呼ばれる2:1:1の躍動リズムに支配され、フルートは定旋律から離れてオブリガートに移る。いったん前奏を模倣した間奏を経て終結の第4節。癒しの福音を人々に給う前半の歌詞で半音下降のモティーフに戻るが、福音の力に望みを託す祈りの声を反映した後半部には、トリルをともなう躍動した旋律で信頼を明示する。

第2曲 二重唱『われは急ぐ』(Wir eilen mit schwachen)

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ソプラノアルト・ヴィオローネ・通奏低音、変ロ長調、4/4拍子

ヴィオローネのピツィカートと通奏低音のオスティナートに乗せて、ソプラノとアルトが弾むリズムでイエスを求めて歩き続ける。二声の掛け合いや同時進行のメリスマなど技巧的な一方で、親しみやすいメロディラインと演奏者の個性が反映されたリアライゼーションの違いが人気の一因である。祈る場面では曲調が翳るが、喜びのときを期待して再び晴れやかな曲調に回帰する。

第3曲 レチタティーヴォ『ああ、われ罪の子』(Ach! ich bin ein Kind der Sünden)

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調5

第4曲 アリア『わが咎を消し去る御血潮』(Dein Blut, so meine Schuld durchstreicht)

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テノール・フルート・通奏低音、ト短調、6/8拍子

フルートが跳躍を含んだ沸き立つ伴奏を始める。人の罪を洗い流す救い主の血潮を知り、テノールが伴奏の旋律をトレースする。罪を贖う血の洗礼を受けて癒される前半部では、テノールの歌も穏やかに進行し、長調に転ずる場面も見られる。それを受けて間奏を過ぎると、信仰を貫く決意に満たされる。反復される(zum Streit)、3小節半に及ぶ(stehet)の同音保持、鋭く突き上げる(beherzt)などの歌詞と音モティーフの連動が、雄々しく死と戦う立つ決意を象徴する。

第5曲 レチタティーヴォ『傷、釘、荊、墓』(Die Wunden, Nägel, Kron und Grab)

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バス・オーボエ・弦楽器・通奏低音

全楽器が参加するアコンパニヤートの語り。イエスに与えられた受難を挙げ、それを勝利の象徴と見なす前半部は、伴奏は穏やかに流れていく。だが、試練が自分自身に降りかかるとき、伴奏は激しく十六分音符で威嚇する。しかし試練に動じない魂の前に再び平穏に戻る。後半部はコラール第10節の引用。十字架に救われた心をイエスに捧げる信仰宣言を、伸びやかな伴奏に乗せたアリオーソで朗誦する。

第6曲 アリア『今や汝わが良心を鎮むべし』(Nun du wirst mein Gewissen stillen)

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バス・オーボエ・弦楽器・通奏低音 ハ短調、4/4拍子

厳格な弦楽器の伴奏をリトルネロとしたオーボエ協奏曲にアリアをはめ込んだもの。止まることなく躍動するオーボエに拮抗するように、バスの旋律も華やかなメリスマをまとっている。特に「希望」(Hoffnung)と「簒奪」(rauben)に当てられたメリスマは十六分音符で2小節にも達する。全体的に躍動的なメロディの中で、永遠の信頼を告白する(Ewigkeit)に当てた2小節の同音保持は例外的なモティーフである。

第7曲 コラール『主はわが弱きを助くと信じたり』(Herr, ich glaube, hilf mir Schwachen)

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合唱・フルート・オーボエ2・弦楽器・通奏低音、ト短調、4/4拍子

楽器に補強された簡潔な四声コラール。フルートはオブリガートにならず1オクターブ上でソプラノに重なる。死後の再会を希求し、その日までイエスを信頼しつつ現世の試練を越えていく決意を表明した12節で、全7曲の旅路を総括する。

外部リンク

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